おすすめの診療報酬ファクタリング会社を紹介します。
レセプト業務の効率化と診療報酬の早払いを図り、最新の医療機器の購入や運転資金などに使えるようにするサービスが診療報酬ファクタリングです。
医療機関が抱える資金繰り=キャッシュフローの課題のひとつに、売上(医業収入)の大部分を占める、国保および社保に対するレセプトの存在が挙げられます。
レセプトの発生から実際に入金されるまでには最大2ヶ月かかり、また返戻・査定といったロスもあります。したがって、正確にレセプト業務を行い、確実に売上を確保できるかどうかが、キャッシュフローのカギを握ると言っても過言ではありません。
本コラムでは、レセプトがキャッシュフロー悪化につながる理由の再確認、診療報酬ファクタリングによる資金調達の方法について解説します。
レセプトがキャッシュフローの悪化につながる理由
毎月の売上が大きくても、本来入ってくるはずの診療報酬がきちんと入ってこないと、資金ショートして急に倒産をしてしまうような状態に陥ってしまいます。
レセプトは、その独特の仕組みや事務的コストから、キャッシュフローを悪化させるリスクをはらんでいます。ここで、レセプトがキャッシュフローの悪化につながる理由を再確認してみましょう。
診療報酬支払いのタイムラグ
医療機関の経営においては、利益を上げるだけでなく、手元資金が尽きないためのキャッシュフローが命綱となります。
キャッシュポイントの大部分を占める診療報酬は、最長で約3ヶ月遅れで入金されます。その間に生じるさまざまな経費は、窓口収入を含む手元資金でカバーしなければなりません。
前月の売上が良かったからと言って無計画に設備投資等に資金をつぎ込むと、一気にキャッシュフローが悪化して運営がピンチになることも考えられます。手元資金が底を尽き、従業員への給料支払いや借り入れの返済ができなくなったら、医療機関は倒産してしまいます。
とりわけ経営基盤が脆弱な開業当初は、キャッシュフローを重視した堅実な運営が重要です。
返戻によるタイムロス
医療機関側の提出したレセプトに不備や不明点が見つかり、審査支払機関から差し戻されることを返戻といいます。
レセプトが返戻されても再請求できますが、報酬を受け取れるタイミングがさらに1ヶ月以上遅延します。請求分が一旦差し戻されると、再提出して承認されるまでは、まるまる1件分の報酬が支払われません。再請求の手間がかかるだけでなく、キャッシュフローへの大きな負担となります。
レセプトが返戻されないためにも、請求業務においては日々の点検や速やかな修正、医師による確認などが重要です。
査定による減額
医療機関側の提出したレセプトが審査支払機関に不適当と判断され、報酬の減額(増額)または請求自体が認められないことを査定といいます。
レセプトが査定されると返却されず、再請求もできません。少額であっても請求した分の報酬が減額されると、キャッシュフローに少なからずダメージを与えます。実施した医療行為もしくはレセプト業務の対価が得られないという点では、返戻よりも厳しい措置と言えるでしょう。
査定の判断に異議がある場合は、審査支払機関に再審査を申し立てることが可能です。ただし、再審査の申し立てをしない場合は、審査支払機関の判断を了承したいう意思表示になるため注意しましょう。
診療報酬ファクタリングで早期資金化する仕組み
診療報酬ファクタリングとは、診療報酬債権をファクター(=ファクタリング会社、債権買取業者)に譲渡し、報酬入金日よりも前に資金化するサービスです。
ここでは、一般的な診療報酬ファクタリングの3社間契約と、医療機関とファクターのみで契約を結ぶ2社間契約について解説します。
3社間契約による診療報酬の早期資金化
通常、診療報酬ファクタリングは医療機関・審査支払機関(国保・社保等)・ファクターの3社間で行われます。
- 医療行為を提供して診療報酬債権が発生する
- 医療機関がファクターに診療報酬の早払いを依頼して債権譲渡契約を結ぶ
- ファクターに債権譲渡した旨を審査支払機関に通知
- ファクターは掛け目※を乗じた金額を医療機関に早払い(10~15営業日)
- 審査支払機関からファクターに診療報酬の支払い(2~3ヶ月後)
- ファクターが医療機関に残額を支払い
ファクターはレセプトの返戻や査定のリスクに備え、譲渡された債権の額面に70~90%の「掛け目」を乗じて早払いします。審査支払機関から無事に診療報酬が支払われれば、残額が医療機関に支払われます。
2社間契約による診療報酬の早期資金化
審査支払機関を介さずに、医療機関とファクターの2社間で契約する診療報酬ファクタリングもあります。
- 医療行為を提供して診療報酬債権が発生する
- 医療機関がファクターに診療報酬の早払いを依頼して債権譲渡契約を結ぶ
- ファクターは譲渡された診療報酬から所定の手数料を差し引いた金額を早払い(最短即日)
- 審査支払機関から医療機関に診療報酬の支払い(2~3ヶ月後)
- 医療機関は譲渡した診療報酬をファクターに支払い
- ファクターが医療機関に残額を支払い
3社間契約と異なり、2社間契約は債権譲渡通知等の手続きが省略されるため、最短即日で早払いが可能です。ファクターによっては、掛け目なしで全額を早期資金化できる場合があります。
ただし、報酬請求の2~3ヶ月後に審査支払機関から支払われる診療報酬は、いったん医療機関が預かります。診療報酬を別の用途に使い込んでしまうリスクに備えるため、ファクターが2社間契約で設定する手数料は、3社間よりも高めです。
診療報酬ファクタリング利用で得られるメリット
診療報酬ファクタリングを利用することで、以下のようなメリットが得られます。
融資ではないため負債にならない
診療報酬ファクタリングは返済義務を伴う借入ではなく、債権の売買契約です。負債として扱われないため、決算書に与える影響が少なく、さらなる資金調達のために銀行融資枠を温存できます。
審査に通りやすく低コストで資金調達ができる
診療報酬ファクタリングは、審査支払機関の信用力、診療報酬債権が審査対象となります。ファクターが早払いした代金を回収できないリスク(債務不履行リスク)が極めて低いため、審査に通りやすく、また低コストでの資金調達が可能です。
キャッシュフローが安定する
診療報酬ファクタリングでまとまった資金を調達できれば、どのようなことができるでしょうか?
まとまった資本があれば、好条件の金融商品(融資など)を受けることができ、さまざまな投資に使えるとともに、キャッシュフローの安定化を図ることができます。
たとえば、診療報酬ファクタリングで1億5,000万円のキャッシュを調達したとします。それを梃子として金融機関から5,000万円の融資を受けられれば、2億円の最新医療機器などに投資も可能です。
さらに、診療報酬ファクタリングで支払いサイトによるタイムラグを短縮すれば、手元資金を増やしてキャッシュフローの安定化が履かれます。
このようなメリットがあることから、診療報酬ファクタリングは、個人医院から総合病院、デイサービスや柔整鍼灸サービスなどの資金調達方法として幅広く利用されています。
診療報酬ファクタリング選びのポイント
診療報酬ファクタリングは、信用力の高い診療報酬債権を売買するサービスであるため、上場企業も多く参入しています。さまざまなファクターが提供する診療報酬ファクタリングのなかから、自院の資金ニーズや経営状況ぶ合ったサービスを選ぶポイントについて解説します。
請求額の買取金額
「最大何ヶ月分の請求額を買い取ってもらえるか」の指標です。一般的には1~5ヶ月相当分までが買取対象です。
たとえば、月々の請求額1億円の診療報酬を3ヶ月分、掛け目90%で譲渡する場合、1回の契約で1億円×90%×3ヶ月分=2.7億円が早払いされます。
ファクターによっては、医療機関が有床施設か無床施設かで、買取金額が異なる場合があります。
早払い対象となる報酬額の掛け目
診療報酬ファクタリングは、原則として請求額の70%~90%が早払いの対象とです。残りは審査支払機関から診療報酬が支払われたときに、医療機関に払い戻されます。
前述したように、レセプトの返戻や査定によって、「請求した金額」と「実際の入金額」に差額が生じる場合があります。ファクターはそのリスクプレミアムとして、掛け目を設定しているのです。
一方、ファクターによっては請求額の100%を早払いの対象とする場合もあります。ただし、掛け目を設定しているファクターよりも手数料は高めです。
診療報酬ファクタリングの手数料率
診療報酬ファクタリングの手数料率は、ファクターごとに異なります。
たとえば、1~2年の契約期間の縛りを設けているファクターでは、手数料の相場が0.25%~5.0%と低めです。一方、単発利用OKのファクターでは、1回あたりの手数料が3社間で1.0%~9.0%、2社間で10.0%~20.0%と高めに設定されています。
申し込みから早払いまでの日数
診療報酬ファクタリングの申し込みから早払いまでにかかる日数は、おおむね10~15営業日です。ただし、2社間契約の場合は審査支払機関に債権譲渡通知を行わないため、最短即日の早払いも可能です。
診療報酬ファクタリングの契約期間
ファクターによっては、提供する診療報酬ファクタリングに1~2年の契約期間を設けている場合があります。
契約期間中は診療報酬の早払いサービスが受けられますが、そのたびに所定の手数料分が差し引かれます。
さらに、契約期間中の途中解約は、違約金がかかる場合もあります。
一方で、ファクターによっては1回あたりの手数料を高くする代わりに、契約期間の縛りがない単発利用が可能です。
長期にわたってキャッシュフローを円滑に回したい場合は契約期間のあるファクタリングサービスを、とにかく単発でつなぎ資金が必要になった場合は契約期間のない単発利用OKのファクター選びましょう。
おすすめの診療報酬ファクタリング会社
当サイトがおすすめする診療報酬ファクタリング会社をご紹介します。
FPSメディカル(アクリーティブ)|業界最安手数料0.25%~
買取金額 | 有床施設:1~3ヶ月分相当 無床施設:1~2ヶ月分相当 |
掛け目 | 80~95% |
手数料率 | 月々0.25%~ |
早払いまでの日数 | 毎月最短15日 |
契約期間 | 1~5年間(更新可能) |
FPSメディカルは、債権買取を中心とするファイナンスサービス、業務効率化やコスト削減をサポートするソリューションサービスを提供するアクリーティブの介護報酬債権早期支払サービスです。
保険請求額3ヶ月分までが買取対象で、最短2営業日で審査完了、毎月最短15日までで請求額の早払いが可能です。医療機関が赤字決算や債務超過といった状況であっても、診療報酬を重視する柔軟な審査で対応しています。
実際に多くの企業が、アクリーティブのファイナンスサービスを利用して資金調達を行っています。
エヌエスパートナーズ|譲渡額の0.25%~1.0%の手数料で長期契約
買取金額 | 1~5ヶ月分相当 |
掛け目 | 原則90%未満 |
手数料率 | 月々0.25%~1.0% |
早払いまでの日数 | 導入月:契約締結後即入金 次月以降:個別決定 |
契約期間 | 1~2年(原則2年) |
エヌエスパートナーズは東証一部上場のノーリツ鋼機のグループ会社です。前身の会社を含め、ファクタリング業界で12年の実績があります。
診療報酬、介護報酬、調剤報酬の各種ファクタリングサービスの実績が豊富で、医療・介護事業者の経営・再生にも精通しています。
同社の診療報酬ファクタリングは「診療報酬に対する掛目(原則は90%未満)」×「1~5ヶ月分」に相当する金額が買取対象です。最大5ヶ月分相当の診療債権を早期資金化して、設備投資や運転資金に活用できます。
三田証券|老舗証券会社の診療報酬ファクタリング
買取金額 | 最大4ヶ月分 |
掛け目 | 85~95% |
手数料率 | 当初事務手数料:33万円(税込)~ 月次事務手数料:0.4%~ |
早払いまでの日数 | 最短1週間 |
契約期間 | 原則2年(更新可能) |
三田証券は1949年創業の老舗証券会社です。医療関連機関向け資金調達支援業務として、診療債権ファクタリングを取り扱っています。
同社の診療債権ファクタリングの特徴は、最短1週間で資金化が可能なことです。他社よりもはるかに素早く資金調達が可能なため、急な資金ニーズにも対応することができます。
さらに、同社の診療債権ファクタリング利用者は、一定の審査に通った場合に、年率4.8~18.0%の医療関連期間向け融資を受けることも可能です。融資額は診療報酬債権の2ヶ月分相当が上限となっています。
ベストファクター|2社間契約の診療報酬ファクタリングが利用可
買取金額 | 要問合せ |
掛け目 | 要問合せ |
手数料率 | 2~20% |
早払いまでの日数 | 最短即日 |
契約期間 | 単発OK |
ベストファクターは上場企業や証券会社等の子会社ではない、独立したファクタリング専門業者です。全国対応でスピード対応、かつ業界最安水準の手数料で信頼できるファクタリングサービスを提供しています。
同社は2社間・3社間契約の診療報酬ファクタリングを取り扱っており、請求額の100%を最短即日で資金化できます。
契約を結ぶにあたっては、初回のみ担当者との面談が必須です。東京と大阪の2ヶ所から担当者が全国に出張対応しています。
ビートレーディング|ファクタリング業界のリーディングカンパニー
買取金額 | 要問合せ |
掛け目 | 要問合せ |
手数料率 | 2~20% |
早払いまでの日数 | 最短即日 |
契約期間 | 単発OK |
ビートレーディングはファクタリング業界のリーディングカンパニー的な存在です。請求書を買い取るファクタリングに加え、受注時の注文書を買い取る注文書ファクタリングなど、幅広い債権買取サービスを展開しています。
診療報酬ファクタリングも取り扱いがあり、請求額の100%を申し込みの2~4日後には資金化が可能です。
また、ファクタリング利用期間中は新たな資金調達方法の提案やキャッシュフロー改善プランなど、さまざまなアフターフォローを無償で提供してます。
契約を結ぶにあたっては面談が必要となりますが、担当者が全国に4ヶ所ある店舗から出張対応しています。
診療報酬ファクタリングに関するQ&A
診療報酬ファクタリングに関して、よくある質問とその回答をQ&Aにまとめました。
- 診療報酬ファクタリングでは、請求額の100%が早払いの対象とならないのはなぜですか?
- 審査支払機関へ提出したレセプトが返戻・査定され、「請求した額」と「実際の入金額」で差額が生じる場合があるからです。ファクターはこの差額が生じることのリスクプレミアムとして、請求額の70%~90%を早払いし、残額を診療報酬が支払われたあとに医療機関に払い戻します。
>>「早払い対象となる報酬額の掛け目」について詳しく見る
- 診療報酬ファクタリングを契約期間の途中で解約できますか?
- 解約は可能ですが、タイミングによっては違約金がかかる場合があります。一般的な診療報酬ファクタリングの契約期間は1~2年で、契約から半年以内の解約は違約金がかかります。なお、契約期間を設けず、単発利用がOKのファクターもあります。
>>「診療報酬ファクタリングの契約期間」について詳しく見る
- 審査支払機関へ債権譲渡通知をするのはなぜですか?
- ファクターが第三者に対して債権を主張する「対抗要件」を具備するためです。実際の手続きでは内容証明を送付しますが、債権譲渡登記は行われません。
診療報酬ファクタリングはファクター選びが重要
医療機関のキャッシュフロー悪化の理由から、レセプトの仕組みを診療報酬ファクタリングの早払いで解消するポイントまでを解説しました。
診療報酬ファクタリングは、融資に次ぐ医療業界の資金調達のスタンダードとなりつつあります。診療報酬債権という信用力の高い債権を扱う性格上、上場企業の参入も増えています。
医療機関側にとっては、自院に合った診療報酬ファクタリングを提供するファクター選びが重要です。
一口に診療報酬ファクタリングと言っても、ファクターによって買取限度額や掛け目、手数料、契約期間などの条件が異なります。自院の資金ニーズや経営状況に合ったサービスを見つけ、調達した資金を運転資金や設備投資に上手く活用しましょう。
当サイトでは、診療報酬ファクタリングの実績が豊富なファクターの詳細なデータや、利用者の口コミ情報を掲載しています。ぜひファクタリングご利用の際のファクター選びにご利用ください。