銀行系ファクタリングとは
銀行系ファクタリングとは、銀行やグループ会社が提供するファクタリングサービスを指します。銀行系ファクタリングでは主に3社間ファクタリングを採用しており、売掛先の承諾を得て債権を譲渡する流れが主流です。手数料は他のファクタリングよりも低い傾向にあり、1億円以上の大口債権にも対応可能で信頼性が高く安心して取引できる点が魅力です。
ただし、他のファクタリングよりも審査は厳格で、資金化までに2週間から1ヶ月程度かかるケースがあります。また、償還請求権ありの契約となるケースも多く、売掛先が支払えなくなった際に利用者が弁済義務を負うケースも見られます。3社間ファクタリングは取引先への承諾・通知も必要であり、売掛先との関係性に悪影響を与える可能性があるため注意が必要です。
銀行融資との違い
ファクタリングと銀行融資の主な違いは、以下のとおりです。
資金調達方法 |
ファクタリング |
銀行融資 |
資金調達の仕組み |
売掛債権の売却による資金調達 |
金融機関からの借入による資金調達 |
審査対象 |
売掛先の信用力が主な審査対象 |
自社の信用力・財務状況が審査対象 |
資金調達までの期間 |
最短即日で資金調達が可能 |
審査や手続きに時間がかかり、資金調達までに1ヶ月〜2ヶ月程度要する |
手数料・金利 |
手数料が発生し、2社間ファクタリングで2%〜20%、3社間ファクタリングで1%〜9%が相場 |
金利が発生し、一般的に年利1%〜3%程度 |
返済義務 |
売掛債権の売却による資金調達のため、返済義務はない |
借入金としての資金調達のため、元本と利息の返済義務がある |
資金調達可能額 |
売掛債権の範囲内での資金調達となる |
企業の信用力や担保に応じて、売掛債権以上の資金調達が可能 |
信用情報への影響 |
借入ではないため、信用情報に影響を与えない |
借入情報が信用情報に記録され、今後の融資に影響を与える可能性がある |
銀行融資は金融機関から資金を借入する方法であり、利息の支払いと元本の返済義務が生じます。一方、ファクタリングは売掛債権を譲渡して資金を調達する手法であるため、返済義務はありません。
銀行融資では企業の信用力や財務状況が審査の中心ですが、ファクタリングでは売掛先の信用力が重視されます。資金調達までの期間は銀行融資が1ヶ月以上かかるのに対し、ファクタリングは最短即日で可能です。コスト面では銀行融資は低金利である一方、ファクタリングは手数料が高めとなっています。
ノンバンク系・独立系ファクタリングとの違い
ノンバンク系ファクタリングは信販会社・消費者金融などが提供するファクタリングで、銀行系よりも審査が緩やかで資金調達までの期間も短めです。独立系ファクタリングは特定の親会社をもたないファクタリング会社が提供しており、審査が柔軟で最短即日での資金調達が可能です。
一方、銀行系ファクタリングは手数料が低く信頼性が高い反面、審査が厳しく資金化までに時間がかかります。ノンバンク系・独立系は手数料がやや高めですが、2社間ファクタリングに対応しており、最短即日と迅速な資金調達が可能です。
銀行系ファクタリングで利用できるサービスの種類
銀行系ファクタリングで利用できるサービスの種類として、以下の4つを紹介します。
- 買取ファクタリング
- 保証ファクタリング
- 一括ファクタリング
- 国際ファクタリング
上記のなかから、自社の目的に合ったファクタリングサービスを利用しましょう。
買取ファクタリング
買取ファクタリングは、企業が保有する売掛債権をファクタリング会社が買取を行い早期に資金化できるサービスです。一般的に「ファクタリング」と呼ばれるサービスは、買取ファクタリングを指すケースが多いです。
銀行系ファクタリングでは主に3社間ファクタリングが採用され、売掛先の承諾を得て債権を譲渡します。売掛先から直接売掛金を回収できるため、リスクが軽減されて手数料も比較的低く設定されている点が特徴です。
2社間ファクタリングは売掛先の承諾を得ずに債権を譲渡できますが、手数料が高くなる傾向があります。銀行系ファクタリングでは2社間ファクタリングには対応していない場合が多いため、利用を検討している場合は注意が必要です。
保証ファクタリング
保証ファクタリングは、売掛債権の回収不能リスクを回避するためにファクタリング会社が保証を提供するサービスです。企業が商品・サービスを提供して売掛金が発生し、売掛先の倒産などで支払不能となった場合、ファクタリング会社が保証金を支払います。
保証ファクタリングにより、利用企業は売掛金の回収不能リスクを軽減して安定した資金繰りを維持できます。保証ファクタリングは特に取引先が少なく、売掛先への依存度が高い企業にとって有効なリスク回避手段です。銀行系ファクタリングは保証ファクタリングをメインに提供している場合が多く、企業や売掛先の信用力に応じて保証条件が設定されます。
一括ファクタリング
一括ファクタリングは、従来の手形取引に代わる決済手段として支払企業が利用するサービスです。一括ファクタリングでは、支払企業・納入企業・ファクタリング会社の3者間で契約を結びます。
一括ファクタリングは支払企業が主導で契約し、納入企業の売掛債権をファクタリング会社が買取します。支払期日になると支払企業は、ファクタリング会社に対して買掛金の支払いを行う流れです。
一括ファクタリングで手形発行の手間や印紙税の負担を軽減でき、決済業務の効率化が図れます。また、納入企業にとっても代金の早期回収が可能となり、資金繰りの改善につながる点がメリットです。ただし、一括ファクタリングを利用するには支払企業とファクタリング会社との契約が必要で納入企業単独では利用できません。
国際ファクタリング
国際ファクタリングは、海外企業との貿易取引において売掛金の回収リスクを軽減するためのサービスです。国際ファクタリングでは輸出企業・輸入企業・国内外のファクタリング会社が連携し、売掛債権の保証・代金回収を行います。輸出企業は、ファクタリング会社を通じて輸入企業の信用調査や売掛金回収を委託できるのが国際ファクタリングのメリットです。
国際ファクタリングにより、輸出企業は未回収リスクを軽減して安定した資金繰りを確保できます。国際ファクタリングは新興国での取引や信用情報の入手が難しい場合に有効ですが、手数料が発生するため採算について検討も必要です。
銀行系ファクタリングのメリット
銀行系ファクタリングのメリットとして、大きく以下の4つがあげられます。
- 大手銀行がサービスを提供しているため安心して利用できる
- 他のファクタリングと比較して手数料が安い
- 複数のファクタリングサービスを利用できる
- 資金が潤沢であるため高額な売掛債権にも対応できる
上記のメリットに魅力を感じる場合は、銀行系ファクタリングを積極的に活用しましょう。
大手銀行がサービスを提供しているため安心して利用できる
銀行系ファクタリングの最大の魅力は信頼性の高さであり、大手銀行やグループ会社が提供しているため安心して利用できます。ファクタリング業界は法規制が十分でなく、悪徳業者も一部存在するため、高額な手数料を請求されるなどの被害にあうリスクが存在します。
一方で、銀行は金融庁の監督下で厳格な規制を受けており、ファクタリングを含めて透明性の高いサービスを提供している点が特徴です。そのため、銀行系ファクタリングであれば、悪徳業者に出会って被害を被る心配がなく安心して利用できます。また、銀行の多くはメガバンク・地銀などの大手であり、資本力の大きさから突然サービスが終了する心配もありません。
他のファクタリングと比較して手数料が安い
銀行系ファクタリングは、他のファクタリングサービスと比較して手数料が安い傾向にあります。一般的に、銀行系ファクタリングの手数料は5%未満であるケースが多くコストを抑えた資金調達が可能です。
銀行は豊富な資金力を持ち、厳格な審査をはじめとしたリスク管理能力が高いため、低い手数料を実現しています。一方、ノンバンク系・独立系ファクタリングでは手数料が高めに設定されるケースが多く、資金調達コストが増加する可能性があります。
複数のファクタリングサービスを利用できる
銀行系ファクタリングは、買取型・保証型など目的に合わせて複数のサービスを利用できる点がメリットです。例えば、売掛金の早期資金化を目的とする場合は買取型が適しており、売掛先の信用リスクを回避したい場合は保証型が有効です。さらに、国際取引に対応した国際ファクタリングも利用可能で、海外取引のリスク管理に役立ちます。
上記のように、銀行系ファクタリングは多様なサービスを組み合わせて企業の資金調達・リスク管理を柔軟にサポートしてくれます。ただし、各サービスには特有の手数料・契約条件が個別に設定されているため、利用前に詳細を確認しておきましょう。
資金が潤沢であるため高額な売掛債権にも対応できる
銀行系ファクタリングは豊富な資金力を背景に、高額な売掛債権の買取にも対応しています。一般的に、銀行系ファクタリングでは1億円以上の大口債権でも取り扱いが可能です。
そのため、大手企業や大規模な取引を行う企業にとって銀行系ファクタリングは有力な資金調達手段となります。また、高額な売掛債権を早期に資金化できるため、ビジネスチャンスを逃す心配もなく企業は新たな投資・事業拡大の資金を確保できます。
銀行系ファクタリングのデメリット・問題点
銀行系ファクタリングのデメリット・問題点として、主に以下の6つがあげられます。
- 他のファクタリングよりも審査が厳しい
- 資金が入金されるまでの時間が長い
- 3社間ファクタリングにしか対応していない
- 銀行にファクタリングの利用履歴が記録されてしまう
- 少額の売掛債権に対応していないケースが多い
- 償還請求権を求められる可能性がある
上記のデメリットに関しては、事前に対策を講じておきましょう。
他のファクタリングよりも審査が厳しい
銀行系ファクタリングは、他のファクタリングサービスと比較して審査が厳しい傾向があります。一般的なファクタリング会社では売掛先の信用力を重視し、利用企業の経営状況にはあまり影響されません。しかし、銀行系ファクタリングでは売掛先だけでなく、利用企業の財務状況・信用力も審査の対象となります。
そのため、赤字決算・税金滞納など経営状況に不安がある企業は審査に通過するのが難しくなります。また、取引実績のない新規企業・中小企業は審査前にファクタリングの利用を断られるケースも少なくありません。
資金が入金されるまでの時間が長い
銀行系ファクタリングは入金までに時間がかかる傾向があり、一般的に申し込みから1週間〜3週間程度を要するケースが多いです。「審査が厳格」「3社間ファクタリングが主流」などの特徴から、売掛先の承諾を得る手続きに時間がかかるためです。また、銀行系ファクタリングでは対面での手続きが求められるケースも多く、来店の手間など手続きの煩雑さもあります。
3社間ファクタリングにしか対応していない
銀行系ファクタリングは、基本的に3社間ファクタリングにしか対応していません。3社間ファクタリングでは売掛先の承諾が必要となるため、取引先にファクタリングの利用が知られることになります。取引先に資金調達の事実を知られるため、資金繰りを懸念されて関係性に悪影響を及ぼす可能性がある点がデメリットです。
一方、2社間ファクタリングは売掛先の承諾が不要であり、取引先に知られずに資金調達が可能です。そのため、取引先に知られずに資金調達を行いたい企業は、ノンバンク系・独立系ファクタリングを利用した方がよいでしょう。
銀行にファクタリングの利用履歴が記録されてしまう
銀行系ファクタリングを利用すると、取引履歴が銀行の内部データに記録される点に注意が必要です。ファクタリングの取引記録は信用情報機関には登録されませんが、銀行内部での評価に影響を与える可能性があります。
特に、継続的にファクタリングを利用している場合、銀行から「資金繰りが厳しいのではないか」と判断される可能性があります。結果として、同銀行で将来的に融資を考えている場合は審査において不利になる可能性があるため、注意が必要です。
少額の売掛債権に対応していないケースが多い
銀行系ファクタリングは一般的に大口の売掛債権を対象としており、少額の債権には対応していないケースが多いです。銀行が大規模な取引を前提としてサービスを提供しているため、少額の債権では手数料収入が見込めず採算が合わないと判断されるからです。
そのため、数十万円程度の売掛債権を早期に資金化したい中小企業・個人事業主にとって銀行系ファクタリングは利用しづらい選択肢となります。上記のような場合、少額の債権にも対応しているノンバンク系・独立系のファクタリング会社を検討しましょう。
償還請求権を求められる可能性がある
銀行系ファクタリングでは、契約形態として「償還請求権あり」の形式が採用される場合があります。償還請求権ありの契約では売掛先からの回収が不能となった場合、ファクタリング利用者が債権分の金額を弁済する義務を負います。
一方、償還請求権がないファクタリングの契約では、売掛先の倒産などによる未回収リスクはファクタリング会社の負担です。償還請求権ありの契約は手数料が低めに設定される傾向がありますが、リスクを十分に理解して契約内容を慎重に確認しましょう。
銀行系ファクタリングを利用した方がいいケース
銀行系ファクタリングを利用した方がいいケースとして、以下の3パターンが考えられます。
- 手数料をなるべく抑えて安全に取引したい
- 取引先との信頼関係を十分に構築できている
- 黒字など経営状況が良好である
上記のパターンにあてはまる場合は、銀行系ファクタリングは資金調達の方法として有効な選択肢の1つです。
手数料をなるべく抑えて安全に取引したい
銀行系ファクタリングは、他のファクタリングサービスと比較して手数料が低い傾向にあります。銀行系ファクタリングと他のファクタリングサービスの手数料相場は、以下のとおりです。
ファクタリングの種類 |
手数料の相場 |
ノンバンク系・独立系ファクタリング |
2%〜20% |
銀行系ファクタリング |
1%〜5% |
一般的に、銀行系ファクタリングの手数料は1%〜5%程度でノンバンク系・独立系と比較してコストを抑えた資金調達が可能です。大手銀行が運営母体で信頼性が高い点も魅力であり、手数料を抑えつつ安全に資金調達を行いたい企業におすすめです。
取引先との信頼関係を十分に構築できている
銀行系ファクタリングは3社間ファクタリングで取引先の承諾が必要となるため、信頼関係が十分に構築されている企業におすすめです。取引先がファクタリングの利用に理解を示して協力的であれば、銀行系ファクタリングでスムーズな資金調達が可能です。ただし、取引先との関係性が十分に構築できていない場合は、ノンバンク系・独立系ファクタリングなど別の資金調達手段を検討しましょう。
黒字など経営状況が良好である
銀行系ファクタリングは利用企業の経営状況を重視する傾向があるため、黒字で財務状況が良好な企業は審査に通過しやすいです。銀行系ファクタリングは手数料が低く高額な売掛債権にも対応しており、経営状況が良好な企業にとって効率的な資金調達手段です。ただし、審査が厳しく資金調達までに時間がかかるため、入金されるまでの資金繰りに問題がないか確認する必要があります。
おすすめの銀行系ファクタリング8選
ここでは、おすすめの銀行系ファクタリングとして以下の8社を紹介します。
- みずほファクター
- 三井住友カード
- 三菱UFJファクター
- 浜銀ファイナンス
- 北洋銀行
- 足利銀行
- スルガ銀行
- 静岡銀行
- りそな決済サービス
上記のなかから、自社の条件にあった銀行系ファクタリングを利用しましょう。
みずほファクター

種類 |
|
手数料 |
非公開 |
入金スピード |
非公開 |
買取可能額 |
非公開 |
手続き方法 |
公式サイト・電話 |
公式サイト |
https://www.mizuho-factor.co.jp/ |
みずほファクターはみずほ銀行の100%子会社であり、国内外の企業に対して複数のファクタリングサービスを提供しています。みずほファクターが提供するファクタリングサービスは、保証ファクタリングと国際ファクタリングの2つです。
保証ファクタリングは売掛債権を保証限度額内で最大100%保証してくれるため、取引先に知られず回収リスクの回避が可能です。国際ファクタリングは金融機関のネットワークを活用して世界の提携ファクターと連携し、貿易取引における回収リスク軽減を実現できます。輸入者の支払いが90日以上遅延した場合は100%の売掛金を保証してくれるため、安心して海外との貿易取引を実施できます。
三井住友カード

種類 |
|
手数料 |
非公開 |
入金スピード |
非公開 |
買取可能額 |
非公開 |
手続き方法 |
オンライン |
公式サイト |
https://www.smbc-card.com/index.jsp |
三井住友カードは、三井住友銀行グループの一員として保証ファクタリング・買取ファクタリングなどのファクタリングサービスを提供しています。三井住友カードの保証ファクタリングで提供される具体的なサービスは、以下の2つです。
保証ファクタリングのサービス名 |
サービス内容 |
ポートフォリオ型ファクタリング |
複数の販売先に対する売掛債権をまとめて保証するサービス |
下請債権保全支援事業 |
建設業の下請企業が元請企業に対して持つ工事請負代金債権の保証や買取を行う |
ポートフォリオ型ファクタリングでは8社以上の販売先に対して利用する場合を対象としており、保証期間は1年です。また、買取ファクタリングにも対応しており、法人および個人事業主など事業者間で発生する売掛債権の資金化も可能です。くわえて、事業者間だけでなくフィットネスクラブの月額費用などB to Cで発生する売掛債権も売却できます。
三菱UFJファクター

種類 |
- 保証ファクタリング
- 国際ファクタリング
- 買取ファクタリング
|
手数料 |
買取ファクタリング:0.8% |
入金スピード |
買取ファクタリング:4営業日後 |
買取可能額 |
毎月最大1,500万円 |
手続き方法 |
公式サイト・電話 |
公式サイト |
https://www.muf.bk.mufg.jp/ |
三菱UFJファクターは、三菱UFJフィナンシャル・グループの一員として複数のファクタリングサービスを提供しています。保証ファクタリングでは売上債権の保証限度額内で100%保証し、取引先が倒産した際の回収リスクの軽減が可能です。
国際ファクタリングは世界各国のファクター会社と連携し、販売先の信用調査を実施して輸出で発生する売上を保証してくれるサービスです。国際ファクタリングの手数料は売掛金に応じて変動し、最低手数料は1万円で設定されています。
買取ファクタリングでは診療報酬・調剤報酬を対象としており、通常の入金日前に現金化して医療機関のキャッシュフロー改善を図れます。初期手数料・月額利用料などの余計な費用がかからず、買取金額の0.8%と低水準の手数料で利用可能です。
浜銀ファイナンス

種類 |
買取ファクタリング |
手数料 |
非公開 |
入金スピード |
非公開 |
買取可能額 |
非公開 |
手続き方法 |
電話・公式サイト |
公式サイト |
https://www.h-fc.co.jp/index.html |
浜銀ファイナンスは、横浜銀行グループの一員として地域密着型のファクタリングサービスを提供しています。主に神奈川県内の企業を対象にサービスを提供しており、3社間契約を基本として取引先の承諾を得たうえで売掛債権を譲渡する仕組みです。
手数料・買取可能額などは公開されておらず、直接浜銀ファイナンスに問い合わせる必要があります。また、浜銀ファイナンスはリース・代金回収などのサービスも展開しており、企業の多様な資金ニーズに対応しています。
北洋銀行

種類 |
一括ファクタリング |
手数料 |
非公開 |
入金スピード |
非公開 |
買取可能額 |
非公開 |
手続き方法 |
店舗窓口 |
公式サイト |
https://www.hokuyobank.co.jp/company/kouritsu/factoring.html |
北洋銀行は北海道を拠点とする地方銀行であり、地域企業の資金調達支援に注力しています。北洋銀行が提供する「北洋一括ファクタリングシステム」は、従来の手形取引に代わる決済手段として注目されています。
一括ファクタリングは、支払企業の買掛債務をファクタリング会社が一括して管理し、仕入先企業に対して代金を支払うサービスです。そのため、手形発行に伴う印紙税・事務負担の軽減が図られて決済業務の効率化が実現します。また、仕入先企業にとっても売掛債権の早期資金化が可能となり、資金繰りの改善につながる点がメリットです。
足利銀行

種類 |
|
手数料 |
買取ファクタリング:2%〜9% |
入金スピード |
買取ファクタリング:最短即日 |
買取可能額 |
買取ファクタリング:上限・下限なし |
手続き方法 |
買取ファクタリング:公式サイト
一括ファクタリング:店舗窓口 |
公式サイト |
https://www.ashikagabank.co.jp/ |
足利銀行は関東地域を中心に事業を展開しており、複数のファクタリングサービスを提供しています。足利銀行も一括ファクタリングを提供しており、仕入先企業が資金化を希望する際に以下の2つの方式から選択できる点が特徴です。
定期割引方式 |
毎月一定の日に、あらかじめ指定した金額を自動的に資金化して振込が行われる |
随時割引方式 |
従来の手形交付日から手形満期日の前日までの間に希望に応じて資金化し、振込が行われる |
なお、期日前に売掛債権の資金化を行いたい場合には所定の手数料を差し引いた金額で希望日に振込が可能です。
さらに、オンライン完結型のファクタリングサービス「足利銀行クラウドファクタリング powered by OLTA」を提供しています。手数料は2%〜9%と低水準で申し込みから最短即日で資金化できるため、直近の支払いにあてる原資がない場合には有力なサービスです。
スルガ銀行

種類 |
買取ファクタリング |
手数料 |
2%~9% |
入金スピード |
最短即日 |
買取可能額 |
上限・下限なし |
手続き方法 |
公式サイト |
公式サイト |
https://www.suruga-olta.jp/
https://www.surugabank.co.jp/ebusinessdirect/financing/factoring.html |
スルガ銀行は、法人向けに多様なファクタリングサービスを提供しています。スルガ銀行が提供する「スルガクラウドファクタリング powered by OLTA」は、OLTA株式会社と提携したオンライン完結型ファクタリングサービスです。上記のファクタリングでは2%〜9%の間で手数料が設定され、申し込みから最短24時間以内に資金化が可能です。
書類の提出や審査などすべての手続きがWeb上で完結し、保証人・担保も不要であるため、忙しい経営者でもスキマ時間で利用できます。また、介護・診療・調剤報酬債権ファクタリングサービスも提供しており、報酬債権を売却して約45日早く資金を受け取れます。
静岡銀行

種類 |
|
手数料 |
買取ファクタリング:2%〜9% |
入金スピード |
買取ファクタリング:最短即日 |
買取可能額 |
買取ファクタリング:上限・下限なし |
手続き方法 |
買取ファクタリング:公式サイト
一括ファクタリング:店舗窓口 |
公式サイト |
https://www.shizuokabank.co.jp/corporation/management/business/ikkatsu/index.html
https://www.olta-shizugin.jp/ |
静岡銀行は、静岡県内の企業を中心に複数のファクタリングサービスを提供しています。静岡銀行の一括ファクタリングでは、支払期日前であっても納入企業が銀行に請求すれば手数料差引後に前倒しで資金化が可能です。
ノンバンク系ファクタリングの手数料より低い利率が設定されているため、コストを抑えてより多くの資金を手元に残せる点がメリットです。また、支払企業も一括ファクタリングによって支払手形の発行に伴う印紙税や事務負担の軽減が図られ、決済業務の効率化が実現できます。
さらに、オンライン完結型のファクタリングサービス「OLTAクラウドファクタリング supported by 静岡銀行」も提供しています。2%〜9%の手数料で利用でき、申し込みから最短24時間以内に資金化できるため、短期で効率的に運転資金の調達が可能です。
りそな決済サービス

種類 |
- 一括ファクタリング
- 保証ファクタリング
- 国際ファクタリング
|
手数料 |
非公開 |
入金スピード |
非公開 |
買取可能額 |
非公開 |
手続き方法 |
りそな決済サービスの法人営業担当者への問い合わせから開始 |
公式サイト |
https://www.resona-ks.co.jp/ |
りそな決済サービスは、りそなグループの一員として企業の資金調達ニーズに応える複数のファクタリングサービスを提供しています。保証ファクタリングでは売上債権が回収不能になるリスクを回避するため、1社ごとに与信調査を行って保証限度額を設定して保証します。
また、りそな決済サービスは「でんさい活用型ファクタリング」と呼ばれるファクタリングサービスを提供している点も特徴です。電子記録債権(でんさい)を活用した一括ファクタリングで、以下の流れでサービスが提供されます。
- 納入企業が売掛債権を取得
- 支払企業がでんさいの発生記録請求を行い、りそな決済サービスが納入企業の代理人としてでんさいを受け取る
- りそな決済サービスがでんさいをファクタリング会社に譲渡
- 納入企業が期日前に資金化を希望する場合、ファクタリング会社から割引代金を受け取る
- 支払期日に支払企業がでんさいを決済
- ファクタリング会社が割引未実施分を納入企業に支払う
支払う側の企業にとっては支払手形の代替手段として支払事務の合理化や印紙税負担の軽減が可能です。また、納入企業にとっても売掛債権の早期資金化が可能となり、資金繰りの改善につながります。
銀行系ファクタリングに関するよくある質問
銀行系ファクタリングに関するよくある質問として、以下の3つがあげられます。
- 銀行系ファクタリングの手数料相場は?
- ファクタリングがやばいと言われるのはなぜ?
- 債務者側から見たファクタリングのメリットは?
銀行系ファクタリングに関して疑問点がある場合は、上記質問への回答を参考にしてください。
銀行系ファクタリングの手数料相場は?
銀行系ファクタリングの手数料は、一般的に1%〜5%程度と他のファクタリングと比較して低く設定されています。銀行が豊富な資金力を持ち、厳格な審査を実施するなどリスク管理を徹底しており、低い手数料での提供が可能となっているためです。
一方で、ノンバンク系・独立系ファクタリングでは手数料が1%〜20%程度と高めに設定されています。また、ファクタリングの契約形態によっても手数料の相場は以下のように異なります。
ファクタリングの種類 |
手数料の相場 |
2社間ファクタリング(面談) |
10%〜20% |
2社間ファクタリング(オンライン) |
2%〜12% |
3社間ファクタリング |
1%〜9% |
3社間ファクタリングでは売掛先の承諾を得て取引を行うため、回収リスクを抑えやすく手数料が1%〜9%程度と比較的低くなります。一方、2社間ファクタリングは売掛先の承諾が不要で手続きが簡便ですが、手数料が2%〜20%程度と高めに設定される傾向があります。したがって、銀行系ファクタリングを利用すると手数料を抑えた資金調達が可能です。
ファクタリングがやばいと言われるのはなぜ?
まず、ファクタリングがやばいと言われる理由は悪質な業者が存在する点があげられます。悪質な業者は相場を大きく上回る高額な手数料を請求したり、違法な取り立てを行ったりするなど利用者にとってリスクが大きいです。
また、ファクタリングは法的な規制が不十分であり、免許・登録が不要なため誰でも参入できる環境にあります。そのため、悪質な業者が参入しやすくなっており、利用者が被害に遭うケースが報告されています。
債務者側から見たファクタリングのメリットは?
ファクタリングは債権者の資金調達の手段として広く利用されていますが、債務者にとってもメリットがあります。
例えば、債権者である外注先企業がファクタリングを利用して資金繰りが改善されれば、経営状態が安定して取引を継続しやすくなります。債権者側の資金繰りが改善すると支払不能となる可能性も低くなり、自社が売掛債権を回収しやすくなる点もメリットです。
また、債務者側が利用できるリバースファクタリングと呼ばれるサービスもあります。
リバースファクタリングとは、発注企業が自社の買掛金をファクタリング会社に立て替えてもらい、支払期日を延長できるサービスです。リバースファクタリングは、以下の流れでサービスが提供されます。
- 外注先企業が商品・サービスを提供し、発注企業に請求書を発行
- 発注企業がファクタリング会社にリバースファクタリングを依頼
- ファクタリング会社が外注先企業に対して請求金額から手数料を差し引いた金額を支払う
- 発注企業は通常の支払期日にファクタリング会社に対して請求金額全額を支払う
外注先が発行した請求書をすぐに支払えない場合、債務者はリバースファクタリングで期日を延長して資金繰りを改善できます。
銀行系ファクタリングを利用して資金調達をスムーズに進めよう
銀行系ファクタリングは、信頼性と低コストを兼ね備えた資金調達手段として多くの企業に注目されています。特に、みずほファクターや三菱UFJファクターなどの大手が提供するサービスは手数料が1%〜5%と比較的低く信用力の高い企業に適しています。
一方で、審査が厳しく入金までに時間がかかる点や3社間契約が主流であるため、取引先の理解が必要といった点に注意が必要です。資金用途・規模に応じて銀行系ファクタリングをうまく活用し、企業の資金繰り改善と経営基盤の安定を図りましょう。