アパート・マンションオーナーの方が利用することができる家賃収入ファクタリングについて解説します。

アパート・マンションオーナーの方も急に資金が必要になることや、まとまったお金が必要になった経験をお持ちの人も多いのではないでしょうか?

急に修繕が必要になったり、火災保険の支払いを忘れていてお金が必要ということは珍しくありません。

銀行融資を希望したとしてもマンション・アパートオーナーは銀行から運転資金を借りにくい業種の1つです。

また銀行融資は時間がかかるので急な資金調達に対応することはできません。

そのような時に活用することができるにが家賃収入ファクタリングです。

家賃収入ファクタリングとは、所有するアパートやマンションの家賃債権をファクターへ売却して現金化する方法です。

一見ファクタリングを利用することができないように思える不動産オーナーでも家賃収入をファクタリングすることが可能です。

家賃収入ファクタリングの特徴やメリット・デメリットについて解説します。

不動産オーナーも家賃収入をファクタリングして急な資金繰りに対処できるようにしておきましょう。

 

家賃収入ファクタリングとは

家賃収入ファクタリングとは

家賃収入ファクタリングとは、家賃の入金日に支払いにな予定の家賃収入をファクターへ売却して早期に資金化する方法です。

基本的に2社間ファクタリングで行われ、賃借人にはファクタリングをしたことを知られることがないという特徴があります。

家賃収入ファクタリングの特徴について詳しく解説していきます。

家賃債権をファクタリング

家賃収入ファクタリングは、その名の通り、賃借人に対して保有している家賃債権をファクターへ売却して現金化するものです。

家賃債権とは「家賃支払日までに賃借人から家賃を受け取る権利」です。

これは不動産オーナーにとっては売掛債権になるので、家賃収入ファクタリングで早期に資金化を図ることが可能になります。

家賃は請求した時点で売掛債権になる

家賃債権は家賃を請求した時点で売掛債権になります。

不動産オーナーが賃借人に対して「家賃を支払ってください」と請求すれば、その時点で家賃債権が発生します。

不動産オーナーが家賃収入ファクタリングを利用する場合、賃借人に対して請求した請求書をファクターへ提出することで、家賃債権があると判断されるのでファクタリングを受けることが可能です。

毎月、請求を行なっていない場合には、賃借人との契約書をファクターに提出することでも家賃収入ファクタリングを利用することが可能です。

向こう数ヶ月分の家賃債権も資金化できる

家賃収入ファクタリングでファクタリングすることができるのは、今月や来月の家賃だけではありません。

数ヶ月分の家賃債権もファクタリングによって売却することが可能です。

不動産の賃貸は1ヶ月だけ入居するということはほとんどありません。

賃借人は長期間入居することを前提としてオーナーと契約しているのですから、今後数ヶ月以上は継続して家賃収入があることが予測できます。

そのため、ファクターの中には今後数ヶ月分の家賃債権をまとめて買取に応じてくれる業者も存在します。

数ヶ月分の家賃債権をファクタリングすることができれば、金額的にはかなり大きなものになることが予想できるので、家賃収入ファクタリングはまとまったお金を必要とする時にも有効です。

請求した家賃債権を早期資金化

家賃収入ファクタリングでは、家賃の支払日を待たずにファクタリングで資金化することが可能です。

本来であれば家賃の支払日まで待たなければ入金にならない家賃債権を早期に資金化することができるので、「急いでお金が必要」という場合に家賃収入ファクタリングであれば早期に資金化することが可能です。

家賃収入ファクタリングは、不動産担保オーナーが通常の買取ファクタリングと同じように早期に資金調達するための有効な手段と言えます。

家賃収入は2社間ファクタリングで最短即日

家賃収入ファクタリングは2社間ファクタリングで行われることが一般的です。

通常の買取ファクタリングと同じように、2社間ファクタリングでは売掛先(賃借人)の同意なしでファクタリング契約を行うことができるので、資金化までに時間がかかりません。

また、2社間ファクタリングを利用すれば管理会社や賃借人に家賃収入ファクタリングを利用したことを知られる心配もありません。

ファクターによっては最短即日で買取に応じてくれる業者も存在するので、申込日当日に資金調達することも可能です。

家賃収入ファクタリングは3社間ファクタリングで行うことも可能ですが、3社間ファクタリングの場合には賃借人全員や管理会社の同意が必要になってしまうので、基本的に家賃収入ファクタリングは2社間ファクタリングで行われます。

家賃の入金日にファクターへ支払い

2社間ファクタリングでは、家賃の入金日には通常通りに管理会社や賃借人から自分の口座へ家賃の支払いが行われます。

このお金をファクターへスライドさせる形で送金すればファクターの回収は完了します。

なお、3社間ファクタリングで家賃収入ファクタリングを利用する場合には、賃借人や管理会社が直接ファクターへの支払いを行うので、不動産オーナーは何もする必要はありません。

家賃収入ファクタリングの審査

家賃収入ファクタリングの審査

家賃収入ファクタリングの審査は、通常の買取ファクタリングの審査と異なる点が多いようで、根本的には同じです。

通常の買取ファクタリングで売掛先の与信が最も重要になるように、家賃収入ファクタリングにおいても売掛先である賃借人のこれまでの家賃支払状況が最も重要になります。

家賃収入ファクタリングではどのような点を審査するのか、詳しく見ていきましょう。

賃借人の家賃支払状況

家賃収入ファクタリングの審査のポイントは、賃借人が家賃を期日通りに支払っているかどうかが非常に重要になります。

賃借人がこれまで期日通りに家賃を支払ってきたのであれば、ファクタリング後も期日通りに家賃を支払う可能性が非常に高いと判断されるのでファクタリングに応じてもらうことができる可能性は高くなります。

一方、賃借人の中に家賃の支払期日を守らない人がいるのであれば、その賃借人に関する家賃債権の買い取りは断られてしまう可能性が高くなります。

入居状況

家賃収入ファクタリングでは、不動産の入居状況も重要になります。

所有する不動産が満室であるのであれば、家賃×戸数を家賃債権としてファクタリングすることができます。

一方、空き部屋があるのであれば、家賃×(総戸数−空き部屋)が家賃債権となります。

所有する不動産の空き状況がどの程度なのかを知るために、ファクターへの申し込みの際には入居状況が分かる資料の提出が必要です。

このように、家賃収入ファクタリングの審査で重要なのは、不動産オーナーの信用ではなく、所有する不動産の入金状況や入居状況ですので、家賃収入ファクタリングでは、例えばオーナーが信用情報ブラックであったとしても利用することができる可能性が高い資金調達方法ということができるのです。

家賃収入ファクタリングに必要な書類

家賃収入ファクタリングでは以下のような書類の提出が求められることが一般的です。

  • 入居者との契約書や管理会社の資料
  • 土地の公図
  • 土地や建物の不動産登記簿謄本
  • 評価証明書
  • 納税証明書
  • 家賃明細書等

上記全ての提出が求められるわけではありませんが、少なくとも入居者との契約書や家賃明細書などは必ず提出を求められると考えた方がよいでしょう。

家賃収入ファクタリングで素早く資金を調達したいのであれば、あらかじめこれらの書類を手元に用意した上で申し込みんだ方が無難です。

なお、公図や不動産登記簿謄本や評価証明書や納税証明書などの公的資料は役所や法務局などの公的機関に行かなければ取得することができない書類です。

公的機関は平日しか空いていませんので、土日にファクタリングしたい場合には平日のうちにこれらの書類を取得しておくようにしましょう。

家賃収入ファクタリングのメリット

家賃収入ファクタリングのメリット

家賃収入ファクタリには以下の4つのメリットがあります。

  • 家賃収入が確実に入金になる
  • 急にまとまったお金が必要になった時対応可能
  • 不動産管理の負担を軽減できる
  • 本人に信用がなくても資金調達できる

急な資金繰りやまとまったお金の調達に適しているだけでなく、不動産の管理そのものが楽になる可能性もあります。

家賃収入ファクタリング4つのメリットについて詳しく解説します。

家賃収入が確実に入金になる

家賃収入ファクタリングを利用すれば、家賃収入が確実に入金になります。

ファクタリングでは、売掛債権の回収リスクも一緒に売却するので売掛債権がデフォルトした場合のリスクもファクターが背負うことになります。

これは家賃収入の場合も同様で、もしも賃借人が家賃を期日通りに支払わなかった場合にはファクターが家賃の未払いによる損失を背負ってくれます。

不動産オーナーの中には、家賃を期日通りに支払わない賃借人に対して頭を悩ましている方も多いのではないでしょうか?

家賃収入ファクタリングを利用することで、家賃の未払いによる資金繰りの悪化を防ぐことができ、家賃収入を確実に入金させることが可能になります。

急にまとまったお金が必要になった時対応可能

家賃収入ファクタリングで調達することができるのは、直近の家賃債権だけではありません。

ファクターによって対応は異なるものの、今後数ヶ月先の家賃もファクタリングすることができるので、ある程度まとまった資金を確保することができます。

不動産オーナーは修繕時や火災保険料支払時など、定期的にまとまったお金が必要になります。

このようなまとまったお金が必要になった時でも給料ファクタリングを利用することで、修繕時や火災保険更新時に速やかに対応することができます。

もちろん、まとまったお金が個人的に必要になった場面でも給料ファクタリングを利用して資金調達することが可能です。

不動産管理の負担を軽減できる

家賃収入ファクタリングを取り扱う会社の中には不動産管理まで一手に引き受けてくれる会社も存在します。

そのような会社に管理を依頼することによって家賃回収だけでなく、不動産管理全般にかかる手間を削減することができます。

オーナーは必要な時にファクタリングで資金調達を行い、さらに管理の手間を省くことができるので、遠方の物件を所有している人や高齢のオーナーにもおすすめです。

本人に信用がなくても資金調達できる

家賃収入ファクタリングで審査されるのは、本人の信用や支払能力ではなく、所有する不動産の収益力です。

そのため、不動産オーナー個人が信用情報ブラックの場合や総量規制オーバーでどこからもお金を借りることができない状況でも、家賃収入ファクタリングを利用することによって、高い確率で外部から資金調達することができるようになります。

また、そもそも不動産オーナーは銀行から事業資金を借りることが難しい属性です。

銀行の事業資金は基本的に必要な資金しか融資をしません。

不動産オーナーは物件購入費用以外には必要資金がないと判断される属性ですので、銀行から事業資金を借りにくい属性ですし、借りることができたとしても数百万円程度が限度です。

家賃収入ファクタリングを利用すれば銀行から事業資金を借りることができない場合も最短即日で資金調達することができます。

家賃収入ファクタリングのデメリット

家賃収入ファクタリングのデメリット

家賃収入ファクタリングには以下の2つのデメリットがあります。

  • 手数料が高い
  • 3社間ファクタリングでは手続きが面倒

他のファクタリングと同様で、やはり手数料の高さはデメリットです。

かと言って、手数料の低い3社間ファクタリングを選択した場合には手続きが非常に面倒になってしまいます。

家賃収入ファクタリング2つのデメリットについて詳しく解説していきます。

手数料が高い

家賃収入ファクタリング最大のデメリットは手数料です。

家賃収入ファクタリングの手数料は10%前後発生するのが一般的です。

家賃の支払日まで待つことができれば支払わなくてもよい費用ですので、ファクタリングを利用することによって手数料が必要になるのはデメリットだと言えます。

家賃収入ファクタリングは、銀行からお金を借りにくい不動産オーナーが資金調達することができる貴重な方法ですが、頻繁に利用すると家賃収入が1割程度減ってしまいます。

利用するのは必要最小限の金額と本当にお金に困ったタイミングだけにするようにしましょう。

3社間ファクタリングでは手続きが面倒

3社間ファクタリングでも家賃収入ファクタリングを利用することができますが、手続きが非常に面倒になります。

3社間ファクタリングは2社間ファクタリングよりも手数料が低いのでできる限り手数料負担を抑えたいという場合には有効です。

しかし、3社間ファクタリングは、管理会社もしくは賃借人全員から同意を得なければ契約することができません。

3社間ファクタリングで家賃収入ファクタリングを利用しようとする場合には、早くて1週間、長い場合には1ヶ月以上の時間がかかってしまうこともあります。

家賃収入ファクタリングは一般のファクターで利用できる

家賃収入ファクタリングな一般的な買取ファクタリングを取り扱っている会社でも利用することができます。

悪徳業者が混在しているリスクがあるのがファクタリングですが、家賃収入ファクタリングであれば、OLTAやビートレーディングやベストファクターなどの口コミでも評判な優良業者と取引することができるので安心です。

OLTAなどのクラウド型のファクターへ依頼することによって非対面かつ短期間で資金化することができますし、その他の優良業者も出張してくれるのでファクターの窓口を訪問する必要はありません。

また、家賃収入ファクタリングは多くのファクターにとって、あらゆる債権の中でもリスクが低いファクタリングです。

家賃収入には以下のような特徴があるためです。

  • 家賃の支払日は毎月決まっている
  • 口座引き落としで支払われることが多い
  • 多くの人は家賃を最優先に支払う

家賃は、ほとんどの人が家計の支出の中で最も優先して支払うお金です。

家賃を支払わなければ居住する場所がなくなってしまうので、多くの人が自分の居場所を守るためにお金がなくても家賃だけは優先して支払う傾向があります。

また口座引落で支払われるので、期日通りに家賃を払う可能性は他の債権よりは高くなります。

ファクターにとってはデフォルトリスクが低いので、優良業者と取引をすると家賃収入ファクタリングは10%以下の手数料で取り扱ってもらうことができる可能性があります。

そのため、一般の売掛債権を扱っている会社にファクタリングを依頼しても、一般の売掛債権よりも低い手数料で買い取ってもらうことができる可能性が高くなります。

不動産の管理と家賃収入ファクタリングを一緒に行なっている会社もあるため、家賃収入ファクタリングと管理を同時に依頼したいのであれば、そのような会社を探すとよいでしょう。

家賃収入ファクタリングについてよくある質問

家賃収入ファクタリングは法人でも個人でも利用できますか?
家賃収入ファクタリングは法人でも個人でも利用することができます。
ただし、2社間ファクタリングにおいて債権譲渡登記の設定条件がついた場合には、そもそも債権譲渡登記ができない個人の方は家賃収入ファクタリングを断られてしまうこともあります。
家賃収入ファクタリングの審査に落ちるケースを教えてください。
家賃収入ファクタリングの審査に落ちるケースは様々ですが、賃借人が家賃の支払いを滞納している場合や期日に遅れることが多い場合、また過去に家賃収入ファクタリングを利用した際にファクターへの支払いに遅れた場合などは家賃収入ファクタリングの審査に落ちてしまう可能性があります。
悪徳業者と取引するとどんなリスクがありますか?
悪徳業者の手口は様々ですが、「20%を超える異常に高い手数料を設定される」「不動産を担保にした融資を勧められる」などのリスクが考えられます。 また闇金も混じっていますので業者選びは慎重に行う必要があります。
家賃収入ファクタリングはファクタリング審査に通りやすいため、わざわざ名前の知られていない悪徳業者と取引するのではなく、安全な優良業者と取引をするようにして下さい。
管理会社から家賃が入っている場合も家賃収入ファクタリングは利用できますか?
管理会社から家賃が入っている場合にはむしろファクタリング審査に通りやすいと言えます。
賃借人から直接家賃を受け取るよりも管理会社を経由した方が期日通りに家賃が入金になる可能性は高いためです。また3社間ファクタリングにおいても管理会社の同意を得るだけですので、賃借人からの直接払いよりも手続きが簡単です。
管理会社から家賃が入るケースでも家賃収入ファクタリングを利用できますし、むしろ管理会社が入っている方が家賃収入ファクタリングは利用しやすいと考えられます。
契約済で入居前の物件の家賃はファクタリングできないのでしょうか?
対応はファクタリング会社によって異なります。
入居前の契約でも契約書さえ提示すればファクタリングに柔軟に応じてくれる業者も存在しますが、家賃の支払実績がない契約に関してはファクタリングに応じないケースも考えられます。
このようなイレギュラーなファクタリングを希望する場合には、まずはファクターへ相談してみましょう。

 

まとめ

家賃収入ファクタリングとは、支払日前に家賃債権をファクタリング会社へ売却して早期に資金化することです。

1ヶ月分の家賃だけでなく、数ヶ月先の家賃債権までファクタリングできる場合もあるので、まとまった資金調達にも有効に利用することができます。

また、2社間ファクタリングで行うのが基本ですので最短即日で資金調達することも可能で、管理会社や賃借人にファクタリングを知られることもありません。

銀行から運転資金を借りにくい不動産オーナーでも家賃収入ファクタリングであれば比較的簡単に外部からの資金調達を行うことができます。

ただし決して安くはない手数料がかかるので、適切なタイミングで必要最小限だけの利用とするようにしましょう。