手元の現金が不足し、事業継続の危機に直面していませんか?「資金ショートするとどうなるのか?」「支払い不能になると立て直せないのか?」と、不安を抱えている経営者は多いはずです。

資金ショートが起きると、事業活動の停止や信用力の低下などさまざまな悪影響を与えます。最悪、倒産に追い込まれる場合もあります。資金ショートの兆候が見られたら、早急に対応が必要です。

今回の記事では、資金ショートが会社に与える影響や対処法について解説します。また、緊急時の資金調達方法としておすすめのファクタリング会社も紹介するので、あわせて参考にしてください。

本記事を読めば、資金ショートに関する正しい知識や対処法を身につけて経営への不安を解消できます。特に、ファクタリングは即日での資金調達が可能なので、上手に活用して資金繰りの不安を解消しましょう。

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資金ショートとは?債務超過・赤字との違いも解説

資金ショートとは、企業が支払いを満たすために必要な現金、またはそのほかの流動資産を持っていない状況です。資金ショートが起こる原因は、売上の減少や予期せぬ出費などさまざまです。

企業が資金ショートを起こすと仕入れ・給与・買掛金の支払いなどができなくなり、最悪の場合は破産に陥る可能性もあります。

資金ショートについて解説する前に、混同しやすい「債務超過」と「赤字」との違いについて詳しく解説します。

資金ショートと債務超過の違い

資金ショートと債務超過は企業の財務状況を表す指標ですが、それぞれ意味は異なります。

債務超過とは、企業の負債が資産を上回っている状況を指します。企業が借金で経営している状態とも言えますが、支払いは滞りなく行われているケースが多いです。そのため、債務超過になってもすぐに倒産するわけではありません

一方、資金ショートは支払いに必要な資金が不足している状況です。給与・買掛金・税金などが支払えないため、事業を継続するのが困難で、すぐにでも倒産する可能性があります。

どちらも企業にとって深刻な状況ではありますが、緊急性が高いのは資金ショートのほうです。早急に対応しなければ、たちまち倒産に追いやられます。

用語 債務超過 資金ショート
意味 負債が資産を上回っている 支払いに必要な資金が不足している
倒産リスク 将来、倒産するリスクがある 近い将来、倒産するリスクがある
解決策 負債の削減、収益の改善 資金調達

資金ショートと赤字の違い

赤字も資金ショートと同じく企業の財務状況を表す指標ですが、それぞれが持つ意味は異なります。

赤字とは収入よりも支出が上回っている状態で、売上減少やコスト増加などがおもな原因です。赤字は企業にとって問題ですが、収益の改善や経費削減などに取り組めば倒産を避けられる可能性が十分にあります。そのため、資金ショートに比べると深刻度は低めと言えます。

用語 赤字 資金ショート
意味 収入よりも支出が上回っている 支払いに必要な資金が不足している
倒産リスク 将来、倒産するリスクがある 近い将来、倒産するリスクがある
解決策 収益の改善、経費削減 資金調達

資金ショートした場合はどうなる?会社に与える影響

資金ショートすると、会社は人件費・家賃・光熱費などが支払えない状態になります。さらに、離職者の増加・取引の打ち切りなど事業継続が困難な状態に陥り、会社は倒産へと向かいます。資金ショートは会社にとって死活問題であるため、早期の発見・対応が重要です。

ここでは、「黒字経営でも倒産リスクはあるのか」「資金ショートした後」について解説します。

黒字経営の会社でも資金繰りがショートすると倒産リスクがある

収入が支出を上回っている黒字経営の会社であっても、資金ショートによって倒産する事態があり得ます。

なぜなら、黒字経営は利益が出ている状態ですが、必ずしも手元にある現金が十分とは限らないからです。以下の状況に陥れば、黒字経営でも資金ショートする可能性があります。

  • 売掛金の回収が遅れる
  • 設備投資や原材料購入など大きな出費がある
  • 在庫が過剰になる

上記の状況が重なると支払いが遅延し、事業継続が困難に陥るというわけです。

また、資金ショートにより半年以内に2回不渡りを出すと、銀行取引停止処分を受けて金融機関との取引ができなくなります。現金のみでの取引を強いられるため、事業継続が困難になり事実上の倒産につながり兼ねません。

黒字経営であっても資金ショートのリスクを減らすためには、資金繰りの徹底した管理が重要です。

資金ショートしたその後の流れ

資金ショートした後の会社は、「再建を目指す」「清算する」「破産による消滅」から選択します。

会社の再建を目指すなら、以下の対策が必要です。

  • 資金調達
  • 経費削減
  • 資産売却
  • 出金を遅らせる

銀行や取引先からの信用を完全に失っていなければ、資金ショートした後も事業継続は可能です。ただし、再建には多くの時間と労力が必要であり、経営陣の覚悟と粘り強さが求められます。

また、清算を選択する場合は以下の2つの方法があります。

清算手段 会社更生 民事再生
手続主体 株式会社 株式会社以外の法人、個人も可
手続開始申立 裁判所 債務者、債権者
経営陣 原則として退任 継続可能
手続期間 数年 半年程度
特徴 ・債権者に可能な限り返済する
・資産を売却して債務を返済する
・会社を解散する
・裁判所の監督のもと、事業を継続しながら再建を目指す
・債権者との交渉により、債務を減らす
・再建計画が認められれば、免責を受けられる

なお、破産手続を行う場合は、債務が免除される代わりに財産はすべて手放さなければいけません。生活に必要な最低限の財産以外は差し押さえられ、社会的な信用を失うため、破産手続は最後の手段と考えるべきです。

どの選択をするかは、会社の状況や関係者の意向などを考慮して決定する必要があります。

資金ショートから倒産までの流れの具体例

2024年1月、名古屋市に本社を置く中堅タクシー業者「毎日タクシー」は、資金ショートにより破産申請を行いました。倒産までに至った経緯は、以下の通りです。

2020年以降、新型コロナウイルス感染症の影響で観光客や出張客の減少が続き、タクシー業界全体が厳しい状況にありました。特に、名古屋市のような大都市では、複数のタクシー会社がひしめき合い、競争が激化していました。2021年3月期の毎日タクシーの売上高は5,000万円以上の赤字となり、それ以降も債務超過が続いたのです。

2022年4月には事業会社の吸収合併を試みましたが、借入負担がついに限界を達しました。資金ショートに陥った毎日タクシーは、名古屋地方裁判所に破産申請を行いました

なお、具体的な例はほかにも、TSR速報 | 倒産・注目企業情報 | 東京商工リサーチで参照できます。

参考:東京商工リサーチ「毎日タクシーグループ(株) | TSR速報 | 倒産・注目企業情報

資金ショートからの復活は可能?

冷静に現状を把握し、必要な対策を講じられれば資金ショートからの復活は可能です。

復活を目指すために必要な行動は、以下の通りです。

  1. 現状を把握する:現預金残高・売上高・経費・支払い期日などの情報を把握し、資金ショートの深刻度や必要な対策を判断する
  2. 原因を分析する:何が原因で資金ショートが発生したのかを分析し、再発防止策を講じる
  3. 資金調達を行う:銀行融資・ファクタリング・クラウドファンディングなど自社の状況に合った方法で資金を調達する
  4. 支出を削減する:不要な経費・人件費・在庫圧縮などを試みる
  5. 売上を増加させる:新規顧客の開拓・既存顧客への販売促進・新商品やサービスの開発などに励む

ほかにも、専門家に相談したり資金繰り表を作成して再発防止策を講じたりするのも重要です。資金ショートは会社にとって大きな困難ですが、諦めずに努力すれば復活できます。

会社が資金ショートする5つの原因

会社が資金ショートになる原因は、以下の5つです。

  • 売上の減少
  • 予期せぬ出費
  • 売掛金の未回収
  • 資金繰りの管理不足
  • 自然災害・感染症などによる被害

資金ショートはこれらの原因が複合的に絡み合い、発生するケースが多いです。原因を知ればどのポイントに注意が必要かわかるので、詳しく見ていきましょう。

売上の減少

会社が資金ショートに陥る原因の中で、特に大きな影響を与えるのが売上の減少です。

売上の減少により資金ショートが発生するまでの流れは、以下の通りです。

  1. 売上の減少
  2. 手元資金の減少・キャッシュフローの悪化
  3. 資金ショートの発生

売上の減少は、以下のような要因で引き起こされます。

  • 経済情勢の悪化
  • 競合企業の台頭
  • 商品・サービスの品質低下
  • 顧客ニーズの変化
  • マーケティング戦略の失敗
  • 経営者の判断ミス
  • 天災地変
  • パンデミック

売上の減少で手元資金が枯渇し、資金調達できないと経費・買掛金などの支払いが困難な状態に陥ります。支払い期日までに資金を用意できないと、資金ショートが発生します。

売上の減少につながる要因は、単独で発生するよりも複数同時に発生するケースが多いです。そのため、常に売上減少のリスクを意識した対策を講じる必要があります。

予期せぬ出費

予期せぬ出費が発生すると、会社に大きな負担がかかります。なぜなら、運営資金とは別に予備資金がなければ、会社の手元資金は不足し、支払い義務を果たせなくなるからです。

資金ショートにつながりやすい予期せぬ出費の一例は、以下の通りです。

  • 設備の故障による修理費用
  • 訴訟費用
  • 従業員の労災事故

予期せぬ出費は会社にとって大きなリスクであり、経営の安定を脅かす存在です。対策としては、「十分な予備資金を確保しておく」「火災保険や事業保険などに加入しておく」などがあります。対策が不十分だと、予期せぬ出費が発生したときに会社が受けるダメージは大きいです。

売掛金の未回収

売掛金とは納入した商品・サービスの代金を、あとから受け取る権利です。売掛金が期日までに回収できないと、会社の資金繰りに大きな影響を与えかねません。

売掛金の入金が遅れれば、商品やサービスの仕入代金・人件費・家賃などの支払い義務が果たせなくなる恐れがあります。

万が一、売掛先が倒産してしまえば、売掛金の回収は非常に困難となります。事業継続が危ぶまれる事態となるため、取引先企業の与信管理は徹底して行わなければいけません。

資金繰りの管理不足

資金繰りの管理不足とは、資金の流入と流出の状況を把握できていない、または適切な資金調達・運用を行っていない状態です。具体的には、以下のようなケースが挙げられます。

  • 資金繰り表を作成していない
  • 売上の入金予定と支払い予定を把握していない
  • 不必要な支出を抑えていない
  • 資金調達の方法を知らない、または利用していない
  • 資金運用を行っていない

資金繰りが適切に行われないと、支払い期日に必要な資金が不足し、資金ショートが発生します。会社の信用力が低下し、取引停止や倒産につながる恐れがあります。

自然災害・感染症などによる被害

自然災害や感染症などの被害は、資金ショートにつながる要因のひとつです。

地震・台風・洪水などの自然災害は、会社の資産に甚大な被害を与える可能性があります。被害を受けた会社は、事業継続が困難になるケースも少なくありません。

また、新型コロナウイルス感染症のような感染症の流行は、経済活動に大きな打撃を与えます。売上減少や従業員の休業などにより、資金繰りが悪化する可能性は十分にあります。

自然災害や感染症などは、いつどのように起こるかわかりません。事業継続計画の策定や物資の備蓄など事前にしっかりと対策しておけば、被害を最小限に抑えて迅速な復旧が可能になります。

資金ショート寸前!陥る前にできる対策

資金ショートは、突然起こるものではありません。売上減少・売掛金の回収遅延・コスト増加など、資金ショート寸前に見られるさまざまな兆候があります。これらの兆候を早期に察知し、適切に対応しなければいけません。

資金ショートを回避するためにできる対策は、以下の通りです。

  • 資金繰り表を作成して現状を把握する
  • 経費を削減する
  • 支払いの優先度を決める
  • 過剰在庫を処分する
  • 取引先に支払い延長を交渉する
  • 資金を調達する
  • 専門家に相談する

資金ショートの兆候を察知したときは、早めに行動しましょう

資金繰り表を作成して現状を把握する

資金繰り表とは、一定期間における現金の収入と支出をまとめた表です。企業の資金の流れを可視化し、将来の資金不足を予測するのに役立ちます。

資金繰り表を作成すれば、以下の情報を把握できます。

  • 資金不足の時期:いつ資金不足が発生するのか
  • 資金不足の原因:売掛金の回収遅延・在庫過剰・設備投資など、資金不足の原因を特定

資金不足の時期と原因がわかれば、資金調達や売掛金の回収促進など具体的な対策を検討できます。

また、資金繰りは常に変化します。定期的に資金繰り表を見直し、状況変化に合わせた対応が必要です。

経費を削減する

経費削減は、会社の無駄な出費を減らし利益を増やすための対策です。売上を伸ばすよりも効果につながりやすいため、早い段階で行うべき対策とも言えます。

削減しやすい経費は、以下の通りです。

  • 広告宣伝費
  • 人件費
  • 通信費
  • 光熱費
  • 備品購入費
  • 出張費
  • 仕入費
  • 家賃

また、業務プロセスの見直しやITツールの活用も有効な対策です。たとえば、ペーパーレス化は備品購入費、業務効率化は人件費の削減につながります。

支払いの優先度を決める

資金ショート寸前の場合、手元にある資金ですべての支払いを賄うのは困難です。資金は限られているため、支払いの優先順位をつける必要があります。

複数ある支払いの中でも、特に優先しなければいけないのは手形と小切手です。手形と小切手が半年間に2回不渡りになると、銀行との取引が停止されてしまいます。銀行取引停止は事実上の倒産を意味するため、事業を継続するのであれば何よりも優先すべき支払いです。

ほかの支払いに関しては会社の状況にもよりますが、基本的な優先度は以下の通りです。

  1. 人件費
  2. 仕入費
  3. 家賃
  4. 借入金の返済
  5. 法定費用(税金や社会保険料など)

給与の遅配は労働基準法違反となるため、手形・小切手の次に優先すべき支払いです。人件費を支払わないと従業員が離職し、事業運営に支障をきたす恐れがあります。

過剰在庫を処分する

過剰在庫とは、販売に必要な量を超えて保有している商品です。過剰在庫を抱えると倉庫の賃料や光熱費、商品の管理や出荷作業にかかる人件費などが企業収益を圧迫します。

過剰在庫を処分すれば資金繰りが改善され、資金ショートの回避につながります。

取引先に支払い延長を交渉する

資金ショート寸前の状況において、取引先への支払い延長交渉は有効な手段です。入金までの間をつなげるため、事業を継続できる可能性を高められます。

しかし、支払い延長は取引先に不安を与え、信用関係を損なうリスクが伴います。交渉する際は支払い延長が必要な理由を十分に説明し、金額と期間を具体的に提案しましょう。誠意を持って交渉すれば、信用不安を最小限に抑えられます。

また、支払い延長を交渉する取引先は、これまでの関係性や状況を考慮して検討しましょう。交渉するタイミングもギリギリではなく、早めに連絡するのがポイントです。

資金を調達する

資金ショートを防ぐためには、資金調達も有効な手段です。事業継続に必要な資金を調達できれば、資金ショートが発生するのを防げます。

資金調達する手段は、以下の3つです。

  • 銀行融資を受ける
  • 個人資産や遊休資産を売却する
  • ビジネスローンを活用する

返済計画をしっかりと立てた上で、必要最低限の資金のみ調達しましょう。それぞれの特徴と、利用するメリット・デメリットを解説します。

①銀行融資を受ける

資金ショートの兆候が見られたら、銀行に融資を受けられないか相談しましょう。銀行融資は金利が比較的低いため、コストを抑えながら資金調達したい会社にぴったりです。

ただし、銀行融資は審査基準が厳しいため、会社の財務状況や信用状況によっては通らない可能性があります。また、申し込んでから実際に資金調達できるまで1ヶ月程度かかります。すぐに現金が必要な場合は、スピード感のあるビジネスローンやファクタリングの利用がおすすめです。

②個人資産や遊休資産を売却する

資金ショートが差し迫っている場合は、個人資産と遊休資産の売却を検討すべきです。

個人資産は個人が所有する財産であり、遊休資産は現在使用していない事業用の資産を指します。具体的に対象となる財産・資産は、以下の通りです。

  • 不動産:自宅、別荘、土地など
  • 有価証券:株、債券、投資信託など
  • 貴金属:金、銀、プラチナなど
  • 機械・設備:使っていない機械など
  • 工具:使っていない工具など
  • 自動車:乗用車、バイクなど
  • 家具・家電:テレビ、冷蔵庫、洗濯機など

不動産を売却すれば、まとまった資金を調達できるだけでなく、固定資産税や都市計画税などの維持費も削減できます。また、遊休資産が多い企業は経営効率が悪いと判断されるため、融資の審査では不利になりやすいです。売却すれば企業価値が向上し、審査を有利に進められます。

③ビジネスローンを活用する

ビジネスローンは事業資金の調達に特化した金融商品です。主に、銀行・ノンバンク・消費者金融などから借入できます。

多くのビジネスローンは使途が限定されていない上に、中小企業や個人事業主も利用可能です。金利は高めですが審査は比較的通りやすいので、融資を受けられなかった会社も利用できる可能性があります。また、商品によっては最短即日に資金調達できるので、すぐに現金が必要なときも頼りになります。

ただし、何度も利用すれば金利負担が大きくなるため注意が必要です。返済計画をしっかり立てて、資金繰りが悪化しないように気をつけましょう。

専門家に相談する

資金ショート寸前の場合、専門家に相談すれば迅速かつ適切な解決策を見つけられます。特に、「財務状況が複雑」「複数の資産を売却する必要がある」「自力での解決が困難」といった場合は、専門家に相談しましょう。

資金ショートに関する相談は、以下の専門家でできます。

  • 顧問弁護士
  • 公的機関
  • コンサルティング会社

「どこまでサポートしてくれるのか」「費用はいくらかかるのか」など、詳しく解説します。

顧問税理士|相談から改善まで対応してもらえる

資金繰りを改善して資金ショートを回避したいときは、顧問税理士に相談するのがおすすめです。

顧問税理士はその会社の財務状況を熟知しており、資金ショートを回避するための具体的なアドバイスを提案してくれます。また、資金ショートは時間的な猶予が限られている問題です。顧問税理士であれば会社の状況を把握しているため、迅速な対応が可能となります。

費用は会社の規模や依頼する業務内容によって異なりますが、一般的には月額2万円~5万円程度が相場です。

もし、会社に顧問税理士がいない場合は、スポットで税理士に相談するのもひとつの方法です。継続的なサポートは受けられませんが、顧問契約よりも安く済みます。信頼できる税理士を探している方は、税理士会や紹介サービスに相談してみてください。

公的機関|無料で気軽に相談できる

資金ショート寸前というコストを抑えたい時期は、公的機関を利用するのもおすすめです。公的機関の相談窓口は無料で利用できる場合が多いため、出費を増やさずに済みます。

資金ショートしそうなときに相談できる公的機関は、以下の通りです。

しかし、どの機関も行えるのはアドバイスや情報の提供なので、問題を解決してくれるわけではありません。また、担当者によって対応が異なったり、支援を受けるのに時間がかかったりする場合もあります。

早急かつ適切にサポートしてもらいたい場合は、税理士やコンサルティング会社への相談がおすすめです。

コンサルティング会社|専門家のアドバイスを受けられる

アドバイスを受けながら資金繰り改善に努めたい場合は、コンサルティング会社に相談するのがおすすめです。経営改善や資金調達など幅広い分野の専門知識を持つコンサルタントが、会社の状況に合わせて最適な解決策を提案してくれます。

具体的にコンサルティング会社が行う支援は、以下の通りです。

  • 資金繰りの現状分析
  • 資金繰り改善計画の作成
  • 資金調達先の紹介
  • コスト削減
  • 経営改革

コンサルタントは、会社の経営者や財務担当者と密接に連携し、資金繰り改善に向けた取り組みをサポートします。

なお、費用は会社の規模や依頼する業務内容によって異なりますが、一般的には月額5万円~10万円程度が相場です。また、スポット相談の場合、1時間あたりの費用相場は5,000円~10,000円程度です。初回は無料相談を行っているコンサルティング会社は多いので、上手く活用しながら自社との相性を見極めてください。

資金ショートのピンチ! ファクタリングで迅速な資金調達を

売上入金まで時間がかかり資金繰りが逼迫した緊急時でも、ファクタリングならすぐに資金を調達できます。

ファクタリングについて把握し、資金ショートからの復活を目指しましょう。

ファクタリングとは?

ファクタリングとは、企業が保有する売掛金をファクタリング会社に売却し、資金調達するサービスです。売掛金を本来の支払い期日よりも前に現金化できるため、資金繰りの改善に役立ちます。

ファクタリングによって資金調達するまでの流れは、以下の通りです。

  1. ファクタリング会社に申し込む
  2. ファクタリング会社は取引先の情報をもとに審査を行う
  3. 審査に通過した後、ファクタリング会社と売買契約を締結する
  4. ファクタリング会社によって売掛金の買取代金が入金される
  5. 支払い期日に取引先から入金された代金をファクタリング会社に支払う

ファクタリングには、自社とファクタリング会社で行われる2社間と、さらに取引先を交える3社間があります。3社間の場合、取引先にファクタリングの利用を通知する必要があるため、2社間に比べると手続きに時間がかかります。そのため、資金ショート寸前ですぐにでも現金が必要なときは、即日資金調達も可能な2社間がおすすめです。

ファクタリングを利用するメリット

ファクタリングの最大のメリットは、売掛金を支払い期日よりも前に現金化できる点です。即日資金調達可能なファクタリング会社を利用すれば、期日が迫っている支払いにも対応できます。

ファクタリングにはほかにも、以下のメリットがあります。

  • 銀行融資と比べて審査が簡易
  • 自社の業績や財務状況が悪くても利用できる
  • 負債を増やさずに資金調達できる
  • 売掛金の未回収リスクに備えられる
  • 決算書や信用情報への影響がない

ファクタリングで審査対象となるのは売掛先なので、自社が資金ショート寸前でも特に問題はありません。仮に銀行融資を断られたとしても、ファクタリングなら利用できる可能性があります。

ただし、ファクタリングを利用する際は手数料が発生する点には注意が必要です。額面から1%〜20%程度差し引かれた金額が入金されるため、長期的に利用すればその分の負担が大きくなります。手数料率はファクタリング会社によって異なるため、複数の業者を比較しながら検討しましょう。

即日資金調達できるおすすめのファクタリング会社5選

資金ショートを回避するためには、早急に資金調達しなければいけません。今回は、即日資金調達できるおすすめのファクタリング会社を紹介します。

ファクタリング会社名 ベストファクター ビートレーディング 日本ビジネスリンクス(JBL) トップ・マネジメント アクセルファクター
取り扱いサービス 2社間・3社間 2社間・3社間 2社間・3社間 2社間・3社間 2社間・3社間
手数料 2社間:5%~
3社間:2%~
2社間:4%~12%程度
3社間:2%~9%程度
2%〜 2社間:3.5%〜12.5%
3社間:0.5%〜3.5%
2%?
入金スピード 最短即日~3営業日程度 最短2時間 最短2時間 最短即日 最短即日
利用額 30万円~売掛先1社につき1億円 3万円~無制限 最大1億円 〜1億円まで 30万円~
申し込み方法 電話・Web・出張訪問 Web・対面 電話・Web・メール・LINE 電話・メール 電話・メール

手数料や利用額などはファクタリング会社によって異なります。どのファクタリング会社が自社に合っているのか、それぞれの特徴を見ながら検討してみてください。

ベストファクター|豊富な経験と実績に基づいたサービスを提供

ベストファクターは個人事業主や中小企業の資金調達を支援する、即日振込専門のファクタリング会社です。これまでに数多くの企業の資金調達を支援してきた実績と経験は、ベストファクターの強みと言えます。

また、ベストファクターの審査通過率は92.25%と業界トップクラスです。創業間もない企業や個人事業主でも、比較的審査に通りやすいのが特徴です。買取利率は柔軟に設定されており、業界最高水準の買取額を実現しています。

さらに、ベストファクターでファクタリングサービスを利用すると、財務コンサルティングを無料で受けられるのも魅力です。経験豊富な専門家が自社の財務状況を分析し、課題解決に向けた具体的なアドバイスを提案してくれます。

取り扱いサービス 2社間・3社間
手数料 2%〜20%
入金スピード 最短即日~3営業日程度
調達可能金額 売掛先企業1社につき1億円まで
審査通過率 92.2%
対象者 個人事業主・法人
審査時の必要書類 ・身分証明書
・入出金の通帳
・請求書
・見積書
公式サイト https://bestfactor.jp/

ビートレーディング|高い換金率と柔軟な対応

ビートレーディングはファクタリング業界のパイオニアとして、業界トップクラスの実績と信頼を築き上げてきました。ビートレーディングの買取率は最大98%と業界最高水準です。売掛金の98%を現金化できるため、より多くの資金を調達し、資金繰り改善につなげられます。

また、ビートレーディングは最短即日での入金が可能です。予期せぬ出費にも迅速に対応できるため、資金ショートに陥るリスクを抑えられます。同時に、資金繰りの悪化による機会損失を防ぎ、ビジネスチャンスを逃さない環境を整えられます。

取り扱いサービス 2社間・3社間
手数料 2社間:4%~12%程度

3社間:2%~9%程度

入金スピード 最短2時間
調達可能金額 3万円~無制限
審査通過率 98%
対象者 個人事業主・法人
審査時の必要書類 ・請求書など売掛債権に関する資料
・入出金の通帳
公式サイト https://betrading.jp/

日本ビジネスリンクス(JBL)|オンライン完結・最短即日資金化

株式会社日本ビジネスリンクス(JBL)は、個人事業主や中小企業の資金繰りを支援するファクタリング会社です。顧客満足度は96%と高く、多くの顧客から信頼を得ています。その理由として、以下の特徴が挙げられます。

  • 迅速かつ丁寧
  • わかりやすい説明
  • 柔軟なプランの提案
  • 安心の秘密厳守

また、JBLでは他社よりも高価買取を謳うファクタリング会社でもあります。1%でも高く買い取ってくれるので、より多くの資金を調達したい方におすすめです。初期費用や事務手数料など、ファクタリング手数料以外はかからないので安心して利用できます。

取り扱いサービス 2社間・3社間
手数料 2%〜
入金スピード 最短2時間
調達可能金額 最大1億円
審査通過率 90%以上
対象者 個人事業主・法人
審査時の必要書類 ・身分証明書
・入出金の通帳
・請求書
・決算書
・取引先との成因書類
公式サイト https://jbl-japanbusinesslinks.co.jp/

トップ・マネジメント|見積書・発注書でも現金化が可能

トップ・マネジメントは、オンライン完結型のサービスによって、即日入金が可能なファクタリング会社です。急な資金需要が発生し、資金ショート寸前の状況に陥った場合でも役立ちます。

また、トップ・マネジメントでは請求書に加え、見積書や発注書でも資金調達が可能です。受注した仕事に取り掛かる前でも利用できるため、資金繰りに苦しむ中小企業や個人事業主にとって強い味方となります。

ファクタリングサービスのほか、経営コンサルティングを行っているところもトップ・マネジメントの特徴です。豊富な経験と知識を持つコンサルタントが、自社の課題解決を無料で支援してくれます。

取り扱いサービス 2社間・3社間
手数料 2社間:3.5%〜12.5%

3社間:0.5%〜3.5%

入金スピード 最短即日
調達可能金額 〜1億円まで
審査通過率
記載なし
利用対象者 個人事業主・法人
審査時の必要書類 ・請求書など売掛債権に関する資料
・入金が確認できる預金通帳
・代表者の身分証明書
公式サイト https://top-management.co.jp/

 

 

アクセルファクター|幅広いニーズに対応できる柔軟性

アクセルファクターは、少額から最大1億円まで幅広い買取に対応しているファクタリング会社です。30万円から利用できるので、個人事業主や創業間もない企業でも気軽に資金調達できるのが魅力です。

また、アクセルファクターは柔軟な審査により審査通過率93%を実現しています。「必要書類が足りない」「債権の存在が不透明」といった場合でも、スタッフが丁寧にヒアリングし、最適なプランを提案してくれます。

アクセルファクターでは早期割引として、早めに申し込むと手数料が1%〜2%割引となるキャンペーンを実施中です。すでに資金ショートの兆候が見られている場合は、早めの利用を検討してみてください。

取り扱いサービス 2社間・3社間
手数料 2%〜
入金スピード 最短即日
調達可能金額 30万円~
審査通過率 93%
対象者 個人事業主・法人
審査時の必要書類 ・請求書など売掛債権に関する資料
・入金が確認できる預金通帳
・直近の確定申告書(所得税または法人税)
・代表者の身分証明書
公式サイト https://accelfacter.co.jp/

資金ショートしないために日頃から心がけておくポイント

資金ショートは、個人事業主や中小企業にとって大きなリスクとなります。事業継続を危ぶまれるだけでなく、信用情報にも傷がつき新たな資金調達も困難になります。

資金ショートを防ぐためには、日頃から以下のポイントを意識するのが重要です。

  • 資金繰りの管理を徹底する
  • 資金調達方法を確保しておく
  • 経費を見直す
  • 過剰在庫がないか見直す
  • 取引先や銀行と信頼関係を構築しておく

これらのポイントを意識すれば資金ショートを防ぎ、健全な事業運営を行えるます。

資金繰りの管理を徹底する

日頃から資金繰りを徹底して管理しておけば、資金ショートを招くリスクを抑えられます。日々の収支を把握できれば将来の資金状況を予測し、資金不足となる可能性を事前に察知できます。

そこで有効なのが、資金繰り表の作成です。資金繰り表とは日々の収支の記録に基づき、一定期間における資金の収支をまとめた表です。将来の資金不足を予測し、資金繰りの改善策を検討するための強力なツールとなります。

また、資金ショートを防ぐためにはさまざまなリスクに備えて、常に余裕資金を確保しておかなければいけません。資金繰り表があれば必要な余裕資金の額を把握できるため、予期せぬ出費や売上の減少などが発生しても柔軟に対応できます。

資金調達方法を確保しておく

資金ショートに陥ると取引先への支払いが遅延し、信用力が低下するだけでなく、事業継続が困難になる可能性もあります。最悪の事態を招かないためには、事前に複数の資金調達方法を確保しておくのが重要です。

おすすめの資金調達方法は、以下の通りです。

  • 融資(銀行・信用金庫・日本政策金融公庫)
  • 売却(不動産・設備・個人資産・遊休資産)
  • ファクタリング
  • 補助金・助成金

資金調達方法の選択肢が多ければ、急な資金不足が発生しても慌てずに対応できるため、支払いを期日通りに行えます。結果的に、取引先や金融機関からの信用力を維持しながら事業運営を継続できます。

経費を見直す

資金ショートを防ぐためには日頃から経費の見直しを行い、無駄な支出を削減するのが重要です。具体的に、見直しが必要な経費は以下の通りです。

  • 家賃
  • 通信費
  • 材料費
  • 交通費
  • 交際費

「テレワークの導入によりオフィススペースを縮小できないか」「今よりも安い通信プランはないか」などを検討してください。

なお、人件費も見直しの対象となる経費のひとつです。しかし、従業員のモチベーション低下や離職率の増加につながる可能性があるため、慎重な検討が必要です。

仮に削減できる経費が人件費しかない状況であっても、まずは役員報酬の見直しを検討しましょう。役員報酬の見直しは、従業員に「経営陣が率先してコスト削減に取り組んでいる」という姿勢を示します。人件費の削減が必要になったとき、従業員の理解を得やすくなります。

過剰在庫がないか見直す

過剰在庫とは、必要以上に商品を保有している状態です。過剰在庫は、本来ほかの事業活動で使える資金を必要以上に商品へ投下している状態であり、資金繰りを悪化させる要因となります。

また、在庫を管理するためには、倉庫代や人件費などの経費がかかります。これらの経費は利益を減少させ、赤字になるリスクを高める要因のひとつです。

定期的に過剰在庫を見直しによる適切な在庫管理は、資金繰りの改善や利益の増加につながります

取引先や銀行と信頼関係を構築しておく

取引先や銀行との信頼関係は、資金ショートを防ぐのに役立ちます。なぜなら、信頼関係があれば、必要に応じて融資や取引先の支払い猶予などの支援を受けやすくなるからです。銀行の場合は、金利や返済条件を有利に交渉できる可能性もあります。

信頼関係を築く方法は、以下の通りです。

  • 約束を守り、期日通りに支払う
  • コミュニケーションを密に取る
  • 問題が発生した場合、迅速かつ誠実に対応する
  • 短期的な利益よりも、長期的な関係構築を重視する

信頼関係は、企業にとってかけがえのない財産です。資金ショートを防ぐだけでなく、事業の成長にも役立ちます。日頃から誠実な対応を心がけ、積極的にコミュニケーションを取りながら信頼関係を構築しましょう。

ファクタリングで資金繰りの不安を解消しよう

事業活動において支払いが必要な金額を用意できないと、銀行や取引先の信用を失い倒産につながる可能性もあります。資金繰りに不安を感じたら、資金ショートが発生する前に早めの対応が重要です。

具体的な対応はいくつかありますが、すぐにでも資金が必要な状況であればファクタリングの利用がおすすめです。会社が保有する売掛金を売却するだけなので、負債を抱えずに資金を調達できます。特に、今回紹介したファクタリング会社はいずれも即日入金可能です。申し込んだその日に資金調達できるので、緊急性が高い事態も素早く乗り越えられます。

なお、手数料や入金スピードなどはファクタリング会社によって異なります。「ファクタリング会社の口コミ」を利用して、複数の会社を比較しながら、自社に合うファクタリング会社を探してみてください。