企業にとって最も恐ろしいのが資金ショートです。

資金ショートしてしまうと、売上も利益もあるのに企業は倒産してしまう可能性が高くなってしまいます。

「資金ショートを起こさないようには手元に多くの資金を用意しておけばよいのでは?」と思っている人もいるでしょうが、どんな企業でも手元に資金の余力を残すことができるわけではありませんし、そもそも資金ショートは余地していないタイミングで突然起こることも珍しくありません。

この記事では、資金ショートの原因と対処法について解説していきます。

急な資金不足の時でも黒字倒産を防ぐ方法をしっかりと理解しておきましょう。

資金ショートとは

資金ショートとは

まずは、資金ショートとは何か考えていきましょう。

最初に理解しておきたいのは「企業がなぜ倒産するのか?」という点です。

企業は赤字だから倒産するのではありません。

企業はお金がなくて借入先や取引先などへ支払いができないから倒産するのです。

赤字でもお金さえあれば企業は倒産することはありません。

つまり企業にとって最も恐ろしいのが赤字でも債務超過でもなく資金ショートです。

資金ショートについてまずは詳しく理解していきましょう。

支払うお金がない状態

資金ショートとは、取引先や従業員や金融機関へ支払うお金がない状態です。

例えば手元の資金が100万円あり、入金予定のお金が200万円、月末に取引先や従業員や金融機関へ支払わなければならないお金が200万円の企業があるとします。

予定通りに200万円入金になれば、月末に支払う予定のお金をすべて支払うことができます。

しかし、取引先から200万円の入金がなければ、手元の100万円だけでは支払いのためのお金が足りません。

支払わなければならないお金を資金不足により支払うことができない状態を資金ショートと言います。

企業は赤字では潰れない。資金ショートで倒産する

企業が倒産する理由は資金不足によるものです。

いくら、売上が伸びず赤字状態でも、その企業にお金があれば企業は取引先や従業員や金融機関にお金を支払うことができるので倒産することはありません。

ニュースなどで大手企業が「〇〇億円の赤字を計上」と報道されても、その企業がそのまま倒産することはほとんどありません。

大手企業にはこれまで蓄積した現金や銀行からの融資があるので、少しくらいの赤字でも手元の現金で支払いをすることができ倒産することはないのです。

また、経営者個人や金融機関からお金を借りることができる場合も、赤字でも借入によって資金を支払うことができるので倒産しません。

企業が支払いができている限りは、いくら赤字でも倒産することはないのです。

逆に、支払いができないと倒産することになる可能性が高くなります。

取引先へ支払いができなければ仕入れができませんし、従業員へ給料を払えなければ退職してしまい、事業継続が困難になります。

また、金融機関へ借入金などの支払いができなれば、一括返済請求となる場合もあるので倒産してしまいます。

小切手や手形の決済ができなければ不渡りなり、銀行取引停止処分によって実質的には倒産してしまいます。

このように、倒産の直接的な原因は資金ショートによるもので、赤字や債務超過でも資金がある限りは企業は倒産できません。

倒産する企業に赤字や債務超過が多いのは、「赤字や債務超過の企業に融資をしても返済が難しく、借金が増えるだけ」という理由で銀行が融資をしないため、資金ショートを起こして倒産してしまうからです。

黒字倒産とは?

逆に黒字でも資金がないことによって倒産してしまうこともあります。

これを黒字倒産と言います。

売上は発生した時点で計上されます。

例えば仕入れ値70万円の商品を100万円で販売した場合には利益が30万円になります。

しかし、現金で販売しない限りは売上100万円の現金が自社にあるわけではありません。

この状態で、支払いのための資金が手元になければ、「黒字なのに支払いができない」黒字倒産という状態になってしまうのです。

実は倒産のうち、半分近くが黒字倒産と言われており、資金繰りの管理は収益の管理と同じくらい企業にとっては大切なことです。

そして、資金ショートは基本的に予知せず突然に起こってしまいます。

資金ショート3つの原因

資金ショート3つの原因

では資金ショートは何を原因として起こるのでしょうか?

主な原因は以下の3つです。

  • 売上金の未回収
  • 急に巨額の出費があった時
  • 突然の減収

資金ショートとは企業にお金がないから起こることであることは間違いありませんが、売上不足などであれば事前に資金不足が生じることはある程度予期できるので銀行融資などで対応することができます。

資金ショートとは基本的に予知が難しい突発的なことを原因として起こるものです。

資金ショートの原因となる経営上の突発的な危機としてどのようなものがあるのか解説していきます。

売上金の未回収

最も多い黒字倒産の理由が「売掛金を回収することができない」というものでしょう。

取引先が経営悪化して予定していた売掛金の入金が遅れたり、回収不能になってしまったら、自社の支払いにも支障が生じてしまいます。

ここで、金融機関への支払いや手形や小切手の決済ができないような事態になってしまえば、実質的には倒産してしまいます。

また、取引先や従業員へ支払いができないことで事業継続が不可能になってしまう可能性もあります。

自社の業況は健全なのに、取引先の経営悪化によって売掛金が回収できずに資金ショートしてしまうことは黒字倒産の典型的なパターンです。

急に巨額の出費があった

急に巨額の出費があり、支払いのためにとっておいた資金が無くなってしまったというケースでも資金ショートは起こります。

理由は様々ですが、従業員による資金の横領、商品の賠償などが考えられます。

突然の減収

リーマンショックレベルの社会全体の不景気を原因として、売上が急激に減少して、会社の固定費を支払うことができずに倒産するケースもあります。

この場合には金融機関や国の対応次第で資金ショートするかどうかが決まります。

不景気の際には、金融機関や国の方針によって融資を拡大して企業の資金ショートを防止することがあります。

例えばリーマンショック時には、国が莫大な税金を使って、信用保証協会へ融資を促し、結果的に希望するほとんどの企業が運転資金を借りることができたため、資金ショートによる連鎖倒産を防ぐことができたということがありました。

このような対応を国が行う場合には突然の減収でも資金ショートを免れることができる可能性があります。

しかし、銀行が「減収の会社には融資をしない」という方針の場合には、融資を受けることができずに資金ショートを起こして倒産してしまう可能性もあります。

資金ショートが起きた時の対処法

資金ショートが起きた時の対処法

資金ショートが起きた時には「支払いに必要な資金はいくらか」「手元にいくらの資金が必要なのか」を冷静に確認すると同時に、外部からの資金調達手段を検討する必要があります。

ここで重要なことは「必要資金が支払うべきタイミングに間に合うか」ということです。

資金ショートが起きた時に手形や小切手を切っていた場合には、資金ショートしてしまうと不渡りが発生してしまい、取り返しのつかない事態になってしまうためです。

資金ショートが起きた時の対処法と、資金を獲得することができるまでにどれくれらいの時間がかかるのか、資金調達手段ごとに確認していきます。

支払いに必要な資金と手元の資金を確認する

取引先が突然倒産した場合などは精神的に動揺することは間違いありません。

しかし、このような時こそ冷静になりましょう。

「支払わなければならない資金はいくらで、手元にいくらあるのか」ということを確認しなければ、外部からの資金調達ができないためです。

まずは冷静に「いくら調達する必要があるのか」を把握して、資金調達手段を検討しましょう。

銀行融資を検討する

銀行から融資を受けて不足している資金を借りる方法です。

普段から付き合いのある銀行であれば、緊急時の資金提供に協力してくれる可能性は決して低くありません。

ただし、銀行融資には1週間程度の時間がかかってしまいますので、銀行融資を受ける場合には、危機が起きたら一刻も早く相談に行くことが大切です。

ファクタリングを検討する

ファクタリングを利用して資金調達する方法もあります。

ファクタリングは売掛債権の売却です。

手元にある売掛金をファクターに売却することで必要資金を確保できる可能性があります。

また、ファクタリングは即日資金化に対応できるので、銀行融資を待っている時間がない時でも資金が間に合う可能性があります。

ただし、ファクタリングの手数料は20%を超えることもあるので高額な手数料負担は覚悟しておく必要があります。

また、デフォルトした売掛金を売却することは不可能ですので、健全企業の売掛債権を持っている場合のみ活用することができる方法です。

ビジネスローンを利用する

ビジネスローンも資金ショートを起こしそうな緊急時に活用することができます。

ビジネスローンも金利が高く、利息制限法ギリギリの金利ですが、その分審査は甘いので銀行融資を断られた企業でも借りることがでにる可能性があります。

また、即日融資に対応しているビジネスローンも多数存在しています。

ただし、審査対象はあくまでも自社ですので、あまりにも自社の業況が悪化しているとビジネスローンの審査にも落ちてしまうこともあります。

資金ショート時にファクタリングが有効な3つの理由

資金ショート時にファクタリングが有効な3つの理由

資金ショート時にはファクタリングが有効活用できます。

ファクタリングを資金ショート時に活用することができる理由として以下のようなものを挙げることができます。

  • 即日資金化できる
  • 売掛金の回収リスクを排除できる
  • 自社に信用力がなくても資金調達可能

ファクタリングは資金化が早く、売掛先の信用で審査を受けることができるので、自社の経営危機のタイミングでも資金調達することができる場合が多いのです。

ファクタリングで資金ショートを回避することができる理由について、さらに詳しく解説していきます。

即日資金化できる

ファクタリングが資金ショート時に活用できる大きな理由の1つが、即日資金化することができるという点です。

売掛先の同意なしで資金化することができる2社間ファクタリングは最短即日で資金化することが可能です。

優良取引先の売掛債権さえ持っていれば申込日当日に売掛金を現金に換えることができるので、緊急時の資金繰りに非常に重宝します。

売掛金の回収リスクを排除できる

リーマンショックレベルの社会全体の不況時には連鎖倒産が起こりがちです。

自社にA社からの入金がなければ、自社がB社へ支払うことができず、B社も資金ショートして、B社の取引先C社も資金ショートしてしまうという悪循環に陥ってしまう可能性があるのです。

事前にファクタリングをしておけば、A社が資金ショートしてもその損失はファクターが負ってくれるので、自社に損失はありません

「売掛先が怪しいな」という懸念があるのであれば、早めにファクタリングすることで、連鎖倒産が起こり得る社会全体の不況時にも自社には売掛金の回収リスクがないので救われることになるというメリットがあります。

自社に信用力がなくても資金調達可能

ファクタリングで審査されるのは、自社以上に売掛先です。

そのため、自社が資金ショートを起こしそうな経営的に苦しい時でも、売掛先に信用があれば資金調達することができる可能性があります。

自社の業況があまりにも悪い時には銀行融資はおろか、ビジネスローンの審査にすら通過できないこともあります。

このような場合にもファクタリングであれば審査に通過して資金調達することができる可能性があるので、ファクタリングは資金ショート時に大きく活用することができるのです。

資金ショートに備えるためにできること

資金ショートは企業にとってもっとも恐ろしいことです。

しかし、企業経営の中においては資金ショートの原因となるような事態はいつ起こるか分かりません。

このような事態に備えて、事前にできることとはどんなことなのでしょうか?

資金ショートに備えるために今からできることを詳しく見ていきます。

銀行に極度枠を作っておく

資金ショートを回避するための基本的な方法が銀行に極度枠をあらかじめ作っておくことです。

極度枠とは「〇〇万円までならいつでも借りることができる」という借入枠です。

極度枠を作っておけば、銀行からほぼ審査なしで即日融資を受けることができます

カードローンをイメージしてもらえば分かりやすいでしょう。

業況がよい時に極度枠を銀行に作成しておくことで、急な不況や取引先の資金ショートによって資金不足が生じても、銀行から低金利で即日融資を受けることができるので安心です。

また、緊急時に銀行に助けてもらうことができるように、日頃から銀行と良好な関係を築いておくことも大切です。

取引先の与信管理を徹底する

黒字倒産を防ぐためには、取引先の与信管理を日頃から徹底しておくことが大切です。

取引先に変化はないかどうか、定期的に取引先を訪問したり、取引先の取引先などと話をして経営危機を事前に察知することで、突然取引先が資金ショートして不渡りに遭うという可能性を軽減することができます。

「昔から付き合っている会社だから大丈夫」とタカをくくることなく、日頃から取引先の与信管理はしっかりと行なっておきましょう

ファクタリングは与信管理に有効

ファクタリングは取引先の与信管理にも有効活用することができます。

ファクタリングで主に審査されるのは自社ではなく売掛先ですので、ファクターがプロの目線で売掛先を審査してくれます。

ファクタリングする債権に問題がなければ審査に通過できますし、審査に通過できない売掛先は「決して安全ではない」ということになります。

新規取引先はもちろん、既存取引先の売掛債権も定期的にファクタリングすることで、客観的に取引先の与信を知ることができるようになります。

ファクタリングは資金繰りのためだけでなく、取引先の与信管理としても活用しましょう。

資金ショート時のファクタリングに関するよくある質問

ファクタリングは休日でも対応してもらえますか?
ファクターによって対応は異なります。休日でも審査をしているファクターは休日でも資金調達できますが、多くの企業が平日しか営業していません。営業時間や審査時間については事前にファクターへ確認しておきましょう。
資金ショートした後でもファクタリングに応じてもらえますか?
ファクタリングは最短即日資金化可能ですので、「資金ショートを起こして、今日手形が不渡りになる」というような超緊急時でも対応することができる可能性があります。申込時に「今日中に入金しないと不渡りになる」ということを伝えれば、当日中に資金を都合してくれる可能性はあります。申込時に事情をしっかりと伝えておきましょう。
3社間ファクタリングは資金ショート時に活用できますか?
3社間ファクタリングは資金化までに1週間程度の時間がかかるので、資金ショートを起こすまでに1週間以上の時間があるのであれば資金化可能です。事前にファクターへスケジュールを伝え、確実に資金が間に合うようにしましょう。

まとめ

資金ショートとは、会社に取引先や従業員や金融機関へ支払うお金がないことです。

会社は赤字や債務超過では倒産しませんが、資金ショートで倒産してしまいます。

取引先の業況悪化はどんな企業でも起こり得ることです。

銀行に極度枠を作成するなどして事前に備えることはもちろん、緊急時にはファクタリングなども併せて活用するようにしましょう。