製造業を営まれている経営者の方は、「資金繰りが大変だ」と実感される方も多いのではないでしょうか?
製造業は数ある業種の中でも資金繰りが大変な業種の1つです。
受注は常に一定であるわけではありませんし、モノを作って海外に売っている日本においては、製造業は国際的な景気の波に左右されやすい業種でもあります。
このような製造業の資金調達はどのように行えばよいのでしょうか?
最もオーソドックスな方法である銀行借入は製造業の運転資金調達には適していない側面もあります。
製造業の資金調達方法や製造業の資金繰りが苦しい理由について解説していきます。
適切な資金調達方法を理解して、いざという時にも機動的な資金繰りができるようになりましょう。
製造業の資金繰りが厳しい5つの理由と対処法
製造業の資金繰りが苦しくなる理由としては、製造業には他の業種にはない以下の特殊な事情があるためです。
- 初期コストが膨大になる
- 売掛債権の回収サイトが長い
- 受注が増えるほど資金繰りが苦しくなることもある
- 海外企業に仕事を奪われやすい
- 景気に受注が大きく左右される
他の業種と比較して初期にかかる費用が大きいというのが製造業の資金繰りが厳しくなる最も大きな理由です。
製造業の資金調達が厳しい理由とそれぞれの対処法ついて詳しく解説していきます。
初期コストが膨大になる
製造業は仕事を受注してから仕事に取り掛かるまでにかかるコストが膨大です。
原材料の仕入れや、外注費、人件費、光熱費など、あらゆるコストの支払いが先に発生します。
仕事を受注したら、売上が発生する前にこれらのコストを支払わなければならないため、初期コストは膨大です。
そのため、一定程度のお金を手元に持っていないと仕事を受注することができません。
安定的に仕事を受注して、製造→販売までを完遂するためには、あらかじめ2ヶ月〜3ヶ月程度の運転資金を常に手元に持っている必要があります。
売掛債権の回収サイトが長い
製造業の売掛債権は一般的に回収サイトが長くなります。
2ヶ月〜3ヶ月先に期日が到来するのが一般的で、仕入れなどの初期コストで現金が流出し、そこから時間をかけて製品を製造して出荷、そこから2〜3ヶ月しないと入金にはならないので、製造業の資金繰りは非常に大変です。
やはり数ヶ月分の運転資金を手元に持っていないと仕事を受注して会社を運転していくことも難しくなります。
サイトの長さによって資金繰りの困窮しているのであれば、手元に一定以上の資金を確保しておくか、取引先と交渉して売掛債権のサイトを短くしてもらうなどの対応が必要になります。
受注が増えるほど資金繰りが苦しくなることもある
製造業は受注が増えれば増えるほど資金繰りが苦しくなる業種です。
前述したように、製造業は仕事を受注すればそれに見合った仕入れや外注を行います。
つまり、大きな受注をすればそれに伴い最初に用意しなければならない仕入れや外注も多くなり、多額の運転資金が必要です。
これを増加運転資金と言います。
大口の受注をしたことによって、会社の現金が大量に流出してしまい、結果的に資金繰りが悪化して倒産してしまう可能性もあります。
せっかく大きな仕事を獲得しても、資金繰りの問題から経営的にマイナスになってしまう可能性があるのも製造業が資金繰りが厳しい原因の1つです。
このような時には受注が発生した段階で速やかに増加運転資金を事前に銀行から借りておくか、仕入先に対して支払いのタイミングを遅らせるなどの交渉をする必要がありません。
海外企業に仕事を奪われやすい
多くの製造業のライバルは海外の企業です。
特に中小の製造業は多くの仕事を実際に海外に奪われています。
アジアが経済成長していく中、中国や東南アジアの国々が技術的に発展していけば、安い単価で製品を大量生産することができるようになります。
仕事そのものが海外にどんどん奪われている状況の中で、人件費などの固定費は毎月発生するため、製造業の資金繰りは厳しい状態が続いています。
対処法としては、取引先との強固なリレーションシップや長期的な契約など、簡単に海外に仕事を奪われることがない企業経営が求められます。
この点は、企業が独自の技術やリレーションシップを発揮して、海外企業にはない独自性をしっかりと構築していくしかないでしょう。
景気に受注が大きく左右される
製造業ほど国際的な経営の波に左右される業種はないと言えるでしょう。
日本はモノを作って海外に売っている国であるため、国際的に不景気になってしまい、日本のモノが海外で売れなくなってしまうと、受注は大きく減少します。
例えば、リーマンショックや新型コロナウイルス感染拡大時など、世界的に景気が後退局面に入ると製造業の受注は大きくストップしてしまいます。
不況の時でも、従業員の雇用などを維持しようと思えば固定費の支払いで資金が流出し、資金繰りは非常に苦しくなります。
業界全体で国際的な景気の波に左右される事情を抱えているため、製造業の資金繰りは楽ではありません。
やはり、景気に左右されない内部留保をはじめとした強固な財務基盤を作っておくとともに、固定費をできる限り削減しておくことことで売上現象時にも対応することが可能です。
製造業の受注から入金までの流れと資金繰りの問題点
ここで、製造業の受注から入金までの流れを確認しておきましょう。
会社によって若干異なる部分もあるかもしれませんが、主な流れは以下のようになります。
- 仕事の受注がある
- 受注に合わせ原材料を仕入れて買掛金が発生
- 期日に買掛金の支払い
- 自社ではできない業務を外注に出す
- 外注先に対して外注費の支払い
- 自社での労務費や光熱費などの発生
- 従業員へ労務費の支払い、光熱費の支払い
- 受注した製品を販売し売上が発生
- 取引先へ売掛金を請求する
- 売掛債権期日に売掛金が入金される
このように、最初は仕入れや外注費で支払うことばかりなのが製造業です。
おまけに製品を納品して請求を出しても、取引先によっては入金は1ヶ月とか2ヶ月先になってしまいますので、改めて製造業がいかに入金になるまでの時間がかかる業種かということご確認いただけるのではないかと思います。
製造業はたくさんの工程を経て製品が完成する分、入金になるのが遅く、支払いばかりが先に来る業種です。
その分だけ、資金的な準備をしっかりとしておかなければ正常な企業活動が不可能になります。
手元に一定の運転資金を持っていないと次の仕事が受注できない
上記のように、製造業は仕入、外注費、諸経費支払いなど、最初に様々な経費の支払いが必要になります。
そこから製品を製造し、売掛金が入金になるまで2〜3ヶ月ですので、手元には必ず3ヶ月分程度の運転資金を持っていないと仕入から製造までの一連のプロセスを行うことが不可能になります。
例えば1ヶ月分の運転資金しか手元に持っていなければ、売掛債権が入金になるまでに資金ショートしてしまうことになります。
また資金的に余裕がなければせっかく仕事を受注してもその仕事に必要な仕入をする資金がありません。
製造業は製造原価や経費の支払いから、売上の入金までが非常に長いので手元に資金がない業種は継続的に運転していくことが困難です。
新たな受注を獲得していくためには、手元に上記の①〜⑩までのサイクルの間、1円も入金がなくても会社を運転していくことができるだけの資金を手元に持っている必要があります。
製造業の資金繰りが苦しい時の銀行での対処法
製造業の資金繰りが苦しい時には銀行から以下の2つのいずれかの方法で運転資金を借りることが基本です。
- 銀行から短期運転資金を借りる
- 銀行に当座貸越枠を作成しておく
それぞれ、どのような性格の資金なのか、詳しく見ていきましょう。
銀行から短期運転資金を借りる
銀行から短期運転資金を借りるという方法が基本的な資金調達手段です。
例えば仕事を受注してから売上が入金になるまでの時間を3ヶ月と考えているのであれば、3ヶ月後に期日になる手形貸付によって資金調達を行います。
3ヶ月後に売上が入金になったら手形貸付を返済すれば、当該受注に関わる運転資金の借入を売上からペイすることができる最もスマートな方法と言えるでしょう。
製造業や建設業の運転資金の借入は、特定の受注に必要な運転のみを借り入れる短期資金で行うのが最もオーソドックスな方法です。
銀行に当座貸越枠を作成しておく
銀行に当座貸越枠を作成しておくという方法も有効です。
当座貸越枠とは、「〇〇万円までならいつでもお金を借りることができる」という枠のことです。
この枠を事前に作っておけば、実質的な審査なしで申込日当日には銀行からお金を借りることができます。
仕事を受注したら当座貸越枠から当該受注に必要な運転資金だけを借り入れ、製品の代金が入金になったら当座貸越を返済することで、特定の受注に必要な資金だけを借り入れて、売上でペイするということが可能になります。
手形貸付であれば申し込みから融資まで1〜2週間の時間がかかりますが、当座貸越は事前に枠を作成しておくことで最短即日で借入が可能です。
緊急で大口の受注が入った時にも当座貸越であれば必要な資金を必要なタイミングで確保することができます。
審査という面倒な手続きを経なくても、当座貸越枠を作っておけばすぐに必要な資金を借りることができるので非常に便利です。
審査は厳しいですが、業況のよい時に枠を作っておくとよいでしょう。
製造業が運転資金を銀行から借りるのが難しい理由
このように、製造業の運転資金は「1つの受注に対して1つの借入」を起こしていくのが適切です。
そのため、原則としては短期運転資金か当座貸越枠で借り入れをすることになります。
しかし、製造業が運転資金を借りることは以下の理由によって実際には難しいのが実情です。
- 運転資金は基本的に長期資金になる
- 当座貸越枠の審査は厳しい
製造業が運転資金を銀行から借りることが難しい理由は具体的に何故なのでしょう?
運転資金は基本的に長期資金になる
銀行から企業が運転資金を借りる方法は基本的には長期資金が一般的です。
長期資金とは、返済期間1年以上の毎月分割返済の借入金です。
信用保証協会は期日に一括で返済される短期資金よりも毎月確実に返済される長期資金であることを好む傾向にあります。
そして、銀行は中小企業に対しては信用保証協会の保証をつけてしか融資を行わないため、製造業が運転資金の融資を受ける場合には長期資金で融資されることが一般的になります。
しかし、製造業が長期資金で運転資金融資を受けることは、製造業の資金繰りを悪化させる傾向があります。
製造業が運転資金を長期で借りると資金繰りを悪化させる
製造業は毎月の受注が必ずしも決まっているわけではありません。
取引先ごとに毎月の受注は異なりますし、新規の受注が入る可能性もあるので「毎月、〇〇円の運転資金」という確定的な支出は固定費以外にはありません。
毎月支出が変動するにもかかわらず、一括で運転資金を長期で借りるということは、必要ではない資金まで借りてしまうか、必要な資金に満たないかいずれかになってしまいます。
また、返済は毎月発生するため、入金がない月まで返済が発生することになり、長期資金の返済によって中小企業の資金繰りは悪化することもあります。
つまり、1つの受注に必要な運転資金を借りるよりも、長期資金のほうが必要な資金を必要なだけ供給できない上に返済によって資金繰りが悪化する可能性があるので、運転資金を長期資金で借りることは資金繰りを悪化させる可能性があります。
担保がないと借り入れは難しい
前述したように、製造業の運転資金の借入は短期資金がベストです。
しかし、短期資金は担保がないと借入が難しい傾向にあります。
短期資金はプロパー融資で行われることが一般的です。
信用保証協会の保証がつかないプロパー融資では、もしもの時のために不動産担保を取ることが一般的です。
そのため、担保を提供できない企業は銀行から短期資金を借りることが難しくなる可能性が高いのです。
このように、基本的に製造業でも運転資金は長期資金での借入になり、短期資金の借入は簡単ではありません。
そのため、製造業は業態に最も適した運転資金を銀行から借りることが難しい業種であると言えます。
当座貸越枠の審査は厳しい
当座貸越枠をあらかじめ作成しておけば、最短即日でお金を借りることができます。
ただし、当座貸越枠を作成するためには厳しい審査に通過する必要があります。
当座貸越とは「必要な時に必要な資金を借りることができる」という枠です。
企業は借りたお金を実際には経営に必要な資金に使わなくても銀行は分からないため、銀行にとって当座貸越枠は最もリスクの高い資金だと言えます。
そのため、審査も自ずと厳しくなり、赤字や債務超過の企業は絶対に審査に通過することができませんし、銀行とそれなりに取引を重ね、銀行から信用を得ていないと審査に通過することは不可能です。
作っておけば便利な当座貸越ですが、枠を作ること自体、審査が非常に厳しくなるので希望すれば誰でも作れるわけではありません。
とはいえ業績がよいのであれば、当座貸越枠の審査に通過することができます。
当座貸越枠の審査に通過できるのであれば、製造業の運転資金確保には当座貸越枠が最適ですので、まずは銀行へ相談してみましょう。
製造業の資金調達方法
製造業は銀行から業態に最適な運転資金を借りることが簡単ではありません。
そこで、製造業は以下の3つの方法で運転資金を調達するという方法もあります。
ABL
ABLとは、売掛債権や棚卸資産などの流動資産を担保に銀行からお金を借りる方法です。
会社に一定の在庫や売掛債権が常に存在するのであれば、その流動資産の評価額の一定範囲内(50%)を限度として短期資金の借入や当座貸越枠を作成することができます。
当座貸越枠の審査は厳しいですが、ABLであれば銀行に対して流動資産という担保を提供することができるので、それほど業績がよくない企業でも資金調達することができる可能性があります。
短期資金や当座貸越枠を作成したいという製造業には適した資金調達方法といえます。
ビジネスローン
ビジネスローンとは、消費者金融などのノンバンクが提供する事業資金専用の融資です。
非対面で契約することができ、最短即日で借入可能ですが、金利が非常のに高いというデメリットがあります。
銀行審査に通過することができない場合でも審査に通過できる可能性はありますが、金利が高いので本当に困った時だけの利用とした方がよいでしょう。
また、借りることができるとしても1,000万円未満が限度ですので、数千万円以上の大口の受注をした場合にはビジネスローンでは対応することができない可能性があります。
ファクタリング
ファクタリングとは、企業が保有している売掛債権を売却して早期に資金化する方法です。
製造業は「売掛債権のサイトが長いから資金繰りが大変」と先ほど説明しましたが、ファクタリングを利用することによってサイトを圧倒的に縮めることができます。
手数料は2社間ファクタリングで10%〜20%程度、3社間ファクタリングで3%〜10%程度と高いですが、「売掛債権が入金になるまでの資金繰りが厳しい」という場合にはファクタリングを利用することで効率的に資金ギャップを埋めることができます。
ファクタリングに関しては資金繰りが忙しい製造業に向いている理由が他にもあるので詳しく解説していきます。
ファクタリングが製造業の資金調達に向いている3つの理由
ファクタリングには銀行借り入れやビジネスローンにはない以下の3つの特徴があるので、銀行から運転資金を調達することに不向きな製造業であっても比較的容易に資金調達ができます。
- 最短即日資金化
- 取引先に秘密にできる
- 自社の信用が悪くても資金調達可能
製造業の資金繰りになぜファクタリングが向いているのか、その理由を詳しく解説していきます。
最短即日資金化
ファクタリングは最短即日で資金調達することができます。
取引先の中には「この製品をとにかく急いで納品してほしい」という依頼がある可能性があります。
そのような時には申し込みから融資まで2週間程度の時間がかかってしまう銀行融資を待っている時間はありません。
最短で申し込みから振込まで即日で行なってくれるファクタリングであれば急な受注にも間に合います。
この点は、申し込みから融資までに最短でも1週間、平均的には2週間程度の時間がかかってしまう銀行融資と比較して明らかにメリットがあると言えるでしょう。
急ぎの資金調達時にもファクタリングは非常に有効です。
取引先に秘密にできる
2社間ファクタリングは取引先に秘密でファクタリングすることが可能です。
2社間ファクタリングは売掛先と自社の契約ですので、売掛先企業の同意を得る必要はありません。
売掛先に秘密で売掛債権をファクタリングすることができるので、売掛先に「資金繰りが苦しい企業だ」などとマイナスの目線で評価される心配はありません。
取引先に秘密で資金調達することができるので、取引先にバレたらまずいという会社でも気兼ねなく資金調達することが可能です。
製造業は親会社からの下請けをしているというケースが非常に多いですが、このようなケースでは売掛先は親会社になります。
「親会社に対してファクタリングを利用するとは言いにくい」という企業は多数存在します。しかしそのような企業でも、2社間ファクタリングであれば親会社に秘密にして資金調達することができます。
自社の信用が悪くても資金調達可能
ファクタリングの大きな特徴は、審査の基準が売掛先の支払能力だという点です。
ファクターにとっては売掛債権が期日通りに支払われるかどうかということが自社の損失に大きく関わるからです。
そのため審査で重視されるのは売掛先の与信状況になります。
売掛先が期日通りの支払いに問題がない企業であれば、自社の与信状況が悪くても審査に通過することができる可能性があります。
製造業においてはリーマンショックや新型コロナウイルスの影響によって、資金繰りが急激に悪化することが珍しくありません。
このような時でも、親会社はじめとした大手企業などの売掛債権を手元に持っていれば、審査に通過して資金調達することができる可能性があります。
製造業の資金調達についてよくある質問
- 取引先が海外企業でもファクタリング可能でしょうか?
- 売掛先が海外企業の場合には当該企業に対する売掛債権をファクタリングすることは原則的に不可能です。
ファクターは買い取った売掛債権を回収しなければなりませんが、期日通りに支払われなかった場合には売掛先まで督促に行かなければなりません。
しかし売掛先が海外の企業であれば回収に行くのは実質的に不可能です。
海外企業への売掛債権はリスクや手間をかけて回収しなければならないため、基本的には海外企業の売掛債権をファクタリングすることは不可能です。
- 3社間ファクタリングではどの程度の期間で入金になりますか?
- 3社間ファクタリングでは申し込みから1週間程度で入金になります。
3社間ファクタリングの方が手数料が手数料が低いため、入金までの時間に余裕があり売掛先の同意を得られるのであれば2社間ファクタリングよりも3社間ファクタリングを利用した方がよいでしょう。
- 増加運転資金を銀行から借りる時にも担保は必要ですか?
- 増加運転資金は売上と利益が向上すると見込まれるために必要な資金ですので、銀行にとっては「ぜひとも融資したい」と考える資金です。そのため、取引先からの受注明細などを見せれば銀行は積極的に融資に応じる可能性があります。
ただし、当該企業の業況が判断されるので、財務状況などが不健全な会社は無担保での貸付が危険だと判断され、担保の提供を要求される可能性があります。
増加運転資金を無担保で借りることができるのかどうかはケースバイケースですが、少なくとも増加運転資金は通常の運転資金よりも無担保で借りることができるでしょう。
- 製造ラインの設備資金をファクタリングで調達することはできるでしょうか?
- ファクタリングで調達した資金は何にでも使用することができます。
そのため、ファクタリングで調達した資金を設備投資に使用することも可能です。
ただし一般的にファクタリングで調達した資金を製造ラインの設備資金に充てることはほとんどありません。
設備資金は数千万円〜数億円程度にも及ぶ高額な投資が必要になるためです。
ファクタリングで資金調達したお金は修繕費用程度しか利用できないのが一般的です。
- 雇用調整助成金が下りてくるまでのつなぎ資金をファクタリングで調達したいのですが
- 雇用調整助成金は申請してから入金になるまで2ヶ月程度の時間がかかると言われています。
この間に支払う従業員の給料などは手元の資金から支出することになります。
雇用調整助成金が入金になるまでのつなぎ資金としてファクタリングは多いに活用することができるでしょう。
支払いサイト2ヶ月などの売掛債権が手元にあるのであれば雇用調整助成金が下りてくるまでのつなぎ資金としてはちょうどよいので、積極的に活用しましょう。
- ファクタリングや借り入れ以外で資金繰りを安定化させる方法を教えてください。
- ファクタリングや借入以外で資金繰りを安定させる方法は、企業によって様々です。
ただし、一般的に言われている方法としては固定費をできる限り削減する方法や不要な在庫を持たない方法を挙げることができます。
製造業は景気や取引先の受注状況によって売上が大きく変動するリスクを抱えています。
そのため、企業の状況に合わせた様々な方法で、できる限り固定費の支出を抑えるようにしましょう。
まとめ
製造業は手元に一定以上の運転資金を持っていないと製造に必要な仕入れや経費の支払いを行うことができません。
また、次の受注を獲得することも困難になります。
そのため、原則的には短期資金で銀行から借入を行うことになりますが、短期資金の審査は厳しいのが実情ですし、当座貸越枠も簡単には作成できません。
そのため、製造業が運転資金を銀行から調達することは難しくなります。
製造業が運転資金を調達するのであればファクタリングという手段があります。
即日資金調達でき、取引先にも秘密で資金調達できるので、取引先から急な受注があった時に最適です。
ただし、手数料が高いのであまりファクタリングに頼ることなく、固定費を削減するなどして手元に運転資金を用意するように心がけましょう。