資金ショートが発生しても、的確な対応を行えば復活できる可能性はあります。資金ショートからの復活を目指すなら、冷静に現状を把握してスピーディーに対策を講じるのが肝心です。
今回の記事では、資金ショートの概要・心構え・復活するための具体的な方法についてまとめました。さらに、経営状態・財務状況が悪くても資金繰りを改善できるファクタリングと請求書カード払いを解説します。
本記事を読めば、資金ショートからの復活を実現する具体的な方法がわかります。苦しい状況だからこそ冷静になり、自社にどのような対策が最適なのか判断して実行に移しましょう。
資金ショートとは?
資金ショートとは、手元資金の減少により支払いが困難になる状態です。ショート(short)は英語で短いと訳されますが、そのほかに「不足する」といった意味もあります。
資金ショートが発生すると資金繰りが苦しくなり、取引先・経費・税金の支払いが滞りがちになります。支払いに困窮して半年間に2回の手形の不渡りを出すと、銀行取引が停止となり事実上の倒産状態に陥るので注意しましょう。
資金ショートの原因
資金ショートになる原因は主に、以下のとおりです。
- 急激な売上の減少
- 想定外の多額の支出
- 資金管理が不十分
- 売掛金の未回収・支払い遅延
- 慢性的な財務状況の悪化
急激な売上の減少は、以下の理由で引き起こされる可能性があります。
- 自然災害
- 不祥事の発覚などによる不買運動
- 競合他社・ライバル店のシェア上昇
- 大手取引先との取引停止
- 不利益な口コミの拡散
想定外の多額の支出が発生する理由として、以下が考えられます。
- 訴訟費用・損害賠償金の支払い
- 大型設備の故障
- 大規模受注への対応としての先行投資
突発的なトラブルのほかに、資金管理が不十分な場合も資金ショートに陥る可能性が高いです。また、売掛先の財務状況の悪化や倒産による売掛金の未回収・支払い遅延も資金ショートの原因となります。
ほかに、慢性的な経営状態・財務状況の悪化は資金ショートを引き起こすリスクがあります。解決には売上向上・コスト削減・生産性アップなど、抜本的な経営改革が必要です。
資金ショートした場合はどうなる?
資金ショートに陥っても、必ず倒産するとは限りません。しかし、以下のような状態に陥る可能性が高いため打開策を検討しましょう。
- 銀行への返済ができず信用を失って資金調達が難しくなる
- 2度目の手形の不渡りで銀行取引停止処分を受ける
- 仕入れ先から警戒され信用取引ができなくなる
倒産したあとの流れには、以下の2つのパターンがあります。
- 破産して会社が消滅
- 会社更生法・民事再生法によって会社を継続
破産手続きをする場合は、裁判所に申し立てて破産宣告をしてもらいます。会社の財産はすべて処分して債権者に分配し、会社の債務はすべて免除になるのが特徴です。
一方、会社更生法・民事再生法を選んだ場合は債務の圧縮を経て、管財人および経営者の手によって会社の再建を目指します。自社の状況を適切に把握し、将来を見越してどちらの選択肢を選ぶか十分に検討しましょう。
資金ショートしたときの心構えと対策
資金ショートしたとしても、まだ倒産すると決まったわけではありません。資金ショートしたときの心構えと対策は、以下のとおりです。
- 冷静に現状を把握
- ボトムアップからトップダウンへの切り替え
- 緊急事態だと従業員に通知
- 支払いの優先順位をつける
資金ショートしても冷静に現状を把握し、会社が継続する道を模索しましょう。
冷静に現状を把握
資金ショートに陥ったら、まずは冷静になるのがもっとも大切なポイントです。冷静になれたら、以下のポイントを調査・検討して現状を把握しましょう。
- いつどれだけの支払い・入金があるか1日単位で把握
- 延滞・リスケジュールできる支払い・返済を調査
- 現状で可能な資金調達手段を検討
- 削減可能なコストの検討
- 従業員や社内の雰囲気はどうか
まずは現状を的確に把握し、会社が存続するために打てる手を検討しましょう。
ボトムアップからトップダウンへの切り替え
資金ショートが発生する状況では、経営をトップダウンに切り替えるのが重要です。トップダウンに切り替える理由は、以下のとおりです。
- 経営・財務全体を把握しているのは経営者しかいない
- 資金ショートへの手当優先で業務の優先順位を決定する必要がある
- 合議は速度が遅いため、経営者によるスピーディーな独断が求められる
従業員に対して報連相を的確に行うように通知し、自分のそばに信頼できる冷静な部下を配置しましょう。緊急時に経営者が熱くなったとしても、冷静な人物が近くに1人いれば多くのトラブルを防げます。
緊急事態だと従業員に通知
資金ショートして危険な状態だと、従業員に通知するのもたいへん重要なポイントです。従業員に資金ショートの事実を通知し、十分に説明する理由は以下のとおりです。
- 事態の危機感を全員で共有するため
- トップダウンへの切り替えに不満を抱かせないため
- 打開に向けて一丸となるため
くわえて、給料の支払いには問題がない点も伝えておきましょう。さらに、希望的観測だとしても将来的な見通しを従業員に説明するのは大切です。希望を提示しておけば、当面の間は会社に協力してくれる可能性が高まります。
支払いの優先順位をつける
資金ショートした場合は、支払いに優先順位をつけて対処するのが肝要です。
- 手形
- 給料
- 買掛金
- 諸経費
- 税金や社会保険料
- 銀行への返済
手形の優先順位が高いのは、半年間に2回の不渡りを出すと銀行取引が停止され、事実上の倒産に追い込まれるからです。くわえて、給料の支払い遅れは労働基準法違反であり、さらに従業員のモチベーション低下や離職にもつながります。
そのほかの支払いは、延長・延滞・リスケジュールが可能なため優先順は低めです。もし銀行への返済が多いのならまずリスケジュールを申し込み、返済条件の変更ができないかどうか検討しましょう。
資金ショート寸前なら日繰り表で現状を把握しよう
資金ショート寸前の場面で役立つ日繰り表(ひぐりひょう)について解説します。
- 日繰り表とは
- 日繰り表の作成方法
- 日繰り表の分析方法
日繰り表を作成して、いつどれだけの入金・支払いがあるか的確に把握しましょう。
日繰り表とは
日繰り表(ひぐりひょう)とは日時資金繰り表とも呼ばれ、1日ごとの入出金を把握するための書類です。月次資金繰り表が月単位なのに対し、日繰り表は日単位で入出金をまとめた書類となります。
日繰り表を作成するメリットは、以下のとおりです。
- 将来のキャッシュフローを予測できる
- 作成しておけば金融機関からの印象がよくなる可能性がある
日繰り表で過去の入出金の日時や金額がわかれば、将来的なキャッシュフローが予測しやすくなります。日繰り表をもとに将来の入出金を予測し、具体的な対策・手当・資金調達の必要性などを検討しましょう。
日繰り表の作成方法
Excelの場合の日繰り表の記入方法は、以下の流れのとおりです。
- 「日付」は入出金のあった日付を記入
- 「内容」は入出金の相手・内容を記入
- 入金があった場合は「入金」、支払いがあった場合は「出金」に金額を記入
- 「残高」は現在の残高を記入
いちからExcelで作成するのが手間であれば、マネーフォワードの日繰り表テンプレートをダウンロードしましょう。
参考:マネーフォワード「日繰り表で日次の資金管理をするには?テンプレをもとに作り方を解説」
日繰り表の分析方法
日繰り表を使って過去のデータを分析し、将来的なキャッシュフローや手元資金の残高を予測しましょう。
たとえば、毎月ごとの家賃・水道光熱費などの固定費は決まった日時に支払います。予測できる入出金を日繰り表に記入していき、どれくらいで資金が完全にショートするのか分析してください。
なお、毎月のキャッシュフローがプラスになるまで継続して日繰り表への記入を続けましょう。
資金ショートからの復活を実現する具体的な方法5選
資金ショートからの復活を実現する、具体的な方法について解説します。
- 売掛金の早期回収
- 買掛金の支払い延長
- 借入による資金調達
- 資産の売却
- リスケジュールによる返済延期
- 固定費の延滞
可能な方法すべてを試して、粘り強く資金ショートからの復活と会社の存続を目指しましょう。
売掛金の早期回収
資金ショートから復活するためには、売掛金を早期回収ができないかどうか試してください。資金的に余裕のある取引先なら、交渉すれば売掛金を早めに入金してもらえる可能性があります。
ほかにも、売掛債権を早期に現金化するならファクタリングがおすすめです。ファクタリングとは売掛債権をファクタリング会社に売却し、手数料が差し引かれた代金を受け取れる仕組みです。
最短即日で資金調達できる上、経営状態・財務状況が悪くても審査通過は難しくありません。そのため、資金ショートからの復活を目指すなら必ず知っておきたい資金調達方法です。
買掛金の支払い延長
買掛金の支払いが延長できれば、資金ショートからの復活も夢ではありません。資金的に余裕がある仕入れ先なら、買掛金の支払い延長交渉が成功する可能性があります。
ほかにも、買掛金・各種経費の支払いを延長するには請求書カード払いの利用がおすすめです。請求書カード払いとは、請求書をクレジットカード決済して40日~60日の支払い延長が可能なサービスです。
手数料が3%~4%と安く、さらに審査がない請求書カード払いサービスもあります。請求書カード払いは、資金調達からの復活を目指す会社にとって非常に魅力的なサービスです。
借入による資金調達
借入による資金調達先として考えられるのは、以下のとおりです。
- 銀行融資
- ビジネスローン
- 日本政策金融公庫
銀行の審査は利用者の信用力を重視するため、資金ショート寸前の会社にとっては非常にハードルが高いです。ノンバンク系のビジネスローンは最短即日融資に対応しており、審査基準も銀行より柔軟でおすすめです。
ほかにも、日本政策金融公庫からの運転資金の融資も検討の価値があります。日本政策金融公庫は中小企業・小規模事業者に積極的に融資しており、金利も低く資金調達コストを抑えられます。
資金ショートまでに時間があるなら、経営環境変化対応資金を検討しましょう。
資産の売却
資産の売却は返済の必要がないため、負債を増やさずに手元資金を確保できます。資産を売却する資金調達方法のメリットは、以下のとおりです。
- 負債が増えない
- 資産管理にかかっていたコストが削減できる
- 自己資本比率の改善
- 固定資産を売却すれば節税効果を得られる
ただし、資産の売却は時間がかかるため、緊急時の資金調達手段としては向いていません。短期的にはほかの方法で手元資金を確保しつつ、資産を売却してより余裕の持てる体制を構築しましょう。
リスケジュールによる返済延期
リスケジュールによって銀行からの借入の返済を延期すると、手元資金に余裕が生まれます。
リスケジュールとは、借入金の返済が困難になった場合に行う返済条件の変更です。たとえば、「一定期間だけ返済額を減額する」「1年間は利息だけ支払う」といった例が見られます。
リスケジュールを行うメリットは、以下のとおりです。
- 資金繰りが楽になる
- 借り換えより費用がかからない
- リスケジュール中は法的回収措置がとられない
2009年の中小企業金融円滑化法やその後の環境の変化で、銀行は安易に中小企業のリスケジュールの申し込みを断れません。そのため、2020年~2023年11月までのリスケジュールの実行率は93.1%以上と非常に高い割合になっています。
適切な返済計画・事業計画を立案して提出すれば、リスケジュールを成功させるのは決して難しくありません。
参考:J-Net21「リスケジュールについて教えてください」,金融庁「貸付条件の変更等の状況について(令和2年3月10日から令和5年11月末までの実績)」
固定費の延滞
オフィス賃料・水道光熱費・通信費などの固定費を延滞するのも、資金ショートからの復活に必要な措置です。たとえば、固定費でもっとも大きなオフィス賃料は、管理会社に事情を説明すれば最大3か月ほどの滞納が可能です。
代表的な固定費がどれくらい滞納できるのか、以下の表にまとめました。
固定費の種類 | 滞納できる期間 |
電気代 | 支払い期限の翌日から20日間 |
ガス代 | 検針日の翌日から約50日間 |
水道代 | 滞納開始日の2か月間~4か月間 |
賃料 | 多くの場合3か月間 |
固定電話 | 支払い期限の20日間~30日間 |
携帯電話 | 支払い期限から30日間 |
上記の表は目安であり、企業によって滞納できる期間は異なるのであらかじめ確認しておきましょう。
資金ショートが起きる前にキャッシュフローを改善する方法
資金ショートが起きる前に、キャッシュフローを改善する方法について解説します。
- 売上の向上
- コスト削減
- 過剰投資をストップ
- 無理のない資金計画を立てる
- 在庫の処分と管理体制の構築
将来にわたり長期的に事業を継続するため、計画的で無駄のない経営を目指しましょう。
売上の向上
資金ショートが起きる前にキャッシュフローを改善するなら、まずは売上の向上を検討しましょう。
売上とは事業活動で得られる収益の総額であり、商品・サービスを提供して得られる対価です。売上向上には、以下のポイントのどれかを増加させる必要があります。
- 顧客数
- 購買率
- 客単価
顧客数・購買率・客単価を増加させる方法の具体例は、以下のとおりです。
- 商品・サービスの売りを強化
- ユーザーの声を参考にする
- 店舗・コールセンターなどでの接客クオリティ向上
- リピートユーザーに特典を用意
- セール・イベント・特売を行う
- リピートユーザーに新規ユーザーを紹介してもらう
自分の会社の商品・サービスを多角的に見直し、売上向上を実現する方法を検討しましょう。
コスト削減
コストを削減して手元資金を増やすポイントは、以下のとおりです。
- 仕入れ量を減らして在庫削減
- 役員報酬・人件費をカット
- 通信費・水道光熱費の見直し
コスト削減はもっとも簡単な利益率アップの手段であり、非常に高い効果が期待できます。ただし、人件費の削減は従業員のモチベーション低下・離職率増加につながるため慎重に検討しましょう。
通信費・水道光熱費は、契約先や契約プランの変更で大幅に削減できる可能性があります。どれくらいのコスト削減が可能かを検討し、効率的で筋肉質な企業体質を実現しましょう。
過剰投資をストップ
資金ショートが起きる前に、過剰投資をストップしてキャッシュフローを改善しましょう。
設備投資が過剰になるとキャッシュフローの枯渇を招き、資金ショートを引き起こす可能性が高くなります。設備投資の具体例としては、土地・機械・車両・備品・ソフトウェア・営業権などが挙げられます。
設備投資後は一時的にキャッシュフローが悪化し、利益が上がりはじめてから投資費用が回収できるという流れです。そのため、設備投資の判断基準としてキャッシュフローがどれくらいの期間でプラスになるかを検討しましょう。
以下の式で回収期間を算出し、適正な範囲内で設備投資をするのが重要です。
回収期間=設備投資費用÷各期の平均キャッシュフロー
たとえば、設備投資費用が5,000万円で各期の平均キャッシュフローが1,000万円の場合は以下のようになります。
5年(回収期間)=5,000万円(設備投資費用)÷1,000万円(各期の平均キャッシュフロー)
設備投資の費用回収までは手元資金に余裕がなくなると想定されるため、計画的かつ慎重に資金計画を立てましょう。
無理のない資金計画を立てる
資金ショートを予防するためには、資金計画・経営計画・事業計画の見直しを定期的に行いましょう。
資金計画を立てるときは、簡易キャッシュフローで返済額がまかなえるかどうかを重視してください。簡易キャッシュフローとは、税引き後当期純利益・減価償却費を足したもので金融機関が融資審査で重視する数値です。
たとえば、以下の場合は簡易キャッシュフローである1,500万円が年間に返済可能な金額だと判断が可能です。
- 前期の税引き後当期純利益:1,000万円
- 減価償却費:500万円
無理のない資金計画を立てて、常にキャッシュフローに余裕を持たせながら強固な経営基盤を築きましょう。
在庫の処分と管理体制の構築
資金ショートを予防するには、過剰在庫を解消して管理体制を構築しましょう。
在庫とは、仕入れた原材料・商品など将来的にお金になる物品を指します。効率的な経営で求められる在庫管理のポイントは、以下のとおりです。
- 必要な在庫だけ確保する
- 必要なときに提供できるようにする
- 品質水準を適切に保つ
いつ必要になるかわからないからといって、過剰に在庫を保有していれば商品が劣化してしまいます。売上や需要を予測するには、AIを採用した在庫管理システムがおすすめです。効率的な在庫管理体制を構築するメリットは、以下のとおりです。
- 過剰在庫の抑制により管理費を削減
- 欠品を未然に防止
- 品質の安定化を図る
効率的な在庫管理体制を構築し、管理費を削減しつつ高い品質の商品を顧客に提供しましょう。
資金ショートからの復活にはファクタリングがおすすめ!
資金ショートからの復活にかかせない資金調達には、経営状態が悪くても利用できるファクタリングがおすすめです。資金調達方法として非常に手軽な、ファクタリングについて解説します。
- 2社間ファクタリング・3社間ファクタリングとは
- ファクタリングのメリット・デメリット
- ファクタリングの手数料相場
ファクタリングの仕組みをしっかりと把握し、資金ショートなどの非常事態で上手に使いこなしましょう。
ファクタリングとは
ファクタリングとは売掛債権をファクタリング会社に売却し、手数料が差し引かれた代金を受け取れる仕組みです。中小企業・個人事業主・フリーランスを中心に利用者が拡大しており、中小企業庁も売掛債権の資金調達への活用を推奨しています。
ファクタリングには、2社間ファクタリング・3社間ファクタリングという2つの契約形態があります。2社間ファクタリング・3社間ファクタリングの違いは、以下のとおりです。
ファクタリング形態 | 特徴 | メリット | デメリット |
2社間ファクタリング |
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3社間ファクタリング |
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急いで資金調達が必要なら2社間ファクタリング、手数料を少しでも抑えたいなら3社間ファクタリングがおすすめです。
ファクタリングのメリット・デメリット
ファクタリングを利用して資金調達するメリットは、以下のとおりです。
- 最短即日で資金調達できる
- 売掛債権の売却のため負債が増えない
- 売掛先が重視されるため審査にとおりやすい
- 2社間ファクタリングなら第三者に利用を知られない
ファクタリングは最短数十分~即日で資金調達ができ、売掛債権の売却のため負債が増えません。また、売掛先の支払い能力が審査で重視されるため、利用者の経営状態・財務状況が悪くても利用できます。
一方、ファクタリングを利用するデメリットは以下のとおりです。
- ほかの資金調達方法と比較して資金調達コストが高い
- 売掛先の信用力が低いと審査通過は困難
- 売掛債権の範囲内でしか資金調達できない
あらかじめデメリットをしっかりと把握しておき、トラブルを回避しつつ計画的に利用しましょう。
ファクタリングの手数料相場
ファクタリングの手数料相場を、以下の表にまとめました。
ファクタリングの種類 | 手数料の相場 |
2社間ファクタリング(面談) | 10%~20% |
2社間ファクタリング(オンライン) | 2%~12% |
3社間ファクタリング | 1%~9% |
ファクタリングの手数料は、ほかの資金調達方法と比較すると割高になります。ほかの資金調達方法を比較する場合は、以下の式を用いて年利換算しましょう。
12か月÷支払いサイト×手数料率=年利換算相当
たとえば、支払いサイト2か月で手数料10%を年利換算すると60%となります。手数料を抑えたいなら、オンラインファクタリングや3社間ファクタリングの利用を検討しましょう。
資金ショートしていても審査通過が可能なファクタリングサービス3選
資金ショートしていても、審査通過が可能なファクタリングサービスを3つ紹介します。
- ベストファクター | 無料の財務コンサルティングが受けられる!
- 日本中小企業金融サポート機構 | 経営革新等支援機関として1.5%からの低手数料を実現!
- OLTA(オルタ) | 上限手数料9%と業界最安クラス!必要書類も少ない!
ファクタリングで運転資金を確保して、資金ショートからの復活への道筋をつけましょう。
ベストファクター | 無料の財務コンサルティングが受けられる!
種類 | ・2社間ファクタリング ・3社間ファクタリング ・診療報酬ファクタリング ・注文書ファクタリング(BESTPAY) |
買取可能額 | 30万円~ |
手数料 | 2%~20% |
入金スピード | 最短即日 |
手続き方法 | オンライン・電話(契約時は要面談) |
公式サイト | https://bestfactor.jp/ |
ベストファクターは、2%からと業界最安水準の手数料を誇るファクタリングサービスです。
審査通過率は92%以上と非常に高く、売掛先の与信状況を重視するため経営状態・財務状況が悪くても資金調達が可能です。また、2社間ファクタリングで審査にとおらなかった場合でも、3社間ファクタリングなら通過の可能性があります。さらに、同じ企業が運営するBESTPAYでは注文書ファクタリングを提供しており、受注時点での資金調達ができます。
もし財務体質の改善に悩んでいる場合は、ベストファクターが無料で提供する財務コンサルティングを受けるのがおすすめです。
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種類 | ・2社間ファクタリング ・3社間ファクタリング |
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手数料 | 1.5%~10% |
入金スピード | 最短3時間 |
手続き方法 | オンライン・電話・メール |
公式サイト | https://chushokigyo-support.or.jp/ |
日本中小企業金融サポート機構は、ファクタリングのほかに助成金・補助金の申請や財務コンサルティングも提供しています。
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手数料を抑えつつ資金ショートからの復活を実現するなら、OLTAの利用を最初に検討しましょう。
資金ショート中に買掛金の支払い延長が可能な請求書カード払いサービス
資金ショートしてしまったときにおすすめの、買掛金や請求書での支払いを延長できる請求書カード払いを解説します。
- 請求書カード払いの仕組みと手数料相場
- 請求書カード払いのメリット・デメリット
- おすすめは支払い.com | 審査・書類が一切なしで利用できる請求書カード払いの定番!
資金ショートなどの緊急事態に備え、仕組みを理解して賢く請求書カード払いを活用しましょう。
請求書カード払いの仕組みと手数料相場
請求書カード払いを利用する流れは、以下のとおりです。
- 請求書カード払いサービスに登録して利用を申し込み
- 振込先の口座を指定してクレジットカード決済する
- 請求書カード払い業者が指定された口座に振り込み
- 40日~60日後の決済日に、利用者の銀行口座から手数料と支払金額が引き落とされる
なお、請求書カード払いサービスの手数料は3%~4%が一般的です。利用できるクレジットカードの種類や、振込先への入金スピードが請求書カード払いサービスを選ぶポイントです。
請求書カード払いのメリット・デメリット
請求書カード払いで支払いを延長するメリットは、以下のとおりです。
- 支払いを延長して手元資金を確保
- 審査がないサービスもあり、手続きが簡単で必要書類も少ない
- 手数料が低い
- 取引先がクレジットカード決済非対応でも支払える
- クレジットカードのポイント還元がある
請求書カード払いは審査がないサービスもあり、手続きも非常に簡単です。また、手数料が3%~4%と低く資金調達コストを抑えられるのも請求書カード払いの魅力です。
なお、請求書カード払いはクレジットカードの利用限度額以上の決済はできないので注意しましょう。
おすすめは支払い.com | 審査・書類が一切なしで利用できる請求書カード払いの定番!
支払い延長期間 | 最長60日 |
手数料 | 4% |
入金タイミング | 最短即日 |
サービス対象 | 法人・個人事業主 |
運営元 | ・株式会社クレディセゾン
・株式会社UPSIDER |
公式サイト | https://shi-harai.com/ |
支払い.comは、期限の迫った支払いを最長60日ほど延長できる請求書カード払いサービスです。
会員登録さえすませれば、最短60秒の簡単な手続きで利用できるのが大きな魅力です。クレジットカードさえ保有していれば審査はなく、必要書類の提出も求められません。
支払い.comは老舗のクレジットカード会社クレディセゾンが運営しており、信頼性が高く安心して利用できます。資金ショートして請求が迫っている緊急事態には、支払いを延長できる支払い.comの利用を真っ先に検討してください。
資金ショートからの復活に関するよくある質問
資金ショートからの復活に関するよくある質問を解説します。
- 資金ショートしたその後の展開について実例を知りたい
- 運転資金がやばい!尽きたと感じたらどうすればよい?
- ベンチャーを含む法人が資金ショートしたら倒産しかない?
あらかじめ疑問を解消し、資金ショートという危機的な状況を賢く切り抜けましょう。
資金ショートしたその後の展開について実例を知りたい
東京商工リサーチを利用すれば、資金ショートを起こし倒産するまでの経緯の実例を検索できます。たとえば、2024年1月時点の倒産事例として以下のレポートが閲覧できます。
自分の会社の事業と近い事例を検索すれば、より具体的な倒産後の流れが理解できます。
運転資金がやばい!尽きたと感じたらどうすればよい?
「運転資金がやばい!」と感じた場合、ただちに現状把握に努めましょう。具体的には、以下のようなポイントを重点的に把握してください。
- 現状の運転資金残高
- 1日ごとに必要な入出金を把握
- 日繰り表を作成して過去データから来月分を予測
- たりない運転資金をファクタリング・融資・請求書カード払いなどで調達
- 運転資金の一時的な確保とともに抜本的な経営改革で黒字化を目指す
普段から資金計画を適切に作成し、将来を予測しつつ持続可能な経営をするよう心がけてください。
ベンチャーを含む法人が資金ショートしたら破産しかない?
ベンチャーを含む法人が資金ショートした場合、倒産後に2つの道が残されています。
- 会社更生法・民事再生法に則り事業を維持
- 破産手続きをして会社が消滅
民事再生法・会社更生法・破産それぞれの特徴・メリット・デメリットは、以下の表のとおりです。
手続きの種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
民事再生法 |
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会社更生法 |
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破産 |
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自分の会社の置かれた状況を的確に把握し、将来にとって最適な選択肢を検討しましょう。
資金ショートからの復活にはファクタリング・請求書カード払いがおすすめ!
資金ショートとは、手元資金の枯渇により支払いができなくなる状態です。資金ショートに陥ると買掛金の支払い・銀行への返済・手形の決済ができず、最終的には倒産に陥るケースが多いです。
資金ショートから復活するためには現状を冷静に把握し、資金調達・日繰り表の作成・コスト削減などの対策を講じましょう。経営状態・財務状況が悪くても、キャッシュフローの改善が可能なファクタリング・請求書カード払いの利用も検討してください。
なお、資金調達にはファクタリング会社200社以上を掲載している「ファクタリング会社の口コミ」が役立ちます。資金ショートからの復活は一筋縄ではいきませんが、打てる手を検討して粘り強く会社の存続を目指しましょう。