「資金繰りが苦しい」

会社を経営していれば、誰もが資金繰りで苦しい思いをした経験があるのではないでしょうか?

資金繰りで苦しい思いをするのは、会社を経営していれば仕方のない部分ではありますが、長い間解決できずに辛い思いをするくらいであれば、本質的な解決方法を検討した方がよいでしょう。

資金繰りが苦しい時にはどのような解決方法があるでしょうか?

資金繰りが苦しい時の対処法と、あらかじめ資金繰りに備える方法について詳しく解説していきます。

 

資金繰りが苦しい時の支払いの優先順位

資金繰りが苦しい時には全ての支払いをパーフェクトにする行うことはできません。

支払いに関しては優先順位を決めて、先に支払うべきものだけを優先して支払っていくべきです。

支払いの優先順位は以下のようになります。

  1. 従業員への給料支払い
  2. 取引先への支払い
  3. 税金や社会保険料
  4. 銀行の借入金返済

多くの人が「優先して払わないとまずい」と考えがちな、銀行借入金の返済は実は最後で問題ありません。

何を優先して、何を後回しにすべきなのか、詳しく見ていきましょう。

従業員への給料支払い

最初に優先すべき支払いは従業員への給料です。

従業員への給料は何よりも優先して支払いをするようにしてください。

  • 従業員に給料を支払わないということは、その家族も路頭に迷うということ
  • 従業員へ給料を払わずに働かせることは違法
  • 給料未払いによって従業員がクレカや借入金の支払いに遅れたら従業員の信用情報が汚れてしまう
  • 給料を払わなければ従業員の仕事の質が落ちる
  • 給料を払わないことによって経営者と従業員の人間関係が悪化する

給料を支払わないことによる影響は、主なものだけでこれだけあります。

これらの悪影響はたったの1日でも生じてしまう可能性があるので、どんなに資金繰りが苦しくても、従業員への給料支払いだけは優先して行うようにしてください。

取引先への支払い

給料の支払いの次に優先すべきものは、仕入先などの取引先への支払いです。

取引先へ代金を支払わないことの悪影響は主に以下のようなものがあります。

  • 取引先から追加の仕入れができなくなる
  • 支払いを行っても契約を切られる可能性がある
  • 地域で悪い噂が流れる可能性がある
  • 他の会社からも仕入れができなくなる可能性

支払いをしなければ、当該取引先から仕入れができなくなってしまいますし、支払いをしたとしても契約を切られて以後取引ができなくなってしまいます。

こうなると、事業継続が著しく困難になってしまいます。

さらに、地域で「あの会社は倒産しそう」などと悪い噂を流されてしまうと、他の会社からも取引を断られたり、銀行からも追加融資を断られてしまう可能性があります。

従業員への給料支払いの次には、取引先への支払いを優先するようにしてください。

税金や社会保険料

税金や社会保険料の支払いは銀行の借入金返済よりも優先してください。

税金関係の公的機関への支払いの最大のデメリットが「裁判なしで差し押さえられてしまう」という点です。

数ヶ月程度の滞納で、不動産が仮処分されてしまうことは珍しいことではありません。

銀行口座も差し押さえ対象ですので、ある日突然「預金が引き出せない」という事態になってしまう可能性もあります。

行政は、裁判なしで差し押さえをできる権限があるので、税金の滞納は滞納から差し押さえまでの時間が非常に早いという特徴があるので、銀行借入よりは優先して支払うようにしてください。

なお、税金や社会保険料は、業況が悪化して「支払いが厳しい」と相談すれば、支払いの猶予などには応じてもらうことができるでしょう。

銀行の借入金返済

銀行の借入金返済に関しては、支払いの優先順位は最も後で問題ありません。

金融機関は、金融庁から「返済が苦しい事業者に対しては返済条件の緩和などに応じるように」と要請されています。

そのため、業況が悪化して資金繰りが苦しいという場合には、一定期間は返済を待ってくれますし、リスケジュールにも応じてもらうことができます。

突然差し押さえを行うようなことはほとんどありませんので、返済が苦しい時には「返済が苦しいから返済条件を緩和して欲しい」と相談してみましょう。

黙って延滞した場合には、金融機関も法的措置をとってくる可能性がありますが、事情を話せば、必ず何かしらの対応をとってくれます。

資金繰りが苦しいのであれば、事情を話した上で、返済は後回しにしましょう。

資金繰りが苦しい時に検討する7つの選択肢

資金繰りが苦しい時には経営者は以下の7つの選択の中から最適な手段を見つけて行動していくことになります。

  • 銀行や日本政策金融公庫からの借入
  • ファクタリングによる資金調達
  • 銀行借入のリスケジュール
  • 資産の売却
  • M&Aや事業譲渡
  • 会社の廃業を検討する
  • 借金が多いなら法的措置を検討する

前向きに経営を継続していく方法から、事業から撤退する方法まで様々です。

資金繰りが苦しい時に経営者がとるべき7つの行動について詳しく解説していきます。

銀行や日本政策金融公庫からの借入

資金繰りが苦しい時には、外部からの資金調達を行うことで資金繰りは楽になります。

外部からの資金調達として

  • 銀行借入
  • 日本政策金融公庫

という2つの資金調達方法があります。

銀行借入

銀行借入とは、主に信用保証協会の保証をつけて融資を受ける方法です。

特に、コロナ関連の資金においては信用保証協会は通常の保証枠とは別枠で保証枠を設けているため、融資を受けやすくなっています。

実質無利息融資も行っているので、まずは銀行へ相談してみるとよいでしょう。

日本政策金融公庫

国の金融機関である、日本政策金融公庫も中小事業者に対する融資を取り扱っています。

売上が一定程度減少した時に利用できる「経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)」など、経営危機の状況でこそ、融資を受けることが可能です。

また、コロナ関連の融資精度は日本政策金融公庫が最も充実しています。

実質無利息制度と0.9%の金利優遇を行っているので、利息負担をほとんどせずに必要資金を借りることができます。

コロナ関連で資金繰りに困窮している場合には、先に日本政策金融公庫へ相談するとよいでしょう。

コロナ関連の融資制度について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

ビジネスローンはおすすめできない

なお資金繰りに困っているときにビジネスローンを利用することはあまりおすすめできません。

ビジネスローンが資金繰りが苦しいタイミングにおすすめすることができない理由として以下の3点をあげることができます。

  • 金利が高い
  • 利用することによって銀行の評価が下落する
  • リスケジュールに応じてもらいにくい

ビジネスローンの金利は15%程度と非常に高く設定されています。

1,000万円借りた場合の利息負担は実に150万円にもなり、借りたことによってむしろ資金繰りが悪化するリスクがあります。

さらに、ビジネスローンを利用すると、決算書にその旨が記録され、この記録を見た銀行の評価はさらに悪化する可能性があります。

また、返済が苦しくなっても銀行のように柔軟なリスケジュールに応じてくれるとは限らないので、結果的に資金繰りの悪化を早めるだけの可能性があります。

資金繰りが苦しい時に、審査の緩いビジネスローンは短期的には有効ですが、長期的に見ると資金繰りにはマイナスとなる点に注意しましょう。

ファクタリングによる資金調達

資金繰りが苦しい時にはファクタリングで資金調達する方法もあります。

ファクタリングには2社間ファクタリングと3社間ファクタリングがあり、具体的にどのような形で資金繰りが苦しいのかによって、選択すべきファクタリングの形態はことなります。

資金繰りに苦しい時のファクタリングの選び方について解説していきます。

急いでいる時は2社間ファクタリング

2社間ファクタリングとは、納入企業とファクタリング会社の2社だけで契約するファクタリングです。

売掛先企業である支払企業の同意が必要ないので、契約手続に時間がかからず、最短即日で資金化することができます。

急いで資金調達したい時には2社間ファクタリングを利用するとよいでしょう。

ただし、2社間ファクタリングは手数料が高いので、利用するのは急いでいる時だけとして、恒常的に利用することはおすすめできません。

回収事務をアウトソーシングしたいなら3社間ファクタリング

売掛先企業に対する回収の事務をアウトソーシングしたいのであれば3社間ファクタリングを利用しましょう。

3社間ファクタリングは納入企業・支払企業・ファクタリング会社の3社で契約するので、ファクタリング後の支払企業との回収に関するやりとりは全てファクタリング会社が行ってくれます。

自社は回収に関する事務に何も関わることがないので、資金繰りが苦しい時に回収に頭を悩ませる必要がありません。

余ったエネルギーを営業や製品開発などのプラスの業務に向けることができるので、経営改善にも寄与するでしょう。

手数料も2社間ファクタリングよりも低くなるので、煩雑な売掛債権回収から解放されたいという人にはおすすめです。

ただし、申し込みから入金までに1週間以上の時間がかかってしまうので、急いで資金が必要な場合にはおすすめできません。

資金繰りをさらに改善したいならPOファイナンスも活用する

売掛債権を活用した新しい資金調達法としてPOファイナンスという方法があります。

POファイナンスとは、注文書(Purchase Order)を用いた資金調達の方法で、取引当事者が製品またはサービスの価格・数量について合意することで成立した債権を、金融機関等が担保または買い取る形で資金の提供を行います。

商品・サービスの注文段階で資金化することができるので、資金繰りが苦しい時にはあえて営業活動に奔走し、獲得した注文書をPOファイナンスで資金化することによって資金繰りを円滑にすることができます。

受注した注文書が必ずしもPOファイナンスによって資金化することができるとは限りませんが、受注=資金になる可能性が高いので、営業活動が資金調達に繋がる全く新しい資金繰り改善方法だと言えるでしょう。

POファイナンスについてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご参照ください。

銀行借入のリスケジュール

銀行や日本政策金融公庫から借入金がある場合には、リスケジュールを申し込み、返済条件の緩和をすることによって返済が容易になり、資金繰りが改善します。

リスケジュールには主に以下の2つの方法があります。

  • 元金返済の据え置き
  • 最終期日の延長

それぞれのリスケジュールの方法について詳しく解説していきます。

元金返済の据え置き

1つ目の方法が元金返済の据え置きです。

借入元金の返済を一定期間据え置くことによって、この期間は借入金の元金を返済する必要がなくなり、毎月の支払いは利息だけになります。

例えば、600万円の借入金(金利1%)を5年返済する場合、元金を毎月10万円ずつ返済していかなければなりません。

しかし、元金返済の据え置きを行うことによって、毎月10万円の元金返済を一定期間中断することができます。

残高が500万円の時に元金返済の据え置きを行うことによって、毎月発生する支払いは利息だけで、500万円×1%÷365日×30日=4,110円です。

例えば、社会的な不景気によって「あと1年は景気が好転しそうにない」という時に、元金返済の据え置きを利用することによって、景気回復までの時間を稼ぐことができます。

「一定期間だけ資金繰りを楽にしたい」という場合には、元金返済の据え置きを活用するとよいでしょう。

最終期日の延長

「毎月の返済金を今よりも少なくしたい」という時には最終期日の延長を行うことによって、返済金が少なくなります。

例えば、600万円の借入金(金利1%)を5年返済する場合、元金返済は毎月10万円です。

しかし、この借入金の返済期間を10年と延長した場合、元金返済額は毎月5万円へ減少します。

延長した分だけは利息の総支払額は増えてしまいますが、恒常的に毎月の返済額を軽減することができるので、「事業規模縮小により、売上が今後は減少する」というような場合に活用することができます。

完済までずっと返済金の負担を軽減したいという場合には、最終期日の延長を行うとよいでしょう。

資産の売却

不要な資産を売却することによっても、企業の資金繰りは改善します。

資産の売却によって売却代金をキャッシュで手に入れることができますし、資産を保有することによる管理コストからも解放されることとなります。

事業活動に不要な不動産や有価証券を会社が保有しているのであれば売却を検討しましょう。

特に、家賃収入などを生んでいない不動産は固定資産税などの管理コストが大きくなるだけになってしまうので、できる限り売却して資金化してしまった方がよいでしょう。

M&Aや事業譲渡

M&Aや事業譲渡を行うことによって資金繰りが改善します。

会社そのものを、他の会社へM&Aによって売却してしまえば、事業のブランドや従業員の雇用を確保した上で、経営者個人は資金繰りの悩みから解放されることになります。

また、複数の事業を営んでいる場合には、本業ではない事業だけ他社へ売却することによって、売却代金が手に入るので本業での資金繰りは非常に楽になります。

会社はどのような事業でも「買いたい」という人は意外にも多く存在します。

「資金繰りに苦しい」と考えている場合には、会社そのものもしくは、事業の一部を売却する方法を検討してください。

M&A専門のコンサルタントへ相談するとよいでしょう。

会社の廃業を検討する

借金が残らないのであれば、会社の廃業を検討するのも1つの方法です。

特に、経営者が高齢になり、後継者も存在せず、自社を買ってくれる企業も見つからないのであれば、廃業を検討した方がよいでしょう。

借入金がないのであれば、廃業することはそれほど難しい手続きではありません。

高齢になって「毎月のように資金繰りに追われるのが疲れた」という人は廃業を検討するのも1つの方法でしょう。

借金が多いなら法的措置を検討する

借入金が多く、資金繰りに首が回らないのであれは法的措置によって借金を精算する方法を考えましょう。

中小事業者が選択できる借金精算の方法としては以下の2つの方法を挙げることができます。

民事再生は借金を減額した上で会社を存続させる方法で、破産は借金をゼロにした上で法人を消滅させる方法です。

それぞれの具体的な内容について詳しく解説していきます。

民事再生

民事再生とは、多額の借金を抱える会社が債権者の同意を得て、裁判所の許可の元、会社を再建させていく手続きです。

裁判所が認めた場合に、無担保の借金のみを減額して、会社を再建します。

民事再生では、元の経営者がそのまま経営者として残ることができるので、会社を手放さなくてよいというのが最大の特徴だと言えます。

債権者の半数以上の民事再生に同意し、以下の条件を満たすことで民事再生が認められるようになります。

  1. 民事再生手続の申立原因があること
  2. 再生計画案について賛成してもらえること
  3. 再生に必要な費用や当面の運転資金を用意できること
  4. 税金や社会保険料の滞納額が少ないこと
  5. 債務免除額を相殺できるだけの繰越欠損金等があること

民事再生について詳しく知りたい方は以下の記事をご参照ください。

破産

破産とは全ての資産・債務が清算され、破産後は法人格が消滅するもので、債務超過などで継続困難な会社が利用する法的な行為です。

民事再生が認められない場合などに借金を精算するための最終手段ということができます。

なお、会社が破産手続きをすると連帯保証人となっている経営者個人に借金の返済義務が生じてしまうことがあります。

個人も借金を返済することができない場合には、経営者個人も自己破産をしなければならないリスクがあるので、この点には十分注意するようにしましょう。

盤石な資金繰り体制を作る4つの方法

よほど資金が潤沢でビジネスモデルが構築されている大企業でない限り、会社を経営していれば資金繰りに困窮するタイミングは必ずあります。

このような資金繰りの悪化にあらかじめ備えるためには以下の4つのポイントを理解して、事前に備えましょう。

  • 複数の金融機関と融資取引をする
  • 資金繰り管理を徹底する
  • 不要な資産を持たない
  • 安易に税金対策の買い物はしない

資金繰りに悪化に事前に備える4つの方法について詳しく解説していきます。

複数の金融機関と融資取引をする

資金繰りに困った時、すぐに融資で対応してくれる金融機関を複数作っておいた方がよいでしょう。

メインバンク一行だけとの取引では、金融機関の方針によって融資を受けることができない可能性があるためです。

複数の金融機関と日頃から取引をしておくことで、1つの金融機関から融資を断られたとしても、他の金融機関へ当たってみることができるので、資金調達できる可能性は高くなるでしょう。

信用保証協会の保証をつけて融資をする銀行や信用金庫などの民間金融機関、そして無担保無保証で融資を行うので民間金融機関とは完全に別枠で融資を受けることができる日本政策金融公庫

いざという時に、お金を借りることができるように、最低限この2つの金融機関とは事前に取引をしておいた方がよいでしょう。

資金繰り管理を徹底する

資金繰りが苦しくならないようにするための最も有効な方法が、日頃から資金繰り管理を徹底するということです。

資金繰り管理とは、会社の入出金のスケジュールを把握して、支払日時点や月末時点での現金の残高を予測することです。

あらかじめ「残高はいくら」「不足額はいくら」という予測が正確にできていれば、前述したような方法で対応することができます。

面倒でも、資金繰り管理をできる限り厳格に行うことが、資金繰りが苦しくならないもっとも有効な方法です。

日頃から、資金繰り管理は細かく細かく、できる限り先の予測も正確に行うようにしてください。

不要な資産を持たない

不要な不動産や自動車などの資産を持たないようにしましょう。

資産を購入することによって現金が流出します。

また、不動産や自動車は固定資産税や自動車税などの管理コストがかかるので、収益や資金繰りを圧迫するためです。

日頃から経営活動には無関係の資産を持たないということを徹底するとともに、不要な資産があるのであれば売却しましょう。

安易に税金対策の買い物はしない

「税金対策で自動車を購入する」という人も少なくありません。

しかし、これも資金繰りを圧迫する行為です。

確かに自動車購入など、税金対策の買い物をすれば、その分減価償却費などの費用を計上することができるので利益を小さくすることができ、節税効果はあるでしょう。

しかし、その分、会社から現金が流出してしまうことになります。

節税効果によって抑えることができる現金の流出額よりも、税金対策のための買い物による現金流出額の方が大きいため、実は資金繰り的にはマイナスです。

収支と税金だけを考えて、税金対策をすると手元の資金流出が大きくなることは珍しくありません。

税金対策による買い物をする時には資金繰りまでしっかりと管理した上で行うようにしてください。

資金繰りが苦しい時のよくある質問

資金繰りが苦しいの少しだけ消費者金融カードローンに手を出すのは問題ありませんか?
資金繰りが苦しい時に消費者金融カードローンやビジネスローンなどの高金利商品に手を出すことはおすすめできません。
このような商品は金利が非常に高いので、利息の支払いだけで収益と資金繰りを大きく圧迫することになり、長期的に見れば会社の資金繰りを圧迫することの方が多いためです。
利用するとしても「取引先からの入金があるまでの1週間だけ」などというように期限を区切り、慢性的に利用することは避けてください。
資金繰りが苦しいので赤字覚悟で安く仕事を受注しようと思います。大丈夫でしょうか?
どんなに資金繰りが苦しくても、収益の出ない価格で資金繰り目的で仕事を受注することはNGです。
確かに仕事の量が多ければ短期的には資金がたくさん入金になるので資金繰りは楽になります。
しかし、所詮は利益が出ていないので、長期的には様々な支払いができずにさらに資金繰りに苦しむことになってしまいます。
また、今後、それよりも高い価格である採算ベースの価格で受注することも難しくなってしまい、将来的にも収益を確保することが不可能になります。
いくら資金繰りが苦しいと言っても採算に合わない価格で仕事を受注することは絶対にしないようにしてください。
資金繰りが苦しい時のファクタリングの効果を教えてください
期日前に早期に資金化することができるということはもちろん、売掛先のデフォルトリスクを排除することができるのも大きな効果です。
資金繰りが苦しい時に、売掛先が売掛債権を期日通りに支払わずに貸し倒れてしまったら、それこそ泣きっ面に蜂です。
ファクタリングを利用することによって、売掛先が倒産したとしても自社には責任が及びません。
この安心感は大きなメリットだと言えるでしょう。

まとめ

資金繰りが苦しい時には、支払いの優先順位を決めて優先すべきものから支払っていきましょう。

最も優先すべきものは従業員の給料、その次に取引先への支払いです。

税金や銀行借入は事情を行政や銀行へ伝えれば支払いを待ってくれるので、優先すべきではありません。

支払いを待ってもらっている間に以下の方法によって資金繰り改善を図ってください。

  • 銀行や日本政策金融公庫からの借入
  • ファクタリングによる資金調達
  • 銀行借入のリスケジュール
  • 資産の売却
  • M&Aや事業譲渡
  • 会社の廃業
  • 法的措置

中小企業を経営していれば、資金繰りの悩みはつきもので、絶対に資金繰りの悩みから解放されることはありません。

日頃から資金繰り管理を徹底し、来るべき資金繰りのピンチに常日頃備えるようにしてください。