事業を運営しているなら、急な資金トラブルでつなぎ融資・つなぎ資金がいつ必要になるかわかりません。つなぎ融資・つなぎ資金の調達方法は多様なため、状況にあわせて選択する必要があります。

今回の記事では、つなぎ融資・つなぎ資金の概要・必要な状況・種類・メリット・デメリットなどをまとめました。くわえて、つなぎ資金を手間なくスピーディーに調達できるおすすめのファクタリングサービスも紹介します。

本記事を読めば急な資金トラブルが発生したときでも、慌てずにつなぎ融資・つなぎ資金を調達できる方法がわかります。つなぎ融資・つなぎ資金の多様な調達方法を把握し、資金トラブルを上手に解決して事業を存続させましょう。

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つなぎ融資・つなぎ資金とは?わかりやすく解説!

つなぎ融資とは、長期間ではなく一時的につなぐ目的で利用する融資です。つなぎ資金は、資金が何らかの理由でたりなくなったときの穴埋めとして利用される資金を指します。

たとえば、事業者の場合は何らかのトラブルで運転資金不足に陥ったときに利用するのがつなぎ資金です。

つなぎ融資・つなぎ資金には、個人向け・事業者向けの2つの意味がありますのでそれぞれ解説します。

個人向けのつなぎ融資・つなぎ資金とは

個人向けのつなぎ融資とは、住宅引き渡し前に発生する費用の支払いのため一時的に利用する融資です。

住宅ローンは、住宅の完成と同時に融資が実行されます。そのため、土地の購入・建物の建築など住宅の完成前に必要な資金は、住宅ローンとは別に用意する必要があります。住宅完成前の資金を自己資金に頼らず支払うため、つなぎ融資を利用するケースが一般的です。

つなぎ融資で借入した資金は、住宅ローンが入金されたときに一括返済するケースが大半です。

事業者向けのつなぎ融資・つなぎ資金とは

事業者向けのつなぎ資金とは、自社の営業活動が停止しないよう一時的に調達する資金です。つなぎ融資はそのときに利用する金融商品を指しますが、必ずしも借入だけではなく売掛債権の売却や手形割引などの方法もあります

商品・サービスの提供には、原価・人件費・設備費・水道光熱費などさまざまな費用が必要です。売掛先からの入金遅れや売掛債権の貸し倒れなどトラブルが起きた場合、手元資金が不足すると事業継続が困難になります。

資金トラブルが起きたときに、一時的な手当として利用するのがつなぎ融資です。なお、つなぎ融資にはさまざまな資金調達方法がありますので、自社に最適な選択肢を多角的に検討しましょう。

事業者がつなぎ融資・つなぎ資金を必要とするシーン

事業者がつなぎ融資・つなぎ資金を必要とするシーンは以下の通りです。

  • 売掛金を回収するまで
  • 銀行融資の実行前
  • 補助金が給付されるまで

どのような場合につなぎ融資・つなぎ資金が必要となるのか把握し、事業が行き詰まらないように資金調達しましょう。

売掛金を回収するまで

建築業では売掛金が入金されるまでの期間が長いため、つなぎ資金が必要とされます。工事は先行して仕入れ代金や経費の支払いが求められ、代金が入金されるのは工事完成後です。そのため、つなぎ融資を利用して運転資金を確保しつつ工事に必要な経費を支払わなければなりません。

ほかにも、事業者がつなぎ融資・つなぎ資金を必要とするシーンとして、売掛金の入金トラブルがあげられます。たとえば、月末に予定されていた売掛金の入金が1ヶ月遅れるといった事態です。そのほかに、売掛先の倒産で売掛債権が回収できないケースも考えられます。

入金の遅れはつなぎ融資・つなぎ資金の調達で乗り切れますが、売掛債権の未回収による損害は中長期的な経営戦略での回復が求められます。売上拡大・新規開拓・コスト削減などで、つなぎ融資を返済していきましょう。

資金トラブルにあわせて、適切につなぎ融資・つなぎ資金を調達しつつ返済計画を検討しましょう。

銀行融資の実行前

銀行融資が入金されるまでの間、自社の営業活動に必要な運転資金を確保する方法としてつなぎ融資を利用しましょう。

銀行融資は、申し込みから入金まで3週間~1ヶ月ほどの時間がかかります。入金までの間の運転資金を確保するには、スピーディーなつなぎ資金の調達方法が必要です。

銀行融資の入金がされた時点でつなぎ融資を返済できますが、審査に落ちた場合も考慮してできるだけ低い金利・手数料のサービスを利用しましょう。どれくらいの資金調達コストがかかるのかあらかじめ調査し、計画的につなぎ融資・つなぎ資金を確保してください。

補助金が給付されるまで

政府・自治体が提供している補助金を利用する場合、給付されるまでの運転資金としてつなぎ融資・つなぎ資金を調達しましょう

補助金は後払いになるため、事業立ち上げの経費は自社での調達が必要です。また、補助金は申し込みから入金まで数週間~数ヶ月の期間が必要です。

補助金のためのつなぎ融資・つなぎ資金を調達するには、補助金申請に関わった金融機関に相談しましょう。なお、「補助金申請に金融機関が関わっていない」「関わっていたが断られた」といった場合は、つなぎ融資をメインバンクに相談するのがおすすめです。

事業者向けつなぎ融資・つなぎ資金の調達方法5選

事業者向けつなぎ融資・つなぎ資金の調達方法は以下の5つです。

  • 銀行系・ノンバンク系のビジネスローン
  • 日本政策金融公庫
  • 不動産担保貸付
  • 手形割引
  • ファクタリング

資金調達方法ごとの金利・手数料の相場の比較表は以下になります。

調達方法 金利・手数料の相場
銀行系ビジネスローン(メガバンク) 1%~14%
銀行系ビジネスローン(地方銀行) 3%~15%
ノンバンク系ビジネスローン 5%~18%
日本政策金融公庫 1%~1.9%
不動産担保貸付(銀行系) 1%~9%
不動産担保貸付(ノンバンク系) 3%~12%
手形割引(銀行・信用金庫) 1%~5%
手形割引(専門業者) 5%~20%
2社間ファクタリング(対面) 10%~20%
2社間ファクタリング(オンライン) 2%~12%
3社間ファクタリング 1%~9%

それぞれ特徴が異なりますので、自社に最適なつなぎ融資・つなぎ資金の調達方法を検討しましょう。

銀行系・ノンバンク系のビジネスローン

つなぎ融資・つなぎ資金の調達には、金融機関のビジネスローンの利用が考えられます

ビジネスローンは銀行系・ノンバンク系があり、どちらも担保・保証人は基本的に必要ありません。ノンバンク系は銀行系とは異なり、審査が柔軟で通過しやすい点が大きなメリットです。

くわえて、申し込みから入金までのスピードが速く、急ぎの資金調達ニーズに対応できます。つなぎ融資・つなぎ資金としてビジネスローンを利用するメリット・デメリットは、以下の通りです。

メリット
  • 担保・保証人が不要
  • ノンバンク系は特に審査がスピーディー
  • ノンバンク系は審査が柔軟
  • 総量規制の対象にならない
デメリット
  • 必ず審査に通過できるわけではない
  • 借入限度額が低いサービスが多い
  • ノンバンク系は金利が高め

ノンバンク系ビジネスローンは即日融資が可能なサービスもありますので、急なつなぎ資金が必要なときにおすすめです。

日本政策金融公庫

つなぎ融資・つなぎ資金の調達に、日本政策金融公庫の利用を検討しましょう。

日本政策金融公庫とは政府が100%出資している金融機関で、中小企業・個人事業主などを中心にサポートする目的で作られました。民間の金融機関と比較して非常に金利が低く、高額な融資に対応している点が特徴です。

過去には新型コロナウイルスによる打撃を受けた事業者に対し、無利子・無担保で融資を実施した実績もあります。大規模災害などで資金繰りが困難になり、つなぎ融資・つなぎ資金が必要な場合は日本政策金融公庫の公式サイトをまずは確認しましょう。

日本政策金融公庫をつなぎ融資・つなぎ資金に利用するメリット・デメリットは、以下の通りです。

メリット
  • 民間の金融機関より金利が低い
  • 担保・保証人が不要な融資制度もある
  • 起業時にも利用しやすい
  • 返済期間が長めに設定されている
  • 銀行より手続きが簡単
デメリット
  • 中小企業は繰り上げ返済ができないケースがある
  • 担当者は選べない
  • 審査落ちすると6ヶ月間は再申し込みできない

銀行融資より金利が低い融資制度が多いため、急ぎでなければまず日本政策金融公庫を検討しましょう。

不動産担保貸付

不動産担保貸付は、所有している不動産を担保につなぎ融資・つなぎ資金を調達できます

不動産担保貸付は一般的に、無担保融資より金利が低く返済期間が長い点が特徴です。また、不動産の価値によっては、非常に高額な融資を受けられる可能性があります。ただし、不動産担保貸付は必要書類が多く審査に時間がかかるのがデメリットです。

不動産担保貸付をつなぎ融資・つなぎ資金に利用するメリット・デメリットは、以下の通りです。

メリット
  • 借入限度額を高く設定しやすい
  • 金利が低く、毎月の返済額を抑えられる
  • 返済期間を長めに設定できる
デメリット
  • 返済が滞ると不動産を失うリスクがある
  • 申し込みから融資までの期間が数週間程度と長め
  • 価値が低い不動産は担保にできない可能性がある
  • 金利以外に事務手数料・登記費用・印紙税などの費用がかかる

不動産を保有しているなら、低金利で借入ができる不動産担保貸付がおすすめです。

手形割引

急ぎでつなぎ資金が必要なら、手形割引の利用を検討しましょう。

手形割引を利用すれば、金融機関・手形割引業者などを通じて期日前につなぎ資金を確保できます。即日入金に対応している金融機関もあるため、急ぎで資金調達が必要な状況なら手形割引がおすすめです。

ただし、手形割引はビジネスローンなどに比べて手数料が高いので注意してください。また、手形が不渡りになった場合は買い戻す義務が生じます。

手形割引をつなぎ資金の確保に利用するメリット・デメリットは、以下の通りです。

メリット
  • 最短即日でスピーディーに資金調達できる
  • 一般的な融資と比較して審査に通りやすい
  • 担保・保証人が必要ない
  • 手続きの手間が少ない
デメリット
  • 割引手数料がかかる
  • 不渡りのリスクがある
  • 金額を分割して調達しづらい

手形取引を行っているなら、つなぎ融資・つなぎ資金の確保に手形割引を検討しましょう。

ファクタリング

つなぎ資金をスピーディーかつ手軽に調達するなら、ファクタリングがもっともおすすめです。

ファクタリングとは売掛債権をファクタリング会社に売却し、手数料を差し引いた現金を受け取れる資金調達方法です。ファクタリングを利用すれば、決済期日より前に売掛債権を現金化できるため資金繰りの改善が期待できます。

また、ファクタリングは売掛債権の売却であるため負債が増えず返済が不要です。最短数時間から即日で現金化できるため、つなぎ資金の調達方法としては最速です。

さらに、ファクタリング会社によっては財務コンサルティングを無料で受けられるなどのメリットもあります。オンラインファクタリングなら、全国どこからでもパソコン・スマートフォンで申し込みから契約まで完結するのも大きな魅力です。

ファクタリングをつなぎ資金の確保に利用するメリット・デメリットは、以下の通りです。

メリット
  • 経営状態が悪くても利用できる
  • 最短数時間から即日で資金調達が可能
  • 売掛債権が未回収になっても弁済義務が発生しない
  • 必要書類が少ないサービスなら準備の手間がかからない
  • 負債ではないので信用情報に影響しない
デメリット
  • 手数料が必要
  • 調達できるのは売掛債権額の範囲内
  • 売掛先の経営状態によっては審査に落ちる可能性がある

売掛債権さえあれば手軽に利用できるため、短期的なつなぎ資金の調達にファクタリングはぴったりです。

つなぎ融資・つなぎ資金のメリット・デメリット

つなぎ融資・つなぎ資金のメリット・デメリットについて解説します。メリット・デメリットを十分に理解し、適切に資金調達を行い持続可能な経営を実現しましょう。

メリット1.キャッシュフローを改善できる

つなぎ融資を利用すると、資金繰りの悪化を抑えて自社の財務状況を立て直せます

企業が倒産する直接的な原因は、債務超過や売上の減少ではなくキャッシュフローの枯渇です。たとえば、決算で黒字を出していてもキャッシュフローが枯渇すると支払いができず黒字倒産に追い込まれます

そのため、企業を存続させるためにはキャッシュフローの確保が欠かせません。つなぎ融資を受ければ、キャッシュフローが枯渇せず倒産リスクを回避できます。

ただし、金利の支払いや返済は将来的にキャッシュフローを圧迫する要因です。返済・資金計画を綿密に立てて、無理のない範囲でつなぎ融資を受けましょう。

くわえて、持続可能な経営を戦略的に実現するために以下のポイントを改善しましょう

  • より金利の安い金融商品への乗り換えや一本化
  • 新規開拓などによる売上拡大
  • 効率化・在庫管理の徹底などによるコスト削減

つなぎ融資に依存しないように、抜本的な経営戦略の見直しも含めて検討してください。

メリット2.担保・保証人が不要な場合が多い

つなぎ融資・つなぎ資金の調達には、基本的に担保・保証人が必要ありません

不動産担保貸付は担保が必要ですが、ビジネスローン・日本政策金融公庫・手形割引・ファクタリングでは担保・保証人が不要です。ただし、審査の厳しさや担保・保証人の有無と金利・手数料には相関があります。審査が厳しかったり担保・保証人が必要だったりすると金利・手数料が低く、逆のケースでは高くなります。

時間的な余裕があるなら、金利・手数料が低いつなぎ融資・つなぎ資金の調達方法を選びましょう。

デメリット1.金利・手数料などの費用がかかる

つなぎ融資・つなぎ資金を調達するためには、金利・手数料が必ずかかります。金利・手数料は以下のポイントで大きく異なります。

  • 審査の通りやすさ
  • 担保・保証人の有無
  • 資金調達までのスピード

一般的に審査に通りやすく、担保・保証人が不要な資金調達方法ほど金利が高くなる傾向にあります。また、最短即日で資金調達できるサービスも金利・手数料が高く設定されます。

急ぎでないなら経営の圧迫を避けるため、できるだけ金利・手数料が低い資金調達方法を選びましょう。

デメリット2.かえって資金繰りを悪化させる可能性がある

つなぎ融資・つなぎ資金は短期間での返済が求められるため、かえって資金繰りを悪化させる可能性があります。そのため、綿密で無理のない資金計画をあらかじめ立てておきましょう。

また、資金計画を立てるにあたって、売上拡大・コスト削減・キャッシュフロー改善など経営の抜本的な見直しも検討してください。キャッシュフローに余裕があれば、そもそもつなぎ融資・つなぎ資金は不要だからです。

つなぎ融資・つなぎ資金を調達する場合は、その場しのぎではなく長期的な視点で計画を立てましょう。

つなぎ融資・つなぎ資金を調達するときの注意点

つなぎ融資・つなぎ資金を調達するときの注意点について解説します。

  • つなぎ融資・つなぎ資金が必要な理由を明確にする
  • いくら必要か金額を正確に把握する
  • 提出が必要な書類は前もって準備する
  • 返済計画を綿密に立てる
  • 資金調達方法を多角的に検討する
  • つなぎ融資に必要な費用・コストを確認する

注意点をあらかじめ押さえておき、トラブルを回避してスムーズにつなぎ融資・つなぎ資金を調達しましょう。

つなぎ融資・つなぎ資金が必要な理由を明確にする

なぜつなぎ融資・つなぎ資金が必要なのかという理由を明確にしましょう。ビジネスローンや日本政策金融公庫の審査では、資金使途や必要な理由も審査のポイントとなります。

つなぎ融資・つなぎ資金を必要とする理由の多くは、何らかのトラブルによる運転資金の不足です。運転資金の不足には、以下のような原因が考えられます。

  • 売掛金の未回収・延滞
  • 支払いサイトの短期化
  • 不良在庫の増加
  • 売上の減少
  • 自然災害
  • 何らかのトラブルによる急な支払い

つなぎ融資・つなぎ資金を必要とする理由が明確になれば、最適な行動を選択できます。たとえば、売掛金の未回収トラブルならファクタリング・手形割引などがおすすめです。

なお、つなぎ融資・つなぎ資金の確保だけでなく、根本的な経営課題の解決も同時に目指しましょう。

いくら必要か金額を正確に把握する

つなぎ融資・つなぎ資金で、どれくらいの金額が必要なのかを正確に把握しましょう

つなぎ融資・つなぎ資金は基本的に短期借入を原則としており、一括返済が求められるケースも多いです。そのため、つなぎ資金の金額が正確でないと審査落ちしたり返済が滞ったりする可能性があります

売掛金・買掛金・棚卸し資産などを正確に算出し、つなぎ資金として必要な金額・期間を明確にしましょう。

提出が必要な書類は前もって準備する

つなぎ融資・つなぎ資金を調達するための必要書類は、あらかじめ準備しておきましょう

必要書類は、つなぎ融資・つなぎ資金の資金調達方法によって異なります。また、金融機関によっても異なるケースがありますので前もって確認してください。中には市役所などで手続きが必要な書類もあり、取得に時間がかかる状況も考えられます。

準備に時間がかけられない場合は、ファクタリングなど必要書類が少なくてすむ資金調達方法を利用しましょう。たとえば、ファクタリングなら請求書・身分証明書・通帳のコピーのみで申し込みができるサービスも多くあります。

資金計画を綿密に立てる

返済金額・返済時期・返済できる根拠を十分に考慮した、資金計画を検討しましょう

つなぎ融資・つなぎ資金は短期で返済が求められるため、確実に実施できる資金計画が必要です。つなぎ融資の返済当日になり、返済のためのキャッシュフロー不足に陥らないようにしてください。

なお、どのつなぎ融資・つなぎ資金の調達手段でも資金計画は必須です。普段から綿密な資金計画を立てるようにすれば、資金繰り・キャッシュフローの改善にもつながります。

資金調達方法を多角的に検討する

つなぎ融資・つなぎ資金の調達方法は、多角的に検討して決定しましょう

自社が置かれた状況やつなぎ融資・つなぎ資金を必要する目的によって、最適な調達方法は異なります。たとえば、急な支払いに対応するためにつなぎ資金が必要なら、ファクタリング・手形割引・即日対応のビジネスローンなどが考えられます

一方、補助金事業の立ち上げにつなぎ資金が必要な状況では、銀行系ビジネスローン・日本政策金融公庫・不動産担保貸付など金利の低い金融商品がおすすめです。

つなぎ融資・つなぎ資金の調達方法は、以下のポイントから検討しましょう。

  • 資金調達のスピード
  • 必要とされる金額
  • 審査通過の難易度
  • 金利・手数料など資金調達コスト
  • 必要書類を準備する労力・時間

自社に最適な調達方法を選択し、つなぎ資金を確保してキャッシュフローの枯渇を防ぎましょう。

つなぎ融資・つなぎ資金に必要な費用・コストを確認する

つなぎ融資・つなぎ資金を確保するとき、金利・手数料などの資金調達コストを確認しましょう

たとえば、不動産担保貸付は金利が低いですが事務手数料・登記費用・印紙税などがかかります。また、ビジネスローンは最大18%ほどの金利ですが、ファクタリングは年利換算するとかなり高額な資金調達コストとなります。

具体的には、支払いサイト90日(3ヶ月)の売掛債権を手数料10%でファクタリングした場合は年利40%相当となります。

(12ヶ月÷3ヶ月)×手数料10%=年利40%

ただし、オンラインファクタリングや3社間ファクタリングなど手数料の安いサービスなら、年利10%相当で利用できるケースも多いです。自社で許容できる資金調達コストを慎重に検討し、できるだけリーズナブルな資金調達方法を選びましょう。

つなぎ融資・つなぎ資金を調達するならファクタリングがおすすめ

つなぎ資金をスピーディーに調達したいなら、ファクタリングがおすすめです。ファクタリングとは、売掛債権をファクタリング会社に売却し、手数料を差し引いた現金を決済期日前に受け取れるサービスです。

ファクタリングには、2社間ファクタリング・3社間ファクタリングの2種類があります。2社間ファクタリング・3社間ファクタリングの特徴・メリット・デメリットは以下の通りです。

ファクタリングの種類 特徴 メリット デメリット
2社間ファクタリング 利用者・ファクタリング会社で契約するファクタリング形態
  • 申し込みから入金まで最短即日とスピーディー
  • 売掛先に利用を知られない
  • 3社間ファクタリングより手数料が高い
3社間ファクタリング 利用者・ファクタリング会社・売掛先で契約するファクタリング形態
  • 2社間ファクタリングより手数料が安い
  • 入金まで1週間ほどかかる
  • 売掛先の承諾が必要

ファクタリングを上手に利用すれば、つなぎ資金を手軽かつスピーディーに調達してキャッシュフローの改善を実現できます。

つなぎ資金調達に最適なファクタリングのメリット・デメリット

つなぎ資金の調達に最適なファクタリングのメリット・デメリットについて解説します。メリット・デメリットを把握し、ファクタリングを適切に利用して資金繰り・経営状態の改善を目指しましょう。

メリット1.経営状態が悪くても利用できる

ファクタリングの審査は売掛先の支払い能力を重視するため、利用者の経営状態・財務状況が悪くても利用できます

なお、2社間ファクタリングより3社間ファクタリングの方が審査通過は容易です。2社間ファクタリングの売掛金の流れは売掛先・利用者・ファクタリング会社の順ですが、3社間ファクタリングは売掛先からファクタリング会社に直接入金されます。そのため、3社間ファクタリングは利用者が売掛金を使い込むリスクがなく、経営状態・財務状況が悪くてもほぼ審査に影響しません。

信用ブラック・税金滞納・赤字決算・債務超過といった状態でも、ファクタリングの審査通過は可能です。ビジネスローンの審査に落ちた場合は、ファクタリングでつなぎ資金を調達しましょう。

メリット2.最短即日で資金調達が可能

ファクタリングは、最短数時間から即日で資金調達できるサービスが大半です。申し込みから入金まで、最短数十分を謳っているファクタリングサービスもあります。

くわえて、必要書類が少なく準備に時間がかからないのもファクタリングの大きなメリットです。急な支払いでつなぎ資金が必要な状況なら、ファクタリングは最適な資金調達方法です。

即日でつなぎ資金を確実に調達したいなら、午前中など早い時間帯に必要書類を揃えてファクタリングに申し込みましょう。

メリット3.負債ではなく信用情報に影響がない

ファクタリングは売掛債権の売却ですので、負債に計上されず信用情報に影響がありません

将来的にビジネスローンの利用を検討しているなら、信用情報に傷がつくのは避けたいところです。また、決算情報で負債が多いと融資審査に大きな影響を与えるのは避けられません。

将来的にビジネスローンの利用を考えているなら、ファクタリングで負債を増やさずつなぎ資金を確保しましょう。

メリット4.売掛先が倒産しても弁済義務がない

ファクタリングは、売掛先の倒産などで売掛債権が未回収になっても利用者に弁済義務は発生しません

ファクタリングは、償還請求権なしの契約が一般的です。償還請求権とは売掛債権が未回収になった場合に、ファクタリング会社が利用者に弁済を求める権利です。

償還請求権ありのファクタリング契約は、ファクタリング会社が貸金業登録していなければ違法となります。契約時には必ず、償還請求権が入っていないか十分に確認しましょう。

デメリット1.ビジネスローンより資金調達コストが高い

ファクタリングは、ビジネスローン・日本政策金融公庫・不動産担保貸付と比較して手数料が割高です。

ビジネスローンは高くても年利18%ほどですが、支払いサイト90日の売掛債権を手数料10%でファクタリングすると年率40%相当になります。そのため、できるだけ手数料がリーズナブルなファクタリングサービスを選びましょう。

たとえば、支払いサイト90日の売掛債権で手数料が3%なら年利12%相当とかなりリーズナブルです。手数料を抑えたいなら、3社間ファクタリングの利用も検討してください。

デメリット2.売掛先の信用状況が悪いと審査に落ちる可能性がある

ファクタリングは、売掛先の信用状況が悪いと審査に落ちる可能性があります

ファクタリングの審査は、売掛先の支払い能力をもっとも重視します。そのため、売掛先の経営状態・財務状況が悪いと審査の通過が困難です。

審査に通過するためには、大企業・上場企業・安定して取引のある企業などの売掛債権で申し込みましょう。また、支払いサイトが短い売掛債権の方が審査に通過する可能性が高くなります。

審査基準はファクタリング会社によって異なるため、複数のファクタリング会社に相見積もりを取るのもおすすめです。

デメリット3.つなぎ資金として調達できるのは売掛債権額の範囲内

ファクタリングは、売掛債権額の範囲内でしかつなぎ資金を調達できません。なぜなら、ファクタリングは売掛債権を売却して現金化する仕組みだからです。

なお、キャッシュフローを改善する方法として請求書カード払いがあげられます。請求書カード払いとは、受け取った請求書をクレジットカードで支払う支払い代行サービスの一種です。通常の掛取引より40日~60日ほど支払いを先延ばしできるため、資金繰り・キャッシュフローの改善が期待できます。

ファクタリングだけではつなぎ資金がたりないなら、請求書カード払いを含めたほかの資金調達方法の併用がおすすめです。

つなぎ融資・つなぎ資金が調達できるおすすめのファクタリング会社3選

つなぎ融資・つなぎ資金が調達できるおすすめのファクタリング会社を3つ紹介します。

  • ベストファクター | 審査通過率92%以上!即日資金調達率6割超!
  • ビートレーディング | 最短2時間で資金調達!注文書ファクタリングにも対応!
  • フリーナンス | 最短30分で資金調達!必要書類は請求書のみ!

自社に最適なファクタリングサービスを選んで、十分なつなぎ資金を確保しましょう。

ベストファクター | 審査通過率92%以上!即日資金調達率6割超!

種類 ・2社間ファクタリング
・3社間ファクタリング
調達可能金額 30万円~1億円
手数料 ・2社間ファクタリング:5%~
・3社間ファクタリング:2%~
入金スピード 最短即日
手続き方法 オンライン・電話(契約には面談が必要)
公式サイト https://bestfactor.jp/

ベストファクターは、手数料が2%からと業界最安水準を誇るファクタリング会社です。審査通過率92%・年間相談件数9,000件以上・年間利用者数1,000社以上と、実績が豊富で信頼性が高いのが特徴です。

公式サイトに簡易診断シミュレーターがあり、7つの項目に回答すると30秒で買取可能金額が確認できます。即日振込率は6割近くであるため、急ぎの支払いでスピーディーに資金調達したい人におすすめです。

ファクタリング業界では珍しく、個人事業主・フリーランスが利用できる3社間ファクタリングを提供しています。リーズナブルな手数料でつなぎ資金を調達したいなら、ベストファクターの利用を検討しましょう。

ビートレーディング | 最短2時間で資金調達!注文書ファクタリングにも対応!

種類 ・2社間ファクタリング
・3社間ファクタリング
・注文書ファクタリング
調達可能金額 制限なし
手数料 2社間ファクタリング:4%~12%
3社間ファクタリング:2%~9%
入金スピード 最短2時間
手続き方法 オンライン
公式サイト https://betrading.jp/

ビートレーディングは累計買取額1,170億円・取引実績5万2,000社以上と実績が豊富なファクタリング会社です。申し込みから入金まで最短2時間で完了するため、急な資金トラブルで困っている人にとって心強い味方です。

弁護士監修のクラウドサインを導入しており、オンラインで安全にファクタリング契約を締結できます。審査に必要な書類は請求書・通帳のコピーの2点だけで、準備に時間がかからない点もビートレーディングの大きなメリットです。

受注時点でつなぎ資金を調達できる注文書ファクタリングにより、幅広い資金ニーズに対応できます。東京・仙台・名古屋・大阪・福岡に拠点を構えており、オンラインファクタリングが不安な人は店舗での契約も可能です。

信頼性の高いファクタリングサービスを探しているなら、ビートレーディングは有力な選択肢です。

フリーナンス | 最短30分で資金調達!必要書類は請求書のみ!

種類 ・2社間ファクタリング
調達可能金額 下限・上限なし
手数料 3%~10%
入金スピード 最短30分
手続き方法 オンライン
公式サイト https://freenance.net/

フリーナンスは、個人事業主・フリーランス向けのさまざまなサービスを提供しています。提供しているのは、ファクタリング・口座・あんしん補償・バーチャルオフィスなどどれも便利なサービスばかりです。

フリーナンスのファクタリングは、申し込みから入金まで最短30分で手数料は3%~10%とリーズナブルに利用できます。フリーナンスの口座を利用すればするほど、ファクタリングの手数料が下がるのが大きな特徴です。

会員登録時に身分証明書が必要ですが、登録完了後はファクタリングに請求書だけで申し込めます。手数料が安く調達可能金額に制限がないため、フリーランス・個人事業主だけでなく中小企業にもおすすめできるファクタリングサービスです。

つなぎ資金がいつ必要になるかわからないなら、フリーナンスの会員登録だけでもすませておきましょう。

つなぎ融資・つなぎ資金の調達方法を多角的に検討しよう!

事業者向けのつなぎ融資・つなぎ資金とは、自社の営業活動が停止しないよう一時的に調達する資金です。つなぎ融資・つなぎ資金は、ビジネスローン・日本政策金融公庫・不動産担保貸付・手形割引・ファクタリングなどの方法で調達します。

今回の記事では、つなぎ融資・つなぎ資金の概要・必要な状況・調達方法の種類・メリット・デメリットなどを解説しました。くわえて、手軽につなぎ資金を調達できるおすすめのファクタリングサービスも紹介しました。

急な支払いが発生したり運転資金がたりなくなったりしたときに、つなぎ融資・つなぎ資金を調達できるかどうかで事業の命運が決まります。さまざまなつなぎ融資・つなぎ資金の調達方法を把握し、多角的に検討した上で最適な選択を行いましょう。