給料を前払いできるサービスを導入している会社が最近増えています。
給料の前払いというと「上司にわざわざ相談しなければいけない」と考えている人も多く、給料の前払いに対して「現実的には不可能」という大きな抵抗感を持っている人が大多数なのではないでしょうか?
給料前払いサービスを導入している会社に勤務することで、上司の許可などを得ることなく給料の前払いをすることができ、利息もかかりません。
カードローンを利用するのであれば、給料前払いサービスを利用した方がよいでしょう。
給料前払いサービスの特徴やメリット・デメリットについて解説していきます。
上司や利息のことなどを気にせずに自分の好きなタイミングで必要な資金を降ろせる、給料前払いサービスについてしっかりと理解を深めるようにしましょう。
給料前払いサービスとは
給料前払いサービスとは、会社や上司などに相談せずに、スマホなどの操作で気軽に給料前払いできるサービスです。
このシステムを導入している企業に勤務している人であれば誰でも給料の前払いをすることができます。
勤怠管理と連携した給料前払いサービス
給料前払いサービスとは、会社の勤怠管理システムと給料計算システムが連動し、タイムリーに前回給料日から今日までの勤務実績と給料を計算することができます。
勤務実態に即した給料を即座に計算することができるので、従業員が「今日まででいくら下ろすことができるのか」ということを視覚的に簡単に知ることができます。
従業員は既往分の給料を引き出すことができる
従業員は前回給料日から今日までの勤務実績から計算された給料を、給料前払いサービスのマイページなどから確認することができます。
ここで「給料日までに1万円欲しい」などと考えた場合には、前払いしたい金額だけを前払い申請をすることができます。
ほとんどの前払いサービスで前払い申請日の当日から翌日には前払い申請した給料が口座に入金になります。
上司や会社に申請することなく、システムに申請することで給料の前払いができるので、給料の前払いをする側とても簡単に気軽に利用することができます。
給料前払いサービスの会社側のメリット
給料前払いサービスを導入する企業は今増えています。
その理由は人手不足の今、給料前払いサービスは人手不足解消のため以下の2点で大きく寄与することができるためです。
- 人材定着率がアップする
- 応募率が上昇する
給料前払いサービス導入の会社にとっての2つのメリットについて詳しく解説します。
人材定着率がアップする
給料前払いサービスを導入することによって、スタッフの定着率がアップすると言われています。
スタッフからすればお金が必要なタイミングで、だれにも言わずにお金をすぐに下ろすことができるのは大きなメリットですので、そのような会社には「長く勤務したい」と思うのは当然と言えば当然です。
会社はできる限り長く、同じスタッフに勤務してもらいたいと考えています。
せっかく育てた人材が退職してしまったら会社にとっては大きな損失ですが、給料前払いサービスの導入は人材定着に大きく寄与するでしょう。
応募率が上昇する
給料前払いサービスを導入している会社はバイトの応募率もアップする傾向があると言われています。
フリーターの中には「即金バイト」というキーワードでバイトを探す人も数多くいます。
前払いシステムを導入している会社は毎日が実質的な即金バイトですので、即金バイトを探している人からの応募も期待することができます。
どこの会社も人手不足で悩んでいる昨今ですが、給料前払いサービスを導入することで人手不足解消につながる可能性も大いにあると言えるでしょう。
給料前払いサービスの会社側のデメリット
給料前払いサービスを挿入することは会社にとっては人材確保というメリットがありますが、金銭的な面では以下の2つのデメリットがあります。
- 導入コストが高い
- 資金繰りが大変
給料前払いサービスを利用することによる金銭的な2つのデメリットについても詳しく理解しておきましょう。
導入コストが高い
システムによるものの、給料前払いサービスの導入コストは決して安くはありません。
初期費用がかからないサービスもありますが、高い場合には数百万円、毎月数万円程度の費用が必要になるのこともあります。
大企業にとっては大きなコストではないのかもしれませんが、中小企業にとっては簡単に決断することができるほど小さな投資とは言えないでしょう。
導入するにあたって大きなコストがかかってしまう場合があるというのが、導入企業にとっての給料前払いサービスのデメリットです。
資金繰りが大変
導入企業の資金繰りに余裕がないとこのサービスを利用することはできません。
従業員がいつ前払い申請をしてきたとしても対応することができるように、一定程度の現金は手元に用意しておかなければなりません。
従業員が前払い申請をしたとしても、会社に現金がなければ従業員へ給料を支払うことはできません。
資金繰りに余裕のある企業であれば問題ないかもしれませんが、「月末に取引先からの入金があれば給料が払える」というような資金繰りが厳しい中小企業の場合には、給料前払いサービスを導入することは難しいでしょう。
資金繰りに余裕がない企業が導入申請をしても審査で落とされてしまうこともあります。
給料前払いサービスの従業員のメリット
従業員にとっては給料前払いサービスを利用することにはいくつもメリットがあります。
- 最短即日で給料の前払いが可能
- 利息がかからない
- 上司に言う必要がない
- 審査なしで利用可能
すぐに必要なお金を気軽に調達することができますし、利息もかかりません。
これまで給料日前にカードローンや給料ファクタリングを利用していた人も、今後はそのような必要はなくなるでしょう。
給料前払いサービスを利用する従業員のメリットについて詳しく解説していきます。
最短即日で給料の前払いが可能
給料前払いサービスを利用すれば、最短即日で給料の前払いを受けることができます。
これまでは「どうしても今日お金が必要」という場合には、大手消費者金融のカードローンを利用するという人が多いのではないでしょうか?
しかし、給料前払いサービスを導入している会社で給料の前払いをすれば、わざわざ消費者金融へ申し込みをしなくても、最短即日で必要な資金を借りることができます。
調達できる金額は自分がすでに働いた分に限られてはいるものの、1万円や2万円程度の少ないお金なら、わざわざカードローンに申し込みをしなくても給料の前払いで用意することができます。
少ない金額であればカードローンが不要になるのは給料前払いサービスのメリットです。
利息がかからない
給料前払いサービスから借りたお金には利息はかかりません。
カードローンや給料ファクタリングを利用すると非常に高い利息や手数料が発生します。
しかし、給料前払いサービスを利用するにあたっては原則従業員は負担なしで利用することができるので、カードローンや給料ファクタリングで給料日前の必要資金を借りるのであれば、給料前払いサービスで完全無利息が調達した方がよいでしょう。
上司に言う必要がない
給料前払いサービスは、システム上で前払い申請をすることができるので、上司や人事や総務などに前払いの相談や申請などをする必要はありません。
会社は緊急時には従業員の前払いの依頼に応じる義務はありますが、現実的に「お金がない」と会社の人に伝えることには多くの人が抵抗があるので、どんなにお金に困っても前払いを会社に要求する人はほとんどいません。
しかし、給料前払いサービスなら、システム上申請し、その金額が既往労働分の報酬の範囲内であるなら、わざわざ会社の人間に相談する必要はありません。
上司や会社の人に「お金がない」ということを知られることなく給料の前払いをすることができるので、お金が必要な時には強い味方になるでしょう。
審査なしで利用可能
給料前払いサービスは既往労働分の給料を給料日前に受け取っているだけで、受け取った分の金額だけ給料日に入ってくる給料が少なくなるだけです。
誰かからお金を借りているわけではないので審査なしで利用することができます。
給料ファクタリングでさえ審査が行われることと比較すると、審査なしで利用できるのは給料前払いサービスの非常に大きなメリットです。
総量規制オーバー、ブラック、多重債務、債務整理中など、ローンやファクタリングを利用することが著しく難しい人でも給料前払いサービスを導入している会社で働けば、働いた分はすぐに引き出すことができるので、働くのが楽しくなるかもしれません。
信用情報に問題がある人にとっては給料前払いサービスは大きなメリットです。
給料前払いサービスの従業員のデメリット
給料前払いサービスを利用することによって、従業員は使いすぎてしまう心配があります。
そして最も大きな問題は「導入している企業でないと利用することができない」という点で、利用できるかどうかはあくまでも勤務先によって左右されるのが実情です。
給料前払いサービスの従業員にとってのデメリットについて詳しく解説していきます。
使いすぎてしまう心配がある
給料前払いサービスを導入している人が、金遣いが荒い場合には、お金を使いすぎてしまう可能性があります。
給料前払いサービスは非常に簡単に自分の給料を前払いすることができてしまいます。
例えば「パチンコで負けたらか1万円」などというようにATM感覚で利用していると、給料日になって受け取ることができるお金がなくなってしまう可能性があります。
給料前払いサービスは便利ですが、使いすぎには十分に注意する必要があります。
導入している会社に勤務しないと利用できない
給料前払いサービスは、給料前払いサービスを導入している企業に勤務していないと利用することができないというのが最大のデメリットです。
このサービスを導入していない企業では、これほど簡単に前払いを利用することができないので、カードローンや給料ファクタリングなどを利用するしか方法がありません。
給料前払いサービスは誰でも利用することができるものではなく、利用できるのは勤務先がこのシステムを導入している場合だけですので、従業員発で利用することができるわけではないという点では大きなデメリットと言えるでしょう。
おすすめの給与前前払いサービス4選!
給料前払いサービスは多数ありますが、特徴のあるオススメの業者以下の4社になります。
- 楽天早トク給与
- CRIA
- Payme
- enigmapay
「法律違反では?」という指摘もある給料前払いサービスですが、上記の会社であれば優良業者であるため安心です。
おすすめ業者4社の特徴などについて詳しく解説していきます。
楽天早トク給与
楽天早トク給与は楽天カードのサービスです。
利用料金は月額25,000円と安価で、これに利用回数などに応じた従量課金が行われます。
前払いの申請回数は月3回までと決まっています。
楽天のサービスですので安心して利用することができます。
CRIA
CRIAは企業のコストがかからないという点が大きな魅力です。
初期費用、月額利用料がかからない上、前払い代金を会社ではなくCRIAが負担するので、事前に資金を用意しておく必要はありません。
コストや資金繰りに優しいので中小企業にもおすすめの会社になります。
Payme
Paymeも無料で利用できる給料前払いサービスです。
1社1名の担当者が着くので、管理事務などに不安を感じる会社でも安心して利用することができます。
従業員も会社側も管理しやすい画面ですので、使いやすさには定評があるサービスです。
enigmapay
enigmapayも導入初期費用無料で利用することができるサービスです。
規模に関わらず多くの企業が利用しているので、あらゆる規模の企業が利用することができます。
enigmapayは銀行の振込システムと連携しているので、従業員から振込依頼があっても企業の担当者は何もする必要はありません。
自動で会社の口座から従業員の口座へ振込が行われます。
給料前払いサービスに関するよくある質問
- 給料前払いができる会社を事前に調べることはできますか?
- 企業の募集要項などを見れば掲載されていることがあります。また、会社に尋ねてもよいでしょう。
給料前払いサービスは、企業が従業員確保の福利厚生の一環として行なっていることが一般的ですので、取り扱いがあれば企業も積極的に教えてくれます。働きたい会社が取り扱っているかどうか知りたいのであれば、ぜひ積極的に聞いてみましょう。
- 給料の前払いは絶対に会社にバレることはないのでしょうか?
- システムを管理している会社の担当者には、むしろ前払いサービスの利用はバレてしまうと考えた方がよいでしょう。
システム管理者は「従業員の誰がいくらの前払いをしているのか」ということを把握しなければ給与計算ができないので、前払いについては把握していると考えた方がよいでしょう。
ただし、会社として当たり前にシステムとして行われるいることであるため、利用したことによって人事評価がマイナスになることなどを心配する必要はないでしょう。
- 自社に導入したいのですが審査はありますか?
- 導入に当たって審査は行われます。
前払い申請があった時に速やかに給料を支払うことができるだけの資金力がないと、システムそのものの信頼が揺らいでしまいます。
そのため導入するにあたって企業の業績や資金繰りなどに対する一定の審査が行われ、あまりにも会社の業況が悪い場合には導入を断られてしまうこともあります。
- 給料ファクタリングとの違いを教えてください。
- 給料ファクタリングは、ファクタリング会社に給料債権を会社に秘密で売却して資金化する方法です。
会社は従業員以外に給料を支払うことができないので、給料ファクタリングは実質的な貸付と言われていますが、給料ファクタリングは20%を超える非常に高い手数料が設定されています。
一方、給料前払いサービスは会社が導入している制度で、振込手数料などがかかる場合もありますが基本的には手数料無料で利用することができます。
- 給料日何日前まで給料前払いサービスを利用できるのでしょうか?
- システムにもよりますが、5日前としているところが多いようです。
給料日数日前は給料計算をする時間が必要になるので、給料日の数日前は利用できません。
希望すればいつでも前払いができるわけではないので注意しましょう。
まとめ
給料の前払いサービスを利用している会社に勤務している人は、上司や会社にお伺いを立てることなく無利息で給料の前払いをすることができます。
数万円程度のお金であれば、最短即日で前払いすることができるのでカードローンは不要になる人が多いことでしょう。
非常に便利なサービスですが、これは勤務先がこのシステムを導入している場合に限ります。
「給料を前払いできる会社で働きたい」という人は、このシステムを導入している会社を事前に調べてバイトの応募などをするのがよいでしょう。
カードローンや給料ファクタリングよりは圧倒的にコストが低くなり便利ですが、便利だと思って使いすぎると給料日に入金になるお金が非常に少なくなってしまいます。
働いた分を前払いしているだけで借金ではありませんが、給料日にお金がないということがないうよう計画的に利用するようにしましょう。