「つなぎ融資」という言葉は事業資金でも住宅ローンでもよく使われていますが、普通の融資とはどう違うのでしょうか?

つなぎ融資を理解しておくと、銀行融資などの外部からの借入をより低コストで利用することができるようになりますし、借入審査に通過しやすくなる可能性もあります。

この記事ではつなぎ融資の特徴と、つなぎ融資と一般の融資の違いや活用場面について解説していきます。

つなぎ融資について理解を深め、適切に資金調達ができるようになりましょう。

つなぎ融資とは?

つなぎ融資とは一定の期間をつなぐための資金です。

例えば「あと1週間先に取引先から入金があるが、それまでの運転資金がない」という場合に、その1週間分だけの運転資金の借入を行うのがつなぎ融資です。

特定の期間を「つなぐ」ための期間限定の資金がつなぎ資金です。

特定の期間と期間をつなぐために必要な資金を融資することで、特定の期間とは具体的に以下の3つの状況が考えられます。

  • 取引先から入金になるまでのつなぎ
  • 銀行融資が入金になるまでのつなぎ
  • 証書貸付で借りるまでのつなぎ

まずはつなぎ融資が必要になる3つの場面について詳しく解説していきます。

取引先から入金になるまでのつなぎ

つなぎ資金が利用されるケースとしてよくあるのが、取引先からの入金を待っている間です。

例えば、取引先から月末の入金が予定されていたものの、取引先から連絡があり「あと1週間待ってほしい」と言われた場合につなぎ資金は利用されます。

取引先からの入金があるまで、手元にお金がなければ会社を運転していくことができません。

このような場面で、短期間だけつなぎ融資で借入をするケースは多々あります。

銀行融資が入金になるまでのつなぎ

銀行融資が入金になるまでの間、会社の運転に必要な資金を借りる方法としてつなぎ融資が利用されることもあります。

銀行融資は、申し込みから入金まで2週間程度の時間がかかってしまいます。

その間、手元に資金がなければ会社を運転していくことができないので、つなぎ融資を利用して会社を運転資金を確保します。

銀行融資を借りることができた段階で、つなぎ融資を返済することで、申し込みから入金になるまでの時間を埋めることが可能です。

証書貸付で借り換えるまでのつなぎ

つなぎ融資が最も利用されるケースが、複数のつなぎ資金をまとめて証書貸付で借り換えるケースです。

例えば、住宅ローンでは、土地購入資金、建物の手付金などを支払う時には手形貸付によってつなぎ資金を融資し、建物完成後に長期間で返済できる証書貸付で借り換えるという方法で融資されるケースが非常に多くなっています。

支払いのタイミングごとにその都度必要資金をつなぎ融資で融資→返済開始のタイミングで証書貸付で借り換え

というように、証書貸付で借り換えるまでのつなぎで利用されることが多々あります。

つなぎ融資と一般の融資の違い

つなぎ融資とは一定期間を資金の穴を埋めるための資金ですが、一般の融資とは以下の4点で異なります。

  • つなぎ融資は短期資金で融資される
  • つなぎ融資の金利は比較的高い
  • つなぎ融資を利用すれば余計な金利を払う必要がない
  • 長期資金の審査に通らない人もつなぎ融資の審査は通ることも

一般の融資との違いを理解しておくことでつなぎ融資の審査に通過しやすくなることもあります。

つなぎ融資と一般融資の違いをしっかりと理解しておきましょう。

つなぎ融資は短期資金で融資される

一般的につなぎ融資は1年以内の短期資金で融資されます。

例えば住宅ローンのつなぎ融資は手形貸付で融資され、建物引き渡しのタイミングで証書貸付へ借り換えるまでが借入期日となっています。

長期間借りるものではなく短期間限定の融資ですので、一定期間経過後に入金の可能性が非常に高いのであれば、審査に通過する可能性は非常に高いでしょう。

例えば、住宅ローンのつなぎ融資では、証書貸付である住宅ローンの審査に通過した後につなぎ融資の審査を行います。

住宅ローン審査に通過しているため、期日に入金になることは決定しています。

そのため、つなぎ融資の審査に通過できる可能性は非常に高く、確定している入金があるまでの短期間限定の融資ですので、審査に通過しやすい借入だと言えるでしょう。

つなぎ融資の金利は比較的高い

つなぎ融資の金利は長期資金よりは高めに設定されています。

カードローンをつなぎ融資として利用する場合には15%〜18%程度の高金利が適用されますし、住宅ローンのつなぎ融資でも5%程度の金利が適用されるのが一般的です。

短期間だけの借入ですので、支払う利息はそれほど多くなりませんが、長期資金よりは高めの金利が設定されることが一般的で、その分審査に通過しやすくなっています。

つなぎ融資を利用すれば余計な金利を払う必要がない

つなぎ融資を利用することで余計な金利を払う必要がなくなります。

つなぎ融資は特定の期間限定の融資ですので、借入の必要もない期間お金を借りることがないためです。

本当にお金が必要な期間だけしか借入を行わないので、多少金利は高くなっても支払利息が多くなることはありません

例えば、金利10%で100万円を1週間借りた場合の支払利息は1,918円だけです。

金利1%で100万円を1年間借りた場合の利息が1万円であることと比較すれば、つなぎ融資は金利が低くても利息の支払いを抑えれらることがよく分かります。

必要最低限の期間しか借入をしないつなぎ融資は利息の支払いも最小限です。

長期資金の審査に通らない人もつなぎ融資の審査は通ることも

つなぎ資金とは、確定している入金があるまでの短期間だけ借入をするものです。

入金が確定しているのであれば、銀行とすれば回収の可能性が高い融資だといえます。

そのため、長期資金の借入が難しくても、つなぎ資金融資であれば審査に通過できる場合があります。

闇雲に銀行に対して「お金を貸してほしい」と伝えても決算書の内容が悪ければ審査に通過することはできません。

しかし、「入金が確定しているので、入金日までのつなぎ資金を融資してほしい」と伝えれば審査に通過することができる可能性があります。

つなぎ資金は、長期資金よりも審査に通過しやすいというのが大きな特徴だと言えるでしょう。

つなぎ融資の事例と利点

つなぎ融資が利用される場面としては主に以下の3つの場面があります。

  • 住宅ローン
  • 工場などの商業用不動産購入時
  • 短期の運転資金

それぞれの場面でつなぎ融資が「なぜ」「どのように」利用されるのか詳しく見ていきましょう。

住宅ローンのつなぎ融資

住宅ローンではつなぎ融資が頻繁に利用されます。

特に新築住宅を建築する場合には、実際に新築住宅に居住することができるようになるまでに何回か支払いが必要になります。

居住できるようになる前から返済が始まってしまったら、生活が成り立たなくなってしまいます。

また、一括で融資してしまったら、利息の支払いが多くなってしまうので、支払いのタイミングの都度つなぎ融資を実行するのが一般的です。

例えば以下のような支払いスケジュールで住宅を新築する場合を考えてみましょう。

  1. 土地購入:1,000万円
  2. ハウスメーカーへ手付金:500万円
  3. 基礎工事完了:1,000万円
  4. 建物引渡し:1,000万円

一括融資よりも利息負担が軽くなる

例のように合計で3,500万円の住宅を購入する場合、この3,500万円を①のタイミングで一括で借り入れ、支払いを①〜④のタイミングでそれぞれ分けて行うことは可能です。

しかし、その場合、①のタイミングでは必要ない金額まで借りてしまっているので、利息の支払いが多くなってしまいます。

①〜④それぞれのタイミングで必要なだけの金額をつなぎ融資で借りれば、必要ない金額まで借りることはないので、利息の支払いを最小限に抑えることが可能です。

住宅ローンのつなぎ融資は利息の支払いを抑える効果があります

住宅建築の進捗に応じてつなぎ融資を実行する

住宅建築では、建築途中でハウスメーカーや建設会社が倒産しても大きな損失にならないように、建築の進捗に応じて少しずつ代金を支払っていくのが普通です。

例えば、上記の事例で、②のタイミングで2,500万円全てを支払ってしまった後すぐに倒産してしまったら借主は建物がほとんど完成していないのにも関わらず2,500万円の借金だけを背負ってしまうことになります。

このように、新築時は工事の進捗に応じて分割でハウスメーカーや建設会社へ支払うのが一般的ですが、つなぎ融資では支払いのタイミングの都度融資を実行します。

①のタイミングで手形貸付1,000万円、②のタイミングで手形貸付500万円、③のタイミングで手形貸付1,000万円というように融資を行い、それぞれのつなぎ融資の返済期日は④の建物引渡し日になっているため、建物引き渡しまで返済は発生しない仕組みになっています。

建物引き渡し時に証書貸付に借り換える

最後に建物が完成した時に、3,500万円の証書貸付を実行し、①〜③のつなぎ融資の合計2,500万円を返済し、④の1,000万円の支払いをハウスメーカーに対して行います。

このようにして、複数のつなぎ資金を最終的に証書貸付に借り換え、そこから毎月の返済のスタートです。

つなぎ資金を活用することによって、不動産屋やハウスメーカーへ分割で支払いながら、借主の返済が建物引き渡しまで発生しない融資を実現することができるようになっています。

工場などの商業用不動産購入時

同じように企業が工場などの不動産を購入する場合にもつなぎ融資が利用されることがあります。

新築の場合には、住宅ローンと同じように進捗に応じて支払いのタイミングでつなぎ融資が実行されますし、①建物購入→②機械設備導入→③工場稼働という流れで設備投資する際にも①と②でつなぎ融資を利用し、③のタイミングで証書貸付に借り換えることがあります。

つなぎ融資は事業資金でも頻繁に利用されます。

短期の運転資金

「予定されていた入金が遅れる」「銀行融資が遅れることになった」などの場合、数日から1週間程度の運転資金が必要になります。

このような場合は、すぐに借入ができる以下のような方法で取引先からの入金などがあるまでつなぎ資金の借入を行います。

  • 代表者や役員などの個人から借入
  • ビジネスローン
  • ファクタリング

いずれの方法も希望することですぐに借入できる方法です。

運転資金のつなぎ融資は「必要なタイミングで資金が間に合うかどうか」という点が最も重要になるので、より確実に必要なタイミングで資金調達できる方法を選択しましょう。

運転資金のつなぎ融資はビジネスローンが活用できる

「取引先の入金が1週間遅れることになった」というような場面の運転資金のつなぎ融資はノンバンクが展開しているビジネスローンを大いに活用することができます。

その理由としてビジネスローンには以下の3つの特徴があるためです。

  • 最短即日融資
  • ビジネスローンは金利が高いので長期借入に不向き
  • 無利息期間があることも

ビジネスローンがつなぎ融資に向いている理由について詳しく解説していきます。

最短即日融資

ノンバンクのビジネスローンは最短即日で融資を受けることができます。

例えば月末に突然取引先から「申し訳ないが1週間入金を待ってほしい」と言われた場合、自社も予定していた入金がなければ支払が不可能になってしまうかもしれません。

このような時でもノンバンクのビジネスローンであれば、申込日当日に融資を受けることができる可能性が高いので、突然の資金繰りに最適です。

ビジネスローンは金利が高いので長期借入に不向き

ビジネスローンの金利は15%〜18%程度の高金利です。

そのため、長期間利用することは非常に不向きで、例えば100万円を1年借りただけでも金利15%で15万円もの利息負担になってしまいます。

しかし、つなぎ資金であれば短期間だけの利用ですので、例えば1週間の借入だけであれば100万円を金利15%で借りたとしても利息負担は2,877円だけです。

ビジネスローンは金利が高いので長期の借入には不向きですが、その分つなぎ融資のような短期の借入に向いていると言えるでしょう。

無利息期間があることも

ビジネスローンの中には無利息期間があるものもあります。

このような商品を利用すれば、1週間程度のつなぎ融資としての利用であれば利息負担ゼロで借りることが可能です。

つなぎ資金確保のためにファクタリングの活用も

つなぎ資金を確保するためにファクタリングも活用することができます。

ファクタリングとは

ファクタリングとは売掛金などの売掛債権の売却です。

期日になるまで現金化しない売掛債権をファクタリング会社へ売却することによって、早期に資金化することができます。

ファクタリングがつなぎ融資に向いている3つの理由

ファクタリングには以下の特徴があるため、つなぎ資金確保には大いに活用可能です。

  • 最短即日資金化
  • 売掛先に秘密にできる
  • 売掛先の与信で審査を受けられる

ファクタリングがつなぎ融資に向いている3つの理由を詳しく解説します。

最短即日資金化

2社間ファクタリングであれば即日資金化することができます。

2者間ファクタリングとは、自社とファクタリング会社の2社だけで行う契約で、売掛先は契約に関与することがない契約です。

「急いでつなぎ融資が必要」という場合には、2社間ファクタリングであれば申込日当日に資金調達することもできます。

売掛先に秘密にできる

2社間ファクタリングは、売掛先につなぎ資金を調達したことを秘密にすることができます。

売掛債権期日になると、売掛先は自社の口座へ代金を入金し、自社がファクタリング会社へ送金するので、自社が外部から資金調達したことを売掛先企業に知られることはありません。

外部から資金調達したことを取引先が知ってしまうと「お金に困っているから今後の取引は控えた方がよいかもしれない」とマイナスイメージで判断されてしまうことも多いですが、2社間ファクタリングであればそのような心配は無用です。

外部の企業につなぎ資金を調達したことを知られる心配がないのも、2社間ファクタリングがつなぎ資金に調達に向いている理由です。

売掛先企業の信用で資金調達できる

さらに、ファクタリングの主な審査対象となるのは自社ではなく売掛先企業です。

自社の資金繰りが大変なタイミングというのは審査で不利になるタイミングですが、ファクタリングであれば自社に信用がなくても売掛先企業に信頼があれば審査に通過して、つなぎ資金を確保することができる可能性があります。

売掛先企業が優良企業であれば、自社に信用がなくても資金調達できるのもファクタリングのメリットです。

まとめ

つなぎ融資とは、ある特定の一定期間の必要資金を調達するための融資です。

「取引先からの入金が決まっている」「銀行融資が決まっている」などの一定期間経過後に入金が確定している際に借りるものですので審査に通りやすく、資金が必要ない期間も長期資金で借りるよりも、必要な期間しか借入をしないので利息負担も軽くなります。

事業者が運転資金でつなぎ資金の借入をするのであれば、最短即日融資のビジネスローンが活用できます。

「金利が高いから」とビジネスローンを忌避している人も多いようですが、つなぎ資金で利用するのであれば利息負担は軽くなるので資金調達手段の1つとして頭に入れておくとよいでしょう。