個人事業主やフリーランスの方であっても、事業拡大や継続のための資金調達は、法人と同じく経営上で非常に重要です。

しかし、個人事業主は法人と比べて収入が不安定と見られることが多く、現状の業績が好調でもスムーズに借入ができるとは限りません。

そこでおすすめする資金調達方法が、個人事業主向けのビジネスローンです。

個人事業主向けビジネスローンはネット銀行やノンバンクが得意とするローン商品のひとつで、文字どおり個人事業主の資金ニーズに対応しています。

今回は個人事業主向けビジネスローンのメリット・デメリット、およびおすすめのローン商品をご紹介します。

個人事業主向けビジネスローンのメリット

個人事業主は融資の審査において法人よりも不利とされていますが、ローン商品の中には個人事業主を対象としたものも多くあります。

ここでは、個人事業主向けビジネスローンのメリットを解説します。

最短即日融資が可能

信販会社や消費者金融会社などが提供するビジネスローンは、必要書類をあらかじめ揃えておくという条件付きですが、申し込みをしたその日のうちに融資が受けられる商品もあります。

銀行融資に比べて圧倒的に融資のスピードが早いため、「明日までに仕入先に買掛金を支払わなければならない」といった緊急性の高い資金ニーズにも対応できます。

総量規制の対象外

個人が信販会社や消費者金融会社から借り入れする場合、借入総額が年収の3分の1までに制限される「総量規制」の対象となります。

たとえば、年収300万円の個人は年収の3分の1にあたる100万円までに借入総額が制限されます。すでに他社から80万円の借入がある場合、新たに融資を申し込んでも最大20万円までしか借りられません。

個人事業主向けのビジネスローンは、総量規制の対象外(例外貸付)です。

信用状況や返済能力に問題がないと判断されれば、総量規制を超える金額の借入ができます。

事業性資金と消費性資金の両方に使える商品がある

個人事業主向けのビジネスローンの中には、運転資金や設備資金といった事業性資金に使えるだけでなく、個人の生計費やマイカー購入など消費性資金にも使える商品があります。

代表者の連帯保証が不要

多くの法人向けのビジネスローンでは、代表者(おもに経営者)を連帯保証人として求めます。

その理由は、万が一融資を受けた会社が返済不能になった場合に経営者を連帯保証人にしておけば、経営者個人の資産などから回収できるからです。

あくまでも会社と経営者は法的に別人格であり、会社の責任となるものについて、経営者は個人の責任を負う必要がありません。

金融機関側は経営者を連帯保証人にすることで、会社の借入の返済に責任を持たせることができるのです。

個人事業主は法人のように会社と経営者が別人格ではないため、事業主本人が連帯保証を求められることがありません。

個人事業主向けビジネスローンのデメリット

個人事業主向けビジネスローンのデメリットについても確認しておきましょう。

ノンバンクのビジネスローンは金利が高め

ノンバンクが取り扱っている個人事業主向けのビジネスローンは、銀行の同商品に比べて借入れ金利が高いというデメリットがあります。

たとえば、ジャパンネット銀行のビジネスローン(個人事業主向け)とプロミス自営者ローンで金利を比較してみると、以下のとおりです。

ローン商品 金利(年率)
ジャパンネット銀行のビジネスローン 4.8%~13.8%
プロミス自営業者ローン 6.3%~17.8%

ノンバンクのビジネスローンは銀行の通常融資が受けにくい小規模事業者向けの商品なので、貸し倒れリスク対策として金利が高めにさせていされています。

したがって、一時的なつなぎ資金や短期の資金繰り改善に向いている一方、長期の設備投資や経常運転資金の利用には向いていません。

初回の借入金額が少額

ビジネスローンは短期返済を見込んだ少額融資が基本です。

とくに取引実績のない金融機関のビジネスローンは、初回の借入金額が10万円~50万円と少ない傾向にあります。

借入金額を増やすためには、滞納せずに返済を続け、金融機関と良好な取引関係を構築することが重要です。

創業間もない個人事業主は借りられない場合がある

個人事業主向けのビジネスローンは「例外融資商品」で総量規制の対象外と説明しましたが、審査では決算内容を確認されます。

決算内容の確認には「青色申告決算書」「収支内訳書」などの提出が必要となるため、創業まもなく、1期を終えていない個人事業主は申込ができない場合があります。

ビジネスローン【個人事業主・フリーランス向け】のおすすめ10選

個人事業主やフリーランスの方におすすめのビジネスローンをご紹介します。

ビジネスローンには借入方式によって「証書貸付」と「当座貸越」の2種類があります。

証書貸付とは、金融機関と申込者との間で金銭消費貸借契約を交わし、初回に一括して貸し付け(借り入れ)、後は返済するだけの方式です。

一方の当座貸越とは、金融機関と申込者との間で貸し出し可能な金額の枠(極度額)を設け、その枠内で自由に借りたり返済したりできる方式です。

ここからは便宜上、証書貸付方式を「一括借入タイプ」、当座貸越方式を「カードローンタイプ」と表記します。

オリックスVIPローンカード BUSINESS

借りやすさ ★★★★☆(借りやすい)
金利(年率) 6.0%~17.8%
融資額 50万円~500万円
融資スピード 最短即日
使いみち 事業性資金、消費性資金
貸付方式 カードローンタイプ

「VIPローンカードBUSINESS」は融資までのスピードに優れ、なおかつ事業性資金と消費性資金のどちらにも利用できる法人経営者・個人事業主向けカードローンです。

平日14:30までに契約手続きが完了すれば、振込みによる当日中の借入ができます。

50万円~500万円まで6つの契約枠コースがあり、50万円コースは年8.0%~17.8%、100万円~500万円コースは年6.0%~14.9%の金利が設定されています。

カードローンタイプなので資金が必要なときにいつでも借入ができるので、「転ばぬ先の杖」として持っておくのも良いでしょう。

アイフルビジネス・ファイナンスの事業者ローン

借りやすい ★★★★★(非常に借りやすい)
金利(年率) 【ビジネスローン】3.1%~18.0%
【カードローン】5.0%〜18.0%
融資額 【ビジネスローン】50万円~1,000万円
【カードローン】1万円〜1,000万円※
※新規取引時は上限500万円
融資スピード 最短即日
使いみち 事業性資金
貸付方式 【ビジネスローン】一括借入タイプ
【カードローン】カードローンタイプ

アイフルビジネス・ファイナンスの事業者ローンは、一括借入タイプの「ビジネスローン」と、極度額の範囲内で繰り返し借入・返済ができる「カードローン」の2種類があります。

申し込みは公式ページの申込フォームから行い、仮審査で融資可の結果が出れば来店不要で契約、その日のうちに振り込みで借入ができます。

過去の財務内容だけでなく現状のビジネスの状況を加味して審査されるため、赤字決算でも融資実行の可能性があります。

プロミスの自営者カードローン

借りやすさ ★★★★★(非常に借りやすい)
金利(年率) 6.3%~17.8%
融資額 300万円まで
融資スピード 最短即日
使いみち 事業性資金、消費性資金
貸付方式 カードローンタイプ

「プロミス自営者カードローン」は、消費者金融会社大手プロミスの自営業者向けカードローンです。

自動契約機または店頭窓口での契約手続きが必要となりますが、提出書類を準備した上で午前中までに申し込めば、スピード審査で当日中に融資が受けられます。

さらに、同カードローンは事業資金に限らず、プライベートな資金にも利用できます。

カードローンタイプはいつでも借入ができるため、あらかじめ融資枠を作っておけば急に資金が必要なときも安心です。

アコムのビジネスサポートカードローン

借りやすさ ★★★★★(非常に借りやすい)
金利(年率) 12.0%~18.0%
融資額 1万円~300万円
融資スピード 最短即日
使いみち 事業性資金
貸付方式 カードローンタイプ

消費者金融会社大手のアコムが提供するビジネスサポートカードローンは、個人事業主を対象としており、1万円~300万円までの借入ができます。

審査にあたっては本人確認書類、収入証明書のほかに、事業を疎明(そめい)する書類として営業許可証や納品書、請求書、領収書などの書類が必要です。

なお、契約の手続きは店頭窓口・自動契約機、もしくは郵送となっており、オンラインで完結はできません。

即日の融資を希望する場合は、提出書類を準備しておくことはもちろん、最寄りの店舗および契約機の場所を確認しておきましょう。

ジャパンネット銀行ビジネスローン(個人事業主向け)

借りやすさ ★★★★☆(条件付きだが借りやすい)
金利(年率) 4.8%~13.8%
融資額 10万円~500万円
融資スピード 申込後、最短で翌営業日
使いみち 事業性資金
貸付方式 一括借入タイプ

ジャパンネット銀行のビジネスローンは、法人と個人事業主がほぼ同条件で借りられるローン商品です。

契約にあたってジャパンネット銀行の口座が必要となりますが、起業したての事業者でも比較的借りやすいというメリットがあります。

ネットで審査申込をすると即日で審査結果がわかり、契約完了後は最短翌営業日に借入ができます。

おもにインターネットを利用して仕事をしている個人事業主やフリーランスの方におすすめです。

CREST for Biz(クレストフォービス)

借りやすさ ★★★☆☆(融資まで時間がかかる)
金利(年率) 6.0%~18.0%
融資額 最高300万円
融資スピード 数日
使いみち 事業性資金
貸付方式 カードローンタイプ

大手信販会社オリコの個人事業主向けカードローン「CREST for Biz(クレストフォービズ)」は、借入額が年収の3分の1を超えていても、審査で返済能力があると判断されれば、総量規制の例外として借入ができます。

利用可能枠30万円は年15.0%~18.0%、200万円~300万円なら年6.0%~15.0%の金利が設定されています。

借入までにかかる日数については明確に公表されていませんが、オリコの引き落とし口座を登録している方はスピード申込が利用できます。

クレディセゾン MONEY CARD EX(個人事業主様専用カード)

借りやすさ ★★★☆☆(融資まで時間がかかる)
金利(年率) 15.0%
融資額 最高100万円
融資スピード 数日
使いみち 事業性資金、消費性資金
貸付方式 カードローンタイプ

MONEY CARD EXは、セゾングループの信販会社クレディセゾンが発行する個人事業主専用カードローンです。

総量規制にあたらない例外融資商品で、借入金は事業性資金、消費性資金の両方に使えます。

利用可能枠は1万円~100万円、実質年率15%と小口専門で金利も高めなので、売上入金など返済原資が明確にあり、なおかつ短期間で完済の目処が立つ返済計画を立てておきましょう。

ビジネスパートナーのスモールビジネスローン

借りやすさ ★★★★★(非常に借りやすい)
金利(年率) 9.98%〜18.0%
融資額 50万円~500万円
融資スピード 最短5日
使いみち 事業性資金
貸付方式 カードローンタイプ

ビジネスパートナーのスモールビジネスローンは、来店不要で契約ができる無担保ビジネスローンです。

事業資金の範囲内で自由に利用可能で、なおかつ事業性融資のため総量規制の対象外となっています。

ただし、提出書類として直近2年分の確定申告書が必要になり、審査後から融資まで最短5日とやや時間がかかります。

ユニーファイナンスの事業者ローン

借りやすさ ★★★☆☆(融資まで時間がかかる)
金利(年率) 12.00%~17.95%
融資額 最高200万円
融資スピード 数日
使いみち 事業性資金
貸付方式 一括借入れタイプ

ユニーファイナンスは愛知県、岐阜県、三重県を中心とする東海エリアの中小消費者金融会社です。

同社のビジネスローンは自営業の方で満23歳以上、満70歳未満の定期的な収入と返済能力のある方を対象としています。

大手消費者金融会社のビジネスローンでは審査に通過するのが難しい方でも、同社で信用状況と返済能力が審査基準を満たしていると判断されれば、借りられる可能性があります。

ただし、審査結果によっては担保の提供が求められる場合もあります。

来店契約以外にもインターネット契約やコンビニ契約といった方法でも手続きができるため、遠隔地の事業主の方も同社のビジネスローンを利用できます。

クレイリッシュのビジネスローン

借りやすさ ★★★★☆(利用可能エリアが限られる)
金利(年率) 12.0%~15.0%
融資額 100 万以上~1,000 万円以下
融資スピード 約2日
使いみち 事業性資金
貸付方式 一括借入れタイプ

クレイリッシュは埼玉県を拠点とする金融会社、リース会社です。関東7都県と福島県の個人事業主に対し、手形割引や無担保融資、不動産担保ローンなどの融資商品を提供しています。

同社のビジネスローンは一括借入れタイプ、最短2日の融資スピードなので、急にまとまった資金が必要になった状況でも迅速に借入ができます。

ただし、返済期間は1年以内(12回)と他金融機関よりも短めです。1年以内に売上入金があるなどの明確な返済原資が見込まれる場合の利用が推奨されます。

個人事業主向けビジネスローンに関するQ&A

個人事業主向けビジネスローンに関して、よくある質問とその回答をQ&Aにまとめました。

Q.一括借入タイプとカードローンタイプはどのように使い分ければ良いですか?
A.一括借入タイプは審査で決まった融資額を一括で借りられるため、仕入れ資金や設備の購入・補修など、まとまった資金ニーズに向いています。一方のカードローンは枠を作っておけばいつでも借入・返済ができるため、いざというときの備えとして契約しておくのもひとつの手です。
Q.最短即日で融資を受けるためのポイントを教えてください。
A.大前提として、「最短即日OK」のビジネスローンを選びましょう。あらかじめ提出書類を揃えておき、なるべく当日の午前中までに申し込みを済ませます。申込時には振込による即日借入を希望していることを伝えましょう。なお、消費者金融会社のビジネスローンの多くが、最短即日で融資可としています。
Q.昨年の申告が赤字だったのですが、ビジネスローンに申し込みできますか?
A.ビジネスローンは直近・単年の事業結果に限らず、過去の実績や将来の事業計画、収益見込みも含めて審査しています。また、事業主の人柄やビジネスに対する熱意を重視するローン担当者もいるので、まずは相談してみることをおすすめします。

個人事業主の資金調達ならファクタリングもおすすめ

個人事業主向けビジネスローンのメリット・デメリットと、おすすめのビジネスローンを紹介しました。

スピードを重視した資金調達方法には、ビジネスローンの他に「ファクタリング」があります。

ファクタリングは取引先企業向けの請求書を入金前に現金化、事業の運転資金やつなぎ資金として利用できます。

ビジネスローンと違って負債が増えるわけではないため、将来的な銀行融資の審査などに影響がありません。

最短即日の現金化も可能なファクタリングを、借入に代わる資金調達方法として検討してみてはいかがでしょうか?