個人事業主やフリーランスの方で、銀行ではなかなか融資の審査に通らず、資金調達に行き詰まっている方はいらっしゃいませんか?

融資において、個人事業主は経営状況や信用状況などのあらゆる点で法人よりも不利になりがちです。

しかしながら、なかには個人事業主の資金調達に特化したサービスもあります。

今回は個人事業主やフリーランスの方の資金調達の課題を解決する5つのサービスについて解説します。

  1. 日本政策金融公庫の融資制度
  2. 地方銀行・信用金庫の不利ローン
  3. ノンバンクのビジネスローン
  4. 2社間ファクタリング
  5. 助成金補助金

日本政策金融公庫の融資制度|おすすめ1

日本政策金融公庫(以下、公庫)の融資制度は、個人事業主の方のまとまった資金需要におすすめの資金調達方法です。

低金利で数千万円の借り入れが可能なことはもちろん、民間の金融機関と違って信用状況に不安のある方でも、しっかりとした返済計画・事業計画が立てられていれば、融資が受けられる可能性があります。

日本政策金融公庫の融資制度のメリット

公庫の融資制度を利用するメリットについてご紹介します。

個人事業主への融資を積極的に行っている

公庫は中小企業や個人事業主のセーフティーネットとしての役割も果たす機関です。提出書類を揃え、しっかりとした事業計画を立てていれば、民間の金融機関では融資を受けられなかった方でも、公庫で融資を受けられる可能性があります。

低金利で長期融資に向く

公庫の融資制度は基準利率が年3.0%未満と、民間の金融機関の個人事業主向け商品に比べて非常に低い金利が設定されています。さらに、運転資金で最長7~8年、設備資金で最長10~15年と長期借入が可能なため、低金利かつ余裕を持った返済計画が立てられます。現在は資金繰りが上手くいっていなくても、事業計画が認められれば、事業実績なしでも数百万円~数千万円の融資を受けられる可能性があります。

担保・保証人がなくても融資を受けられる

民間の金融機関でまとまった資金を借り入れる場合、担保や保証人を求められることが少なくありません。公庫であれば担保・保証人なしでも、数百万円単位の融資が受けられる可能性があります。

公庫から融資を受けると他の金融機関からも融資が受けやすくなる

公庫から融資を受け、期日通りに返済ができたという実績があると、他の金融機関からの評価が高くなり、融資が受けやすくなります。

日本政策金融公庫の融資制度のデメリット

公庫の融資制度には、以下のようなデメリットもあります。

必要書類が多い

公庫の融資制度は提出が求められる書類が多く、それらを揃えるだけでも一苦労です。

たとえば、新型コロナウイルス対策特別貸付の申込時には、以下の書類が必要となります。

  1. 借入申込書(表面および裏面を両面印刷、または2枚とも出力のうえ提出)
  2.  新型コロナウイルス感染症の影響による売上減少の申告書
  3. 最近2期分の確定申告書(一式)の写し
  4. 見積書(設備資金に申込む場合)
  5. 商売の概要(自己申告書)
  6. 運転免許証(両面)またはパスポート(顔写真のページおよび現住所等の記載のあるページ)の写し
  7. 許認可証の写し(飲食店などの許可・届出等が必要な事業を営んでいる場合)

※5~7はこれまでに公庫との取引がない方

民間の金融機関のローンの申し込みよりも書類が多いため、余裕を持って準備を行う必要があります。

融資実行まで時間がかかる

銀行のプロパー融資ほどではないにせよ、公庫の融資制度は申し込みから融資実行まで1ヶ月以上の時間がかかります。早急にまとまった資金が必要な場合は、公庫の融資制度への申し込みと並行して、よりスピーディーな民間の金融機関のローン商品にも申し込むなど工夫が必要です。

個人事業主におすすめの日本政策金融公庫の融資制度

個人事業主の方におすすめする公庫の融資制度をご紹介します。

新創業融資制度

対象者要件 新たに事業を始める方
事業開始後税務申告を2期終えていない方
融資限度額 3,000万円(うち運転資金1,500万円)
金利 年2.41~2.80%
返済期間 各種融資制度で定める返済期間以内
担保・保証人 不要

新創業融資制度は、新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を2期終えていない方を対象とした融資制度です。無担保・無保証人で利用できますが、新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を1期終えていない方は、創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金を準備する必要があります。

マル経融資

対象者要件 商工会議所や商工会などの経営指導を受けている小規模事業者で、
商工会議所会頭、商工会会長等の推薦を受けた方
融資限度額 2,000万円
金利 年1.21
返済期間 運転資金 7年以内(据置期間1年以内)
設備資金 10年以内(据置期間2年以内)
担保・保証人 不要

マル経融資は、商工会議所や商工会などの経営指導を6ヶ月以上受けている小規模事業者で、商工会議所会頭、商工会会長等の推薦を受けた方を対象とした融資制度です。2,000万円までの事業資金を無担保・無保証人かつ低金利で借りられます。

さらに、新型コロナウイルス感染症の影響により、最近1ヶ月の売上高が前年または前々年の同期と比較して5%以上減少している方は、通常の融資額に加えて別枠1,000万円の融資を受けられます。

新型コロナウイルス感染症特別貸付

対象者要件 最近1ヶ月の売上高が前年または前々年の
同期と比較して5%以上減少している方
融資限度額 8,000万円(別枠)
金利 基準利率(年1.26~1.65%)
ただし、4,000万円を限度として融資後3年目までは
基準利率-0.9%、4年目以降は基準利率
返済期間 設備資金 20年以内(据置期間5年以内)
運転資金 15年以内(据置期間5年以内)
担保・保証人 無担保

新型コロナウイルス感染症特別貸付は、新型コロナの影響により、最近1ヶ月の売上高が前年または前々年の同期と比較して5%以上減少している方を対象とした特別措置です。本来の融資額にプラスして、別枠で8,000万円まで借入ができます。

たとえば、マル経融資で2,000万円を借り入れた方が返済中であっても、こちらの融資制度でさらに別枠8,000万円を借りることが可能です。

4,000万円を限度として融資後3年めまでは基準利率-0.9%、4年目以降は基準利率に戻ります。さらに、一部の対象者は、基準利率-0.9%の部分に対して、後から利子補給を受けることにより、当初3年間が実質無利子となります。

地方銀行・信用金庫のフリーローン|おすすめ2

地方銀行や信用金庫は、地域の事業者の方のセーフティーネットとしての役割を果たす金融機関であり、個人事業主に向けたローン商品も揃えています。

なかでも使途自由の「フリーローン」は、担保・保証人が不要、年3.0~14.0%の金利で借りられる個人向けローン商品です。

フリーローンは必要な金額を初回に一括で借り入れ、その後は基本的に返済し続けるだけの一括借入型です。また「最長10年」というように、完済までの返済期間が決められています。

基本的に個人の使途の範囲内で自由に使うことのできるローンであり、事業資金には使うことはできませんが、事業用・個人用のどちらにも使える「ビジネスフリーローン」という商品を提供する銀行・信用機関もあります。

地方銀行・信用金庫のフリーローンのメリット

地方銀行・信用金庫のフリーローンを利用するメリットについてご紹介します。

担保・保証人が不要

フリーローンは小口融資が基本で、金融機関側の貸し倒れリスクが低いため、担保・保証人が不要です。ただし、申込時には保証会社による審査を受ける必要があります。

使いみちが自由(事業性資金が可の場合も)

フリーローンはそもそも、マイカー購入資金や教育資金、生計費など個人向けの使途自由なローン商品で、事業性資金には利用できません。ただし、個人事業主向けの「ビジネスフリーローン」であれば、プライベートの使途はもちろん、事業性資金としても利用できます。

地方銀行・信用金庫のフリーローンのデメリット

地方銀行・信用金庫のフリーローンには、以下のようなデメリットもあります。

銀行・信用金庫の営業エリア内の事業者に限られる

フリーローンを利用できるのは、地方銀行や信用金庫の営業エリア内の事業者に限られます。たとえば、神奈川県横浜市の個人事業主が、東京23区内を営業エリアとする信用金庫のフリーローンに申し込むことはできません。

審査が厳しめで時間もかかる

フリーローンは担保・保証人が不要であるがゆえに、審査が厳しめで融資実行まで時間もかかります。

個人事業主におすすめの地方銀行・信用金庫のフリーローン

個人事業主の方におすすめする地方銀行・信用金庫のフリーローンをご紹介します。

東京信用金庫の「WEBフリーローン」

借入条件
  • 満20歳以上、完済時75歳以下で次の条件を満たす方
  • 東京信用金庫の普通預金口座をお持ちの方
  • 安定継続した収入がある方
  • 東京信用金庫の営業地区内に居住、または勤務されている方
  • 一般社団法人しんきん保証基金の保証を受けられる方
融資限度額 30万円以上500万円以内
金利 2.95%、5.00%、7.00%、10.00%、14.00%
返済期間 6ヶ月以上10年以内
担保・保証人 不要

東京信用金庫の「WEBフリーローン」は、事業性資金・消費性資金の両方に利用でき、おまとめローンとしても活用できます。インターネットで申し込み、契約まですべてWEB上の手続きで完了します。ただし、融資対象者は営業地区内である東京都豊島区を含む8区および西東京市に居住または営業所があり、普通預金口座を持っている事業者の方に限られます。

東京シティ信用金庫の「フリーローン GO速球」

借入条件
  • 申込時満20歳以上、完済時満80歳以下の個人事業主または法人代表者役員の方
  • 電話連絡が可能な方
  • 東京シティ金庫の営業地域内に居住又は勤務されている方
  • 安定継続した収入のある方
融資限度額 10万円以上500万円以内
金利 5.5%・9.5%・14.5%
返済期間 6ヵ月以上10年以内(6回以上120回以内)
担保・保証人 不要

フリーローン GO速球」は東京シティ信用金庫の営業地域内であれば、預金口座を持っていなくても借り入れできます。もっとも低い金利は5.5%ですが、審査により5.5%で取扱いできない場合は固定金利9.5%、14.0%での審査が行われます。使い道は事業性資金のみに限られ、プライベートの目的には利用できません。

中京銀行の「事業者向けフリーローン はやわざ-α」

借入条件
  • 個人事業主または法人代表・役員の方
  • 申込時20歳以上で、最終返済時76歳未満の方
  • 安定継続した収入のある方
  • 営業区域内に自宅または事業所がある方
  • 保証会社の保証が受けられる方
融資限度額 10万円以上300万円以内
金利 5.9%・8.4%・12.9%
返済期間 6ヶ月以上7年以内
担保・保証人 不要

中京銀行は愛知県・三重県を営業区域とする地方銀行です。「事業者向けフリーローン はやわざ-α」は申込みから仮審査まで、インターネット・郵送・FAXで手続きができます。

また必要書類は本人確認資料のみで、申告書や見積書・注文書などの提出は必要ありません。借入金は事業用のほか、プライベート用の資金にも活用できます。

ノンバンクのビジネスローン|おすすめ3

ノンバンクとは、クレジットカードを発行している信販会社や、消費者金融会社など、銀行のように預金業務を取り扱わない金融機関のことを指します。ノンバンクのビジネスローンは銀行融資に落ちた方の受け皿にもなっており、金利は高めながら即日融資のスピード感で資金調達ができます。

ノンバンクのビジネスローンのメリット

ノンバンクのビジネスローンを利用するメリットについてご紹介します。

即日審査・即日融資

ノンバンクのビジネスローンは銀行融資に比べて提出すべき書類が少なく、またスコアリングシステムによる審査で即日審査・最短融資が可能です。緊急性の高い資金ニーズでも、ノンバンクであれば素早く資金調達ができます。

カードローンで繰り返し借入・返済できる

ノンバンクのビジネスローンには、契約時に一括で借り入れるタイプのローンと、カードローンのように繰り返し借り入れ・返済できるカードローンタイプの2種類があります。カードローンタイプであれば、限度額の範囲内で繰り返し借入・返済ができるため、あらかじめカードを発行しておいて、必要になったときに借りるといった使い方ができます。

無担保・無保証人で借りられる

ノンバンクのビジネスローンは銀行融資に比べて審査が緩やかで、原則として無担保・無保証で借りられます。なお、不動産担保ローンや売掛債権担保ローンなど、担保力を生かしたローン商品もあります。

ノンバンクのビジネスローンのデメリット

ノンバンクのビジネスローンには、以下のようなデメリットもあります。

金利が高い

ノンバンクビジネスローンは銀行融資に比べて金利が高く、長期の設備投資や経常運転資金の利用には向いていません。一時的なつなぎ資金など、返済原資が明確で短期での返済が可能な場合に利用されることをおすすめします。

銀行から融資が受けにくくなる

銀行がノンバンクのビジネスローンを借りたことに気づくと、次から融資が借りにくくなったり、融資を断られたりするリスクが高まります。なぜなら、銀行では融資が受けられない=資金繰りや業績が思わしくない事業者がノンバンクのビジネスローンを利用するとみなされるからです。

将来的に銀行から融資を受ける予定の場合は、そのときまでにノンバンクのビジネスローンを完済して、資金繰りや業績を立て直しておく必要があります。

個人事業主におすすめのノンバンクのビジネスローン

個人事業主の方の資金調達におすすめのノンバンクのビジネスローンをご紹介します。

アイフルビジネスファイナンスの「事業者ローン」

利用条件 申込時年齢 満20歳〜満69歳までの法人または個人事業主
融資限度額 【ビジネスローン】50万円〜1,000万円
【カードローン】1万円〜1,000万円
金利 【ビジネスローン】3.1%〜18.0%
【カードローン】5.0%〜18.0%
返済期間 【ビジネスローン】元利均等返済:最長5年・元金一括返済:最長1年
【カードローン】最長5年
担保・保証人 原則不要

アイフルビジネス・ファイナンスは、個人事業主向けに担保・保証人不要のビジネスローンとカードローンの2種類があります。いずれも融資限度額、金利、返済期間が異なるため、自身の資金ニーズに合わせて最適な方を選択しましょう。無担保ローンで借入ができなかったとしても、同社の不動産担保ローンや売掛債権担保融資など担保を提供することで借りられる場合があります。

プロミスの「自営者カードローン」

利用条件 年齢20歳以上、65歳以下の自営者の方
融資限度額 300万円まで
金利 年6.3%~17.8%
返済期間 最終借入後原則最長6年9ヶ月・1~80回
担保・保証人 不要

プロミスの自営者カードローンは最大で300万円まで、年6.3%~17.8%の金利で借りられるローン商品です。利用条件が年齢制限のみ、本人確認書類と収入証明書(確定申告書・青色申告決算書)だけで申し込みができます。なお、契約にあたっては最寄りの自動契約機または店頭窓口での手続きが必要となります。

オリックス・クレジットの「VIPローンカード BUSINESS」

利用条件 20歳~69歳までの方で、業歴1年以上の個人事業主の方
融資限度額 50万円~500万円
金利 年6.0%~17.8%
返済期間 リボルビング払い:最長10年2ヵ月・122回払い
1回払い:28日~61日
担保・保証人 不要

オリックス・クレジットの「VIPローンカードBUSINESS」は、事業性資金だけでなく、プライベートにも利用できるノンバンクのビジネスカードローンです。年6.0%~17.8%の金利、最大500万円の融資と、一時的なつなぎ資金や緊急性の高い資金ニーズに向いています。申し込み手続きや書類提出が簡単なので、最短即日契約・融資が可能です。

2社間ファクタリング(請求書買取サービス)|おすすめ4

ファクタリング(請求書買取サービス)は入金前の請求書(売掛債権)をファクタリング会社が買い取り、所定の手数料を差し引いた買取代金を振り込むサービスです。

フリーローンやビジネスローンといった融資と異なり、利用者の信用状況や借入状況にかかわらず、信用力の高い売掛債権があれば、赤字決算や税金滞納があっても利用できます。

従来のファクタリング(3社間ファクタリング)は、売却する請求書の売掛先企業の同意を得る必要がありましたが、ここでご紹介する「2社間ファクタリング(請求書買取サービス)」は、売掛先へ債権売買の通知および同意が不要で、最短即日の資金調達が可能です。

ローンの審査に落ちた方や、最短即日の資金調達を希望される方は、2社間ファクタリングのご利用をおすすめします。

2社間ファクタリング(請求書買取サービス)のメリット

2社間ファクタリング(請求書買取サービス)のメリットをご紹介します。

売掛先への通知および同意が不要

2社間ファクタリング(請求書買取サービス)の最大の特徴は、売掛先に債権売買の通知および同意を得る必要がないことです。

ファクタリングで請求書を買い取ってもらう際、売掛先の同意が必要となれば、「あの事業主は資金繰りに困っているのではないか?」と勘ぐられ、発注数を減らされたり、取引じたいを断られたりなど不利益を被ることがあります。とくに個人事業主は法人よりも立場が弱いことから、このような信用不安を招くリスクが高いと考えられます。

売掛先が一切関与しない2社間ファクタリングであれば、信用不安の心配がなく、資金調達が可能です。

最短即日の資金調達が可能

2社間ファクタリング(請求書買取サービス)は売掛先への通知および同意を得るプロセスが省略できるため、早ければ申し込みをしたその日のうちに資金調達が可能です。

ただし、契約を結ぶにあたって対面による面談が必要な場合や、サービスにアカウント登録が必須の場合もあります。あらかじめ提出書類を揃えた上で、当日の午前中までには申し込みを済ませておきましょう。

担保・保証人が不要

ファクタリングを利用するにあたって、担保や保証人は必要ありません。

償還請求権がない

償還請求権とは、万が一、請求書を売却した売掛先企業の倒産等で売上金が支払われない「デフォルト(債務不履行)」が起こった場合に、ファクタリング会社が利用者(個人事業主)に対し、債権買い戻しを請求できる権利のことです。

ファクタリングは償還請求権がない「ノンリコース契約」ですので、買い戻しなど負担は一切発生しません。

したがって、ファクタリングで請求書を早期に資金化することで、万が一のデフォルトに備える保険として利用することもできます。

2社間ファクタリング(請求書買取サービス)のデメリット

2社間ファクタリング(請求書買取サービス)の以下のデメリットにも注意しましょう。

資金調達コストが高い

2社間ファクタリング(請求書買取サービス)の手数料は、売却する請求書の額面に対し2%~10%、ファクタリング会社によっては10%~20%かかる場合もあります。この調達コストはビジネスローンやフリーローンの金利と比較しても高い数値です。したがって、ファクタリングに依存せざるを得ない資金繰りは、将来的な資金ショートを招くリスクがあります。

債権回収は通常どおり自社が行う

2社間ファクタリング(請求書買取サービス)を利用後、請求書の入金期日に売上金が入金されたら、すぐにファクタリング会社に弁済する必要があります。つまり、売掛先への債権回収は、通常どおり自社が行わなければなりません。

個人事業主は2社間ファクタリング不可のファクタリング会社もある

債権譲渡登記とは、債権がだれからだれに対し、いつ譲渡されたものかを公的に証明する手続きのことを指します。

ファクタリング会社は、既に他の業者に売却されている売掛債権を買い取ってしまう「二重譲渡リスク」に備えるために、債権譲渡登記を行います。

売掛先の同意を得ずに契約を結ぶ2社間ファクタリングでは、原則として債権譲渡登記が必要です。

しかし、債権譲渡登記は法人による債権譲渡等が行われた事実を公示するための手続きであって、個人事業主では手続きができません。

このことから、個人事業主は3社間ファクタリングのみ、2社間ファクタリング利用不可とするファクタリング会社もあります。

個人事業主におすすめの2社間ファクタリング(請求書買取サービス)

個人事業主の方の資金調達におすすめする2社間ファクタリング(請求書買取サービス)をご紹介します。

フリーナンスの「即日払い」

freenance(フリーナンス)

利用条件 フリーナンスにアカウントを登録
フリーナンス口座を開設
利用限度額 1万円~
手数料 3%~10%
入金までにかかる時間 最短即日

フリーナンスはフリーランスに特化した保険と請求書早払いのサービスです。「即日払い」は売掛先への通知・同意が不要で、手数料3%~10%、1万円の請求書から買い取ってもらうことができます。利用にあたっては、事前にフリーナンスにアカウントを登録、即日払いの買取代金や売掛先からの売上の入金を振り込んでもらうフリーナンス口座を開設する必要があります。アカウントや口座の開設費、維持費等はかかりません。

OLTAの「クラウドファクタリング」

olta(オルタ)

利用条件 OLTAにアカウントを登録
利用限度額 制限なし
手数料 2~9%
入金までにかかる時間 即日ないし翌営業日

OLTAの「クラウドファクタリング」は、オンライン完結型の2社間ファクタリングです。AI審査によりスピーディーな見積もりが可能で、2%~9%という低手数料で利用できます。法人・個人事業主いずれも利用でき、売掛先との信用不安も心配する必要がありません。利用にあたっては、事前にOLTAにアカウントを登録しておく必要があります。

日本中小企業金融サポート機構の「即日ファクタリング」

利用条件 特になし
利用限度額 1万円~
手数料 年1.5%~10%
入金までにかかる時間 最短即日

日本中小企業金融サポート機構の「即日払い」は、15時までに契約が完了した場合、即日の振込を可能としています。個人事業主でも利用でき、2社間取引と3社間取引のどちらかを選択して請求書を売買します。手数料も業界最安水準の1.5%~10%と調達コストの低さも大きな魅力です。

助成金・補助金|おすすめ6

助成金・補助金はいずれも一定の要件を満たした場合に、国や地方公共団体などの実施団体から支給される返済不要のお金のことです。両者に大きな違いはありませんが、一般的に補助金は審査を通過しなければ支給されず、一方の助成金は資格要件を満たせれば支給されます。

助成金・補助金のメリット

助成金・補助金のメリットについてご紹介します。

返済不要である

助成金は雇用保険料を財源として、補助金は税金を財源としており、いずれも支給されれば返済は不要です。受給する側からすれば、保険料や税金を納めたうえで労働環境を整えているため、要件を満たしたのであれば受け取る権利があります。

企業価値が向上して融資が受けやすくなる

助成金・補助金を受給できるということは、すなわち国に労務環境が整備されていると認められていることです。これによる企業価値が向上するため、公・民の金融機関から融資が受けやすくなります。

雑収入として仕訳できる

助成金・補助金ともに本業以外の収入となり、会計上では「売上」ではなく「雑収入」として仕訳します。

たとえば、200万円の助成金を受給して経常利益率が10%の場合、売上に換算すると200万円÷10%=2,000万円となり、受給額の10倍を計上したことと同じ効果が得られます。

助成金・補助金のデメリット

助成金・補助金には以下のようなデメリットもあります。

対象の取組を進めるための先出しの費用が必要

助成金・補助金ともに、要件を満たしたことが国や地方公共団体に認められてからの後払いなので、先に自社の資金を使って労働環境を整備しなければなりません。先出しの資金が心配な方は、採択後に送付される採択決定通知を持って民間の金融機関に融資を申し込むと、融資が受けやすくなります。

受給までの期間が長い

助成金・補助金は、支給要件に沿った実施計画を策定して提出、実施計画を実行、申請期間中に支給申請、支給要件を満たしていれば支給という順番です。いずれも長い場合は支給申請してから1年以上かかる場合があります。

かけた費用の全額が支給されるわけではない

助成金・補助金ともにかけた経費の全額が支給されるわけではなく、いずれもかけた経費のうちの2/3や1/3までの支給となります。また、「最大○○万円まで」というように支給金額の上限も決まっています。

個人事業主におすすめの助成金・補助金

個人事業主の方におすすめする助成金・補助金をご紹介します。

人材開発支援助成金

「特定訓練コース」の場合

1人あたり10万円~30万円

人材開発支援助成金は、事業主が従業員の職業能力開発に取り組んだ際に、その経費や賃金の一部を助成する制度です。従業員の人材育成にかかる費用が助成されることから、多くの事業所で導入されています。

特定訓練コースや一般訓練コース、特別育成訓練コースといった事業主や実施内容、助成の種類が異なる7つのコースのうち1つに申請して取組を進め、取組が認められれば助成金を受け取れます。

キャリアアップ助成金

「正社員化コース」の場合

・有期→正規:1人あたり57万円
・有期→無期:1人あたり28万5,000円
・無期→正規:1人あたり28万5,000円 

キャリアアップ助成金は、パート社員や契約社員など有期契約労働者等を正規雇用労働者に転換したり、直接雇用したりしたりしたときに支給されます。こちらも人材開発支援助成金と同様に7コースありますが、そのうち「正社員化コース」を申請する事業主が多いようです。

正社員化コースは、就業規則等に基づいて非正規雇用労働者を正社員等へ転換、転換後6ヶ月間賃金の支払いを実施した上で申請します。

小規模事業者持続化補助金

補助額:最大50万円
補助率:2/3

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者の生産性向上と持続的発展の支援を目的とする補助金制度です。地域の商工会または商工会議所がその執行窓口となっています。販売促進等のための地道な取り組み(地道な販路開拓等)が支給対象で、並行して設備投資やITツールの導入等(業務の効率化)などを行うと、こちらも補助の対象となります。

個人事業主の資金調達に関するQ&A

個人事業主の資金調達について、よくある質問とその回答をQ&Aにまとめました。

Q.個人事業主はビジネスローンとファクタリングのどちらを利用した方が良いですか?
A.経営状況や支払サイト(売上入金までの期間)によってケース・バイ・ケースです。ビジネスローンとファクタリングの調達コストを比較して、どちらか負担の小さい方を選ぶのが得策でしょう。売上入金までの期日が近く、短期返済が可能であれば、ビジネスローンがおすすめです。一方、ビジネスローンの審査に通らなかった場合や、将来の銀行融資のためになるべく融資枠を残しておきたい場合は、ファクタリングを選んだほうが良いでしょう。
Q.個人事業主がファクタリングを利用するにあたって注意すべきポイントはありますか?
A.ファクタリングじたいは個人事業主の方でも利用できますが、注意すべきポイントが2点あります。1つ目はファクタリング会社が買い取る請求書は法人あてで入金前のものに限られます。個人や個人事業主あてのもの、すでに期日が過ぎているものは買い取ってもらえません。2つ目に、個人事業主は債権譲渡登記ができないため、ファクタリング会社によっては個人事業主の2社間ファクタリングの利用不可(3社間は可)としているところもあります。個人事業主の方が2社間ファクタリングで請求書を現金化したい場合は、債権譲渡登記を留保してくれるファクタリング会社を選びましょう。
>>「債権譲渡登記」について詳しく見る
Q.ファクタリングを利用したことで、銀行からの融資が受けにくくなるようなことはありませんか?
A.ありません。ファクタリングで売掛債権を売却すると、貸借対照表上の資産が減って自己資本比率が向上します。自己資本比率とは、純資産と資産の割合(純資産÷資産×100)のことです。ファクタリングによって資産が減って純資産の割合が増えると、自己資本比率が高まり、金融機関からの評価が高まります。これをオフバランス化といいます。つまり、ファクタリングを利用すると貸借対照表の内容が改善され、金融機関から融資を受けやすくなるのです。

個人事業主の資金調達はファクタリングがおすすめ

個人事業主は法人に比べて収入が安定していないとみなされ、銀行融資などの審査では不利になってしまいます。

借入状況や信用状況によって、銀行はもちろん、ノンバンクからも借入が難しいという場合は、ファクタリングの利用がおすすめです。

ファクタリングにおいても、個人事業主は法人に比べて不利な点はあるものの、現在では個人事業主の資金調達に特化したファクタリング会社も続々と登場しています。

とくに売掛先に一切知られずに資金調達ができる2社間ファクタリングは、一刻を争う個人事業主の資金ニーズにピッタリの資金調達方法です。

2社間ファクタリングで資金調達したい場合は、個人事業主との取引実績が豊富で、なおかつ自身の経営課題に即したソリューションを提案してくれるファクタリング会社を選びましょう。