IT導入補助金は中小企業・小規模事業者のデジタル化を支援する補助金制度です。個人事業主でIT導入補助金の利用を検討している方も多いでしょう。

IT導入補助金は、個人事業主も対象となる補助金制度です。ただし、申請のためには指定された要件を満たす必要があり、IT導入支援事業者の選定など多くの手続きが必要です。

今回は、IT導入補助金について個人事業主が利用する場合の対象条件・必要書類・申請方法等を解説します。本記事を読めば、IT導入補助金の概要を理解してスムーズな申請が可能です。IT導入補助金を活用し、個人事業主の業務効率化・新規ビジネスの獲得につなげましょう。

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補助金は専門家に相談しましょう|ものづくり補助金、IT導入補助金、事業再構築補助金、小規模事業者持続化補助金、キャリアアップ助成金、人材開発支援助成金、などすべてご相談できます。

IT導入補助金とはITツール導入費用を補助する助成金制度

IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者のデジタル化を後押しする国の支援制度です。企業の生産性向上・競争力強化を目的とし、ITツール導入費用の一部を補助します。

対象となるITツールは、会計ソフト・顧客管理システム・受発注システムなど多岐にわたる点が特徴です。補助金額は申請枠によって異なりますが、複数社連携IT導入枠の場合は最大で3,000万円まで支給されます。

IT導入補助金を利用すれば最新のITツールを比較的低コストで導入できるため、業務の効率化・データ活用による経営改善が期待できます。ただし、申請には一定の条件があり、導入後の効果測定も求められる点に注意が必要です。中小企業にとって、IT導入補助金はデジタル化への第1歩を踏み出す絶好の機会です。

IT導入補助金は個人事業主も利用できる

IT導入補助金は、中小企業だけでなく個人事業主も活用できる制度です。デジタル化による生産性向上を目指す個人事業主にとって、IT導入補助金は大きな支援となります。以下、具体的な対象条件・申請枠・補助額について説明します。

対象条件

IT導入補助金の対象は、中小企業・小規模事業者です。IT導入補助金の公募要領で定義される中小企業・小規模事業者の条件は、以下のとおりとなります。

【中小企業の定義】

業種分類 定義
①製造業・建設業・運輸業 資本金の額または出資の総額が3億円以下の会社または常時使用する従業員の数が300人以下の会社および個人事業主
②卸売業 資本金の額または出資の総額が1億円以下の会社または常時使用する従業員の数が100人以下の会社および個人事業主
③サービス業(ソフトウェア業または情報処理サービス業・旅館業を除く) 資本金の額または出資の総額が5千万円以下の会社または常時使用する従業員の数が100人以下の会社および個人事業主
④小売業 資本金の額または出資の総額が5千万円以下の会社または常時使用する従業員の数が50人以下の会社および個人事業主
⑤ゴム製品製造業(自動車または航空機用タイヤおよびチューブ製造業並びに工場用ベルト製造業を除く) 資本金の額または出資の総額が3億円以下の会社または常時使用する従業員の数が900人以下の会社および個人事業主
⑥ソフトウェア業または情報処理サービス業 資本金の額または出資の総額が3億円以下の会社または常時使用する従業員の数が300人以下の会社および個人事業主
⑦旅館業 資本金の額または出資の総額が5千万円以下の会社または常時使用する従業員の数が200人以下の会社および個人事業主
⑧その他業種(上記以外) 資本金の額または出資の総額が3億円以下の会社または常時使用する従業員の数が300人以下の会社および個人事業主
⑨医療法人・社会福祉法人 常時使用する従業員の数が300人以下の者
⑩学校法人 常時使用する従業員の数が300人以下の者
⑪商工会・都道府県連合会および商工会議所 常時使用する従業員の数が100人以下の者
⑫中小企業支援法第2条第1項第4号に規定される中小企業団体 上記①~⑧の業種分類に基づき、その主たる業種に記載の従業員規模以下の者
⑬特別の法律によって設立された組合またはその連合会 上記①~⑧の業種分類に基づき、その主たる業種に記載の従業員規模以下の者
⑭財団法人(一般・公益)・社団法人(一般・公益) 上記①~⑧の業種分類に基づき、その主たる業種に記載の従業員規模以下の者
⑮特定非営利活動法人 上記①~⑧の業種分類に基づき、その主たる業種に記載の従業員規模以下の者

引用:IT導入補助金2024通常枠|公募要領

【小規模事業者の定義】

業種分類 定義
①商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) 常時使用する従業員の数が5人以下の会社および個人事業主
②宿泊業・娯楽業 常時使用する従業員の数が20人以下の会社および個人事業主
③製造業その他 常時使用する従業員の数が20人以下の会社および個人事業主

引用:IT導入補助金2024通常枠|公募要領

上記の表のとおり、中小企業・小規模事業者には個人事業主も含まれています。運営業種によって資本金・従業員数の上限が異なるため、申請前に確認しておきましょう。

5つの申請枠

IT導入補助金には、事業者の規模や導入するITツールの種類に応じて以下の5つの申請枠が設けられています。

申請枠 概要
通常枠 事業のデジタル化を目的としたソフトウェア・システムの導入を支援する枠
インボイス枠(インボイス対応類型) インボイス制度に対応した会計ソフト・受発注ソフト・決済ソフト・PC等を導入し労働生産性の向上をサポートする枠
インボイス枠(電子取引類型) インボイス制度に対応した受発注システムを商流単位で導入する企業を支援する枠
セキュリティ対策推進枠 サイバー攻撃の増加に伴う潜在的なリスクに対処するため、サイバーインシデントに関する様々なリスク低減策を支援する枠
複数社連携IT導入枠 業務上つながりのある複数の中小企業・小規模事業者が連携してITツールを導入し、生産性の向上を図る取り組みを支援する枠

各枠によって補助率・上限額が異なるため、事業規模・導入するITツールの内容を考慮して最適な枠を選択するのが大切です。また、申請要件・必要書類も申請枠ごとに異なる場合があるため、詳細を確認した上で申請しましょう。

補助額・補助率

IT導入補助金の補助額・補助率は、選択する申請枠・導入するITツールの種類によって異なります。申請枠ごとの補助額・補助率は、以下の表のとおりです。

申請枠 補助額 補助率
通常枠 5万円〜450万円 1/2
インボイス枠(インボイス対応類型) 10万円〜350万円 1/2〜4/5
インボイス枠(電子取引類型) 下限なし~350万円 1/2〜2/3
セキュリティ対策推進枠 5万円〜100万円 1/2
複数社連携IT導入枠 10万円〜3,000万円 1/2〜4/5

上記の補助額・補助率を参考に、事業規模・導入予定のITツールに合わせて最適な申請枠を選択するのが重要です。補助金の交付には一定の条件があり、事後の効果報告も求められるため申請前に詳細な要件を確認しておきましょう。

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個人事業主がIT導入補助金を申請するポイント

個人事業主がIT導入補助金を申請する際には、いくつかの重要なポイントがあります。

  • 申請には3つの必要書類を提出する
  • 例年複数回の公募がある
  • 補助金対象の経費は細かく条件が設定されている

適切な準備・理解により、スムーズな申請・採択率の向上を目指せます。以下、具体的なポイントについて詳しく見ていきましょう。

申請には3つの必要書類を提出する

IT導入補助金を申請する際、個人事業主の場合は主に以下3つの書類が必要です。

  • 運転免許証(有効期限内のもの)・運転経歴証明書・住民票(発行から3ヶ月以内のもの)
  • 税務署で発行された直近分の所得税納税証明書(「その1」もしくは「その2」)
  • 税務署が受領した直近分の確定申告書控え

上記の内、運転免許証・運転経歴証明書・住民票は本人確認のために用いられます。所得税納税証明書・確定申告書は事業実態を確認するための書類です。所得税納税証明書・確定申告書ともに直近分と時期が指定されているため、提出する書類を間違えないよう注意しましょう。

例年複数回の公募がある

IT導入補助金は、通常年に複数回の公募が行われます。2024年に関しては、現時点で各申請枠ごとに以下の公募が行われています。

  • 通常枠:1次締切〜6次締切の計6回
  • インボイス枠(インボイス対応類型):1次締切〜11次締切の計11回
  • インボイス枠(電子取引類型):1次締切〜6次締切の計6回
  • セキュリティ対策推進枠:1次締切〜6次締切の計6回
  • 複数社連携IT導入枠:1次締切〜3次締切の計3回

公募回ごとに、締切日・事業実施期間など細かくスケジュールが定められています。事業計画・準備状況に合わせて、最適なタイミングで申請しましょう。常に最新の情報をチェックし、計画的に準備を進めるのが成功の鍵です。

補助金対象の経費は細かく条件が設定されている

IT導入補助金の対象となる経費には、詳細な条件が設定されています。補助対象となる経費の条件を正確に理解し、適切な申請を行うのが重要です。例えば、通常枠・セキュリティ対策対策推進枠では以下のように補助対象となる経費の要件が設定されています。

申請枠 対象経費
通常枠 ソフトウェア購入費および導入するソフトウェアに関連するオプション・役務の費用
セキュリティ対策推進枠 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公表する「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載されているサービスの利用料(最大2年分)

上記の条件を踏まえ、申請前に導入予定のITツールや関連経費が補助対象となるか十分に確認するのが重要です。不明点がある場合は、事前に運営事務局に問い合わせるなど、慎重に対応しましょう。

個人事業主がIT導入補助金導入補助金を申請する方法・ステップ

IT導入補助金の申請は、以下のステップを踏む必要があります。

  • ①公募要領を確認し申請枠を決定
  • ②「gBizIDプライム」アカウントの取得・「SECURITYACTION」宣言の実施
  • ③「みらデジ経営チェック」の実施
  • ④IT導入支援事業者・ITツールの選定
  • ⑤交付申請
  • ⑥交付決定
  • ⑦ITツールの発注・契約・支払い
  • ⑧事業実績報告
  • ⑨補助金交付
  • ⑩事業実施効果報告

個人事業主が効率的かつ効果的に申請を行うため、上記ステップを理解した上で手続きを行いましょう。

①公募要領を確認し申請枠を決定

IT導入補助金の申請プロセスにおける第一歩は、公募要領を詳細に確認して適切な申請枠を決定する点です。まず、IT導入補助金事務局の公式ウェブサイトで最新の公募要領をダウンロードします。公募要領には、「補助金の目的・対象となる事業者」「経費・申請手続きの詳細」など重要な情報が網羅されています。

公募要領を確認後、事業規模・導入予定のITツールに最適な申請枠を選択しましょう。通常枠・セキュリティ対策推進枠など、複数の枠が用意されています。例えば、セキュリティ対策に特化したツールの導入を考えている場合は、セキュリティ対策推進枠が最適です。

公募要領の確認・適切な申請枠の選択は、申請プロセス全体の方向性を決定する重要なステップです。慎重に検討し、必要に応じてIT導入補助金事務局・専門家に相談しましょう。

②「gBizIDプライム」アカウントの取得・「SECURITYACTION」宣言の実施

IT導入補助金の申請には、「gBizIDプライム」アカウントの取得と「SECURITYACTION」宣言の実施が必須となります。上記は申請の前提条件であり、早めに準備を進めるのが重要です。

gBizIDは、複数の行政サービスを1つのアカウントで利用できる認証システムです。中でもプライムアカウントは、行政サービスを無制限に利用できるグレードの高いアカウントとなります。

注意点として、gBizIDプライムアカウントを郵送申請する場合には1週間程度かかります。オンラインであれば即日取得が可能であるため、急ぎの場合はgBizIDの公式サイトから手続きを進めましょう。

また、SECURITYACTIONは中小企業自らが情報セキュリティ対策に取り組むと自己宣言する制度です。「★1つ星」または「★★2つ星」が要件として設定されているため、あわせてIPAの公式サイトから申し込み手続きを進めましょう。

③「みらデジ経営チェック」の実施

IT導入補助金の申請には、「みらデジ経営チェック」の実施も必要です。診断を通じて、自社のデジタル化の現状・課題を客観的に把握し、今後の方向性を明確にできます。具体的には「みらデジ」ポータルサイト内にgBizIDで登録し、マイページから「みらデジ経営チェック」の実施が必要です。

通常枠では「みらデジ経営チェック」の実施が必須となっており、未実施で申請すると不採択になってしまいます。インボイス枠・セキュリティ対策推進枠で必須ではありませんが、実施すると審査で加点を受けられるため申請前に済ませておきましょう。

④IT導入支援事業者・ITツールの選定

IT導入補助金を活用する上で、適切なIT導入支援事業者・ITツールの選定は非常に重要なステップです。IT導入支援事業者・ITツール選定が、補助金の申請成功と導入後の効果に大きく影響します。

IT導入支援事業者は、補助金の申請・ITツール導入・アフターフォローまでをサポートする重要なパートナーです。補助金の対象となるITツールは、IT導入補助金事務局に登録されたツールから選ぶ必要があります。IT導入補助金公式サイト内の「ITツール・IT導入支援事業者検索」から検索できるため、必要に応じて活用してください。

⑤交付申請

IT導入支援事業者・ITツールの選定を終えたら、交付申請に移りましょう。交付申請では、事業計画・導入するITツールの詳細、期待される効果などを明確に示す必要があります。適切な申請が、補助金獲得の鍵です。

具体的には、以下の手順で交付申請を進めます。

  • IT導入支援事業者から「申請マイページ」の招待を受け、代表者氏名等の申請者基本情報を入力する。
  • 交付申請に必要となる情報入力・書類添付を行う。
  • IT導入支援事業者にて、導入するITツールの情報・事業計画値を入力する。
  • 「申請マイページ」上で入力内容の最終確認後、申請に対する宣誓を行い事務局へ提出する。

なお、上記は通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠での手続き方法です。複数社連携IT導入枠は申請フローが異なるため、公募要領内の「3-2交付申請」から詳細を確認してください。

⑥交付決定

申請内容の審査が完了して承認された場合、交付決定通知が送られます。交付決定通知が送られた事業者は、補助事業の実施が可能です。

なお、交付決定前にITツールの契約・導入を開始してしまうと補助金の対象外となる可能性があります。ITツールの導入や支払いは、必ず交付決定後に着手しましょう。

導入作業は、補助事業の実施期間内に完了する必要があります。期間を過ぎると補助金が受けられなくなる可能性があるため、スケジュール管理は慎重に行ってください。

⑦ITツールの発注・契約・支払い

交付決定を受けた後、いよいよITツールの導入プロセスが始まります。交付決定通知を受け取ったら、速やかにIT導入支援事業者に発注を行います。ITツールの発注時には、以下の点に注意しましょう。

  • 交付決定通知の内容と一致しているかを確認
  • 導入スケジュールの再確認
  • 発注書の作成・保管(補助金の実績報告時に必要となる場合がある)

導入内容に大きな変更が生じる場合は、事前に補助金事務局に相談して承認を得る必要があります。

⑧事業実績報告

事業実績報告は、ITツールの導入完了後に行う手続きです。ITツールの発注・契約・納品・支払い等を行ったと分かる証憑を提出します。証憑の提出は、以下の流れで行います。

  1. 「申請マイページ」から事業実績報告に必要な情報の入力および証憑の添付を行い、事業実績報告を作成する
  2. 事業実績報告が作成された後、IT導入支援事業者が内容の確認および必要情報を入力する
  3. 最終確認後、事務局に事業実績報告を提出する

事業実績報告で実際に導入したITツールの内容・経費の詳細を補助金事務局に報告し、補助金交付額の確定を受けます。

⑨補助金交付

補助金交付は、IT導入補助金における申請プロセスの最終段階です。事業実績報告の内容が適切であると認められた後、補助金が交付されます。

具体的には事業実績報告をもとに確定検査を実施し、審査完了後に決定した補助金が指定銀行口座に振り込まれる流れです。なお、以下のような場合、補助金の全部または一部の返還を求められる可能性があります。

  • 虚偽の申請・報告が発覚した場合
  • 補助金を目的外に使用した場合
  • 導入したITツールを適切に活用していない場合

報告内容には誤りがないよう、提出前に確認しましょう。

⑩事業実施効果報告

補助金の振り込み後も、事業実施で得られた効果を報告する必要があります。申請枠によって報告内容は異なるため、公募要領を確認しましょう。通常枠の場合は、生産性向上に関する数値目標の情報(営業利益・人件費等)および給与支給総額・事業場内最低賃金等を報告します。

事業実施効果報告には、期限が定められているため注意が必要です。例えば、通常枠の場合は以下の報告期限が設定されています。

年度 事業実施効果報告対象期間 事業実施効果報告期間
1年目 2025年4月1日~2026年3月31日 2026年4月~2026年7月
2年目 2026年4月1日~2027年3月31日 2027年4月~2027年7月
3年目 2027年4月1日~2028年3月31日 2028年4月~2028年7月

報告期限までに書類を提出できるよう、早めに準備を進めましょう。

補助金は専門家に相談しましょう|ものづくり補助金、IT導入補助金、事業再構築補助金、小規模事業者持続化補助金、キャリアアップ助成金、人材開発支援助成金、などすべてご相談できます。

IT導入補助金申請時の注意点

IT導入補助金を申請する際には、以下の注意点があります。

  • 公募ごとに締切が設定されている
  • 複数枠の同時申請ができる
  • ホームページ作成費用で申請する際は条件にあてはまるか確認する
  • 申請・審査通過には事業実績が必要

上記の注意点を理解し、適切に対応してスムーズな申請につなげましょう。

公募ごとに締切が設定されている

IT導入補助金の公募は年に複数回実施されますが、どの回も締切が設定されています。現在公表されている最新公募回のスケジュールは、以下のとおりです。

申請枠 公募回 締切日 交付決定日 事業実施期間 事業実績報告期間
通常枠 6次締切分 2024年8月23日(金)17:00 2024年10月3日(木)(予定) 交付決定〜2024年12月9日(月)17:00 2024年12月9日(月)17:00
インボイス(インボイス対応類型) 11次締切分 2024年8月23日(金)17:00 2024年10月3日(木)(予定) 交付決定〜2024年12月9日(月)17:00 2024年12月9日(月)17:00
インボイス(電子取引類型) 6次締切分 2024年8月23日(金)17:00 2024年10月3日(木)(予定) 交付決定〜2024年12月9日(月)17:00 2024年12月9日(月)17:00
セキュリティ対策推進枠 6次締切分 2024年8月23日(金)17:00 2024年10月3日(木)(予定) 交付決定〜2024年12月9日(月)17:00 2024年12月9日(月)17:00
複数社連携IT導入枠 3次締切分 2024年8月23日(金)17:00 2024年10月3日(木)(予定) 交付決定〜2024年12月9日(月)17:00 2024年12月9日(月)17:00

各スケジュールで指定されている期限を過ぎると、手続きができなくなります。締切の直前は申請マイページへのアクセスが集中するため、手続き途中でエラーが発生する可能性も高いです。期日前に余裕を持って申請しましょう。

複数枠の同時申請ができる

IT導入補助金には複数の申請枠が設けられており、条件を満たせば同時に複数枠への申請が可能です。例えば、通常枠・セキュリティ対策推進枠は別の補助金扱いとなるため、同一の事業者が申し込めます。

ただし、同じ事業で複数枠への申請はできません。複数枠を利用したい場合は、別々の事業で申請しましょう。

ホームページ作成費用で申請する際は条件にあてはまるか確認する

IT導入補助金を活用してホームページを作成する場合、事業内容によっては申請条件にあてはまらない可能性もあるため注意が必要です。例えば、個人事業主が単純にホームページを持っておらず作成した場合は、補助対象外となります。

IT導入補助金の対象は、あくまで生産性向上を目的とした事業です。顧客管理効率化のためのホームページ作成であれば生産性向上に寄与すると判断できるため、申請が受理される確率が高くなります。事前にIT導入支援事業者や専門家に相談し、適切な計画を立てましょう。

申請・審査通過には事業実績が必要

IT導入補助金の申請および審査通過には、一定の事業実績が必要です。個人事業主の場合、申請要件として事業実態確認に必要な確定申告書・所得税納税証明書の提出を求められるためです。

よって、確定申告書・所得税納税証明書がない状態ではIT導入補助金を申請できません。昨年までの事業実績がない場合は、一度確定申告を行ってから翌年度のIT導入補助金を申請しましょう。

申請はいつまで?2024年IT導入補助金のスケジュール

2024年のIT導入補助金のスケジュールは、現在募集中の公募で以下のとおりとなります。

【通常枠】

公募回 締切日 交付決定日 事業実施期間 事業実績報告期間
5次締切分 2024年7月19日(金)17:00 2024年8月30日(金)(予定) 交付決定〜2024年11月29日(金)17:00 2024年11月29日(金)17:00
6次締切分 2024年8月23日(金)17:00 2024年10月3日(木)(予定) 交付決定〜2024年12月9日(月)17:00 2024年12月9日(月)17:00

【インボイス(インボイス対応類型)】

公募回 締切日 交付決定日 事業実施期間 事業実績報告期間
8次締切分 2024年7月3日(水)17:00 2024年8月8日(木)(予定) 交付決定〜2024年11月29日(金)17:00 2024年11月29日(金)17:00
9次締切分 2024年7月19日(金)17:00 2024年8月30日(金)(予定) 交付決定~2024年11月29日(金)17:00 2024年11月29日(金)17:00
10次締切分 2024年8月2日(金)17:00 2024年9月9日(月)(予定) 交付決定〜2024年11月29日(金)17:00 2024年11月29日(金)17:00
11次締切分 2024年8月23日(金)17:00 2024年10月3日(木)(予定) 交付決定〜2024年12月9日(月)17:00 2024年12月9日(月)17:00

【インボイス(電子取引類型)】

公募回 締切日 交付決定日 事業実施期間 事業実績報告期間
5次締切分 2024年7月19日(金)17:00 2024年8月30日(金)(予定) 交付決定〜2024年11月29日(金)17:00 2024年11月29日(金)17:00
6次締切分 2024年8月23日(金)17:00 2024年10月3日(木)(予定) 交付決定〜2024年12月9日(月)17:00 2024年12月9日(月)17:00

【セキュリティ対策推進枠】

公募回 締切日 交付決定日 事業実施期間 事業実績報告期間
5次締切分 2024年7月19日(金)17:00 2024年8月30日(金)(予定) 交付決定〜2024年11月29日(金)17:00 2024年11月29日(金)17:00
6次締切分 2024年8月23日(金)17:00 2024年10月3日(木)(予定) 交付決定〜2024年12月9日(月)17:00 2024年12月9日(月)17:00

【複数社連携IT導入枠】

公募回 締切日 交付決定日 事業実施期間 事業実績報告期間
3次締切分 2024年8月23日(金)17:00 2024年10月3日(木)(予定) 交付決定〜2024年12月9日(月)17:00 2024年12月9日(月)17:00

最新の公募状況は常に更新されているため、IT導入補助金事務局の公式サイトで随時確認してください。

補助金は専門家に相談しましょう|ものづくり補助金、IT導入補助金、事業再構築補助金、小規模事業者持続化補助金、キャリアアップ助成金、人材開発支援助成金、などすべてご相談できます。

個人事業主のIT導入補助金でよくある質問

IT導入補助金に関して、個人事業主の方々からよく寄せられる以下の質問について、詳しく解説します。

  • IT導入補助金でパソコンを購入できる?
  • freeeなどの会計ソフトをIT導入補助金で導入できる?
  • IT導入補助金は開業直後の個人事業主でも申請可能?

上記の情報を理解することで、補助金の効果的な活用が可能になります。

IT導入補助金でパソコンを購入できる?

IT導入補助金を用いたパソコン購入については、一定の条件下で可能です。具体的には、業務効率化につながるソフトウェア導入に際してパソコンが必要な場合が対象となります。

ただし、単なる機器の買い替えは対象外となるため注意が必要です。パソコンにかかる費用は、ソフトウェアを導入するIT導入支援事業者からの購入のみが補助金の対象です。別の業者から購入した場合は対象外となるため注意しましょう。

freeeなどの会計ソフトをIT導入補助金で導入できる?

freeeなどのクラウド会計ソフトは、IT導入補助金の対象となる代表的なITツールの1つです。上記のソフトウェアは、個人事業主の会計業務効率化・デジタル化を促進するツールとして認識されています。よって、freeeなどの会計ソフトはIT導入補助金を活用して購入が可能です。

なお、freee以外にも以下の会計ソフトがIT導入補助金補助金の対象となっています。

  • 弥生会計
  • マネーフォワード
  • 勘定奉行
  • ジョブカンDesktop青色申告
  • PCAクラウド会計

対象となるITツールは、IT導入補助金の公式サイトで検索可能です。導入を検討している会計ソフトがあれば、対象であるか事前に確認しておきましょう。

IT導入補助金は開業直後の個人事業主でも申請可能?

開業直後の個人事業主もIT導入補助金を申請できますが、いくつかの条件や注意点があります。具体的には、事業実績の証明として確定申告書・所得税納税証明書の提出が必要です。

また、交付申請では年間の平均労働時間・売上高などを記載する必要があります。事業開始から1年に満たない場合は、年間に換算した数値を入力して申請します。

IT導入補助金を活用して個人事業主の業務効率化・新規ビジネス獲得につなげよう

IT導入補助金は、個人事業主のデジタル化を後押しする心強い味方です。会計ソフト・受発注システムなど幅広いITツールの導入を支援してくれます。

申請には事業計画・必要書類の準備が必要ですが、開業間もない方も挑戦できます。複数の申請枠があり、条件を満たせば同時申請も可能です。

ただし、締切や条件をしっかり確認し、計画的に準備するのが大切です。ITツールを上手に導入して、業務効率化・新規ビジネスチャンスの獲得につなげましょう。

この記事を書いた専門家

藤田 春樹

藤田 春樹