売掛金を期日前にファクターへ売却し、早期資金化するファクタリング。

ファクタリングは、メリットとデメリットがはっきりと分かれています。

利用するのであれば、メリットだけを受けられるタイミングで活用したいものです。

しかし、多くの人がファクタリングについて「売掛債権を早期資金化できる」というメリットしか理解していないのではないでしょうか?

しかし、ファクタリングのメリットはそれだけではありません。

手数料を払ってでも得るべきメリットはまだ他にも多数あります。

今回は、ファクタリングのメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。

メリットとデメリットをよく理解し、自社にとって最もメリットを得ることができるタイミングでファクタリングを活用することができるようになりましょう。

 

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ファクタリング6つのメリット

ファクタリング6つのメリット

ファクタリングには銀行融資やビジネスローンにはない次のようなメリットがあります。

  • 即日の資金調達
  • 審査の柔軟性
  • 回収リスクの排除
  • 決算書悪化の防止
  • 第3者への秘匿性
  • バックオフィス業務の効率化

ファクタリングというと「売掛金を期日前に早期資金化する」ことだけだと思っている人が多いですが、実はファクタリングのメリットはそれだけではありません。

お金の調達しやすさや、取引先と安心して取引できるようになることや、自社に対する外部からの評価など、さまざまなメリットがあります。

ファクタリングのメリットの全てを解説していきます。

即日の資金調達

ファクタリング1つ目のメリットは、最短即日で資金調達することができるスピードです。

銀行融資が申し込みからいくら早くても1週間はかかることを考えれば、急にお金が必要になった時や、銀行融資が下りてくるまでのつなぎ資金としてファクタリングを利用できます。

「月末、入金予定のお金が入金にならず、急にお金が足りなくなった」「手形の決済代金が不足している」などの緊急時にファクタリングは活用できます。

審査の柔軟性

ファクタリング2つ目のメリットが審査の柔軟性です。

ファクタリングは自社の業業が悪く銀行の審査に通過することができない状況であっても審査に通過することができる可能性があります。

ファクタリング審査では自社の業況はそれほど重視されません。

ファクタリング審査で重視されるのは、債務者である売掛先企業の業況になります。

そのため、自社に信用がなくお金を借りることができない状況であっても、保有する売掛債権の債務者である売掛先企業の業況に問題なければ審査に通過でき、資金調達可能になることがあるのです。

売掛債権の回収リスクの排除

ファクタリングの特徴的なメリットが売掛金の回収リスクを排除することができるという点です。

ファクタリングは原則的に、売掛債権売却時に売掛債権の回収リスクも売却します。

このため、もしもファクタリング後に売掛先企業が倒産したとしても、自社にその責任は及びません

売掛債権のデフォルトリスクはファクターが負ってくれますので、売掛債権につきものの回収リスクを完全に排除することができるのです。

決算書悪化の防止

ファクタリングは借入によって資金調達するよりも決算書の悪化を防ぐことができるというメリットもあります。

借入によって100万円調達した場合には、「借入金」という負債と、「現預金」という資産の両方が増えることになり、結果として貸借対照表は100万円大きくなってしまいます。

しかし、ファクタリングは「売掛金」という資産と、「現預金」という資産を交換しているだけですので、ファクタリングによって100万円を調達しても貸借対照表が大きくなることはありません。

今は、不要な資産も負債もできる限り持たない「貸借対照表のオフバランス化」が評価される時代ですので、借入によって資金調達するよろもファクタリングで資金調達した方が決算書に対する外部からの評価が高くなるのです。

第3者への秘匿性

2社間ファクタリングではファクタリングを行なったことは基本的に自社とファクターの間だけの秘密にすることができます。

2社間ファクタリングでは、売掛先の同意を得ずに行うことができるので売掛先にもファクタリングをしたことを秘密にできます

ファクタリングを行なったことが売掛先にバレてしまうことによって「資金繰りが相当苦しいのかもしれない」などと悪く判断され、取引を切られてしまうかもしれません。

2社間ファクタリングは売掛先に秘密で行うことができるので、取引先との関係に亀裂が入るような心配はないでしょう。

また、ファクタリングは銀行や株主にも秘密にすることができます。

決算書上は売掛金と現金を交換しただけですので、借入の履歴などが決算書に記録される心配はありません。

ビジネスローンなどを利用したことを銀行へ知られると、銀行評価が下落することがありますが、ファクタリングは決算書に記録されないので銀行や投資家などに知られることがなく安心です。

バックオフィス業務の効率化

ファクタリングの隠れたメリットがバックオフィス業務の効率化です。

ファクタリングをすれば売掛金の管理などはファクターが行なってくれるので、これまで売掛金の管理に費やしてきた人員や時間などのコストの効率化を図ることができるでしょう。

また、ファクタリングに申し込むことによって売掛先企業が審査にかけられます。

売掛先企業が突然倒産しないように、多くの企業が四苦八苦しながら売掛先の与信管理を行なっているのではないでしょうか?

ファクタリングに申し込むことによって審査のプロであるファクタリング業者がプロの目線で売掛先を審査してくれます。

これまで自社で行なっていた与信管理をアウトソーシングすることができるのです。

ファクタリングは売掛金の回収事務や与信管理などの企業のバックオフィス業務を効率化することができるメリットもあります。

ファクタリング6つのデメリット

ファクタリングには銀行融資などの資金調達方法と比較して多数のメリットがありますが、デメリットも少なくありません。

ファクタリングは手数料が高いことや、業者選びが難しいなどの次の6つの点に注意しましょう。

  • 高額な手数料
  • 掛け目
  • 違法業者の存在
  • 資金繰りや業況の悪化を懸念される
  • 売掛先の業況によって資金調達できないことも
  • 資金調達額は売掛債権の範囲内

手数料や業者選びには特に注意しなければなりません。

ファクタリングの6つのデメリットについてもしっかりと理解しておきましょう。

高額な手数料

手数料の違い

ファクタリングの最大で唯一と言ってもいいデメリットは高額な手数料です。

  • 2社間ファクタリングの手数料相場は10%〜20%
  • 3社間ファクタリングの手数料相場は5%〜10%

銀行から事業資金を借りた場合には2%前後の金利ですし、ノンバンクのビジネスローンでも1年間で15%〜20%程度です。

ファクタリングはたった1〜2ヶ月という短い期間資金調達するだけなのに、売掛債権の10%〜20%程度の手数料が取られてしまいます。

ここは借入と比較して非常に大きなデメリットと言えるでしょう。

確かにファクタリングをすれば最短即日で売掛債権を現金に換えることができます。

しかし、売掛債権の支払期日まで待つことができれば売掛金は満額受け取ることができるので、高額な手数料負担は長期的に見れば企業の資金繰りや収益も圧迫します。

やはり借入金よりも圧倒的に高額なファクタリングの手数料は資金繰り面でも収益面でも大きなデメリットと言えるでしょう。

掛け目が発生し調達額が少なくなる

ファクタリングには掛け目という概念があります。

掛け目とは「売掛債権の額面金額のうち、どの程度の割合を買い取ってもらうことができるのかの数値」のことです。

例えば掛け目が7割であれば、売掛債権の額面金額の7割しか買い取ってもらうことができません。

ファクタリング会社は、万が一売掛債権が回収できない場合のリスクを考慮して、額面金額全額を買い取ることは基本的にはありません。

例えば100万円の売掛金を掛け目7割、手数料10%でファクタリングした場合の振込金額は次のようになります。

100万円×掛け目70%=70万円
70万円-(70万円×手数料10%)=63万円

このように、実際に現金化できる金額は額面金額の6割程度になるのが基本です。

できる限り大きな金額を調達したいのであれば、ファクタリング会社によって掛け目は異なるので、複数社から査定をとって、掛け目が大きなファクタリング会社と取引した方がよいでしょう。

違法業者の存在

ファクタリング業者の中には悪徳業者が混じっているという点も借入と比較した場合のデメリットということができるでしょう。

悪徳業者に引っかかってしまうと30%以上もの高額な手数料を設定されることがあります。

借入であれば銀行業や貸金業として国などに登録をしなければ営業することができません。

そのため、しっかりと確認すれば闇金からお金を借りてしまう心配はありません。

しかし、ファクタリングは国や地方自治体への登録や許認可が全く必要なく、どんな業者もファクタリング業務を営むことができるので、残念ながら闇金が混じっていたり、最初から高額な手数料を顧客から搾取することを目的としている悪徳業者も混在しています

自分の責任で業者をしっかりと選定しないと、悪徳業者に騙されてしまうリスクがあるという点はファクタリングのデメリットと言えるでしょう。

資金繰りや業況の悪化を懸念される

ファクタリングを利用していることが、他社や取引金融機関に知られてしまうと、「資金繰りが悪化している」とか「業況が悪くなっている」などと懸念されてしまう可能性があります。

最近は普及してきたファクタリングですが、まだまだ昔ながらの経営者や地方銀行や信用金庫などではポピュラーな資金調達方法とまでは言えません。

そのため「消費者金融からお金を借りている」と同じようなネガティブな視線で自社を評価されるリスクがあります。

2社間ファクタリングであれば取引先にファクタリング利用を知られる心配はありませんが、3社間ファクタリングでは取引先にファクタリング利用を知られてしまいます。

ファクタリングを利用する際には、2社間と3社間を慎重に使い分けることも重要です。

売掛先の業況によって資金調達できないことも

ファクタリングで審査の対象となるのは主に売掛先企業です。

そのため、売掛先企業の業況が悪い場合には資金調達できないことがあります。

役所や上場企業の売掛債権であれば審査に通過できる可能性は非常に高いですが、小規模企業に対する売掛債権では審査に通過できない可能性もあります。

また、個人事業主に対する売掛債権は受け付けてもらえないことも珍しくありません。

ファクタリングによる入金を当てにしていても、審査に落ちて資金繰りに困窮してしまうということもあるので、大手企業や官公庁などできる限り優良取引先の売掛債権をファクタリングした方がよいでしょう。

資金調達額は売掛債権の範囲内

ファクタリングで資金調達できるのは売掛債権の範囲内です。

売掛債権を売却するのがファクタリングので、売掛債権の金額を超える資金調達をすることは絶対に不可能です。

そのため「大きな金額を調達して設備投資をする」などの用途にファクタリングは利用できません。

銀行融資では長期資金による高額な資金調達が可能なことと比較すると、調達可能額が売掛債権の額面金額に限られてしまうという点は金融機関からの融資と比較した場合のファクタリングのデメリットだと言えるでしょう。

ファクタリングのメリットが得られる5つのケース

ファクタリングのメリットが得られる5つのケース

ファクタリングには多くのメリットがありますが、手数料が高いのが難点です。

高い手数料を払ってでも、ファクタリングのメリットを得ることができるタイミングとして5つの状況を想定することができます。

  • 即日資金が必要
  • 銀行から融資受けられない
  • 借入を銀行に知られたくない
  • 新規取引先の与信を知りたい
  • 節税を行いたい

それぞれ、ファクタリングがどのように活用できるの具体的に見ていきましょう。

即日資金が必要な場合

即日で資金が必要という場合には、法人の場合はファクタリングを利用するのが最も可能性の高い選択肢です。

ノンバンクのビジネスローンも即日融資に対応していますが、ノンバンクのビジネスローンは個人事業主向けのものが多くなっています。

法人の場合にはファクタリングの方が即日融資に対応しているので

「取引先から予定していた入金が遅れることになった」

「予定していた銀行融資が下りない」

「今日お金を用意しないと手形が不渡りになる」

などの緊急性が高い場合の資金繰りには最もファクタリングが対応できるでしょう。

銀行から融資を受けられない時

銀行から融資を受けることができない場合はファクタリングが活用できます。

大きな融資を予定している前や、先日融資を受けたばかりなどの場面や、赤字や債務超過の場合は銀行から融資を受けることが難しくなります。

前述したようにファクタリングであれば審査対象は売掛先になりますので、銀行融資を受けることができない状況下でも審査に通過できる可能性があるでしょう。

銀行融資に通過できない場合には、できる限り業況がよい多いな企業に対する売掛債権をファクタリングすることで、資金調達できる可能性があります。

借入を銀行に知られたくない場合

銀行に他から資金調達をしたことを知られたくない場面でもファクタリングは有効です。

ファクタリングは決算書に記録が残らないためです。

銀行から融資を受けることができない場面ではノンバンクのビジネスローンも活用できますが、ノンバンクのビジネスローンを借りると決算書に記録が残るので、銀行や株主からの自社の評価がマイナスになる可能性もあります。

銀行や株主から「金利の高いノンバンクからお金を借りるということは経営が相当苦しい」とマイナス評価をされないためには、決算書に記録が残らないファクタリングを利用して資金調達することが有効です。

新規取引先の与信を知りたい時

ファクタリングは新規取引先の与信判断にも活用することができます。

企業にとって新規で取引を行う企業に対して「取引をしても安全な企業かどうか」という判断は非常に困難です。

もしかしたら、従前の取引先と支払いに関するトラブルを起こしたために自社との取引を希望している場合があります。

このような「海のものかも山のものかも分からない」という取引先の判断にファクタリングを活用することができます。

新規取引先の売掛債権をファクタリングに申し込むと、審査のプロであるファクターが新規取引先の審査を行なってくれます。

問題なく審査に通過できるようであれば、取引をしても問題ない取引先という判断ができますし、審査に通らないのであれば経営状況が危うい取引先であるので今後の取引は再検討しなければなりません。

このように、新規取引先の与信を知るためにもファクタリングは活用することができます

節税をしたい時

利益が出ているタイミングで節税のためにファクタリングを活用することもできます。

ファクタリングの手数料は経費に算入することができるので、利益が出ているタイミングで税金対策をすることもできるためです。

利益が出ているタイミングでファクタリングを利用することで、節税効果を得ながら資金繰りの円滑化や、バックオフィス業務の効率化も行うことができます

利益が出ているときはファクタリングは必要ないと思いがちですが、利益が出ている時こそ、ファクタリングの高い手数料を節税に寄与させながら、様々なメリットを得ることができるのです。

ファクタリング会社を選ぶポイント

ファクタリングのメリットとデメリットを踏まえた上で、最適なファクタリング会社の選び方にについてもしっかりと理解しておきましょう。

ファクタリング会社を選ぶ際のポイントは次の3点です。

  • 手数料が20%以下のファクタリング会社を選ぶ
  • 非対面で契約できるファクタリング会社を選ぶ
  • 保有する売掛債権額に対応したファクタリング会社を選ぶ

メリットを生かせるファクタリング会社を選択する3つのポイントについて詳しく解説していきます。

手数料が20%以下のファクタリング会社を選ぶ

ファクタリングのデメリットである高額な手数料を負担をできる限り少なくするために、手数料が20%以下のファクタリング会社を選択しましょう。

2社間ファクタリングは手数料が高くなる傾向にありますが、20%を超える手数料を設定しているファクタリング会社はあまり健全とは言えません。

査定を取った段階で20%を超えるような手数料が設定された場合には、他のファクタリング会社の利用を検討した方がよいでしょう。

また、できれば上限手数料が「〇〇%」とあらかじめ上限の手数料が決められているファクタリング会社を選択した方が安心です。

非対面で契約できるファクタリング会社を選ぶ

素早く資金調達したいのであれば、非対面で契約できるファクタリング会社を選択するのがベターです。

対面型のファクタリング会社の場合、安心感はあるものの、わざわざファクタリング会社の窓口まで訪問しなければならないので、どうしても資金化までの時間がかかってしまいます。

また、地方在住の事業者の方は簡単に訪問することができません。

そのため、オンラインで契約が完結できるファクタリング会社を選択するのがよいでしょう。

なお、最近の対面型のファクタリング会社は交渉によってzoomなどでの面談に代えてくれることも多いので、ファクタリング会社の窓口まで訪問している時間がないという方はオンラインでの対面で契約できないか交渉するのも有効な方法です。

保有する売掛債権額に対応したファクタリング会社を選ぶ

ファクタリング会社によって売掛債権の買取可能額は異なります。「100万円〜」と決められている会社もあれば、「〜100万円」までと決められている会社もあり、買取可能額はファクタリング会社によってさまざまです。

そのため、自社が保有する売掛債権の額面金額の買取りに対応しているファクタリング会社を選択しなければ、どんなに優良企業の売掛債権をファクタリングしたとしても、現金化することはできないので注意しましょう。

ファクタリングを利用する流れ

ファクタリングには、ファクタリング会社と申込企業だけで契約する2社間ファクタリングと、ファクタリング会社・申込企業・売掛先企業の3社で契約する3社間ファクタリングの2つの種類があります。

それぞれのファクタリングで取引の流れが違い、メリット・デメリットも異なります。

適切にファクタリングを活用するために、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングを利用する流れについて詳しく理解していきましょう。

2社間ファクタリングの流れ

2社間ファクタリングは次のような流れを行われます。

  1. ファクタリング会社への申し込み
  2. ファクタリング会社の審査
  3. ファクタリング会社と契約後に振り込み
  4. 申込企業が売掛債権入金後へファクタリング会社へ支払い

申込企業とファクタリング会社との契約だけで契約が完結し、売掛先企業の同意などは必要ありません。

そのため、申込から入金まで最短即日で完結します。

売掛債権の期日になったら、売掛先企業は通常通りに申込企業に対して代金を支払うので、申込企業はその代金をファクタリング会社へ送金して、支払完了です。

売掛先企業へファクタリングを利用したことは知られません。

2社間ファクタリングは「売掛先企業に対してファクタリングを利用したことを知られたくない」「すぐにお金が欲しい」というようなケースで活用するのがおすすめです。

3社間ファクタリングの流れ

3社間ファクタリングはあらかじめ売掛先企業の同意を得て契約するファクタリングです。

申込から入金までの流れは次のようになります。

  1. ファクタリング会社へ申し込み
  2. ファクタリング会社と売掛先企業が合意
  3. ファクタリング会社の審査
  4. ファクタリング会社と契約後に振り込み
  5. 売掛先企業がファクタリング会社へ支払い

3社間ファクタリングの場合には、申込時に売掛先企業の同意を得て、ファクタリング会社を売掛先企業が契約を行います。

売掛先企業との契約手続きに時間がかかるので、申込から入金までには1週間〜2週間程度の時間がかかります。

売掛債権の期日になると、売掛先企業が直接代金をファクタリング会社へ支払うので、期日に申込企業が行うことはなく、回収や請求等はファクタリング会社が行ってくれます。

また、2社間ファクタリングのように、代金が申込企業を通過することがないので、代金持ち逃げや流用のリスクが皆無でファクタリング会社にとっては2社間ファクタリングよりもリスクの低いファクタリングです。

そのため、2社間ファクタリングと比較して手数料が低くなることが特徴です。

「できる限り低い手数料でファクタリングを利用したい」「売掛債権の回収事務や請求手続きを外部委託したい」という場合には、3社間ファクタリングの方がメリットを得られます。

買取ファクタリング以外の4つの種類

ファクタリングには売掛債権を個別にファクタリング会社へ売却する買取ファクタリングの他にも、貿易や貸倒れの保証を行うものや、診療報酬を売却するものなど、次の4つの種類があります。

  • 一括ファクタリング
  • 国際ファクタリング
  • 保証ファクタリング
  • 診療・介護・調剤報酬ファクタリング

それぞれのファクタリングのメリットとデメリットを理解することで、最適な方法を選択できるようになります。

買取ファクタリング以外の4つのファクタリングがどのようなものか、簡単に解説していきます。

一括ファクタリング

一括ファクタリングは支払企業が金融機関の一括ファクタリングシステムを導入することによって、納入企業が保有する売掛金をいつでも資金化できるようにするサービスです。

売掛金に手形のような信頼性と換金性を持たせたサービスだと言えます。

支払企業が一括ファクタリングシステムを導入していれば、当該支払企業の売掛債権を保有している納入企業はいつでも売掛債権を資金化できます。

手形の管理コストや発光コストや紛失のリスクを排除して、いつでも現金化できる決済方法だと言えます。

今はほとんど同じ機能を持つでんさいに置き換わっているので、一括ファクタリングを取り扱っている銀行はほとんどありません。

国際ファクタリング

国際ファクタリングとは、日本のファクタリング会社と海外のファクタリング会社とが連携して、海外企業に対する売掛債権に保証を与えるものです。

従来の信用状による貿易取引には、時間と手間が非常に長くかかり手続きが非常に煩雑でしたが、国際ファクタリングであれば、時間と手間を大幅に節約できます。

手数料は信用状による取引よりも高くなるものの、高い利便性から利用者が増えています。

保証ファクタリング

保証ファクタリングとは売掛債権のファクタリング会社が保証をつけるものです。

万が一、売掛債権が貸し倒れた場合には、ファクタリング会社が債務者に代わって代金を支払います。

そのため保証ファクタリングを利用しておけば、納入企業は100%代金を回収でき安心です。

企業にとって与信管理は非常に重要ですが、取引先の与信判断は困難です。

「取引先の経営状態が心配」という場合には保証ファクタリングを利用することで、安心して取引できます。

また、初めて取引をする企業の財務状態などが不明な場合も、保証ファクタリングを利用することによって安心して取引を開始できます。

診療・介護・調剤報酬ファクタリング

診療・介護・調剤報酬ファクタリングとは、診療・介護・調剤報酬などの売掛債権だけをファクタリングすることです。

例えば、診療報酬などは売上が発生してから最大で3ヶ月近く現金化できません。

例えば2月1日に発生した診療報酬は、3月半ばに国保連などへ請求をすると、入金になるのは4月末になります。

このように、診療・介護・調剤報酬債権は債権発生から入金までの時間が長いので資金繰りが楽ではありません。

診療・介護・調剤報酬ファクタリングは診療・介護・調剤報酬債権の買い取りを専門に行っており、診療・介護・調剤報酬債権は債務者が公的団体ですので、回収可能性が非常に高いです。

そのため1%〜2%程度の低い手数料でファクタリングできます。

メリットの多いおすすめファクタリング会社7選

ファクタリングにはメリットもデメリットも多数ありますが、その中でもメリットの多い優良ファクタリング会社として次の7社をあげることができます。

  • ペイトナーファクタリング
  • OLTAクラウドファクタリング
  • ビートレーディング
  • アクセルファクター
  • トップマネジメント
  • ベストファクター
  • GMO BtoB早払い

おすすめのファクタリング会社7社の特徴をご紹介していきます。

ペイトナーファクタリング

契約方式 非対面
提携サービス 2社間
手数料 固定10%
入金スピード 最短10分
債権買取額 最大100万円

ペイトナーファクタリングは、手数料が10%に固定されているのが最大の特徴です。

10%を超えるような高額な手数料が設定されるリスクは全くありません。

また、オンラインで請求書をアップロードするだけですので、手続きは非常に簡単です。

最短10分で資金化できるので、急いでいる方にも最適です。

買取額は100万円までとなっているので、小口の売掛債権を保有している中小事業や個人事業主向けのファクタリング会社だと言えるでしょう。

OLTAクラウドファクタリング

契約方式 非対面
提携サービス 2社間
手数料 2~9%
入金スピード 最短即日
債権買取額 制限なし

オンライン完結型ファクタリングの元祖と言えるのがOLTAです。

手続きを全てオンラインで完結することができ、手数料も9%を超えることがなく安心です。

最短で1日で資金調達できるので急いでいる時も活用できるでしょう。

また、資本金は25億円を超えており、野村證券や、ソニー、野村総合研究所などの一流企業で、資金調達や経営管理の従事していた優秀な人材が役員となっているので、他のファクタリング会社と比較して圧倒的な安心感があります。

ビートレーディング

契約方式 対面式
提携サービス 2社間、3社間、診療報酬、介護報酬
手数料 2社間:5%~
3社間:2%~
入金スピード 2社間:最短即日
3社間:2日〜3日程度
債権買取額 制限なし

対面型ファクタリング会社の代表的な存在がビートレーディングです。

2社間ファクタリングや3社間ファクタリングだけでなく、診療報酬や介護報酬、さらに注文書買取などにも対応しています。

月間400件以上の成約実績があるので、「安心できるファクタリング会社と取引したい」という人にはおすすめです。

また、担当者の知識が高く、ファクタリングに関することだけでなく、経営全体のアドバイスを受けることもできます。

初回は必ず対面が必要ですが、当日に会社へ訪問できる方は即日買取も可能です。

 

アクセルファクター

契約方式 対面式(緊急時は非対面も可能)
提携サービス 2社間、3社間、診療報酬、介護報酬
手数料 100万円以下:10%~
500万円以下:5%~
1,000万円以下:2%~
入金スピード 2社間:最短即日
3社間:2日〜3日程度
債権買取額 30万円〜

店舗型で対面式のファクタリング会社でありながら「原則即日買取」をモットーにしているスピードには定評のあるファクタリング会社です。

実際に受け付けているファクタリングの約半数が即日で買取を行なっています。

また、緊急の場合には面談を省略してくれることもあり、当日中に来店できない方も最短即日で現金化できる場合もあります。

2022年10月、日本マーケティングリサーチ機構の調査で「安心して利用できるファクタリングサービスNo.1」を獲得しているため、安心して取引できるのも大きな特徴です。

トップマネジメント

契約方式 対面式
提携サービス 2社間、3社間、見積書、注文書、発注書
手数料 3.5~12.5%程度
入金スピード 2社間:最短即日
3社間:2日〜3日程度
債権買取額 制限なし

トップマネジメントは2社間、3社間だけでなく注文書・発注書・見積書などの仕事の受注段階で資金化できる手段が豊富です。

大きな仕事を受けたが運転資金がないという場合に活用できます。

基本は対面式のファクタリング会社ですが、急いでいる場合にはzoom面談によって来店を省略することも可能です。

そのため、対面式のファクタリング会社の中では、即日資金調達できる可能性が高いファクタリング会社だと言えるでしょう。

ベストファクター

契約方式 対面式
提携サービス 2社間、3社間、診療報酬、介護報酬
手数料 2社間:5%~
3社間:2%~
入金スピード 2社間:最短即日
3社間:2日〜3日程度
債権買取額 制限なし

ベストファクターも店舗型ファクタリング会社として、口コミや評判が良好な優良なファクタリング会社です。

取り扱っているファクタリングの種類が多く、手数料も業界最安値水準です。

契約時には面談が必要ですが、希望すれば自社まで出張してくれます。

当日中に面談できれば、即日で資金調達できるので、急いでいる時にも活用できるファクタリング会社だと言えるでしょう。

GMO BtoB早払い

契約方式 非対面
提携サービス 2社間、注文書
手数料 1.0%~
入金スピード 最短2営業日
債権買取額 100万円〜1億円

GMOグループのGMOペイメントゲートウェイが運営するファクタリング会社です。

GMOグループが運営しているため安心感があるが大きな強みです。

また、原則として2社間ファクタリングのみの取り扱いでありながら、手数料は1%~という業界最安値水準であるという点も非常に大きなメリットだと言えます。

非対面方式のファクタリングですが、資金調達までは初回で最短4営業日、2回目以降も最短2日の時間がかかるので、急ぎお金が必要な方は注意しましょう。

ファクタリングのメリット・デメリットについてよくある質問

決算書が赤字でも審査に通りますか?
ファクタリングは売掛先に対する審査が重視されるので赤字や債務超過で売掛先企業の業況に問題なければ審査に通過することができます。
2回目以降の取引では何かメリットがありますか?
2回目以降は初回よりも信頼度が増しているので手数料が安くなることが期待できます。また、自社の情報をすでにファクターが知っているので審査も早くなる可能性があります。
手数料が安くなることはありますか?
ファクタリングの手数料は審査によって決定しますが、売掛先企業が優良企業の場合や、2回目以降の利用などの場合にはファクターのリスクが低くなるので手数料が低くなることがあります。
支払いは一括で行なわなければなりませんか?
ファクタリングの支払いは売掛債権期日に一括で、分割は不可能です。
2社間ファクタリングなら絶対に売掛先にバレませんか?
期日通りにファクターに支払いをする限りはバレません。期日に遅れた場合にはファクターが売掛先へ問い合わせることもあるので秘密にすることができない場合もあります。

まとめ

ファクタリングのメリットとして以下のようなものがあります。

  • 即日の資金調達
  • 審査の柔軟性
  • 回収リスクの排除
  • 決算書の悪化の防止
  • 第3者への秘匿性
  • バックオフィス業務の効率化

上記のように、ファクタリングには早期資金化だけでなく様々なメリットがあります。

しかし、借入と比較して高額な手数料は大きなデメリットですし、悪徳業者の存在にも注意する必要があります。

最もファクタリングのメリットを受けることができるタイミングを理解し、できる限り効果的にファクタリングを活用するようにしましょう。