フリーローン」と呼ばれるローン商品をご存知でしょうか?

教育ローンやマイカーローンなど、資金の使い道が限られるローン商品を「目的別ローン」と呼ぶのに対し、フリーローンは基本的に使い道が自由です。金融機関によっては多目的ローンなどと呼ばれたりもします。

今回はフリーローンの特徴や、個人事業主・フリーランスの方におすすめのビジネスフリーローンをご紹介します。

フリーローンとは

フリーローンとは

フリーローンとは、主に銀行が取り扱っている担保・保証人が不要の個人向けローン商品です。

個人の使途の範囲内で自由に使うことのできるローンですが、基本的に事業資金には使うことができません。

ただし、個人事業主向けの事業用・個人用のどちらにも使える「ビジネスフリーローン」という商品もあります。

フリーローンとビジネスフリーローン

フリーローンの使い道の注意点

フリーローンには個人向けと個人事業主向けのビジネスフリーローンの2種類があり、単に「フリーローン」と言うときは、個人向けのローン商品を指します。

フリーローンはメガバンクや地方銀行、信用金庫、JA、信販会社などさまざまな金融機関が取り扱っています。

生計費、マイカー購入資金、教育資金、入院費など、個人の使途の範囲内であれば自由に使うことができますが、事業資金に使うことはできません。

さらに、金融機関によっては有担保型フリーローンを取り扱っているところもあり、こちらは担保が必要となる代わりに、借入金額が大きく、返済期間も最長30年と長めに設定されています。

個人用に加え事業資金にも使えるビジネスフリーローンは、おもに地方銀行や信用金庫が取り扱っている法人代表者・個人事業主向けのローン商品です。

借入条件として、融資元の金融機関の営業区域内に住まいがある、もしくは営業所がある事業者に限られます。

また、収入が安定しているとは限らない小規模事業者向けの事業性融資であることから、メガバンクでは取り扱いがありません。

フリーローンとカードローンの違い

フリーローンと同様に、使い道が自由なローン商品にカードローンがあります。

カードローンは銀行、信用金庫、ろうきん、JA、信販会社など、さまざまな金融機関が発行しているカードです。

利用の際に専用のカードを発行する必要があるため、そのような商品名になったと言われています。

個人向けカードローンのほか、事業用に利用できるローンカード型ビジネスローン(法人カードローン)などもあります。

フリーローンとカードローンは似ている部分も多いのですが、借り入れ回数や金利など、異なる部分も少なくありません。

フリーローンの特徴

フリーローンの特徴

フリーローンの特徴をカードローンと比較しながら解説していきます。

初回に一括借入れ

フリーローンは必要な金額を初回に一括で借り入れ、その後は基本的に返済し続けるだけです。

追加で借り入れたい場合は完済後に再度審査が必要となります。

この貸付形態を「証書貸付」といいます。

カードローンは極度額(枠)の範囲内であれば、繰り返し借入・返済ができます。

この貸付形態を「当座貸越」といいます。

比較的金利が低め

ローン商品 金利の相場(年率)
フリーローン 3.0~14.0%
カードローン 【銀行系】2.0~14.5%

【ノンバンク系】3.0~18.0%

表を見て分かるとおり、フリーローンはカードローンよりも上限金利がやや低めに設定されています。

カードローンと違い、フリーローンは保証会社の保証付きで、なおかつ保証料は金融機関の負担(金利に組み込み)となっているからです。

返済期間が決められている

フリーローンは会社によって長さは異なりますが、「最長10年」というように完済までの返済期間が設けられています。

カードローンは限度額の範囲内で繰り返し借り入れ・返済ができるため、いつまでに返済を終えなければならないということがなく、返済期間はありません。

使い道が自由

生計費や住宅購入費、マイカー購入費、教育資金など個人の使い道を「消費性資金」、事業用の使い道を「事業性資金」と言います。

個人向けフリーローンは消費性資金のみ、個人事業主向けフリーローンは、消費性資金と事業性資金の両方に使えます。

カードローンは個人向けであれば消費性資金のみ、法人・個人事業主向けであれば基本的に事業資金にのみ使えます(消費性資金も可とする商品もあります)。

フリーローンは使い道が自由ですが、事前に「何に使用するのか」を申告しなければいけないケースもあります。

金融機関によっては見積書などの確認資料の提出が必要です。

担保・保証人が不要

フリーローン、カードローンともに小口融資が基本で貸し倒れリスクが低いため、基本的に担保・保証人ともに不要です。

ただし、銀行が発行するフリーローン、カードローンは保証会社による審査があります。

銀行側の自主規制により借入額が制限される

銀行のフリーローンは貸金業者のフリーローンとは異なり、総量規制の対象外です。

ただし、銀行側の自主規制により、申込者の年収の3分の1程度を上限として借入額が制限されます。

すでにカードローン等の借り入れがある方は、フリーローンをおまとめローンとして利用することも検討しましょう。

【個人事業主】おすすめビジネスフリーローン10選

個人事業主の方の生計費および事業資金におすすめのビジネスフリーローン、法人・個人事業主のどちらも使えるビジネスカードローンをご紹介します。

東京信用金庫の「WEBフリーローン」

借入条件
  • 満20歳以上、完済時75歳以下で次の条件を満たす方
  • 東京信用金庫の普通預金口座をお持ちの方
  • 安定継続した収入がある方
  • 東京信用金庫の営業地区内に居住、または勤務されている方
  • 一般社団法人しんきん保証基金の保証を受けられる方
金利(年率) 2.95%、5.00%、7.00%、10.00%、14.00%
融資金額 30万円以上500万円以内
返済期間 6ヵ月以上10年以内
使い道 自由

東京信用金庫は、本店所在地の東京都豊島区を含む8区および西東京市を営業区域とする信用金庫です。

「WEBフリーローン」は使い道が自由なので事業性資金はもちろん、消費性資金やおまとめにも利用できます。

ただし、利用条件として東京信用金庫に預金口座を持っている必要があります。

東京シティ信用金庫の「フリーローン GO速球」

借入条件
  • 申込時満20歳以上、完済時満80歳以下の個人事業主または法人代表者役員の方
  • 電話連絡が可能な方
  • 東京シティ金庫の営業地域内に居住又は勤務されている方
  • 安定継続した収入のある方
金利(年率) 5.5%・9.5%・14.5%
融資金額 10万円以上500万円以内
返済期間 6ヵ月以上10年以内(6回以上120回以内)
使い道 事業性資金

東京シティ信用金庫は東京都17区に浦安市を含む18の自治体を営業区域とする信用金庫です。

フリーローン GO速球」は東京シティ信用金庫に口座を持っていなくても、所定の借入条件をクリアすれば借り入れできます。

もっとも低い金利は5.5%(保証料含む)ですが、審査により5.5%で取扱いできない場合は固定金利9.5%、14.0%(保証料含む)でも同時に審査が行われます。

使い道は事業性資金のみで、生計費や住宅ローンなど消費性資金には利用できません。

青梅信用金庫の「あおしんフリーローンビジネス」

借入条件
  • 青梅信用金庫の営業区域内に居住、または個人事業主の方
  • 申し込み時の年齢が満20歳以上で完済時年齢満76歳未満の方
  • 安定継続した収入の方
  • (一社)しんきん保証基金の保証を受けられる方
金利(年率) 6.0%〜12.0%
融資金額 10万円以上500万円以下
返済期間 3ヶ月以上10年以内(元金据置は6ヶ月以内)
使い道 事業性資金

青梅信用金庫は東京都多摩地区を主な営業区域とする信用金庫です。

同金庫の事業者向けフリーローン「あおしんフリーローンビジネス」は、個人事業主の方の事業性資金として、6.0%〜12.0%の金利で最大500万円まで借り入れできます。

WEBから仮審査の申込みが可能で、300万円以下の融資金額の場合は年収確認書類が不要です。

事業資金のほか、おまとめローンとしても活用できます。

横浜銀行の「ビジネスフリーローン(個人事業主向け)」

借入条件
  • 借入時点の年齢が満20歳以上で、最終返済時の年齢が満76歳未満の方
  • 安定した収入のある個人事業主の方
  • 保証会社(株式会社クレディセゾン)の保証が受けられる方
  • 神奈川県内および東京都町田市に住まいまたは事業所のある方
金利(年率) 4.800%・8.000%・14.500%
融資金額 10万円以上500万円以下
返済期間 1年以上10年以内
使い道 事業性資金

日本最大規模の地方銀行と呼ばれる横浜銀行の個人事業主向けフリーローンは、神奈川県内および東京都町田市に住まいまたは事業所のある方を対象としています。

申し込みにあたって所得確認資料、見積書等の資金使途確認資料は不要、審査結果は最短翌営業日(窓口営業日)に回答です。

ただし、個人事業主向けでも使い道は事業性資金に限られ、消費性資金には使えません。

中京銀行の「事業者向けフリーローン はやわざ-α」

借入条件
  • 個人事業主または法人代表・役員の方
  • 申込時20歳以上で、最終返済時76歳未満の方
  • 安定継続した収入のある方
  • 営業区域内に自宅または事業所がある方
  • 保証会社の保証が受けられる方
金利(年率) 5.9%・8.4%・12.9%
融資金額 10万円以上300万円以内
返済期間 6ヶ月以上7年以内
使い道 事業性資金・消費性資金

中京銀行は三菱UFJ銀行のグループのひとつで、愛知県・三重県を営業区域とする地方銀行です。

「事業者向けフリーローン はやわざ-α」はインターネット・郵送・FAXから来店不要で申込み、仮審査までが可能です。

必要書類は本人確認資料のみで、申告書や見積書・注文書などは必要ありません。

借入金は事業性資金に加え、消費性資金にも活用できます。

関西みらい銀行の「事業者向けフリーローン」

借入条件
  • 申込時年齢満20歳以上完済時満76歳未満の方
  • 継続して安定した収入がある方
  • 保証会社の保証が受けられる方
  • 取扱店の営業区域内に居住または営業されている方
金利(年率) 4.0%・5.8%・7.8%・9.8%・13.5%
融資金額 10万円以上300万円以内
返済期間 6ヶ月以上7年以内
使い道 事業性資金

関西みらい銀行は近畿~中部エリアを営業区域とする地方銀行です。

同行の「事業者向けフリーローン」はオンライン申込みが可能で、融資実行までのスピードも早いため、急な出費にも対応できます。

事業資金の運転資金や設備資金に利用できますが、消費性資金には利用できません。

広島信用金庫の「個人事業者向けビジネスローン 即戦力」

借入条件
  • 申込時点で満20歳以上の方で、完済時の年齢が満81歳未満となる方
  • 安定継続した収入のある方
  • 当金庫借入について履行延滞のない方
  • (株)クレディセゾンの保証が受けられる方
  • 当金庫の地区内に住所または居所を有する方、または事業所を有する方
金利(年率) 7.0%・9.5%・14.0%
融資金額 10万円以上500万円以内
返済期間 6ヶ月以上10年以内
使い道 事業性資金

広島信用金庫の「個人事業者向けビジネスローン 即戦力」は、個人事業主が事業性資金として借りられるローン商品です。

「即戦力」の名のとおり、融資実行までのスピードに優れており、最短1時間で仮審査の結果がわかります。

同金庫の営業区域である廿日市市・広島市から三原市に、居住または事業所を有する個人事業主が対象です。

オリックスの「VIPローンカードBUSINESS」

オリックスVIPローンカードBUSINESS

借入条件 経営者・個人事業主の方
金利(年率) 6.0%~17.8%
融資金額 50万円~500万円
返済期間 最長10年2ヶ月・122回払い
使い道 事業性資金・消費性資金

「VIPローンカードBUSINESS」は、ノンバンク系の大手オリックス・クレジットの法人・個人事業主向けカードローンです。

来店不要のWEB契約で、平日14:30までに契約同意の手続きが完了すれば、最短即日で借入できます。

また、返済方法は「新残高スライドリボルビング返済」と「元利込定額リボルビング返済」のどちらかを選択します。

前者は借入残高に応じて毎月の返済額が変わり、初回が最も高く以降は返済額が減っていきます。後者は借入残高にかかわらず毎月一定額を返済します。

アコムのビジネスサポートカードローン【個人事業主のみ】

借入条件 業歴1年以上の個人事業主の方でアコムの基準を満たす方
金利(年率) 12.0%~18.0%
融資金額 1万円~300万円
返済期間 最終借入日から最長8年7ヵ月・1~89回
使い道 自由

アコムのビジネスサポートカードローンは、個人事業主向けの使途自由なカードローンです。

融資元が消費者金融会社であるため、実質年率は12.0%~18.0%とフリーローンよりも高めに設定されています。

ただし、事業性資金として使用できるため、年収の3分の1を超える借り入れもできます。

銀行や信用金庫でフリーローンが借りられなかった場合、短期間で返済することを前提に借りる分にはおすすめです。

アイフルビジネス・ファイナンスのビジネスローン

借入条件 業歴1年以上の個人事業主の方でアコムの基準を満たす方
金利(年率) 3.1%~18.0%
融資金額 50万円~1,000万円
返済期間 元利均等返済:最長5年(60回以内)
元金一括返済:最長1年(12回以内)
使い道 事業性資金

アイフルビジネス・ファイナンスのビジネスローンは、法人・個人事業主の事業性資金に利用できるローン商品です。

事業拡大・決算時などのまとまった事業資金のニーズに、また一時的なつなぎ資金など資金繰り改善に役立ちます。

ただし、フリーローンよりも金利が高めですので、借入の際はしっかりとした返済計画を立てましょう。

個人事業主は保証人が原則不要ですが、法人の場合は代表者を連帯保証人とする必要があります。

フリーローンに関するQ&A

フリーローンに関して、よくある質問とその回答をQ&Aにまとめました。

Q.証書貸付のフリーローンと当座貸越のカードローンはどのように使い分ければ良いですか?
A.フリーローンはまとまった資金を一括で借入れできるため、仕入れ資金や設備の購入・補修などまとまった資金ニーズに向いたローン商品です。一方のカードローンは金利が高めであるため、短期間で返済の目処が立っている場合のつなぎ資金に向いています。借入枠を作っておけばいつでも借入ができるため、いざというときの備えとして契約しておくのもひとつの手です。
Q.使い道が消費性資金に限られているフリーローンを事業用に使っても問題ありませんか?
A.個人向けのフリーローンを事業用に使用することは、金融機関の規約で禁じられています。確定申告で事業用として処理してしまうと、銀行から「個人向けのローンを事業用に使用している」と判断され、一括返済請求が行われる場合があります。個人信用情報がブラックになってしまうことがあるため、事業用の資金は事業者向けのローンでまかなうようにしましょう。
Q.フリーローンで借り入れたお金を一括で返済することはできますか?
A.できません。多くのフリーローンは原則として、元利均等返済で毎月決まった金額を返済することになります。ただし、最大元金の50%までボーナス返済併用可とするローン商品もあります。

まとまった資金ニーズにはファクタリングもおすすめ

法人に比べて金融機関からの借り入れが難しい個人事業主に、地方銀行や信用金庫のフリーローンはおすすめの資金調達方法です。

一般的な銀行融資よりスピードが早く、本人確認書類のみで最大500万円まで借り入れできるため、まとまった資金ニーズがあるときに利用を検討しましょう。

一方、まとまった資金ニーズには回収前の売掛債権を活用したファクタリングもおすすめです。

申込者の返済能力や信用情報にかかわらず、売掛先企業の信用力で審査されるため、金融機関から借り入れができない方でも資金調達できる可能性があります。