日本政策金融公庫で融資を断られた申込者のなかには、事前に十分な準備をしていなかったケースが多く見受けられます。審査のポイントを押さえて融資審査に臨めば、断られる可能性を大きく下げられます。

今回の記事では、日本政策金融公庫に融資が断られる理由や審査に臨む前に知っておきたい予備知識をまとめました。さらに、日本政策金融公庫で融資を断られた場合の資金調達方法も解説します。

本記事を読んで断られる理由を知っておけば、日本政策金融公庫から融資を受けられる可能性を高められます。日本政策金融公庫から融資を受け、資金調達を成功させて事業を軌道に乗せましょう。

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日本政策金融公庫で融資が断られた理由を聞き出すには?

日本政策金融公庫で融資を断られたら、今後の改善のためにも理由を聞き出しましょう。回答が曖昧な場合、金融庁の定めた「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」にしたがって、説明するよう求めてください。

日本政策金融公庫および金融機関は、金融庁の定めた以下の文言を遵守する必要があります

②顧客の要望を謝絶し貸付契約に至らない場合

これまでの取引関係や、顧客の知識、経験、財産の状況及び取引を行う目的に応じ、可能な範囲で、謝絶の理由等についても説明する態勢が整備されているか。

 

引用:金融庁「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針

融資が断られた理由をメモしておき、適切に改善して次回の申し込み時に活かしましょう。

日本政策金融公庫で融資が断られる8つの理由と対策

日本政策金融公庫で融資が断られる8つの理由と、それぞれの対策について解説します。

  • 自己資金の不足
  • 信用情報がブラックリスト入りしている
  • 税金の滞納
  • 創業・事業計画書の完成度が低い
  • 他社からすでに多く借入している
  • 面談でPRが上手くいかなかった
  • 経営状態が悪い
  • どうやって売るかを考えていない

自分にあてはまった理由を探して、次回から融資が断られないよう対策を講じましょう。

自己資金の不足

自己資金が不足していると、日本政策金融公庫の融資を断られる可能性が高くなります

日本政策金融公庫の調査によると、多くの事業者は平均23.9%の自己資金を用意しています。そのため、余裕を持って自己資金は3割を目安にするという考え方が浸透しました。また、日本政策金融公庫で借入できる金額は多くのケースで自己資金の3倍~4倍までです。

ただし、自己資金の金額は審査を左右する要素のひとつに過ぎません。日本政策金融公庫によれば、自己資金額よりも返済計画・事業計画の実現性がもっとも重要とされています。

Q9  自己資金はいくらあれば融資を受けられますか。

A9

自己資金は重要な要素のひとつですが、それ以上に創業計画全体がしっかりしているかが重要になります。

 

引用:日本政策金融公庫「よくあるご質問 創業をお考えの方

運転資金・開業資金のどちらにしても、自己資金があるほど融資は断られにくくなります。十分な自己資金を用意してから、日本政策金融公庫へ融資を申し込みましょう。

参考:日本政策金融公庫「2021年度新規開業実態調査

信用情報がブラックリスト入りしている

信用情報がブラックリスト入りしていると、日本政策金融公庫の融資を断られる可能性が高まります

信用情報とはクレジットカード・ローン・借入などの情報で、申し込み・契約・返済などの取引事実が記載されています。「信用情報ブラック」「ブラックリスト入り」などの用語は、信用情報に事故情報が記載されているという意味です。

事故情報とは返済の延滞・債務整理・自己破産・代位弁済など、債務者の返済能力不足を示す情報です。いったん事故情報が記載されると、5年~10年は削除されず掲載され続けますので注意しましょう。

事故情報の主な種類を、以下の表にまとめました。

事故情報の種類 内容
長期延滞 61日以上の返済の遅れや利用料金の延滞
強制解約 延滞や規約違反でクレジットカード会社にクレジットカードを強制的に解約させられる
債務整理 任意整理・個人再生・自己破産など
代位弁済 債務者が返済できず保証会社などが代わりに返済する

自分の信用情報に自信がない場合は、以下の信用情報機関で開示請求を行ってください。信用情報機関の特徴・名称・公式サイトは、以下の表のとおりです。

信用情報機関 特徴
CIC クレジット会社から共有された信用情報を登録・管理
JICC 貸金業者から共有された信用情報を登録・管理。法人の借入も記録
KSC メガバンク・地方銀行・ネット銀行から共有された信用情報を登録・管理

ほとんどの金融事故情報は5年で削除されますが、自己破産はKSCで削除までに10年かかります。事故情報が記載されないように、普段から支払いや返済は小まめに行いましょう。

税金の滞納

税金を滞納していると、日本政策金融公庫から融資を断られるケースが多いです。日本政策金融公庫が公表している審査基準では、過去1年間に税金の滞納がないかどうかも重要視されています。

・お金の管理能力

過去1年ほどで水道光熱費や税金等に滞納がないか

 

引用:日本政策金融公庫「第2回 創業融資の審査では結局、何が重視されるのか

調査する期間は1年とされているため、将来のために税金の滞納を解消しておきましょう

創業・事業計画書の完成度が低い

創業・事業計画書の完成度が低く、日本政策金融公庫の融資を断られるケースが多く見られます。日本政策金融公庫が創業・事業計画書で重視するポイントは、以下のとおりです。

  • きちんと利益が上がるか
  • 返済計画がずさんではないか
  • 簡易キャッシュフローより返済額が小さいか
  • 予測した売上高に実現性・説得力があるか

簡易キャッシュフローとは、税引後当期純利益+減価償却費を合算した数値です。日本政策金融公庫の判断基準のひとつは、以下のように記載されています。

経営が安定した時点で、「月ごとの税引後利益+減価償却費>月ごとの返済額」になっていることがひとつの目安となります。

 

引用:日本政策金融公庫「第2回 創業融資の審査では結局、何が重視されるのか

また、事業計画書は理想や夢よりも実現性・堅実さ・説得力が求められます。実現性の高い事業計画書を作るためのポイントは、以下のとおりです。

・同業・同規模の業態の平均と比較してバラ色の計画になりすぎていないか

・競合他社のなかで勝つことができる魅力的な要素は何か

・出店場所の優劣、ターゲット客層と合っているか

・集客方法を戦略的に考えているか

・市場分析、競合分析はできているか

 

引用:日本政策金融公庫「第2回 創業融資の審査では結局、何が重視されるのか

事業計画書・返済計画書のクオリティは、審査の行方を大きく左右します。自分で作成するのに不安があるなら、資金調達コンサルタントへの依頼を検討しましょう。

他社からすでに多く借入している

他社からすでに多くの借入をしている場合、日本政策金融公庫の融資を断られる可能性が高いです。

他社と日本政策金融公庫の返済額の合計が、税引後当期純利益+減価償却費の合算である簡易キャッシュフローより多くなるとほぼ断られます。簡易キャッシュフロー以上の返済は非常に困難で、早々に事業が行き詰まると予想されるからです。

なお、法人としての他社からの借入額・借入期間なども日本信用情報機構(JICC)の信用情報に記載されます。虚偽の申告は不可能ですので、正直に審査で他社からの借入があると伝えましょう。また、他社からの借入を含めて返済の可能性が高いと判断できる返済計画を提出するのも重要です。

面談でPRが上手くいかなかった

日本政策金融公庫では書類審査のあとに面談が実施されますが、内容によっては融資を断られます日本政策金融公庫が面談で重視するポイントは、以下のとおりです。

起業家としての経験に関して確認される事項

・立ち上げるビジネスと同業界で何年間の経験をしてきたか

・どの立場で経験をしてきたか(店長?アルバイト?)

・どんな実績をあげてきたか(営業成績エリア No.1 で表彰されたなど)

 

起業家としての能力に関して確認される事

・立ち居振る舞い、態度、熱意

・話の内容、説得力

・特殊な技能や資格

 

引用:日本政策金融公庫「第2回 創業融資の審査では結局、何が重視されるのか

話の内容・説得力・立ち振る舞い・熱意・態度を改善するため、事前に十分な練習をこなしておきましょう。面談の練習は「自分で動画をとって見直す」「ほかの人に練習につきあってもらう」といった方法が効果的です。

経営状態が悪い

日本政策金融公庫で運転資金の融資を受ける場合、決算書の数字が悪いと断られる結果になるケースが多いです。決算書の勘定科目で審査されるのは、売上高・当期純利益・借入金・固定資産・純資産などです。

決算書の数字が悪い場合、実現性の高い事業計画書を用意して黒字化のめどが立っていると示さなければなりません。また、経営状態を改善するには以下の方法も検討しましょう。

  • 売上向上
  • コスト・人件費の削減
  • 在庫管理の徹底
  • リピート戦略の見直し
  • 顧客単価のアップ

どうやって売るかを考えていない

日本政策金融公庫に融資を断られる理由として、意外にも「どうやって売るか考えていない」があります

たとえば、ある商店街に喫茶店を出すとして、顧客は誰になるのか明確化していないケースが挙げられます。顧客層が明確化されていなければ、提供する価格・店内の雰囲気・接客の方向性などを決めるのは困難です。

「よい商品・サービスだから売れるはず」と考えて起業する人は少なくありません。しかし、「誰に・どのように・どんな方法で売るのか」を明確にしなければ、事業が成功する可能性は低くなります

事業計画書を書く前に、商品・サービスを売りだす地域・顧客層・競合店などを徹底的にリサーチしましょう。

知っておかないとヤバい?日本政策金融公庫の予備知識

あらかじめ知っておく必要がある、日本政策金融公庫の予備知識について解説します。

  • 日本政策金融公庫の審査通過率
  • 自己資金は融資額の3分の1以上が基本
  • 起業ジャンルの事業で必要な経験年数は5年以上
  • 融資が受けられる目安は1,000万円
  • 開業しても半年は赤字を覚悟する必要がある

知識として押さえておき、融資を断られないための対策を十分に講じましょう。

日本政策金融公庫の審査通過率

日本政策金融公庫の審査通過率は非公開ですが、専門家やコンサルタントは経験則から以下のように推測しています

  • 起業する人が自分で申請:30%~50%ほど
  • 専門家の手を借りて申請:90%ほど

ただし、上記の数字はあくまで体感値であり公式の数字ではありません。なお、日本政策金融公庫の審査に落ちると次の申請まで1年ほど待つ必要があります。そのため、融資を申し込むなら十分な事前準備をしてからにしましょう。

日本政策金融公庫の融資を断られる可能性を下げるなら、資金調達コンサルタントなどの専門家へ依頼するのがおすすめです。

自己資金は融資額の3分の1以上が基本

日本政策金融公庫を申し込むとき、自己資金は開業資金の3分の1以上を用意しましょう

日本政策金融公庫の統計では、融資を受けた事業者が用意していた自己資金は開業資金の23.9%でした。そのため、いくらかの余裕を持って3割が自己資金の目安となっています

自己資金が多いほど審査に有利ですが、ほかの要素も結果を大きく左右します。自己資金さえあれば審査にとおるわけではありませんので注意しましょう。

参考:日本政策金融公庫「2021年度新規開業実態調査

起業ジャンルの事業で必要な経験年数は5年以上

日本政策金融公庫で審査されるポイントとして、起業するジャンルでの事業経験が挙げられます。起業するジャンルでの事業経験の目安は5年とされており、長いほど審査に有利に働きます。

日本政策金融公庫の調査によれば、起業が成功する確率は事業経験の長さに左右されるとのことです。5年以上の事業経験がある人は、目標月商を達成する確率が高くなります

また、事業経験を積むと開業直後から良好な業績を得やすく、経営者としての能力も高まる傾向にあります。業界知識・人脈・技術力・営業力・マネジメント能力など、事業経験をつうじて得られた能力が業績に影響するからです。

日本政策金融公庫で融資を断られる可能性を低くしたいなら、事業経験のある分野での起業を目指しましょう。

参考:日本政策金融公庫「開業者の斯業経験と開業直後の業績

融資が受けられる目安は1,000万円

日本政策金融公庫で融資が受けられる金額の目安は、1,000万円ほどです。

日本政策金融公庫の統計データでは、2022年の一般貸付の平均額は935万円でした。新創業融資制度の上限は3,000万円、中小企業経営力強化資金は7,200万円と非常に大きな金額です。しかし、3,000万円や7,200万円は融資上限額であり、多くのケースでは300万円~1,000万円といった融資額になります

融資上限額が大きいからと過大な期待を抱くのではなく、小さくはじめて大きく育てるという基本を守って起業しましょう。

参考:日本政策金融公庫「融資の状況

開業しても半年は赤字を覚悟する必要がある

開業してから半年は赤字となる覚悟で、事業計画書を作成しましょう

日本政策金融公庫の調査では、開業翌月に黒字基調になったのはわずか16%でした。一方、翌月以降~半年以内が42%、半年以降~1年以内が31%という結果が出ています。なお、上記の数値は「日本の創業企業と創業金融の実態(P31)」のJFCの数値で無回答を除いて再計算しました。

日本政策金融公庫に融資を申し込むときは、最低半年は赤字が続くと仮定した上で運転資金も計算に入れましょう。

参考:独立行政法人経済産業研究所「日本の創業企業と創業金融の実態(P31)」

日本政策金融公庫は審査でどこまで調べるの?重要なポイントは?

日本政策金融公庫が申込者の情報を審査するポイントは、以下のとおりです。

  • 事業計画書・返済計画書の実現性
  • 起業する分野の業務経験の有無
  • 自己資金額
  • 金銭の管理能力
  • 過去1年ほどの税金の滞納歴
  • 申込者の信用情報
  • 面談での立ち振る舞い・熱意・説得力
  • 特殊な技能や資格
  • 資金使途

どれかひとつのポイントで判断されるのではなく、総合的な観点で審査の合否が決まります。とくに事業計画書・返済計画書の実現性は非常に重要で、審査に大きく影響するためじっくりと作り込みましょう。

日本政策金融公庫で断られた場合はほかの融資を検討しよう

日本政策金融公庫で融資が断られた場合は、ほかの金融機関を検討しましょう。

  • 地方銀行
  • 制度融資
  • 信用金庫
  • マル経融資
  • ビジネスローン

金融機関ごとの特徴を把握し、融資を受けられる見込みのある選択肢を選びましょう。

地方銀行

融資上限額 1,000万円~2億円と地方銀行ごとに異なる
金利相場 1.5%~3%

日本政策金融公庫に融資を断られたら、地方銀行の利用を検討しましょう

地方銀行とは、各都道府県に本店を構えて特定の営業地域を定めている普通銀行です。利用者の返済能力・信用力を重視して審査を行いますが、メガバンクより基準が緩くとおりやすいのが特徴です。

また、小口のニーズにも対応しており、中小企業・小規模事業者向けにも積極的に融資を行っています。くわえて、金利が低く資金調達コストを抑えられる点も地方銀行の大きなメリットです。

制度融資

融資上限額 数千万円~数億円
金利相場 1.5%~3%

日本政策金融公庫に融資を断られた場合、次に検討したいのが制度融資の利用です。

制度融資とは、都道府県などの自治体・金融機関・信用保証協会が連携して提供する融資制度です。自治体と信用保証協会が協力し、中小企業・小規模事業者に向けて積極的に融資を実施しています。

制度融資は、低金利・審査のハードルが低い・長期借入が可能といったメリットがあります。厳しい経営状態の中小企業であっても、将来的に黒字化の可能性があるなら前向きな判断を期待できるのが特徴です。

ただし、自治体によって制度・融資メニューが異なるため詳細はあらかじめ問い合わせましょう。

信用金庫

融資上限額 500万円ほど
金利相場 2%~6%

日本政策金融公庫に融資を断られたとき、信用金庫も資金調達先として有力な候補です。

信用金庫は信金とも呼ばれ、会員の出資によって成り立つ協同組織であり非営利法人です。地域の会員がお互いの繁栄を図る相互扶助の目的で設立され、中小企業・個人事業主へも積極的に融資を行っています。

また、経営状態・財務状況が悪い場合でも多少のリスクをとって融資してくれる可能性があります。ただし、金利は地方銀行・制度融資などより高い傾向にあるため注意しましょう。

マル経融資

融資上限額 2,000万円
金利相場 1.2%

マル経融資の正規式名称は小規模事業者経営改善資金であり、商工会議所の推薦で融資が受けられる制度です。日本政策金融公庫が金利1.2%で提供しており、無担保・無保証で最大2,000万円まで借入できるのが特徴です。

マル経融資を利用するには、従業員数が20人以下の法人か個人事業主といった条件があります。また、資金使途は運転資金・設備資金に限られており開業資金には使えませんので注意しましょう。

マル経融資の推薦をもらうには、商工会議所の経営指導を6か月にわたって受けなければなりません。そのため、融資を受けるまでに経営指導6か月・審査期間1か月が必要となり、最低7か月ほどの準備期間がかかります

もしマル経融資の利用を検討しているなら、早めに商工会議所に加入して経営指導を受けましょう。

ビジネスローン

融資上限額 300万円~500万円ほど
金利相場 5%~18%

日本政策金融公庫だけでなく、制度融資や信用金庫にも融資を断られた場合はビジネスローンの利用を検討しましょう。

消費者金融などが提供するノンバンク系ビジネスローンは審査が緩く、経営状態が悪くても融資を受けられる可能性があります。ただし、消費者金融の利用履歴は将来的に金融機関へ融資を申し込むときにマイナス材料になります。

また、金利も15%~18%ほどと高いケースが大半で、資金調達コストがかさむので注意してください。ビジネスローンを利用するなら、十分な資金計画を立てて資金繰りが悪化しないようにしましょう。

日本政策金融公庫に断られたときでも資金調達できるファクタリングとは?

日本政策金融公庫やその他の金融機関に断られたときでも、ファクタリングなら資金調達が可能です。

ファクタリングとは売掛債権をファクタリング会社に売却し、手数料が差し引かれた代金を受け取れる仕組みです。売掛先の信用力を重視するため、利用者の経営状態・財務状況が悪くても審査を通過できる可能性があります。

開業時には利用できませんが、開業後の運転資金の確保には最短即日で資金調達できるファクタリングがおすすめです。

2社間ファクタリング・3社間ファクタリング

ファクタリングには、2社間ファクタリング・3社間ファクタリングという2つの契約形態があります。2社間ファクタリング・3社間ファクタリングそれぞれの違いは、以下のとおりです。

契約形態 特徴 メリット デメリット
2社間ファクタリング
  • 利用者・ファクタリング会社で契約を締結
  • 売掛金を利用者が回収し、ファクタリング会社に入金
  • 最短数十分~即日で資金調達が可能
  • 第三者・売掛先に利用を知られない
  • 3社間ファクタリングと比較して手数料が割高
3社間ファクタリング
  • 利用者・ファクタリング会社・売掛先で契約を締結
  • 売掛先が直接ファクタリング会社に入金
  • 2社間ファクタリングと比較して手数料がリーズナブル
  • 資金調達に数日~1週間ほどかかる
  • 売掛先の承諾が求められる

スピーディーな資金調達を希望するなら2社間ファクタリング、手数料を安く抑えるなら3社間ファクタリングを利用しましょう。

ファクタリングのメリット・デメリット

ファクタリングを利用するメリットは、以下のとおりです。

  • 経営状態・財務状況が悪くても資金調達が可能
  • 2社間ファクタリングなら最短数十分~即日で資金を得られる
  • 負債ではなく、信用情報に影響を与えない

一方、ファクタリングを利用するデメリットは以下になります

  • 資金調達コストがほかの資金調達方法より割高
  • 売掛債権額の範囲内でしか利用できない

なお、2社間ファクタリングの審査では利用者の信用力も加味されますが、3社間ファクタリングでは対象外となります。3社間ファクタリングは、売掛金の回収で利用者を経由しないからです。そのため、3社間ファクタリングはさらに審査にとおりやすいのが特徴です。

もし2社間ファクタリングの審査に落ちた場合は、3社間ファクタリングの利用を検討しましょう。

ファクタリングの手数料相場

ファクタリングの手数料相場は、以下のとおりです。

ファクタリングの種類 手数料の相場
2社間ファクタリング(面談) 10%~20%
2社間ファクタリング(オンライン) 2%~12%
3社間ファクタリング 1%~9%

ファクタリングとほかの資金調達方法を比較するなら、手数料を年利換算しましょう。手数料を年利換算する式は、以下のとおりです。

12か月÷支払いサイト×手数料率=年利換算相当

たとえば、支払いサイトが2か月で手数料が5%なら年利換算で30%となります。少しでも資金調達コストを抑えるためには、オンラインファクタリング・3社間ファクタリングの利用がおすすめです。

なお、ファクタリングサービスを探すなら200社以上を掲載している「ファクタリング会社の口コミ」が参考になります。

日本政策金融公庫に融資を断られたときによくある質問

日本政策金融公庫に融資を断られたときによくある質問を解説します。

  • 日本政策金融公庫の審査基準は厳しいと言われたが本当?
  • 日本政策金融公庫の融資の可決・否決の連絡方法は?
  • 日本政策金融公庫で面談前に否決されたのはなぜ?
  • 銀行融資が断られる会社の特徴は?

事前に疑問を解消しておき、日本政策金融公庫で融資を断られる可能性を少しでも下げましょう。

日本政策金融公庫の面談は厳しいと言われたが本当?

人によって抱く感想は異なるでしょうが、日本政策金融公庫の面談は厳しくありません

日本政策金融公庫の面談が厳しくない理由は、以下のとおりです。

  • 担当者は申込者を落とそうとしていない
  • 圧迫面接ではない
  • 面談にネガティブな印象を持った人が厳しいと拡散しているだけ

日本政策金融公庫は、政府が100%出資している政府系金融機関です。そのため、民間金融機関のように利益優先ではなく、中小企業・個人事業主に対して積極的に融資を実施しています。したがって、日本政策金融公庫が申込者に対して厳しい面談をする必要性はありません。

日本政策金融公庫の融資の可決・否決の連絡方法は?

日本政策金融公庫の融資の可否は、原則として郵送で送られてきます。面談をしたあと、10日~2週間ほどで融資結果の書類が届きます。

日本政策金融公庫で面談前に否決されたのはなぜ?

日本政策金融公庫で面談前に融資が否決されたのは、提出した書類に問題があったと考えられます

日本政策金融公庫の審査でもっとも重視されるのは、面談ではなく事前に提出する書類です。まず書類から審査し、見込みがある申込者に対して面談を実施する流れになります。

また、融資の可否は面談前の書類で7割~8割が決まると主張するコンサルタントや専門家もいます。日本政策金融公庫の融資で断られる確率を下げたいなら、提出する書類の作成に重点を置きましょう。

銀行融資が断られる会社の特徴は?

銀行融資が断られる会社の特徴は、以下のとおりです。

  • 返済能力があるか疑わしい
  • 債務超過に陥っている
  • 赤字が続いている
  • 財務状況が悪い
  • 融資に関するトラブル・リスケジュールが過去にあった
  • 税金・公共料金を滞納している

上記の理由の多くは銀行だけでなく、日本政策金融公庫の審査結果を左右します。融資が断られる原因を解消し、資金調達を実現して会社の持続的な成長を目指しましょう。

日本政策金融公庫に融資を断られたら理由を明確にして再挑戦しよう!

日本政策金融公庫で融資を断られた場合、今後の改善のために理由を担当者から聞きましょう。また、融資を断られないようにするため、事前に自己資金・事業計画書・面談の練習などを十分に準備してください。

日本政策金融公庫から融資を受けるなら自己資金は3割以上、融資上限額は1,000万円ほどが目安です。さらに、起業するジャンルの事業経験が5年以上あれば融資を受けられる可能性は高くなります

日本政策金融公庫で融資を断られないポイントをしっかりと押さえ、資金調達を成功させ事業を軌道に乗せましょう。