ファクタリングは売掛債権を早期に資金化して、つなぎ資金の調達や資金繰り改善に活用できるサービスです。

銀行融資よりもスピーディーに資金調達ができること、担保や保証人が不要なことなど、ファクタリングには多くのメリットがある一方、デメリットもあります。

ファクタリングを利用するにあたっては、メリットとデメリットの両方を天秤にかけた上で、自社の資金ニーズや資金繰り改善に役立つかどうかの判断が必要です。

今回は利用前に知っておくべきファクタリングの5つのデメリットと、その対策について解説します。

手数料が上がる場合がある|デメリット1

ファクタリングの手数料は、ファクタリング会社が負うリスクが高くなるか、低くなるかで決まります。

手数料が変動する要因を以下にまとめました。

手数料が<上がる>要因 手数料が<下がる>要因
2社間ファクタリングで契約する 3社間ファクタリングで契約する
面談必須の対面式ファクタリングサービスを利用する 面談不要の非対面式ファクタリングサービスを利用する
売掛先の信用力が低い 売掛先の信用力が高い
売掛先との取引履歴が浅い 売掛先と長期の取引履歴がある
入金サイトが45日超 入金サイトが短い
赤字決算・債務超過・税金滞納がある 自社の業績が好調である
債権譲渡登記を留保する(2社間の場合) 債権譲渡登記を行う(2社間の場合)
初回契約である 継続利用(2回以上)である

2社間ファクタリングの手数料は10%~20%(非対面は10%以下)、3社間ファクタリングの手数料は1%~9%が相場です。とくに2社間ファクタリングの手数料で継続してファクタリングを利用すると、慢性的な資金繰りの悪化を引き起こしてしまうリスクがあります。

したがって、ファクタリングは本当に資金繰りが苦しいタイミングで単発利用がおすすめです。

【対処法】非対面式のファクタリングサービスを利用する

2社間ファクタリングは「売掛先の同意が不要」「最短即日の入金が可能」という大きなメリットがある一方、手数料が10%~20%と高めに設定されています。

非対面式のファクタリングサービスであれば、2社間のメリットを活かしつつ、10%以下の手数料で利用できます。すべての手続きがオンラインで完結するため、来店や出張での面談も必要ありません。

3社間取引は売掛先の同意が必須|デメリット2

3社間ファクタリングでは売掛債権をファクタリング会社に譲渡するにあたって、売掛先の同意を得る必要があります。

ファクタリングは借入に代わる新たな資金調達方法として経産省も利用を推奨していますが、日本での認知度はまだまだ低いと言わざるを得ません。

債権を他社に売却するという行為は、売掛先の立場からすると「銀行から借入できないほど、経営が悪化しているでは?」というネガティブなイメージがあり、発注数を減らす、取引を見直すといった関係悪化につながる可能性があります。

【対処法】2社間取引は売掛先の同意が不要

取引先にネガティブなイメージを持たれたくない方には、自社とファクタリング会社の2社間だけで契約を結ぶ2社間ファクタリングがおすすめです。売掛先の同意が不要なため、資金調達までの時間も短縮できます。取引先との関係悪化を避けたい中小企業や個人事業主の方に選ばれています。

債権譲渡登記が必要な場合がある|デメリット3

2社間ファクタリングでは、売掛先に債権譲渡の同意を得ない代わりに、債権譲渡登記が必要な場合があります。

債権譲渡登記とは、債権がだれからだれに対し、いつ譲渡されたものかを公的に証明する手続きのことを指します。

ファクタリング会社は、すでに他の業者に売却されている売掛債権を買い取ってしまう「二重譲渡リスク」や、買い取った売掛金が別の用途に使い込まれるリスクに備える「対抗要件の具備」のために、債権譲渡登記を行います。

債権譲渡登記の事実を売掛先に通知することはありませんが、法務局に申請すればだれでも閲覧可能であることや、登記に数日かかることがデメリットと言えます。

【対処法】債権譲渡登記の留保が可能なファクタリング会社を選ぶ

ファクタリング会社によっては、利用者の要望に応えて債権譲渡登記を留保するところもあります。

債権譲渡の事実を徹底的に秘密にしたい場合は、債権譲渡登記を留保してくれるファクタリング会社がおすすめです。ただし、登記を留保する代わりに手数料が引き上げられるケースもあるため、見積もり時にしっかりと確認しておきましょう。

売掛債権の額面以上の資金調達ができない|デメリット4

銀行融資やビジネスローンは、申込者の信用次第で月の売上を超える融資額を調達することもできます。一方で、ファクタリングは売掛債権の額面以上の資金調達ができません。

たとえば、100万円の売掛債権を手数料10%で買い取ってもらう場合、利用者が手にすることができる現金は、100万円-10万円(100万円×10%)=【90万円】となります。

売掛債権の支払期日まで待てば満額が振り込まれますが、ファクタリングを利用すれば手数料分が控除される代わりに、支払期日までのタイムラグを省略して現金を受け取ることができるのです。

厳密にはデメリットと言えませんが、ファクタリングを利用するにあたっては、調達コストとスピードを比較検討する必要があります。

悪質な業者も存在している|デメリット5

ファクタリング業界は参入障壁が低く、規制も緩いため、開業するにあたっては銀行や消費者金融会社のような許可・資格が必要ありません。その間隙をついて、規制の厳しい貸金業からファクタリング業にシフトした闇金業者や悪質業者も存在しています。

過去には、ファクタリング業者を装った悪質業者が摘発された事例もあります。

悪質業者は、資金繰りに困っている事業者をターゲットに、「信用ブラックOK」や「低手数料」といった条件をちらつかせてきます。

しかし、そのような業者と実際に取引してみると、ファクタリングを装った高利貸しであったというケースや、保証金や手付金といった本来のファクタリングには無い手数料を徴収されたというケースが報告されています。

ファクタリング会社を選ぶ際はスピードや手数料も大事ですが、「安全に取引できるか」という点にも注目しましょう。

【対処法】実績や口コミ・評判を参考にする

ファクタリング業者が優良か悪質かは、ホームページの会社情報や実績、利用者の口コミ・評判で確認するようにしましょう。電話やメールで問い合わせをして、担当スタッフの対応を見ることも大切です。

ファクタリングのデメリットに関するQ&A

ファクタリングのデメリットに関して、よくある質問とその回答をQ&Aにまとめました。

Q.ファクタリングでなるべく時間をかけずに資金調達するためのコツを教えて下さい。
A.スピードを優先して即日で資金調達したい場合は、すべての手続きがオンラインで完結する「非対面式のファクタリングサービス」の検討をおすすめします。2社間取引かつ面談不要、債権譲渡登記も省略可能なので、すべてのファクタリングでもっともスピードに優れています。さらに、手数料も10%以下に抑えられるため、資金調達のスピードとコストパフォーマンスを優先させたい方におすすめです。
Q.2社間ファクタリングのデメリットを教えて下さい。
A.2社間ファクタリングの最大のデメリットは、手数料が高いことです。契約にあたって利用者と担当者との面談を伴う「対面式」の2社間ファクタリングは、手数料が10~20%かかります。一方、「非対面式」の場合は2社間取引であっても、10%以下の手数料で利用できます。ただし、対面式のファクタリングは面談によって経営者が抱える経営課題をヒヤリングしたうえで、資金繰り改善や事業再生をサポートするコンサルティングサービスを無償で提供しています。対面式は手数料こそかかりますが、資金調達のみならず、長期スパンで経営課題を解決したい方におすすめです。

 

ファクタリングのデメリットは対策できる

ファクタリングは2社間取引、3社間取引ともにデメリットを伴う資金調達方法です。

「あちらを立てればこちらが立たず」ではありませんが、スピードを重視して2社間取引を選んだ場合は手数料がかかり、手数料を抑えるために3社間取引を選んだ場合は売掛先の同意が必須となり、利用者の方も一定のリスクを引き受ける必要があります。

ただし、手数料やスピードといったファクタリングのデメリットは対策することができます。

ファクタリング会社はただ利益を追求するだけでなく、資金繰りに困っている経営者の方をサポートしたいという思いで営業しています。

どのようにすれば資金繰りを改善できるか、自社にもっともマッチした資金調達方法は何かを相談すれば、デメリットを上回るメリットを得た上で資金調達ができることでしょう。

したがって、差し迫った資金ニーズでは、自社の経営課題に対して真摯に向き合ってくれるファクタリング会社を選ぶことが何よりも大切です。