今はかなりメジャーになったファクタリングですが、実は以前からファクタリングという行為自体は合法的に行われていました。

以前から行われていたファクタリングのオーソドックスな形が3社間ファクタリングです。

しかし、ファクタリングというものは今だに融資と比較して認知されていないので「取引先にファクタリングがバレてしまうのが嫌だ」と思っている人が多いのではないでしょうか?

また「ファクタリングは手数料が高い」と懸念している人もいるでしょう。

3社間ファクタリングは取引先にはファクタリングをしていることを知られてしまいますが、手数料が2社間と比較して安いというメリットもあります。

この記事では3社間ファクタリングの概要やメリットとデメリットを解説していきます。

3社間ファクタリングを理解することで、安価なコストでファクタリングができるようになりますので、しっかりと理解しておきましょう。

3社間ファクタリングの仕組み

3社間ファクタリング

3社間ファクタリングは以下のような流れで行われます。

  1. ファクタリング会社に申し込み
  2. 支払企業(売掛先)の同意を取得
  3. 納入企業(自社)へ代金払込
  4. 売掛金期日に支払企業がファクタリング会社へ代金払込

3社間ファクタリングの流れの肝は「売掛先企業の同意が必要」という点です。

3社間ファクタリングの仕組みを取引の流れとともに解説していきます。

①ファクタリング会社に申し込み

まずはファクタリング会社にファクタリングの申し込みを行います。

申し込みを行うとファクタリング会社が審査を行い、審査通過後に契約になります。

3社間ファクタリングを行なっている会社は数多く存在し、手数料も企業によってまちまちです。

できる限り低いコストでファクタリングするためには事前に複数の企業へ見積もりを取ることをおすすめします。

②支払企業(売掛先)の同意を取得

ファクタリング会社の審査に通過すると、支払企業である売掛先企業の同意を取得します。

3社間ファクタリングは売掛先企業の同意が必須ですので、同意がない場合には3社間ファクタリングを実行することはできません。

売掛先企業へ説明を行なって同意を取得するためには、自社がファクタリング会社へ説明を行わなければなりませんが、ファクタリング会社の中には同意を得る手続きに対してフォローを行なってくれることもあります。

この同意を得る手続きに1週間程度の時間がかかってしまうことが一般的です。

③納入企業(自社)へ代金払込

売掛先企業の同意が取得できたら、ファクタリングの代金が自社へ振り込まれます。

売掛金代金から手数料が差し引かれた金額が振り込まれます。

例えば100万円の売掛金を手数料5%でファクタリングするのであれば95万円が自社の口座へ振り込まれることになります。

3社間ファクタリングの場合には、この後はファクタリング会社と売掛先企業とのやりとりになるので、基本的に自社は何もする必要はありません。

④売掛金期日に支払企業がファクタリング会社へ代金払込

3社間ファクタリングにおいては売掛金の支払期日になったら売掛先企業が自社へ代金を振り込みます。

3社間ファクタリングでは支払いは売掛先が行なってくれるので、売掛先が期日通りに代金を支払いさえすれば自社は何もする必要はありません。

3社間ファクタリングの審査

3社間ファクタリングの審査

3社間ファクタリングは審査に通過しなければ利用することはできません。

特徴としては「自社に信用がなくても資金化できる可能性が高い」という点です。

資金が自社を経由しない3社間ファクタリングでは、自社に信用がなくても売掛先企業に信用さえあればファクタリング会社にリスクがないためです。

3社間ファクタリングの審査では売掛先企業の信用が非常に重要になります。

3社間ファクタリングの審査のポイントを理解しておけば、経営危機で銀行融資を断られた時でも資金調達ができる可能性があります。

3社間ファクタリングの審査のポイントを解説します。

支払企業の与信が最重要

3社間ファクタリングは支払企業である売掛先企業の信用が第一になります。

売掛金の期日になってファクタリング会社に代金を支払うので売掛先企業だからです。

そのため、信用がないような売掛先の場合にはファクタリング会社は回収が危うくなるので審査に通過できない可能性があります。

逆に信用がある上場企業や官公庁の売掛債権はファクタリング会社にとって回収できる可能性が非常に高いので、審査に通りやすく手数料も低くなります。

3社間ファクタリングにおいては支払企業の信用が最も重要で、自社の信用はそれほど無関係と言えます。

自社に信用がなくても審査に通る

3社間ファクタリングでは自社の信用がなくても審査に通過できる可能性が高いと言えます。

売掛金の代金を支払うのは売掛先企業で、自社に資金は通過しないためです。

2社間ファクタリングにおいては自社に資金が通過するので、自社に信用がない場合には信用ある売掛債権であったとしても審査に通過できないこともあります。

しかし、3社間ファクタリングでは売掛先企業が直接ファクタリング会社へ代金を支払うので自社に信用がなくても資金化することができる可能性が非常に高いと言えます。

ファクタリングを「銀行融資を借りることができない場合の代用」として利用するケースが多いですが、このような業況の悪い企業は2社間ファクタリングよりも3社間ファクタリングの方が審査に通過しやすいと言えるでしょう。

3社間ファクタリングのメリット

3社間ファクタリングのメリット

3社間ファクタリングには以下のようなメリットがあります。

  • 手数料が安い
  • 債権譲渡登記が不要
  • 自社に信用がなくても審査に通る
  • 悪徳業者が少ない
  • 個人事業主も利用できる

低いコストでファクタリングができ、個人事業主であっても安心に取引ができるのが3社間ファクタリングのメリットです。

2社間ファクタリングにはないメリットが3社間ファクタリングには存在します。

それぞれのメリットについてもう少し詳しく解説していきます。

手数料が安い

3社間ファクタリングの手数料は5%〜10%程度と2社間ファクタリングと比較して非常に安価になっています。

3社間ファクタリングは以下の理由によって2社間ファクタリングと比較してリスクの低い取引です。

  • 売掛先企業が直接ファクタリング会社へ代金を支払う
  • 償還請求権ありの場合が多い

以上の理由によって3社間ファクタリングは回収リスクが低いため手数料は低く設定されます。

大手企業や官公庁の売掛債権をファクタリングする場合や、取引を重ねて信用が増した場合などは手数料は2%前後くらいまで下がることもかります。

債権譲渡登記が不要

3社間ファクタリングには債権譲渡登記が必要ありません。

契約時に取引先の同意を取得するため、第3者への対抗要件を得る必要がないのです。

債権譲渡登記には費用がかかりますが、3社間ファクタリングでは登記が必要ないため、手数料が安くなるという側面もあります。

自社に信用がなくても審査に通る

3社間ファクタリングでは、自社に売掛金代金は経由しないので、自社に信用がなくても売掛先企業に信頼さえあれば審査に通過できる可能性が高いと言えます。

業況悪化などによって銀行からお金を借りることができない状況でも、信用できる取引先の売掛金さえあれば資金繰りができる可能性が高いと言えます。

悪徳業者が少ない

3社間ファクタリングを提供しているのは銀行系の大手ファクタリング会社がメインです。

大手ファクタリング会社と取引ができるので、安心して取引ができるのが3社間ファクタリングのメリットです。

また、3社間ファクタリングは売掛先の同意が必要で、手数料相場も低いため悪徳業者参入しにくい業種となっています。

ファクタリングは参入障壁がないので悪徳業者も相当数存在します。

2社間ファクタリングであれば悪徳業者に引っかかってしまう可能性もありますが、3社間ファクタリングは悪徳業者が少ないので安心して取引をすることができるメリットがあるのです。

個人事業主も利用できる

3社間ファクタリングは個人事業主でも利用することができます。

3社間ファクタリングでは債権譲渡登記が必要ないため個人事業主も利用することができるのです。

2社間ファクタリングでは債権譲渡登記の設定が必要ですが、債権譲渡登記は法人しか行うことができません。

したがって2社間ファクタリングは法人しか利用することができないのです。

個人事業主でも3社間ファクタリングは利用できる点がメリットです。

3社間ファクタリングのデメリット

3社間ファクタリングのデメリット

3社間ファクタリングのデメリットとしては以下の点をあげることができます。

  • 取引先にファクタリングを知られてしまう
  • 資金化までに時間がかかる
  • 償還請求権がありの場合も

やはり最大のデメリットは取引先にファクタリングを知られてしまうという点でしょう。

ただし、大手のファクタリング会社は取引先の信頼を失わないようにフォローしてくれることもありますので、そのような業者を選択しましょう。

3社間ファクタリングはメリットも大きいですが、デメリットも少なくはありません。

3社間ファクタリングのデメリットを見ていきましょう。

取引先にファクタリングを知られてしまう

3社間ファクタリングは取引先への同意が必須です。

このため、どうしても取引先にファクタリングをしている事実を知られてしまいます

ファクタリングに対してしっかりと理解が広がっていないのが実情ですので、取引先企業の中には「ファクタリングをするということは資金繰りが苦しい」というネガティブな印象を持たれてしまう可能性があることは否定できません。

「取引先に秘密でファクタリングをしたい」という場合には3社間ファクタリングは不向きでしょう。

大手はフォローしてくれることもある

ファクタリング会社の中には取引先への同意を得ることについて、取引先と直接交渉して同意を得ることをフォローしてくれる場合もあります。

大手ファクタリング会社から説得してもらうことで、取引先企業から信用を失うことなく、ファクタリングが可能になることもあります。

「取引先が納得してくれるかどうか心配」という人は、大手ファクタリング会社との契約時に「取引先への同意をフォローして欲しい」と依頼してみましょう。

売掛債権の金額が大きければフォローしてもらうことができる可能性があります。

売掛先企業からの信用を失うことが心配な場合にはフォローしてくれるファクタリング会社を選択するとよいでしょう。

資金化までに時間がかかる

3社間ファクタリングの大きなデメリットの1つが資金化までに時間がかかるという点です。

3社間ファクタリングは売掛先の同意なしでは資金化することができません。

そして、この同意を得る時間と書類のやり取りの時間に1週間程度の時間がかかり、大手などは稟議に時間がかかることも多いので最短でも1週間、長い場合には2週間程度の時間がかかってしまうこともあります。

急いで資金化したい場合には3社間ファクタリングは最短即日資金化に対応している2社間ファクタリングと比較して時間がかかってしまうという点が難点です。

償還請求権がありの場合も

3社間ファクタリングは償還請求権ありで行われることも珍しくありません。

償還請求権とは、売掛債権がデフォルトした場合に、売掛債権の代金を支払企業である自社がファクタリング会社に対して保証しなければならないことです。

償還請求権ありのファクタリングでは、自社が回収リスクを負わなければならないので、実質的に売掛債権担保融資や手形割引と同じです。

そのため。3社間ファクタリングはお金を貸し付ける際の法律上の上限金利である利息制限法の上限金利を遵守して低い手数料設定であることが一般的です。

その一方、3社間ファクタリングにおいては取引先がデフォルトした際のリスクは自社が負わなければならないということも覚悟しておきましょう。

3社間ファクタリングに関するよくある質問

売掛先に同意を得るための上手な言い方はあるでしょうか?
「ファクタリングを利用する」ということを正直に言えない関係性であれば、「決済代行会社を使うことになったら、期日までにこの会社へ振り込んで欲しい」などと言えば、おかしな目線で見られることはないでしょう。
3社間ファクタリングの手数料を下げる方法ありますか?
3社間ファクタリングは銀行系のファクターが取り扱っていることが多いので、銀行系の大きなファクターへ申し込みをすることで手数料が下がる可能性があります。
3社間ファクタリングで資金化までのスピードを早める方法なないのでしょうか?
売掛先の同意を素早く取得することです。仲のいい取引先の経営者などはファクタリングに対しても理解を得るのが早いので、そのような会社の売掛債権を売却するとよいでしょう。

まとめ

3社間ファクタリングのポイントは以下の通りです。

  • 手数料が安い
  • 取引先の同意が必要
  • 資金化までには1週間以上の時間がかかる
  • 大手と取引ができて安心

3社間ファクタリングは2社間ファクタリングと異なり、安い手数料で売掛債権を資金化することができます。

しかし、資金化までに時間がかかり、取引先への同意も必要です。

メリットとデメリットをよく理解し、自社の経営に最も効果的な形でファクタリングを行うようにしましょう。