ファクタリングの必要書類と、その書類から審査されている内容について解説します。

ファクタリングでは申込時に様々な書類を提出する必要があります。

それらの書類を提出する意味は「ただ必要だから」というわけではありません。

審査で様々な点をチェックするために提出が必要になるものです。

そのため、提出する書類によってはファクタリング審査に不利になることもありますし、逆に有利になることもあります。

ファクタリングではどんな書類が必要で、審査では何を見ているのか、審査通過率をあげるためのポイントなどについて詳しく解説していきます。

ファクタリングの必要書類

ファクタリングに必要な6つの書類

まずは、ファクタリングの申込から契約までに必要な書類の一覧です。

ファクターによって必要書類の差異はあるものの、主に必要になるのは以下のような書類になります。

  • 商業登記簿謄本と印鑑証明書
  • 決算書や確定申告書
  • 売掛先企業との基本契約書
  • 個別契約書、納品書、請求書など
  • 過去の入金の確認ができる通帳

印鑑証明書は契約時に必要になる書類ですので審査とは無関係ですが、その他の書類は全て審査段階でチェックされる書類です。

では、これらの書類からファクタリングではどんなことをチェックされているのか、詳しく解説していきます。

商業登記簿謄本の審査内容

商業登記簿謄本の審査内容

商業登記簿謄本や、法務局で取得する書類です。

商業登記簿謄本には会社の基本的な情報が記載されており、ファクタリング審査では、主に以下の4点を審査しています。

  • 会社の実在
  • 会社の目的
  • 資本金
  • 創業年数

商業登記簿謄本ではどのような内容を審査しているのか、詳しく解説していきます。

会社の実在

商業登記簿謄本は会社が登記されていなければ取得することはできません。

そのため、商業登記簿謄本を提出することによって「確かに会社が実在し、法的に登記を完了した会社」という証明になります。

実在しない会社と取引することはファクターのリスクが高いので、必ず商業登記簿謄本から会社の実在を確認します。

また、商業登記簿謄本から会社の所在地や代表者氏名なども確認できます。

会社にとっての本人確認書類的な意味合いが商業登記簿謄本にはあります。

会社の目的

商業登記簿謄本には会社の目的も記載されています。

どんなことを営む会社なのかを確認し、その会社のおおよその事業内容もチェックします。

資本金

資本金の額も商業登記簿謄本から知ることが可能です。

ファクタリングに申し込みを行なっている会社の資本金を調べ、当該企業の規模はどの程度なのかを審査しています。

資本金は大きければ有利というわけではありませんが、資本金が非常に小さな会社が高額のファクタリングを希望しているようなケースでは、「取引しても大丈夫か?」と疑問をもたれる可能性はあります。

ファクタリングを希望する金額と、会社の規模のバランスなどはチェックされることがあると考えた方がよいでしょう。

創業年数

企業の信頼を審査するためには創業年数も重要です。

創業年数が長い方が、売掛先との信頼も強固である可能性が高いと判断される傾向にあります。

逆に創業したばかりなのにファクタリングで資金調達を必要としている会社は「この会社は大丈夫か?」というネガティブな評価になる可能性があります。

このように、創業年数は審査でそれなりに重要な要素でたるため、登記簿謄本からしっかりと確認されています。

決算書や確定申告書の審査内容

決算書や確定申告書の審査内容

決算書や確定申告書も申込の際にには必ず必要になります。

いうまでもなく、決算書や確定申告書は会社の業績を表す書類ですが、会社の業績の中でもファクタリングでは以下の3つを重視して審査しています。

決算書や確定申告書から審査する3つの内容について詳しく解説します。

会社の業況

決算書からチェックされるのは会社の財務状態、収益状態などの会社の業況です。

ファクタリングにおいては、ファクターへ支払いをするのは売掛先企業ですが、2社間ファクタリングでは売掛債権期日に資金が自社を経由するため、あまりにも業況が悪い企業は「資金流用するかもしれない」と危惧され、審査に落ちてしまうこともあります。

資金繰り

決算書やキャッシュ・フロー計算書から会社の資金繰りも確認しています。

ファクタリング審査においてはこの点が最も重視されると言っても過言ではないでしょう。

ファクタリングではファクターに支払うのは売掛先企業ですが、今日にも明日にも資金ショートしてしまうような企業では、2社間ファクタリングで「資金流用のリスクがある」と判断されるので、審査で落とされてしまいます。

信頼に足るだけの一定以上のキャッシュフローがあるかどうかを企業の資金繰りを確認し、審査を行なっています。

借入金の状況等

決算書には借入金の金額と、どこからいくら借りているのかという借入金の明細が表示されています。

ここから、借入状況をチェックし、事業の継続が可能な事業者かどうかという点が審査されます。

あまりにも借入金の金額が大きく、「ファクタリングで資金調達できてもいずれは倒産してしまう」としか判断できなような企業は審査に通過することが難しいでしょう。

売掛先企業との基本契約書の審査内容

売掛先企業との基本契約書の審査内容

ファクタリングに申込を行うと、売掛先企業との基本契約書の提出を求められることがあります。
「請求書や個別の契約書を送っているのに、なぜ基本契約書が必要になるのか?」と疑問に感じている人も多いのではないでしょうか?

基本契約書からは以下の3点をチェックしているため、個別契約書とは別に必要になります。

  • 取引の継続性
  • 取引のボリューム
  • 入金サイト等

基本契約書からチェックする3つのポイントを解説していきます。

取引の継続性

基本契約書があるということは「今後も継続して取引をしていきましょう」という証拠です。

一過性の取引ではなく、継続的に取引を行なっているということが分かるので、基本契約書があるということは、これまでも継続的に取引を行っている支払いには問題がないであろう、ある程度信頼できる企業ということを確認することができます。

取引のボリューム

基本契約書には「毎月〇〇kg納品する」などの取引のボリュームが記録されていることもあります。

毎月どの程度の取引があり、売掛債権がいくらあるのかということを基本契約書から知ることができます。

この情報もファクターが債権の中身を知るためには重要な情報ですので、審査で確認を行っています。

入金サイト等

基本契約書には「毎月〇〇日締め、翌月〇〇日支払い」という支払いに関する情報が記録されています。

これによって、当該取引先との入金サイトを知ることができるので、ファクタリングをするにあたって、何日後に支払いなのかというリスク判定に欠かすことができない情報を知ることが可能になります。

個別契約書・納品書・請求書の審査内容

個別契約書・納品書・請求書の審査内容

個別契約書や納品書や請求書からは、債権の実在性をチェックします。

例えば、100万円の売掛債権があるということは基本契約書だけでは確認することはできません。

基本契約書はあくまでも、企業と企業の取引に関する基本的な事項を定めただけですので、「いつ、いくらの売掛債権が発生した」という個別の売掛債権の実在性については個別契約書や請求書や納品書を確認しなければ知ることはできません。

取引先によっては基本契約書を締結せずに取引をスタートさせていることはよくあります。

したがって、基本契約書がなくても個別契約書や請求書さえあればファクタリングを利用することは可能です。

しかし、個別契約書や請求書や納品書がなければ債権の実在性を確認することができないので、ファクタリングを行うことは不可能です。

個別契約書や納品書や請求書は必ず必要になる書類であると、しっかりと理解しておきましょう。

入出金通帳の

入出金通帳の

過去の入金の確認ができる通帳から売掛先の支払能力や信用がチェックされます。

これは、過去に当該取引先から入金があった場合に限って提出することによって「この取引先は期日通りに代金を払うことができるかどうか」ということの証明になるためです。

ファクタリングを希望する取引先がこれまで自社に振込をした記録があるのであれば、その通帳のコピーを提出しましょう。

ただし、その記録が期日に遅れた記録であれば審査でマイナスになりますし、期日通りであれば審査ではプラスになります。

これまでの入金状況から提出した方がプラスになるのか、マイナスになるのかはしっかりと確認した上で提出することをおすすめします。

ネットバンクの利用している場合は通帳が無いケースがあります。その場合は、銀行インターネットサービスにて、銀行口座情報と入出金情報が含まれた物をを印刷して提出することができます。

ファクタリングの審査書類に関するよくある質問

審査の途中で他の書類の提出を求められました。悪徳業者ですか?
審査の途中で他の書類の提出を求められることは決して珍しいことではありません。
ファクターはなんとか審査に通過させるために、追加で様々な書類の提出を求めることがあります。
そのため、追加で書類を求められることは悪徳業者でも何でもなく、厳正に審査を行うための正しい措置であると解釈した方がよいでしょう。
むしろ、悪徳業者はろくな審査をせずに審査に通過させますので、追加の書類を求めるということはしっかりとした業者の証拠であると考えてもよいかもしれません。
書類を偽造したらバレますか?
ファクターは決算書や請求書など無数の書類をこれまで確認してきた実績と経験があるので、基本的には書類を偽造したらバレると考えた方がよいでしょう。
請求書などを偽造してもバレずに審査に通過できる可能性もゼロではありませんが、実在しない請求書を偽造してファクタリングを行なったとしても、売掛債権期日になればバレるのはほぼ確実です。
自社が期日通りにファクターに支払うことができない場合には、請求書の宛名にファクターが請求しますので、売掛先に対しても偽造請求書でファクタリングしたことがバレることになってしまいます。
また、ファクターから詐欺罪で告発される可能性も十二分にありますので、絶対に書類の偽造はしてはいけません。
売掛先との基本契約書がありません。ファクタリング不可能でしょうか?
基本契約書なしで取引している取引先との売掛債権でもファクタリングすることは可能です。
そのため、基本契約書なしでもファクタリングを利用することは可能です。
ただし、基本契約書があるということは、当該取引先と継続的に取引を行なっている安定している取引先という証拠になるので、基本契約書があった方が審査で有利になる可能性が高いとは言えるでしょう。
過去に入金に遅れたことがある売掛先の債権は売却不可能でしょうか?
ファクターが審査でどう判断するかによってファクタリングの可否は異なります。
毎月のように支払期日に遅れている取引先の売掛債権をファクタリングすることは難しいでしょうが、過去に1回だけ遅れたことがあるだけで、他には遅れたことがないというような場合にはファクタリング審査に通過できることもあります。
最終的な判断はファクターが審査で決めることですが、遅れができる少ない取引先の売掛債権の方が審査で有利になることだけでは間違いありません。

まとめ

ファクタリング審査には様々な書類が必要です。

そして、その書類は審査でチェックされ、あまりにもファクターにとってリスクが高い場合には審査に通過できないこともあります。

基本的には自社に資金流用のリスクがなく、売掛先が期日通りに支払うことができると判断されれば審査に通過できる可能性は高いと言えるでしょう。

また、必要書類を迅速に速やかに提出することができれば、入金までの時間は早くなります。

急いでいる時ほど必要書類を事前に確認し、漏れのないように書類を用意しましょう。

審査に通過したいあまりに書類を偽造してしまう人も中には存在しますが、書類の偽造は売掛先にバレるだけでなく、刑事罰に処される可能性もあるので絶対にやめるようにしましょう。