図解あり!ファクタリングの意味と仕組みとは?わかりやすく解説

ファクタリングとは、事業者が保有する売掛債権をファクタリング会社へ売却し、早期に資金を得る資金調達方法です。売掛先の信用力があれば審査に通りやすく、売掛金の入金を待たずにスピーディーに事業資金を確保できるのが特徴です。
利用の流れは、利用者がファクタリング会社に売掛債権の買取を申し込み、審査後に手数料を差し引かれた金額が入金されます。その後、2社間ファクタリング・3社間ファクタリングによって異なりますが、ファクタリング会社が売掛金を回収します。
とくに、売掛先に知られずに資金調達ができる2社間ファクタリングは、多くの事業者にとって利用しやすい選択肢です。
ファクタリングの種類を簡単に解説
一般的にファクタリングと呼ぶ場合は、買取型・保証型の2種類のうち前者を指すケースが大半です。買取型ファクタリングはさらに、2社間ファクタリング・3社間ファクタリングの2つの契約形態に分類されます。
2社間ファクタリング・3社間ファクタリングそれぞれの特徴について、以下の表にまとめました。
ポイント |
2社間ファクタリング |
3社間ファクタリング |
契約当事者 |
利用者・ファクタリング会社 |
利用者・ファクタリング会社・売掛先 |
売掛先の承諾・通知 |
不要 |
必要 |
手数料 |
高め |
低め |
資金化までのスピード |
最短数十分~即日 |
1週間~2週間ほど |
売掛先との関係への影響 |
なし |
通知による影響の可能性あり |
2社間ファクタリングの利用の流れは、以下のとおりです。
- 売掛債権の発生し、ファクタリング会社に売却の申し込み
- 審査・与信チェック
- 契約締結
- ファクタリング会社から入金
- 売掛先から利用者に売掛金が入金
- 利用者がファクタリング会社へ売掛金を送金
一方、3社間ファクタリングは売掛先が直接ファクタリング会社に送金するため、利用者が売掛金を回収する必要はありません。
2社間ファクタリングは、「素早く資金調達したい」「売掛先に知られたくない」といった事業者に向いています。3社間ファクタリングは、手数料をとにかくリーズナブルに抑えたい場合に利用を検討しましょう。
ファクタリングの手数料相場
2社間ファクタリング・3社間ファクタリングそれぞれの手数料相場を、以下の表にまとめました。
ファクタリングの種類 |
手数料の相場 |
2社間ファクタリング(面談) |
10%~20% |
2社間ファクタリング(オンライン) |
2%~12% |
3社間ファクタリング |
1%~9% |
2社間ファクタリングは利用者が売掛金を着服するリスクがあるため、3社間ファクタリングより手数料が高めです。また、売掛先への通知がなく売掛債権の存在確認が困難なのも、2社間ファクタリングの手数料が高い理由のひとつです。
しかし、近年ではオンライン完結・AI審査の導入・コストの削減で、2社間ファクタリングでも手数料が安くなっています。
一方、3社間ファクタリングは売掛債権の存在が確認でき、利用者の着服リスクもないため手数料がリーズナブルです。資金調達コストをできる限り抑えたいなら、3社間ファクタリングの利用を検討するのがおすすめです。
ファクタリングで資金調達するメリット
ファクタリングで資金調達するメリットは、以下のとおりです。
- 資金繰りの改善
- スピーディーな資金調達
- 信用情報に影響がなく安心
- 赤字や債務超過でも利用可能
- 債権回収リスクの軽減
- 担保・保証人が不要
- オフバランス効果
- 2社間ファクタリングは売掛先に通知が不要
ファクタリングのメリットを最大限に活かし、資金繰りの改善をしつつ事業の安定と成長につなげましょう。
資金繰りの改善
ファクタリングは売掛債権を期日前に現金化し、資金繰りを改善できるのが大きなメリットのひとつです。通常、商品やサービスの納入から売掛金の入金までに一定の期間が必要ですが、ファクタリングを利用すれば待ち時間をなくせます。
たとえば、急な仕入れ費用の支払いや人件費の確保が必要になった場合でも、手元の売掛債権を売却して迅速に資金を調達できます。そのため、資金ショートのリスクを未然に防ぎ、安定した事業運営を行えるのが最大の利点です。
スピーディーな資金調達
ほかの資金調達方法と比較して、ファクタリングは申し込みから資金調達までのスピードが非常に速いのがメリットです。たとえば、銀行融資は審査に数週間~1か月以上かかる場合も珍しくありませんが、ファクタリングは最短即日で資金調達できます。
売掛債権の売買契約のため審査対象が主に売掛先の信用力であり、手続きが比較的簡素なのもスピーディーな理由です。急な設備投資や予期せぬ出費が発生したときにも、ファクタリングならビジネスチャンスを逃さず柔軟に対応できます。
信用情報に影響がなく安心
ファクタリングを利用しても事業者の信用情報に影響が及ぶ心配がなく、将来的な融資で不利にならないのもメリットとなります。ファクタリングは銀行融資のような借入ではなく、売掛債権という資産の売買契約にあたるためです。
信用情報をクリーンに保ちながら必要な資金を確保したい事業者にとって、ファクタリングは安心して利用できる選択肢です。事業拡大などで融資を検討しているなら、ファクタリングを賢く利用して将来の展開に備えましょう。
赤字や債務超過でも利用可能
事業者の経営状況が赤字決算や債務超過であっても、ファクタリングを利用できる可能性は十分にあります。ファクタリングの審査では利用者の財務内容よりも、売掛金の支払い元である売掛先の信用力がもっとも重視されるからです。
したがって、自社の業績に不安があっても信頼性の高い売掛債権を保有していれば、審査を通過できるケースは少なくありません。もし銀行融資を断られてしまった場合でも、ファクタリングは有力な資金調達の選択肢となり得ます。
なお、2社間ファクタリングは利用者の財務状況も一定程度は考慮されるため、3社間ファクタリングの利用がおすすめです。3社間ファクタリングはファクタリング会社が直接、売掛先から売掛金を回収するため、利用者の財務状況が重視されないからです。
また、素早い資金調達が必要なら、審査通過率が高いファクタリングサービスを利用するのも有効な方法となります。
債権回収リスクの軽減
ファクタリングには償還請求権がないのが一般的なため、売掛金の未回収リスクはファクタリング会社が負います。償還請求権とは、ファクタリング会社が売掛債権の回収不能時に、利用者に対して代金の返還を求める権利です。
そのため、もし売掛先が倒産して売掛金が回収不能になった場合でも、利用者が損失を負担する必要はありません。ただし、債権回収リスクの軽減はあくまで副次的な効果であり、ファクタリングの本質的な役割ではありません。
売掛債権の未回収リスクを軽減するなら、買取型ファクタリングではなく保証型ファクタリングの利用を検討しましょう。保証型ファクタリングとは、ファクタリング会社に保証料を支払う代わりに、売掛債権未回収時に保証を受けられる仕組みです。
担保・保証人が不要
ファクタリングは融資とは異なり、不動産などの担保や経営者の個人保証を必要としない資金調達方法です。売却する売掛債権が信用の裏付けとなるため、銀行融資やビジネスローンとは異なり、追加の保全措置を求められません。
そのため、担保として提供できる資産を持たない中小事業者や、保証人を見つけるのが難しい個人事業主でも容易に利用できます。申し込みのハードルが低く、手続きも迅速に進められるため、すぐに資金を確保したい場合にファクタリングは適しています。
オフバランス効果
ファクタリングを活用するとバランスシート上の資産を圧縮し、財務指標を改善するオフバランス効果が期待できます。売掛債権を現金化すると総資産が減少し、自己資本比率や総資産利益率といった経営の効率性を示す指標が向上するためです。
財務指標が改善されると、金融機関や売掛先からの事業者評価が高まり、融資審査や取引条件で有利に働く可能性があります。とくに支払いサイトの長い事業者の財務体質を強化し、中長期的な成長基盤を築くうえでも有効な手段です。
2社間ファクタリングは売掛先に通知が不要
2社間ファクタリングは通知が不要なため、売掛先に利用を知られず経営状態や財務状況の悪化を疑われません。
ファクタリングの利用を売掛先に知られると、資金繰り状況を懸念され、今後の関係性に影響が及ぶ可能性があります。しかし、2社間ファクタリングなら売掛先との良好な関係を維持したまま、必要な資金を確保できるのが大きな利点です。
売掛先との信頼関係を大切にしながら資金繰りを改善したい場合には、2社間ファクタリングが最適な選択肢です。
ファクタリングで資金調達するデメリット
ファクタリングで資金調達するデメリットは、以下のとおりです。
- 手数料が高額
- 調達額は売掛債権の範囲内
- 3社間ファクタリングは売掛先の承諾が必要
- 債権譲渡登記に伴うコスト
- 売掛先の信用力に依存
- 悪質な業者の存在
ファクタリングのデメリットを十分に理解し、自社の状況に適した資金調達方法を慎重に検討したうえで選択しましょう。
手数料が高額
ファクタリングは、銀行融資やビジネスローンといったほかの資金調達方法に比べて手数料が割高なのがデメリットです。ファクタリングの手数料を融資などと同様に年利換算するには、以下の計算式を用いてください。
年利換算(%)=(手数料÷支払いサイト)×365日
たとえば、手数料が5%で支払いサイトが60日のファクタリングサービスは、年利換算すると30.4%となります。
30.4%(年利換算)=(5%(手数料)÷60日(支払いサイト))×365日
ファクタリングは短期的な資金繰り改善策としてスポット利用し、長期的には売上アップやほかの資金調達方法を検討しましょう。また、資金調達コストを抑えるためには複数のファクタリング会社から相見積もりをとるのもおすすめです。
調達額は売掛債権の範囲内
ファクタリングで調達できるのは売掛債権額の範囲が上限であり、それ以上の資金調達をしたいならほかの方法を検討しましょう。また、売掛債権額から手数料が差し引かれるのを計算に入れて、ファクタリングを利用するのが大切です。
さらに、診療報酬債権を取り扱う診療報酬ファクタリングでは、掛け目と呼ばれる割合が適用される場合があります。掛け目は売掛先の信用力に応じて70%~90%程度に設定されるため、実際に調達できるのは売掛債権額の一部となります。
したがって、大規模な設備投資や新規事業の立ち上げといった多額の資金が必要な場面にファクタリングは不向きです。一方、売掛金の入金遅延による一時的な資金不足を補うつなぎ資金としての活用には非常に適しています。
ファクタリングの特性を十分に理解し、適したシーンで活用して資金繰りの改善を実現しましょう。
3社間ファクタリングは売掛先の承諾が必要
手数料率を低く抑えられる3社間ファクタリングですが、利用には売掛先の承諾を求められるのがデメリットです。
たとえば、ファクタリングの利用を願い出ると、資金繰りに対して売掛先に悪い印象を与えかねません。経営状況の悪化を懸念されると信頼関係に悪影響を与え、今後の取引の縮小や停止といったリスクも考えられます。
また、売掛先の担当者にファクタリングの仕組みを説明し、契約書への署名・捺印を依頼するなど相応の手間もかかります。そのため、3社間ファクタリングを利用するなら、売掛先に丁寧に説明して理解を得るようにしましょう。
債権譲渡登記に伴うコスト
2社間ファクタリングを利用するとき、手数料とは別に債権譲渡登記のための費用が発生する場合があります。
債権譲渡登記とは、売掛債権が利用者からファクタリング会社へ移転した事実を、第三者に対して法的に公示する手続きです。債権譲渡登記によって、利用者が同じ売掛債権を別のファクタリング会社に売却する二重譲渡のリスクを回避できます。
登記手続きには登録免許税や手続きを代行する司法書士への報酬が必要となり、総額で数万円~十数万円かかります。あらかじめ債権譲渡登記の有無についてファクタリング会社に確認し、かかる費用なども見積もってから契約しましょう。
近年は2社間ファクタリングでも、債権譲渡登記が不要なオンラインファクタリングが主流となっています。また、そもそも債権譲渡登記は法人のみが利用できる制度のため、個人事業主が気にする必要はありません。
売掛先の信用力に依存
ファクタリングの審査では利用者の経営状況よりも、売掛先の支払い能力や信用力が厳しく評価されます。ファクタリング会社にとっては、売掛先の倒産などによって売掛債権が未回収になるのが最大のリスクだからです。
そのため、「業歴が浅い」「財務状況が不安定」「過去に支払い遅延がある」といった売掛先だと、審査落ちする可能性があります。また、仮に審査に通ったとしても、未回収リスクが大きいと判断されて手数料が高くなる傾向が強いです。
なお、売掛先は法人に限られており、個人事業主の売掛債権はほぼファクタリングサービスでは利用できません。ファクタリングを利用するときは、信用力の高い売掛先の売掛債権から申し込むようにすると審査に通りやすくなります。
悪質な業者の存在
ファクタリング業界の一部では、法外な条件で契約を迫る悪質な業者が存在するのも忘れてはならないデメリットです。
悪質な業者の手口として、ファクタリング契約を装いながら実態は高金利の貸付である「偽装ファクタリング」が多く見られます。「ファクタリングを装って金銭消費貸借契約を結ばせる」「買戻し特約をつけて実質的な貸付をする」などが特徴です。
悪質な業者を見極めるポイントは、以下のとおりです。
- 極端に高い手数料を提示する
- 契約書を交付しない
- 償還請求権が入っている
- 売掛金の分割払いができるなどと謳い、実質的な貸付をする
- 審査なしと謳っている
- 公式サイトや事業所の所在地が不明確
少しでも怪しいと感じた場合は契約を中断し、ほかのファクタリング業者の相見積もりをとって比較検討しましょう。なお、もし悪質な業者の被害にすでにあってしまった場合は、以下の窓口に相談するのがおすすめです。
相談先の窓口名 |
特徴 |
金融庁 金融サービス利用者相談室 |
無登録業者など金融トラブル全般に対応 |
日本貸金業協会 相談窓口 |
貸金業関連のトラブルに対応。ファクタリングが実質融資とみなされる場合も相談可能 |
消費者ホットライン(188) |
地元の消費生活センターにつながる全国共通番号。契約トラブルや悪質商法に対応 |
警察相談専用電話(#9110) |
違法行為や押しかけ・脅迫的行為など犯罪性がある場合に対応 |
弁護士会の法律相談センター |
法的な対応や訴訟を視野に入れる場合に活用できる弁護士相談窓口 |
参考:金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」
ファクタリング会社の選び方のポイント
ファクタリング会社の選び方のポイントは、以下のとおりです。
- 手数料の安さ
- 入金スピード
- 買取可能額
- 信頼性
- 契約形態
- 対応している事業形態
- サポート体制
選び方のポイントを踏まえて、自社のビジネスモデルや資金調達の目的にもっとも合致するファクタリング会社を見つけましょう。
手数料の安さ
ファクタリング会社を選ぶうえで、資金調達コストを左右する手数料の安さはもっとも重要なポイントです。
ただし、手数料が低くても登記費用・印紙代・交通費などの諸経費が別途請求され、結果的に総額が高くなるケースがあります。そのため、複数のファクタリング会社から相見積もりをとり、発生する費用を含めた総額で比較検討するのが賢明です。
くわえて、利用するファクタリング会社の候補を選ぶときには、手数料の上限を確認するようにしましょう。手数料の上限が低いファクタリング会社を選ぶと、結果的に資金調達コストが抑えられる傾向にあるからです。
なお、面談のある2社間ファクタリングより、3社間ファクタリングやオンラインファクタリングを選ぶのもひとつの方法です。
入金スピード
急な支払いで資金が必要なときは、入金スピードがファクタリング会社選びで重要視される要素となります。多くは最短即日入金を掲げていますが、なかには最短数十分~数時間の入金スピードを誇るファクタリング会社もあります。
なお、実際に即日入金を実現するには「午前中に申し込みを終える」「必要書類を準備しておく」などが大切です。もちろん3社間ファクタリングではなく、オンライン完結型の2社間ファクタリングを選ぶ必要があります。
買取可能額
自社が希望する資金額が買取可能額の範囲なのかを確認するのは、ファクタリング会社を選ぶうえでの基本です。
ファクタリング会社はそれぞれ買取可能額の下限・上限を設定しており、数万円~数億円まで範囲はさまざまです。そのため、自社の売掛債権額が、会社の買取可能額の範囲に収まっているか事前に確かめる必要があります。
個人事業主や小口取引が多い中小企業は、ファクタリング会社の買取可能額の下限に注目するようにしましょう。一方、数千万円以上の売掛債権を取り扱う法人は、買取可能額の上限をあらかじめ確認してください。
信頼性
金銭取引であるファクタリングを安心して利用するためには、信頼性を見極めるのがたいへん重要なポイントです。信頼性の高いファクタリング会社を見極めるためのポイントは、以下のとおりです。
- 公式サイトに会社情報が明記されている
- 商業登記・法人番号が確認できる
- 実績や取引先企業が公表されている
- 契約内容・手数料体系が明確に説明されている
- 住所がGoogleマップなどで確認できる
- 口コミ・評判でネガティブな評価が少ない
- 問い合わせ対応が丁寧・迅速
ほかにも、契約前には契約書の内容を隅々まで確認し、少しでも不明な点があれば担当者に質問して解消しておく姿勢が大切です。とくに、売掛先が倒産した場合に返済義務が生じない償還請求権なしの契約かどうかは、必ず確認しておきましょう。
契約形態
なかには2社間ファクタリング専門のファクタリング会社もあるため、あらかじめ確認しておきましょう。たとえば、オンライン完結や個人事業主向けのファクタリングサービスは、2社間ファクタリングのみの傾向にあります。
また、どちらも提供している場合でもそれぞれの特性を理解し、自社にあった契約形態を選ぶ必要があります。契約形態によって、手数料率・入金スピード・売掛先への通知の有無などが大きく異なるからです。
素早く資金調達をしたいなら2社間ファクタリング、手数料を安く抑えたいなら3社間ファクタリングがおすすめです。
対応している事業形態
ファクタリング会社を選ぶにあたって、自社の事業形態に対応しているかを確認するのは基本的なステップです。
以前は法人の利用が中心でしたが、近年では個人事業主を対象としたファクタリングサービスも増えています。しかし、ファクタリング会社によっては「法人のみ対象」「特定の業種に特化」といった場合があるため、事前の確認が不可欠です。
法人・個人事業主などの対応している事業形態は公式サイト、もしくは問い合わせであらかじめ把握しておきましょう。
サポート体制
安心してファクタリングを利用するためには、サポート体制が充実しているかどうかも重要な判断材料です。
とくにはじめてファクタリングを利用する場合、専門用語や手続きの流れなど不明な箇所が多く出てくると予想されます。「問い合わせに対して迅速・丁寧に回答してくれるか」「親身になって相談に乗ってくれるか」などを確認しましょう。
また、ファクタリング会社によっては財務・経営コンサルティングを無料で提供している場合もあります。自社の経営についてアドバイスを受けたいなら、コンサルティングサービスのあるファクタリング会社を選びましょう。
ほかに、緊急の資金ニーズが発生したときには、土日祝日や夜間の対応が可能かどうかも大切なポイントです。一部では、銀行の営業時間外や土日祝日でも振込対応をしてくれるファクタリングサービスもあります。
自社に必要なサポートをあらかじめ検討しておき、最適なファクタリングサービスを選んで資金繰りを改善しましょう。
ファクタリングサービスを利用するときに必要な書類
ファクタリングサービスを利用するときに必要な書類の一例を、以下の表にまとめました。
書類名 |
用途・補足 |
請求書 |
売掛債権の内容確認 |
通帳のコピー(3か月~6か月) |
売上・入金実績の確認 |
本人確認書類 |
本人確認 |
商業登記簿謄本または開業届 |
事業の実在性確認(法人・個人事業主) |
印鑑証明書 |
契約締結時の確認書類 |
決算書(直近1期~2期) |
財務状況の確認(法人) |
確定申告書 |
所得状況の確認(個人事業主) |
発注書・納品書など |
実際の取引の証明 |
残高試算表 |
財務の現況を把握 |
納税証明書・保険料支払い証明書 |
公的義務の履行状況の確認 |
すべてが必要になるわけではなく、少ない場合は請求書・通帳のコピー・本人確認書類の3つが求められます。また、法人だと登記謄本や決算書類、個人事業主だと確定申告書が必要となるケースもあります。
必要書類はファクタリングサービスによって3つ~7つと大きく異なるため、事前に公式サイトで確認しておきましょう。また、申し込み時と契約時で求められる書類が異なるケースもあるため、注意が必要です。
ファクタリングで資金調達をする流れ
2社間ファクタリングの資金調達の流れを、以下の表にまとめました。
手順 |
内容 |
1.ファクタリング会社の選定・相談 |
電話・Webフォームから申し込み、売掛債権の内容や希望額を伝える |
2.書類提出・審査 |
請求書・通帳・決算書などを提出し、売掛先の信用力などを審査 |
3.条件提示・契約締結 |
手数料や買取金額が提示され、同意すれば契約 |
4.資金の受け取り |
契約後、手数料差し引き後の買取金額が入金される |
5.売掛金の回収・支払い |
売掛先から入金後、ファクタリング会社へ支払い
※3社間は売掛先が直接支払い |
なお、3社間ファクタリングは売掛先が直接ファクタリング会社に売掛金を入金するため、ステップ5がありません。また、2社間ファクタリングとは異なり、ステップ3の契約締結時に売掛先への通知が行われて契約締結となります。
おすすめファクタリングサービス5選!メリット・デメリットも紹介!
おすすめファクタリングサービス5選は、以下のとおりです。
- ビートレーディング | 豊富な実績と最速2時間の資金化で事業を加速!
- オルタ | AI審査でスピーディー!オンライン完結のクラウドファクタリング!
- ペイトナーファクタリング | フリーランスに最適!最短10分で資金化できる!
- JBL | 柔軟な対応力と最速2時間資金化を両立!
- 日本中小企業金融サポート機構 | 業界最低水準の手数料で安心の資金調達!
それぞれのメリット・デメリットを理解し、自社の資金調達の目的にあわせて最適なファクタリングサービスを選びましょう。
ビートレーディング | 豊富な実績と最速2時間の資金化で事業を加速!

種類 |
・2社間ファクタリング
・3社間ファクタリング
・注文書ファクタリング
・診療報酬ファクタリング |
買取可能額 |
下限・上限なし |
手数料 |
2社間ファクタリング:4%~12%
3社間ファクタリング:2%~9% |
入金スピード |
最短2時間 |
手続き方法 |
オンライン・LINE |
公式サイト(FR用) |
https://betrading.jp/ |
ビートレーディングは取引実績7万1,000社以上、累計買取額1,550億円以上と実績豊富なファクタリングサービスです。最短2時間で申し込みから入金までが可能なオンライン完結型のため、急いで資金を必要とする事業者にとって心強い味方です。
また、受注時点で資金調達ができる注文書ファクタリングに対応しているのも、ビートレーディングの大きな特徴となります。通常の請求書ファクタリングよりも早い段階で資金調達できるため、支払いサイトの長い事業者に向いています。
一方、手数料は2%からと業界最低水準ですが、契約内容によっては変動するため、事前にしっかりと見積もりを確認しましょう。豊富な実績と高い信頼性を持つファクタリングサービスを安心して利用したい人には、ビートレーディングはおすすめです。
オルタ | AI審査でスピーディー!オンライン完結のクラウドファクタリング!

オルタはAI審査を導入し、オンライン完結型でスピーディーな資金調達を実現するクラウドファクタリングサービスです。すべての手続きがオンラインでできるため、場所や時間を問わずに忙しい事業者でも利用できる手軽さが魅力です。
手数料が2%~9%と非常に良心的な設定で、上限が明確に設定されているのもオルタを安心して利用できるポイントとなります。また、手数料に諸経費込みのシンプルな料金体系なので、予想外の費用が発生する心配がありません。
くわえて、買取金額に上限も下限も設けられていないため、事業規模にかかわらず利用しやすいのがオルタの特徴です。手数料を抑えつつスピーディーに資金調達をしたいなら、オルタはもっとも有力な選択肢のひとつです。
ペイトナーファクタリング | フリーランスに最適!最短10分で資金化できる!

ペイトナーファクタリングは、フリーランスや個人事業主にとって非常に利用しやすいサービス設計が特徴です。
最短10分という驚異的な入金スピードが最大の魅力で、急な資金需要にもペイトナーファクタリングなら素早く対応できます。また、AIを活用した審査により申し込みから入金までがオンラインで完結するため、手間をかけずに資金調達が可能です。
手数料が一律10%で固定されており、買取可能額は初回30万円までですが、利用実績に応じて最大150万円になります。買取可能額の下限がなく、小口の売掛債権が多い個人事業主やフリーランスにとって使い勝手のよいファクタリングサービスです。
個人事業主やフリーランスは万が一の資金トラブルに備えて、ペイトナーファクタリングで利用実績を拡大しておきましょう。
JBL | 柔軟な対応力と最速2時間資金化を両立!

JBLはオンライン完結型でありながら、柔軟な対応力とスピードを両立させているファクタリングサービスです。
AIチャットボットによる無料査定を利用すれば、申し込み前に買取可能額の目安をすぐに把握できます。申し込みから入金まで最短2時間で、急な資金調達が必要なときにスピーディーに対応してくれるのがJBLの強みです。
また、他社からの乗り換え特典も用意されており、よりよい条件での資金調達を目指せる可能性があります。買取可能額が最大1億円のため、大口の売掛債権を持つ法人が安心して利用できるのもJBLの魅力のひとつです。
大口の売掛先がある法人や、他社で高い手数料に悩んでいる利用者はJBLのファクタリングサービスを検討しましょう。
日本中小企業金融サポート機構 | 業界最低水準の手数料で安心の資金調達!

日本中小企業金融サポート機構は、非営利団体である一般社団法人が運営するファクタリングサービスです。手数料は1.5%~10%と業界でも最低水準であり、コストを抑えて資金調達をしたい事業者にとって非常に魅力的です。
申し込みから早ければ30分で審査結果がわかり、最短3時間で資金調達が可能なスピーディーな対応力も兼ね備えています。オンラインで手続きが完結するため、全国どこからでも利用でき、必要書類が少ないのも魅力のひとつです。
また、ファクタリングだけでなく、補助金申請のサポートなど経営全般に関するコンサルティングも行っています。資金調達をきっかけに、経営上のさまざまな課題について専門家のアドバイスを受けられるのは大きな利点です。
資金繰りと経営の両方の悩みを一度に解決したいなら、日本中小企業金融サポート機構はおすすめの選択肢です。
ファクタリングのメリット・デメリットに関するよくある質問
ファクタリングのメリット・デメリットに関するよくある質問は、以下のとおりです。
- ファクタリングは債務者・売掛先にメリットはある?
- 一括・保証・国際ファクタリングのそれぞれのメリット・デメリットは?
- 銀行はファクタリングを提供していない?
- ファクタリングが「やばい」「違法では?」といわれる理由とは?
- ファクタリングは英語でなんという?
- そもそも売掛債権とは?
あらかじめファクタリングのメリット・デメリットに関する疑問を解消し、賢く上手に資金調達を実現しましょう。
ファクタリングは債務者・売掛先にメリットはある?
ファクタリングは主に債権者である納入事業者向けのサービスで、債務者である売掛先にとって直接的なメリットはありません。
しかし、間接的には納入事業者の資金繰りが安定すると、売掛先は製品やサービスの安定供給を期待できます。また、納入事業者が倒産するリスクが低下し、連鎖倒産を避けられるのも売掛先のメリットのひとつです。
もし売掛先からファクタリング利用の打診があったときは、間接的なメリットも考慮して判断するようにしましょう。
一括・保証・国際ファクタリングのそれぞれのメリット・デメリットは?
一括ファクタリングとは、買い手企業が主導してファクタリング会社と契約を結んで支払い業務を委託する仕組みです。その後、売掛債権をファクタリング会社が一括で買取し、売り手企業に手数料を差し引いた商品・サービスの代金を入金します。
手形の代わりとして新たに登場した仕組みで、買い手企業が主導するのが通常の買取ファクタリングと異なります。
保証ファクタリングとは、利用者がファクタリング会社に保証料を支払い、売掛債権の未回収時に保証金を受け取れる仕組みです。買取ファクタリングと異なり、ファクタリング会社に支払った保証料は返ってきません。
国際ファクタリングとは、輸出企業が海外の売掛金をファクタリング会社に売却し、保証・回収を任せる仕組みです。一括ファクタリング・保証ファクタリング・国際ファクタリングそれぞれの仕組みを、以下の表にまとめました。
ファクタリングの種類 |
メリット |
デメリット |
一括ファクタリング |
・手形発行・印紙税を削減できる
・売り手・買い手双方にとって手形不渡りリスクがない
・売り手企業の資金化が早い |
・買い手企業の審査が必要
・支払いサイトが短くなる場合がある |
保証ファクタリング |
・貸し倒れリスクを軽減できる
・売掛先に通知せず利用可能
・与信管理を任せられる |
・保証料が発生する
・審査により保証対象外となる場合がある |
国際ファクタリング |
・売掛債権の100%保証が可能
・L/Cより簡易で低コスト
・早期資金化ができる |
・手数料が高め
・対応業者が少ない
・契約が複雑でカントリーリスクもある |
銀行はファクタリングを提供していない?
銀行やグループ会社が提供するファクタリングサービスは、一般的に銀行系ファクタリングと呼ばれます。銀行系ファクタリングは一般的なファクタリングに比べて手数料が低く、銀行という信頼感があるのが大きなメリットです。
ただし、銀行系ファクタリングの多くが提供しているファクタリングサービスは、以下のとおりです。
- 診療報酬ファクタリング
- 一括ファクタリング
- 保証ファクタリング
- 国際ファクタリング
銀行系ファクタリングは、診療報酬債権以外の買取ファクタリングを提供しているのはまれな点には留意しておきましょう。また、買取ファクタリングを提供しているとしても3社間ファクタリングで、資金調達には数週間かかるのも珍しくありません。
ファクタリングが「やばい」「違法では?」といわれる理由とは?
ファクタリングが「やばい」「違法」などの印象を持たれるのは、偽装ファクタリングや給与ファクタリングなどが理由です。
給与債権の買取を謳う「給与ファクタリング」、ファクタリングを装った貸付である「偽装ファクタリング」はどちらも違法です。一方、ファクタリング自体は売掛債権を譲渡する合法的な金融取引であり、経済産業省も認めています。
なお、2010年代のファクタリング業界は法外な手数料の悪質な業者が存在しましたが、現在では優良業者が大半です。背景には「裁判所の判例によって違法性の線引きがされた」「ファクタリング業界が健全化への努力をしてきた」などがあります。
ファクタリングは英語でなんという?
ファクタリングは国際的に使われている金融用語であり、英語でも日本語と同じく「factoring」と表現されます。語源は債権を買取する会社を指す「factor」に由来し、「factoring」は「売掛債権買取業務」と説明されています。
そもそも売掛債権とは?
売掛債権とは売り手企業が商品やサービスを買い手企業に提供し、対価として将来的に代金を受け取る権利を指します。事業者間では後日まとめて支払う掛け取引が一般的であり、そのときに発生するのが売掛債権です。
代表的な例は売掛金で、ほかにも約束手形によって支払いが保証されている受取手形も売掛債権の一種です。売掛債権は事業者の資産ですが、支払い遅延や貸し倒れのリスクも伴うため、適切に管理して経営を安定させましょう。
ファクタリングのメリット・デメリットを理解して賢く活用!
ファクタリングは事業者が保有する売掛債権をファクタリング会社へ売却し、早期に資金を得る資金調達方法です。
ファクタリングは、資金繰りの改善・スピーディーな資金調達・信用情報への影響がないなどがメリットです。また、赤字や債務超過でも利用可能であり、債権回収リスクの軽減や担保・保証人が不要という利点もあります。
一方、手数料が高額になりがちで、調達額は売掛債権の範囲内に限られるのがファクタリングのデメリットです。ファクタリングのメリット・デメリットを十分に理解し、賢く活用して資金繰り改善とビジネスの成長を実現しましょう。