「飲食店は運転資金が必要ない業種」とよく言われます。

これは、飲食店の売り上げは現金で入金されるため、手元に取引先から売上金が入ってくるまでの資金を確保しておく必要がないためです。

しかし、実際には資金繰りに困窮している飲食店経営者も数多く存在します。

特に、キャッシュレスが当たり前になりつつある昨今ではなおさらです。

このような時には飲食店でもファクタリングを活用することができます。

「飲食店ではファクタリングをするための売掛債権がない」とお思いの方も多いかもしれませんが、実はそうではありません。

飲食店でもファクタリングを活用して資金調達することができる場合もあります。

飲食店でファクタリングがなぜ必要なのか、また飲食店でどのようにファクタリングを行うのかについて解説していきます。

売上即現金の飲食業界でも、これからはファクタリングで資金調達することが重要になります。

飲食店経営者の方もファクタリングで資金繰りを円滑にする方法を理解しておきましょう。

 

飲食店が資金不足になる2つの理由

飲食店が資金不足になる2つの理由

飲食店が資金不足になる理由はどのようなものなのでしょうか?

主な原因は

  • 売上不足
  • キャッシュレス決済

飲食店が資金不足がある多くの原因が売上の不足によるものです。

しかし、昨今のキャッシュレスブームによって、飲食店は黒字でも資金不足になる可能性があります。

今後キャッシュレスが普及していけば、飲食店はさらに資金繰りに困窮する可能性もあります。

飲食店が資金不足になる理由について解説します。

飲食店が資金不足になる80%は売上不足

飲食店が資金不足に陥るほとんどの原因は売上不足だと言われています。

売上が即現金になる飲食業界では、仕入や人件費や家賃などに見合った価格設定を行い、損益分岐点を超える売上さえ確保できていれば現金不足は絶対に生じません。

他の業種が抱える、売上から入金までのタイムラグである資金ギャップが現金商売である飲食店には生じないため、基本的には現金不足は売上が不足して損益分岐点に届いていないということが挙げられます。

最近はキャッシュレス決済による脱キャッシュ化による資金不足

基本的には飲食店の現金不足は売上が足りていないことを原因としています。

しかし、最近はキャッシュレス決済の普及によっても現金不足が生じる事例も増えているようです。

キャシュレス決済は顧客がクレジットカードや電子マネーで決済した代金を、後からカード会社が飲食店の口座に振り込む決済方法だからです。

クレジットカードの中には売上金の入金が1ヶ月先になるというような会社も存在します。

売上から入金までの時間を要する決済システムを導入している飲食店では、損益分岐点を超える売上があったとしても、現金が足りず資金不足になってしまうこともあります。

飲食店は資金調達が難しい

飲食店は資金調達が難しい

飲食店は運転資金の調達が難しい業種です。

運転資金は売上発生から入金までの時間的なギャップを埋めるための資金で、飲食店にはこのギャップが発生しないため必要ないというのが基本的な考えです。

飲食店が運転資金融資を借りることが難しい理由について、もう少し掘り下げて解説していきたいと思います。

銀行の運転資金融資の考え方

銀行にとっての運転資金融資とは、売上の発生から入金までの資金ギャップを埋めるために必要な資金です。

例えば月間売上高100万円の企業へ、売上の入金になるのが3ヶ月後の場合、この企業は3ヶ月間は販売先からの入金がないことになります。

月間売上高100万円×3ヶ月=300万円

毎月の経費が70万円とすると、3ヶ月で70万円×3ヶ月=210万円は必要になります。

これが企業にとって必要な運転資金ということになります。

この企業に必要な運転資金は210万円ですが、手元に100万円しかなければ会社を運転資金していくことができません。

したがって不足分の運転時間を「経常運転資金を確保するため」などの名目で融資します。

また、資金ギャップが生じている未入金の売上300万円を丸々「資金ギャップを埋めるため」などの名目で融資することもあります。

いずれにせよ、運転資金は売上があり損益計算書上は黒字なのに資金がないという場合に融資されるものです。

飲食店は運転資金融資が必要ない

このように運転資金は「売上発生から入金までのギャップを埋めるもの」です。

飲食店は売上が即入金になるので、基本的に資金ギャップは生じません。

そのため、黒字の際には「運転資金は必要ない」と判断され、運転資金融資を受けることはほぼ不可能です。

また運転資金は突発的な不景気の場合も借りることができます。

例えばリーマンショック時のような社会全体の不景気の際には業種を問わず運転資金融資が行われました。

しかし、飲食店の場合には「運転資金を借りるくらい経営が厳しいのであれば、無理に事業を継続するメリットはない」というのが、銀行にとっての基本的なスタンスですので、赤字の際に1度くらいは運転資金を借りることはできますが、2回、3回と複数回借りることは難しいと考えた方がよいでしょう。

もちろん、飲食店が改装や新規出店する時などの設備資金に必要な資金は借りることができます。

借入が難しいのは運転資金のみです。

飲食店もファクタリングを利用できる

飲食店もファクタリングを利用できる

飲食店でも運転資金が足りなくなることがありますし、キャッシュレスが普及する今後はさらにそのような飲食店が出てくることでしょう。

すぐに運転資金を調達することができる方法としてファクタリングをあげることができます。

しかし、そもそも飲食店に売掛債権など存在するのでしょうか?

ファクタリングが売掛金などの売掛債権を売却して資金化する行為である以上、飲食店でも売掛債権を持っていなければファクタリングすることはできません。

しかし、昨今の飲食店は売掛債権を持っています。

ファクタリングに活用できる飲食店が保有する売掛債権がどのようなものか、詳しく見ていきましょう。

クレジットカード決済の未入金分はファクタリング可能

クレジットカードなどのキャッシュレス決済によってカード会社などへ請求済みの代金は、飲食店にとって売掛債権です。

この売掛債権をファクターに売却して早期資金化を図ることは飲食店でも可能です。

カード会社によっては代金の入金が1ヶ月以上先になることもあるので、この間の必要資金をファクタリングによって調達することが可能です。

飲食店のファクタリングは審査通過が簡単

クレジットカード会社などへの売掛債権のファクタリングは、審査にはまず通過することができると考えて問題ないでしょう。

クレジットカード会社が倒産して、売掛債権が未払いになる可能性などほとんどないからです。

また、クレジットカード会社が倒産するリスクがないということは、ファクターにとってもリスクが低いということです。

ファクタリングの手数料はリスクに見合ったリスクプレミアムとして設定されています。

そのため、売掛債権のリスクが低ければファクタリングの手数料も低くなります。

飲食店がカード決済による売掛債権をファクタリングする場合には、ほぼ確実に審査に通過することができ、しかも安価な手数料で資金調達することができます。

飲食店でファクタリングをする3つのメリット

飲食店でファクタリングをする3つのメリット

飲食店がファクタリングを活用することによって得られるメリットは以下の通りです。

  • すぐに資金化可能
  • 審査に通過しやすい
  • 銀行かの評価が下がらない

飲食店がファクタリングを活用することによって得られるこれらのメリットについて、もう少し深掘りして考えていきたいと思います。

最短即日で資金化できる

ファクタリングは即日資金化に対応しています。

例えば「予定していた宴会がキャンセルになって、急に数十万円の売上がなくなった」というケースも飲食店では想定できます。

この時に手元に現金がなければ、支払いが難しくなってしまいます。

このようなケースでも、最短即日で資金化することができるファクタリングであれば対応することができます。

クレジットカード会社に請求済みの売掛債権をファクターに売却することで、月末などに急にお金が足りなくなっても対応することができます。

ほぼ確実に審査に通る

飲食店がファクタリングを利用するということは、クレジットカード会社などに対する売掛債権を売却するということです。

ファクタリングでは売掛先の与信が非常に大切になりますが、この場合の売掛先はクレジットカード会社です。

カード会社の売掛債権がデフォルトする可能性はほとんどないため、審査にはほぼ確実に通過することができます。

必要資金を調達をしなければならない時間的余裕がない中、申し込んでも審査に通過することができなければ時間を浪費してしまいます。

場合によっては資金調達がタイムリミットまでに間に合わないこともあるかもしれません。

しかし飲食店のファクタリングはほぼ確実に審査通過が可能ですので、審査落ちによって資金調達が間に合わないリスクを回避することができます。

銀行評価を下げることがない

ファクタリングを利用しても銀行からの評価が下がることはありません。

ファクタリングは借入ではないためです。

ファクタリングは売掛債権という資産を売却して現金に換えているだけです。

資産と資産の交換をしているだけになるので、負債が増えるわけではありません。

飲食店は運転資金融資が必要ないと判断される業種です。

そのため、運転資金を借りていることが決算書から銀行にバレてしまうと「資金繰りが相当苦しい売上が不足している飲食店」と判断されてしまいます。

ファクタリングであれば決算書に「〇〇万円外部から資金調達した」ということが記録されることはないため、銀行などの外部からの評価が下がる心配はありません

飲食店でのファクタリング活用に関するよくある質問

飲食店がファクタリングする場合の手数料はいくらですか?
飲食店がファクタリングするのは、クレジットカード会社などの売掛債権です。カード会社はファクターにとってリスクが低いので、手数料は低く設定される傾向があります。飲食店は他の業種よりも低いコストで資金調達できる傾向があります。
飲食店がファクタリングする時に必要な書類は何ですか?
クレジットカードの利用明細や、カード代金の振込通帳のコピーを用意するようにしましょう。この他審査に応じて追加で必要な書類を要求されることもあります。
個人の顧客に対するツケ代金をファクタリングすることはできますか?
不可能です。個人に対する債権は回収リスクが高いので、ほぼすべてのファクターが買取には応じてくれないでしょう。

まとめ

飲食店は運転資金を借りることが難しい業種です。

そのため、もしも何かしらの事情で時間が足りなくなった時、銀行などの金融機関に頼ても資金調達は難しいのが実情です。

このような時にはファクタリングが活用できます。

現金商売の飲食店でも、クレジットカードなどのキャッシュレス決済が多い店舗では、カード会社などへの売掛債権があるので、この債権はファクタリングによって資金化することが可能です。

ファクタリングであればキャッシュレス決済によって生じる資金ギャップを最短即日で埋めることができますが、ファクタリングには手数料がかかります。

さらに、クレジットカード会社へも手数料を支払う必要があるので、クレカの債権をファクタリングすると手数料は二重にかかってしまいます。

今は翌日入金に対応しているキャッシュレス決済システムも多いので、飲食店はできるだけ資金ギャップを生まないキャッシュレス決済サービスを利用するようにしましょう