診療報酬は請求を出してから入金になるまでに時間がかかります。

医療機関は売上の7割〜9割を保険金に頼っていますので、実は資金繰りがそれほど楽ではありません。

そのため、運転資金に困窮している医療機関も多いのではないでしょうか?

診療報酬にかかるこのような悩みを診療報酬ファクタリングであれば解決することができます。

そこで今回は診療報酬ファクタリングの概要やメリットデメリットについて解説します。

開業当初の医療機関は特に資金繰りに苦労するものです。

ファクタリングを活用して資金繰りが円滑化できるようになりましょう。

診療報酬の支払いは最大3ヶ月後

診療報酬の支払いは最大3ヶ月後

 

診療報酬報酬の支払いは最大で診療を行ってから2ヶ月以上先になります。

例えば4月1日に診療を行ったケースを考えてみましょう。

  • 4月1日:診療(自己負担分だけ受け取り)
  • 5月10日:前月分を国保や社保へ請求
  • 6月20日〜:国保や初歩から診療報酬が入金

このように、診療報酬は前月分の請求を翌月10日くらいまでに行い、請求月の翌月末頃に入金になるので、一般企業よりも支払いサイトが長いのです。

手元に入るのは自己負担分の1割〜3割のみ

診療報酬は自己負担分と保険料負担に分かれます。

自己負担分は原則年齢に応じて以下のように決まっています。

  • 69歳以下:3割
  • 70〜74歳:2割
  • 75歳以上:1割

つまり、患者を診察して、すぐに医療機関に入ってくるお金は診療費全体の1割〜3割だけになります。

これでは、医療機関の運営は困難になってしまいます。

医療機関の運営には2〜3ヵ月分の運転資金が必要

病院経営にはお金がかかります。

  • 薬の仕入代
  • 人件費
  • 設備投資の借金返済

などなど、お金があると思われている病院も、手元にお金がなければ支払いに耐えることは難しくなります。

効率よく診療報酬が入ってくるようにするためには、開業時に2ヶ月分〜3ヶ月分程度の運転資金を確保しておかなければなりません

開業間もない医療機関は運転資金を借りにくい

開業時には多くの病院が多額の借金をします。

一般的に、個人医院を開業するためには、3億円〜4億円の投資が必要と言われているためです。

そして、多額の借金をして開業した後に運転資金を借りようと銀行へ申し込んだとしても、お金を借りるのは簡単ではありません。

「開業前にわかっていた筈なのに、資金計画ができていない」と判断されますし、そもそも多額の借金をした直後に融資を受けることが難しいのです。

このため、開業間もなくの医療機関はあらかじめ一定程度の資金を手元に確保しておくか、他の方法で資金調達する必要があります。

診療報酬の資金ギャップはファクタリングで解決できる

診療報酬報酬は入金になるまで診療してから2ヶ月先になってしまいます。

この売上発生から入金までの時間的なズレを解消することができる方法が診療報酬ファクタリングです。

診療報酬ファクタリングであれば、最大3ヶ月先の診療報酬の資金ギャップを半分程度に縮めることが可能になります

診療報酬ファクタリングとは?

3社間ファクタリング

診療報酬ファクタリングとはどのようなものなのでしょうか?

ファクタリングと言うと「怪しい」というネガティブなイメージを持っている人も多いですが、ファクタリングは国も推奨していますし、そもそも診療報酬は公的機関が売掛先ですので安心して利用することができます

まずは診療報酬ファクタリングの概要について見ていきましょう。

診療報酬債権をファクターへ売却する

医療機関は、国保や社保へ保険料を請求すると、国保や社保に対して売掛債権を持っていることになります。

診療報酬ファクタリングとは、国保や社保に対して保有している売掛債権をファクターへ売却して、早期資金化を図ることです。

診療報酬ファクタリングは診療報酬だけをファクタリングするもので、売掛先が公的機関である国保や社保であるため回収リスクが非常に低いファクタリングと言えます。

そのため、手数料が非常に低いのが大きな特徴です。

診療報酬ファクタリングは3社間で行われるのが一般的

診療報酬ファクタリングでは、3社間ファクタリングで行われるのが一般的です。

ファクタリングには2社間ファクタリングと3社間ファクタリングがあります。

売掛先の同意 ファクターへの支払い 手数料
2社間ファクタリング 不要 納入企業が行う 高い
3社間ファクタリング 必要 売掛先が行う 低い

国保や社保は、請求から入金までのタイムラグがあり、このタイムラグが医療機関の資金繰りを圧迫していることを十分に承知しています。

そのため、ファクタリングに対して問題なく同意しますし、ファクタリングを利用したからと言って、経営に悪影響を及ぼすこともありません。

大手企業での取り扱いが多いから安心

診療報酬ファクタリングを行っているのはほとんどが大手企業です。

銀行傘下の企業やリコーリースなどの取引をしても安心な業者ばかりなので、悪徳業者に高額な手数料を要求されるようなことはありません

3社間ファクタリングは、ファクターが売掛先に信用される必要があります。

そして、診療報酬ファクタリングは国保や社保などの公的機関ですので、公的機関から信用を得ることができない、名前を聞いたことがないような悪徳業者が参入することができない業種なのです。

また、診療報酬ファクタリングは手数料相場が非常に低いため、悪徳業者にとって旨味はありませんし、医療機関の中には数千万円単位の売掛債権を持っているので、資金力がある大企業でないと対応することができないことも、悪徳業者が少ない理由の1つとして挙げることができます。

診療報酬ファクタリング3つのメリット

診療報酬ファクタリング3つのメリット

診療報酬ファクタリングはファクタリングの中でもメリットの多いファクタリングで、具体的には以下のようなメリットがあります。

  • 手数料が非常に低い
  • 最大2ヶ月早く資金調達可能
  • 初回は2ヶ月分調達可能

どんなファクタリングにも共通する早期の資金調達というメリットに加えて、安価な手数料も大きなメリットです。

ファクタリングのメリットについて詳しく見ていきましょう。

手数料が非常に低い

診療報酬ファクタリングは手数料が1%〜5%程度と非常に安価です。

前述したように診療報酬はファクターにとってはほとんど回収リスクがありません。

売掛先は国保や社保ですので、税金が投入されている国保や社保が資金不足や経営悪化で支払不能になることはまず考えられませんし、そのようなことになったら日本の医療制度は崩壊してしまいます。

リスクの低い債権を買い取る診療報酬ファクタリングは手数料が低いので、毎月のように利用しても収益を圧迫しないというメリットがあります。

むしろ、資金繰りを円滑化するための必要経費程度の金額と考えることができるでしょう。

資金ギャップを半減できる

診療報酬ファクタリングは国保や社保へ請求を出せば、その請求書でファクタリングに申し込むことができます。

例えば4月の医療費の請求を5月に行なった場合、請求から1週間程度でファクターから支払いを受けることができます。

本来であれば、6月末にならなければ支払いを受けることができない診療報酬を、診療報酬ファクタリングを利用すれば、1ヶ月以上前倒しで資金調達することができます

少ない手数料で資金繰りを円滑にすることができるのは、診療報酬ファクタリングの大きなメリットです。

初回利用時は2ヶ月分調達可能

診療報酬ファクタリングを最初に行う場合には2ヶ月分診療報酬を調達することも可能です。

例えば、6月の請求を出した後に診療報酬ファクタリングを行なった事例を考えてみましょう。

通常、診療報酬の請求は毎月10日までに行います。

このため、6月10日の段階では、5月に請求を出した4月分の診療報酬と、6月に請求を出した5月分の診療報酬の2ヶ月分の売掛債権を手元に持っていることになります。

この2つの売掛債権をファクタリングしてしまえばある程度まとまった金額を確保できるのです。

医療機器の修理などで高額なお金が必要になった場合に、診療報酬ファクタリングでまとまった資金を確保することも可能です。

診療報酬ファクタリング2つのデメリット

診療報酬ファクタリング2つのデメリット

診療報酬ファクタリングには以下のようなデメリットもあります。

  • ファクタリングできるのは8割程度
  • 2社間では手数料が高い

診療報酬ファクタリングでは、売却時に売掛債権全額が入金にならないという点が最も大きなデメリットです。

どのようなことなのか、詳しく見ていきましょう。

ファクタリングできるのは8割程度

診療報酬ファクタリングで、債権を売却した際にファクターから支払いを受けることができるのは、診療報酬金額の8割程度です。

これは、残りの2割を手数料として取られてしまうということではありません。

診療報酬は国保や社保へ請求すると、国保や社保が請求内容を審査します。

ニュースなどでもよく報道されているように、診療報酬には架空請求などの不正が多いためです。

そして審査の結果、満額報酬が支払われないということが珍しくありません。

そのため、請求額通りの金額が払われなかった時のために、ファクタリング時には診療報酬の8割程度しか支払いが行われないのです。

1,000万円の診療報酬の場合には、800万円程度が最初に支払われます。

そして、診療報酬が確定した後に残金が支払われる仕組みです。

しっかりと手数料を差し引いた診療報酬満額が支払われますので安心してください。

2社間では手数料が高い

診療報酬ファクタリングは基本的に3社間で行われますが、2社間ファクタリングしか扱っていない会社が診療報酬をファクタリングすることもあります。

しかし、このような形で診療報酬をファクタリングしてしまうと、手数料が高くなるのであまりおすすめはできません。

2社間ファクタリングは売掛先の同意が必要ないので、二重譲渡の危険があります。

二重譲渡された時に「これは自社が買い取った債権だ」と主張できるよう、2社間ファクタリングでは債権譲渡登記という登記を行わなければなりません。

この登記費用と印紙代で10万円程度のお金が必要になるので、いくら回収リスクがない診療報酬ファクタリングだとしても2社間ファクタリングは手数料が高くなってしまいます。

できれば、診療報酬ファクタリングは債権譲渡登記の必要がない3社間ファクタリング取り扱ってくれる会社と取引をした方がよいでしょう。

診療報酬ファクタリングは開業時に活用できる2つの理由

診療報酬ファクタリングが資金繰りに困窮した医療機関全般で活用できることは間違いありません。

しかし、最も活用することができるのは開業当初の医療機関でしょう。

開業当初の医療機関には以下の2つの問題点があるからです。

  • 3ヶ月間入金がないから
  • 銀行の運転資金審査に通らないから

診療報酬ファクタリングであれば、開業当初の医療機関の問題点を解決することができます。

詳しく見ていきましょう。

開業当初は3ヶ月間入金がないから

医療機関は開業当初、診療報酬の入金が丸3ヶ月ありません。

例えば4月開業した医療機関は、4月の診療報酬の請求を出すのが5月で入金になるのが6月末ですので、4月に開業しても6月末までの丸3ヶ月間入金がないことになります。

これだけの長い期間を自己負担分の医療費だけで賄うのは不可能ですので、開業時に手元に一定の資金がない場合には、診療報酬ファクタリングが活用することができるのです。

運転資金が借りにくいから

前述したように、莫大な設備資金を借りた後に、運転資金を新たに銀行から借りることは難しいと言えます。

ファクタリングであれば、銀行融資を受けることができない医療機関でも審査に通過することができますので、この意味でも開業間も無くの医療機関に診療報酬ファクタリングは最適であると言えるでしょう。

介護報酬もファクタリングすることができますか?
介護報酬だけでなく、保険適用の売掛債権は全てファクタリングすることができます。手数料も安価で審査に通過できる可能性も高いので、資金繰りに困った時には利用を検討しましょう。
開業すぐでも利用することができますか?
国保などに請求済みの売掛債権しかファクタリングできません。そのため、開業翌月の診療報酬請求後が最短でのスタート時期になります。
2社間ファクタリングで診療報酬をファクタリングするメリットを教えてください。
2社間ファクタリングは即日で資金化することができるので、請求後すぐに資金調達ができます。手数料が3社間と比較して高いですが、どうしてもすぐに資金が必要な時には2社間ファクタリングで資金調達する方法も検討しましょう。

まとめ

診療報酬ファクタリングは医療機関に請求済みでまだ未入金の診療報酬をファクターへ売却し、早期資金化を図るファクタリングです。

診療報酬ファクタリングは売掛先が国保や社保などの公的機関であるため、審査に通過する可能性が非常に高く、回収リスクもないので手数料も非常に安価になります。

診療報酬は診療を行なってから入金になるまで最大3ヶ月の時間がかかるので、手元の資金が不足している開業間もない医療機関にとっては開業時の資金繰りは大きな課題です。

診療報酬ファクタリングであれば、少ない負担で医療機関のこのような資金繰りの問題点を解決することができます。

大手企業が行なっているサービスですので、手元の運転資金に不安がある医療機関は早めに相談するようにしましょう。