コロナ禍の景気対策として行われているGo Toトラベルキャンペーン。

宿泊事業者がキャンペーンに参加するには事前に登録が必要になり、宿泊者側から見た制度としても少し複雑なものになっています。

また、宿泊事業者が35%の給付金を受け取るのは2カ月先です。この期間を早めることはできないのでしょうか。

Go Toトラベルキャンペーンの概要と、宿泊事業者がキャンペーンに参加する方法、給付金の振込を受ける手段、給付金を用いた資金調達の方法などについて詳しく解説していきます。

Go Toトラベルキャンペーンとは

Go Toトラベルとは宿泊または日帰り旅行代金の50%を支援する観光支援策で、2021年1月31日までの旅行が割引対象になります。

キャンペーンを利用することによって非常にお得に旅行に行くことができますが、制度が少し複雑です。

まずは制度の概要や期間などについて詳しく解説していきます。

宿泊または日帰り旅行代金の50%を支援する観光支援策

Go Toトラベルとは新型コロナウイルスによって大打撃を受けた観光業を支援する政府の政策で、宿泊または日帰り旅行代金の50%を国が支援する政策です。

旅行代金の実に半分も税金から支援を受けることができるので、人々が旅行に行ってお金を使い観光業の売上を支えることが期待されています。

Go Toトラベルキャンペーンは支援の内容が少しだけ複雑になっているので詳しく解説していきましょう。

70%は旅行代金から割引

Go Toトラベルによって支援される50%のうちの70%は旅行代金から割引されます。

つまり、50%×70% =35%が旅行代金から割引されるので、宿泊施設の宿泊料は35%まで割引を受けることができます。

旅行代金から50%割引を受けることができるわけではないという点に注意しましょう。

30%は地域共通クーポン

残りの30%は「地域共通クーポン」として支給されます。

つまり、旅行代金のうちの50%×30%=15%が旅行先で飲食や観光施設、お土産を購入する際に使える「地域共通クーポン」として支給され、旅行先での支出に利用することが可能になります。

地域共通クーポンは1枚1,000円単位で発行する商品券でお釣りを受け取ることはできません。

発行価格の上限は、1名1泊あたり6,000円分、日帰りの場合は3,000円分となっています。

なお、地域共通クーポンには紙クーポンと電子クーポンがあり受け取り方法は予約方法に応じて以下のように異なります。

予約方法 地域共通クーポンの受取方法
店舗型の旅行事業者で旅行申込みをする場合 宿泊施設に直接申込みをする場合は
紙クーポンを旅行事業者から受け取る
オンライン予約サイト等で旅行申込みをする場合 紙クーポンを宿泊施設で渡す方法
または
電子クーポンをWEB上で発行する方法
旅行事業者により対応が異なる
宿泊施設に直接申込みをする場合 紙クーポンを宿泊事業者から受け取る

多くの人が利用することが予想される電子クーポンは、予約完了後にサイトから届く予約確認メールに記載されているURLにアクセスしてクーポンを取得します。

クーポンは1,000円・2,000円・5,000円の3種類用意され、スマホ等でQRコードを読み取ってインターネット上の専用ページで「旅行業者ID・照会番号・初泊の都道府県」を入力して発行することができます。

旅行者が旅行先で利用する際は、お店のQRコードをスマホ等で読み取り、利用する電子クーポンを選択して精算するだけ。お店側もQRコードを置いておくだけですので非常に簡単です。

20,000円の旅行に行く場合

1人20,000円の旅行に行く場合、補助の対象となるのは半分の10,000円です。
このうち、70%分である7,000円が旅行代金から割引となり、30%である3,000円の地域共通クーポンを受け取ることができます。

地域共通クーポンに関しては10月1日から実施予定となっているため、2020年9月末まではGo Toトラベルキャンペーンで受けることができる割引は宿泊代金の35%割引のみです。

Go Toトラベルの上限額

Go Toトラベルで支給される上限額は以下の通りです。

  • 1人1泊あたり2万円
  • 日帰り旅行は1人1万円

上記の上限金額は旅行代金と地域共通クーポンを合算した金額です。

そのため、宿泊代金は2万円×70%=14,000円が補助の限度となり、2020年10月以降に地域共通クーポンが支給された場合には残りの6,000円をクーポンとして受け取ることができる仕組みになっています。

なお、Go Toトラベルはキャンペーン期間中であれば連泊制限や利用回数に制限がありませんので、キャンペーン期間中は旅行に行けば行くほど多くの税金の恩恵を受けることができます。

Go Toトラベルの期間

Go Toトラベルにはキャンペーンを実施している期間が以下のように定められています。

旅行商品 期間
宿泊商品、宿泊を伴う旅行商品 2020年7月22日〜2021年1月31日
(宿泊旅行は2月1日チェックアウト)
日帰り旅行商品 2020年7月22日〜2021年1月31日
修学旅行商品 2020年7月22日〜2021年3月15日

修学旅行を除いてGo Toトラベルキャンペーンは2021年1月いっぱいまでのキャンペーンだと理解しておきましょう。

宿に直接申し込んでも対象になる

Go Toトラベルキャンペーンは旅行代理店や宿泊予約サイトを介さなければ対象にならないと考えている人も多いようですが、宿へ直接申し込んでも対象になります。

Go Toトラベルの宿泊事業参加事業者登録を受けている施設であり、予約・宿泊の記録を確認できる独立した第三者機関に保管する仕組みをもっている施設であればGo Toトラベルの割引を受けることが可能です。

詳しくは宿に直接問い合わせてみるのが確実でしょう。

なお、第三者機関とは観光協会、温泉組合、DMO、ホテルシステムなどであり、架空予約の計上などの不正防止のためGo Toトラベルキャンペーンに参加するためには上記のような第三者期間と連携することが義務付けられています。

Go Toトラベルの対象商品

Go Toトラベルの対象商品となるのは以下の3つの旅行商品です。

  • 宿泊商品
  • 宿泊を伴う旅行商品
  • 日帰り旅行商品

それぞれの商品が具体的にどのような内容になるのか、詳しく解説していきます。

宿泊商品

Go Toトラベルキャンペーンで定義されている宿泊商品とは主に以下の宿泊施設で提供されている商品です。

  • 旅行業法(昭和23年法律第138号)第2条第1項に規定する旅館業(下宿営業を除く)を営む施設
  • 住宅宿泊事業法(平成29年法律第65号)第3条第1項の届出に係る住宅
  • 国家戦略特別区域法(平成25年法律第107号)第13条第1項の認定を受けた事業を営む施設

通常の旅館やホテルだけでなく、民泊などもGo Toトラベルキャンペーンの対象になります。

宿泊を伴う旅行商品

宿泊を伴う旅行商品とは具体的に以下の3つの商品です。

  • 募集型企画旅行
  • 受注型企画旅行
  • 手配旅行(宿泊のみ)

非常に簡単に言えばツアーもGo Toトラベルキャンペーンの対象になります。

また、宿泊に準ずる旅行商品として、以下の商品もGo Toトラベルキャンペーンの対象になります。

  • 寝台列車
  • クルーズ船
  • 夜行フェリー

日帰り旅行商品

Go Toトラベルキャンペーンの対象になるのは宿泊の旅行だけではありません。

以下の日帰り旅行商品も対象になります。

  • 往復乗車券+体験型アクティビティ(ゴルフ利用など)ツアー
  • 往復の乗船券+旅先でのランチツアー
  • 高速バスの往復+果物狩体験ツアー

日帰りのツアーも対象になるので、Go Toトラベルキャンペーンは幅広い旅行の割引を行なっています。

対象事業者の条件と給付金給付までの流れ

Go Toトラベルの対象の事業者となるには事前に事業者登録をしておく必要があります。

対象事業者として登録した宿泊施設が、割引料金を顧客から徴収し、その後にGo Toトラベル事務局から宿泊代金が還付されるという流れになります。

Go Toトラベルのお金の流れについて詳しく解説していきます。

Go Toトラベルの適用を受けるための3つのパターン

Go Toトラベルの適用を事業者が受けるには以下の3つのパターンのいずれかに該当し、事業者登録か給付枠申請を行う必要があります。

(パターンA) 旅行事業者(旅行会社・OTA)経由のみの場合

旅行事業者(旅行会社・オンライン予約サイト(OTA))経由のみで、宿泊商品の予約・販売する場合
パターンAでの情報登録が必要。給付金の申請・管理は不要。

(パターンB) 宿泊事業者で直接予約・販売を行い、給付金申請を第三者機関を経由せずに行う場合

宿泊商品の予約・販売を行い、給付金の申請・管理・請求を第三者機関を経由せずに行う場合はパターンB
での登録と給付枠申請が必要。給付金の請求にあたり、登録された第三者機関の管理する予約・販売の記録
が必要。

(パターンC) 宿泊事業者で直接予約・販売を行い、給付金申請を第三者機関を経由して行う場合
宿泊商品の予約・販売を自ら行い、給付金の申請管理を第三者機関を経由して行う場合はパターンCでの
情報登録が必要。給付金の申請にあたっては、登録された第三者機関によって予約・販売の記録が管理されいるため提出不要。

Go Toトラベルの適用を受けるには旅行事業者(旅行会社・OTA)経由のみで予約を受けるか、直接予約販売の場合に分かれます。

直接予約販売の場合で、給付金申請を第三者機関を経由して行わないのであれば事務局へ給付枠申請を行う必要があります。

宿泊予約から給付金給付までの流れ

Go Toトラベルでは割引後の料金を旅行者が、旅行事業者やOTAや宿泊施設へ支払い、旅行事業者やOTAや宿泊施設が国から割引分の還付を事後に受けるという流れになります。

旅行事業者やOTA経由で宿泊予約を行なった場合の流れは以下の図のようになります。

 

旅行事業者やGo Toトラベル事務局が給付金を支払う流れになり、宿泊施設は何もする必要はありません。

宿泊事業者が宿泊予約を行なった場合の流れは以下の通りです。

このケースでは、宿泊施設がGo Toトラベルへ給付金申請を行うのと同時に、第三者期間が予約情報をGo Toトラベル事務局へ提供し、予約の真偽を証明した上で、宿泊施設に対して給付金が交付されるという流れになります。

また、給付金の申請を第三者機関が行うことも可能です。

給付金が振り込まれるのはいつ?

Go Toトラベルの給付金が旅行事業者や宿泊事業者へ振り込まれるまでにどのくらいの時間がかかるのかということは明記されてはいません。

しかし、宿泊者が直接Go Toトラベル事務局へ還付申請を行う場合には2ヶ月程度で振込を受けることができると明記されているため、給付金が事業者に対して振り込まれるのも同じくらいの時間がかかると考えておけばよいでしょう。

宿泊施設にとっては直接予約を取るよりも旅行事業者やOTA経由で予約をとった方が、手数料はかかるものの入金までのタイムラグがないため資金繰りは楽になるでしょう。

給付金の早期資金化するには?

Go Toトラベルの給付金が手元に早く必要な時には、ファクタリングが活用できます。

ファクタリングとは、売掛債権をファクタリング会社へ売却して早期資金化することです。

手元に売掛債権を持っているのであれば、当該売掛債権はファクタリング会社へ売却して早期に資金化することができます。

また、未入金分のGo Toトラベルの給付金もGo Toトラベル事務局に対する債権ですのでファクタリング会社へ売却することができる可能性があります。

未入金分のGo Toトラベルの給付金はGo Toトラベル事務局という公的な機関が債務者です。

そのため、ほぼ100%支払われる債権ですので、審査に通過できる可能性が高く、手数料も低くなるものと考えられます。

Go Toトラベルの給付金が入金になる前に、資金繰りが苦しいのであれば、ファクタリングによって資金調達することも検討しましょう。

旅行者がGo Toトラベルの還付を受けるには

なお、今はGo Toトラベルは割引後の宿泊料金を販売しているため宿泊者は何もする必要はありませんが、7月22日以降に開始し、8月31日までに終了する旅行で割引を受けずに宿泊した場合には旅行代金の還付を受けることができます。

この期間に旅行に行き割引前の代金を支払った人が割引分の還付を受けるためには、宿泊者自ら還付の手続きを行わなければなりません。

Go Toトラベルの還付を受ける方法について詳しく解説していきます。

還付の条件

旅行者が還付を受けるためには以下の3つの条件を満たした旅行商品を購入していることが条件です。

  1. 7月22日以降に開始し、8月31日までに終了する旅行であること(9/1チェックアウト分まで)
  2. 旅行業者を通じた予約で旅行前に支払った場合
    A:Go To トラベル参画事業者として登録を受けた旅行業者から購入したものであること
    B:宿泊を伴う旅行の場合には、 GoToトラベル参画事業者として登録を受けた宿泊施設であること
  3. 宿泊施設へ直接予約手続きを行い、宿泊施設で支払った場合、または予約サイト等で予約手続きを行い、宿泊施設で支払った場合は、その施設が、GoToトラベル参画事業者として登録を受けた宿泊施設であること

7月22日〜8月31日までの旅行で、Go Toトラベル参画事業登録をしている業者から購入した旅行商品か、Go Toトラベル参画事業登録を行った宿泊施設の旅行代金であることが条件です。

旅行業者を通じた還付手続き

Go Toトラベル割引前の旅行代金を旅行業者等に支払った場合は、その旅行業者等から旅行者に対して割引分の代金が還付されます。

この場合には、旅行業者に対して還付申請を行ってください。

宿に直接申し込んだ場合の還付方法

宿に直接申し込みを行い、その旅行がGo Toトラベルの対象の場合には、割引代金の還付申請を旅行者自ら行う必要があります。

旅行者がGo Toトラベル事業事務局に還付申請を行う際に必要な書類は以下の6つです。

  • 事後還付申請書(様式第1号)
  • 支払内訳がわかる書類(支払内訳が記載された領収書、支払内訳書等)
  • 宿泊証明書(氏名、宿泊日、宿泊人数などの情報が記載されているもの)
  • 口座確認書(旅行者用)(様式第2号)
  • 口座番号を確認できる書類(通帳の写し、キャッシュカードの写し等)
  • 住所が確認できる書類(免許証の写し、健康保険証の写し等)

還付申請の受付はGo Toトラベルホームページで行うことができますが、還付の受付は9月14日までとなっているので、2020年9月末現在は終了しています。

参考:Go To トラベル事業事後還付手続きのご案内

還付金が振り込まれるのはいつ?

なお、還付金が振り込まれるのは申請から2ヶ月後くらいと明記されています。

還付申請を行った口座へGo Toトラベル事務局から還付金が振り込まれます。

割引後の旅行代金を支払った場合は何もしなくてよい

2020年9月現在は、Go Toトラベルキャンペーン対象の旅行商品は割引後の料金を支払えばよいことになっています。

そのため、割引後の旅行代金を支払った場合には、すでに割引を受けているので旅行者は何もする必要はありません。

還付申請が必要になるのはあくまでも所定の期間に割引前の代金を支払った人だけです。

まとめ

Go Toトラベルキャンペーンは旅行代金の総額50%の割引を受けることができるものです。

割引のうち70%は旅行代金、30%は地域共通クーポンになるので注意しましょう。

宿泊事業者が給付金を受けるには、どのような形で事業者登録を行っているのか、どの方法によって予約をとったのかによって異なります。

直接販売した場合には、宿泊事業者自らGo Toトラベル事務局へ給付金申請を行う必要があります。

この場合には、給付金の支給までに一定程度の時間がかかってしまうので、資金繰りには十分注意するようにしてください。