でんさい割引とファクタリングの違いを知らなければ、どちらが最適な資金調達方法なのか判断できません。でんさい割引とファクタリングの違いは、弁済義務の有無・審査のポイント・資金調達コストなどです。
今回の記事では、ファクタリングとでんさいの仕組みをわかりやすくまとめました。さらに、ファクタリングとでんさい割引のメリット・デメリット・違い・おすすめのサービスを解説します。
本記事を読めばファクタリングとでんさい割引の違いを理解し、状況にあわせて最適な資金調達方法を選択できます。最適な資金調達方法を選択し、計画的な資金調達・資金繰りの改善・持続的な経営を実現しましょう。
ファクタリングの仕組みとは
ファクタリングとは売掛債権をファクタリング会社に売却し、手数料が差し引かれた代金を受け取れる資金調達方法です。融資・ビジネスローン・でんさい割引などより審査通過のハードルが低く、最短即日で資金調達できるのが特徴です。
近年では、中小企業・個人事業主・フリーランスを中心にファクタリングでの資金調達が浸透してきました。また、中小企業庁は中小企業が不動産担保に依存せず資金調達できるよう、売掛債権の活用を推進しています。
ただし、ファクタリングは資金調達コストが融資などより高くなりがちです。そのため、綿密な資金計画を立てて計画的に利用する必要があります。
参照:中小企業庁「売掛債権の利用促進について」
2社間ファクタリング・3社間ファクタリングとは
ファクタリングには、2社間ファクタリング・3社間ファクタリングという2つの契約形態があります。2社間ファクタリング・3社間ファクタリングそれぞれの特徴は、以下のとおりです。
ファクタリング形態 | 特徴 | メリット | デメリット |
2社間ファクタリング |
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3社間ファクタリング |
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2社間ファクタリングは、手数料が高めですが最短即日で資金調達できます。一方、3社間ファクタリングは売掛先の承諾が必要なため、資金調達に数日~1週間ほどかかります。
ファクタリングの手数料相場
ファクタリングの手数料相場を、以下の表にまとめました。
ファクタリングの種類 | 手数料の相場 |
2社間ファクタリング(面談) | 10%~20% |
2社間ファクタリング(オンライン) | 2%~12% |
3社間ファクタリング | 1%~9% |
ファクタリングの手数料を計算するには、以下の式を使いましょう。
売掛債権額×手数料率÷100=手数料の金額
たとえば、手数料10%で100万円の売掛債権をファクタリングすると以下のようになります。
100万円(売掛債権額)×10%(手数料率)÷100=10万円(手数料の金額)
なお、ファクタリングと融資・でんさい割引などを資金調達コストで比較するなら年利換算しましょう。手数料を年利換算するには、以下の式を用いてください。
12か月÷支払いサイト×手数料率=年利換算相当
支払いサイト2か月で手数料10%の場合、年利換算すると60%の金利に相当します。
12か月÷2か月(支払いサイト)×10%(手数料率)=60%(年利換算相当)
ファクタリングは、ほかの資金調達方法より資金調達コストが高くなりがちです。許容できる資金調達コストを見極めて、計画的にファクタリングを活用しましょう。
ファクタリングの利用の流れ
ファクタリングの利用の流れは、以下のとおりです。
- ファクタリングサービスに利用を申し込む
- 必要書類を提出して審査を受け、手数料の見積もりをとる
- 3社間ファクタリングの場合、売掛先に承諾を得る
- 手数料などの条件に合意したら債権譲渡契約を締結
- ファクタリング会社から利用者に手数料を差し引いた代金が振り込まれる
- 2社間ファクタリングの場合、決済期日に売掛先から回収した売掛金をファクタリング会社に入金
3社間ファクタリングの場合、売掛先へファクタリング利用の承諾を得なければなりません。一方、2社間ファクタリングは売掛金を回収した後にファクタリング会社への入金が必要です。3社間ファクタリングは売掛先が直接ファクタリング会社に入金するため、利用者は何もする必要がありません。
でんさい(電子記録債)の仕組みとは
でんさい(電子記録債)とは手形の問題点を解決するために生まれた、オンラインで使える掛取引の仕組みです。でんさいは、手形の問題点である盗難・紛失リスクや郵送料・印紙代を解決しました。
2013年に全国銀行協会が設立した全銀電子債権ネットワーク(でんさいネット)には、全国の金融機関が参加しています。でんさいネットを介するでんさいの利用は、各銀行・金融機関の窓口で申し込みが可能です。
でんさいは、手形に代わる新たな掛取引の社会インフラとして今後の普及が期待されています。
でんさい(電子記録債)割引の割引率・割引料・経費
でんさいの割引とはメインバンクや割引業者にでんさいを譲渡し、決済期日までに売掛債権を現金化する資金調達方法です。でんさいの割引率の相場は、以下の表のとおりです。
取り扱い先 | 割引率の相場 |
銀行 | 1.5%~5% |
割引業者 | 3%~12% |
でんさい割引の割引料を計算するには、以下の式を用いてください。
額面金額×割引日数×割引率÷365=割引料
たとえば、100万円で支払いサイト90日のでんさいを、割引率10%ででんさい割引すると割引料は2万4,657円です。そのため、割引料を差し引いた代金は97万5,343円となります。
100万円(額面金額)×90日(割引日数)×10%(割引率)÷365=2万4,657円(割引料)
でんさいで割引料以外にかかる費用は、以下のとおりです。
費用の種類 | 金額 |
振込手数料 | 400円~1,000円 |
印紙代 | 200円 |
設定された金額以上のでんさいを譲渡すれば、振込手数料や印紙代が無料の割引業者もあります。手数料・その他の費用をしっかりと見積もり、資金調達コストの安い金融機関・割引業者を利用しましょう。
でんさい(電子記録債)・でんさい割引の利用の流れ
でんさいの利用の流れは、以下のとおりです。
- 取引先がでんさいを利用しているかどうか確認
- 金融機関の窓口ででんさいの申し込み
- 金融機関の審査を受けて通過すれば利用開始
- 取引によりでんさいが発生
- 決済期日に支払企業の口座から買掛金が自動的に引き落とされる
- 決済期日に納入企業の口座に自動的に売掛金が入金される
でんさい割引はでんさいの取引で発生した売掛債権を銀行・割引業者に譲渡し、手数料が差し引かれた金額を受け取ります。でんさい割引の利用の流れは、以下のとおりです。
- 利用者(納入企業)が発生したでんさいを取引金融機関・割引業者に割引依頼
- 取引金融機関・割引業者が審査し割引率を決定
- 合意したらでんさいを譲渡し、割引率料が差し引かれた代金を利用者(納入企業)が受け取る
- 決済期日に支払企業の口座から買掛金が引き落とされ、取引金融機関・割引業者に入金
- もし支払企業が支払いできなかった場合、でんさい割引の利用者(納入企業)がでんさいを買い戻す
でんさいはファクタリングと異なり、すべてオンライン上でやりとりされるのが特徴です。また、ファクタリングより資金調達コストが安い点も大きなメリットです。
でんさい(電子記録債)割引とファクタリングの違いとは
でんさいとファクタリングの違いについて解説します。
- 弁済義務の有無
- 提供元が異なる
- 重視する審査のポイント
- 契約手続き
- 第三者に知られるかどうか
- 資金調達コスト
それぞれの違いや特徴を理解し、状況にあわせて資金調達方法を適切に選択しましょう。
弁済義務の有無
でんさい割引とファクタリングのもっとも大きな違いは、弁済義務があるかどうかです。
ファクタリング契約には一般的に償還請求権・買戻特約が含まれず、売掛債権の回収義務はファクタリング会社が負います。償還請求権とは売掛債権が未回収になった場合、ファクタリング会社が利用者に弁済を求める権利です。買戻特約も同様に、売掛債権の未回収時に利用者へ買い戻しを求める契約です。
償還請求権・買戻特約がないため、倒産などで売掛債権が未回収になっても、ファクタリング会社は利用者に弁済を請求できません。一方、でんさいは売掛先が支払い不能となった場合、利用者は割引したでんさいを買い戻す義務を負います。
提供元が異なる
ファクタリングの提供元はファクタリング会社ですが、でんさい割引は金融機関・割引業者です。また、でんさいそのものはでんさいネットが提供しており、金融機関が窓口として申し込みを受け付けています。
なお、手形割引・でんさい割引を提供する業者は貸金業者登録が必要ですが、ファクタリングには不要です。なぜなら、ファクタリングは売掛債権の売買であり貸付とはみなされないからです。
でんさい割引業者は貸金業法が適用されますが、ファクタリング会社には規制がありません。そのため、ファクタリング会社の信頼性をしっかり見極めて利用する必要があります。
重視する審査のポイント
ファクタリングは売掛先の支払い能力を重視し、でんさい割引は利用者の信用力を重点的に審査します。
ファクタリングはファクタリング会社が売掛債権の回収義務を負うため、最終的な支払いをする売掛先の信用力を重視します。ただし、2社間ファクタリングは利用者による売掛金の着服リスクも無視できません。そのため、利用者の経営状態・財務状況についてもある程度は審査されます。
一方、でんさい割引は売掛先が支払い不能に陥った場合、利用者が売掛債権を買い戻す義務を負います。したがって、でんさい割引では売掛先ではなく利用者の信用力が審査で重視されます。
契約手続き
ファクタリングは契約手続きで面談が必要なケースもありますが、でんさいは完全にオンライン完結です。また、ファクタリングは契約に3点~7点の書類が必要ですが、でんさい割引は取引のある金融機関なら申込書のみで利用できます。
なお、オンライン完結のファクタリングなら必要書類が少ない傾向にあり、煩雑な手続きも必要ありません。
第三者に知られるかどうか
利用者・提供元以外の第三者に利用を知られるかどうかも、でんさいとファクタリングの大きな違いです。
でんさい割引はでんさいネットを介するため、割引業者を利用しても第三者である銀行に記録が残ります。しかし、2社間ファクタリングなら売掛先・銀行などにファクタリングの利用を知られません。
ただし、債権譲渡登記が必要な2社間ファクタリングは、第三者にファクタリングの利用を知られる恐れがあります。債権譲渡登記とは、二重譲渡を防ぐため債権譲渡の事実を公的に登記する仕組みです。
なお、債権譲渡登記が不要な2社間ファクタリングも近年は数多く登場しています。第三者にファクタリングの利用を知られたくないなら、債権譲渡登記が不要な2社間ファクタリングを選択しましょう。
資金調達コスト
ファクタリングとでんさい割引は、資金調達コストが大きく異なります。たとえば、ファクタリングの手数料とでんさい割引の割引率がともに10%でも、100万円の売掛債権で約7万6,000円強の差になります。
【ファクタリング】
100万円(売掛債権額)×10%(手数料率)÷100=10万円(手数料の金額)
【でんさい割引】
100万円(額面金額)×90日(割引日数)×10%(割引率)÷365=2万4,657円(割引料)
資金調達コストでは圧倒的にでんさいが勝りますが、認知度ではファクタリングに軍配が上がります。また、でんさいは売掛先がでんさいネットに加入している必要があります。
可能ならまずはでんさい割引を利用し、それ以上の資金調達に関してはファクタリングを活用しましょう。
ファクタリングの利用がおすすめのシーン
ファクタリングの利用がおすすめなシーンは、以下の4パターンです。
- 支払いが迫っておりすぐに資金を調達したい
- 未回収リスクを負いたくない
- 売掛先に資金調達した事実を知られたくない
- 経営状態・財務状況が悪く信用力に自信がない
ファクタリングは、資金調達スピードの速さと審査の柔軟さが最大の特徴です。そのため、「支払い期日が迫っており手元資金が心許ない」「経営状態・財務状況が芳しくない」といった状況で活躍します。
ただし、資金調達コストが高くなりがちなので、できる限り手数料の安いファクタリングサービスを選びましょう。
でんさい(電子記録債)割引の利用がおすすめのシーン
でんさいの利用がおすすめなシーンは、以下の4パターンです。
- 資金調達コストを抑えつつキャッシュフローを改善したい
- 簡単な事務手続きで手軽に利用したい
- 信頼性の高い資金調達方法を選択したい
- すべてオンラインで手続きしたい
でんさい割引はオンライン完結で簡単な手続きしか必要なく、信頼性の高い金融機関から資金調達できるのが特徴です。また、資金調達コストがファクタリングより安く、継続利用しても資金繰り悪化を招きにくいのもポイントです。
売掛先がでんさいネットに加入しているなら、積極的にでんさいを活用しましょう。
ファクタリングで資金調達するメリット
ファクタリングで資金調達するメリットは、以下のとおりです。
- 最短即日で資金調達
- 経営状態・財務状況が悪くても審査通過が可能
- 弁済義務がない
- 2社間ファクタリングは売掛先に知られない
ファクタリングを活用するにあたって、メリットをしっかりと理解して賢く資金調達しましょう。
最短即日で資金調達
2社間ファクタリングかつオンライン完結なら、最短数十分~即日で資金調達が可能です。
オンラインファクタリングは審査スピードが速く、必要書類が少ない傾向にあり手続きも時間がかかりません。午前中にファクタリングを申し込めば、午後には資金調達ができる可能性も十分にあります。
また、ファクタリングサービスによっては24時間365日対応で土日祝日でも資金調達が可能です。とにかくスピーディーに資金調達したいなら、オンライン完結の2社間ファクタリングを選択しましょう。
経営状態・財務状況が悪くても審査通過が可能
ファクタリングは、経営状態・財務状況が悪くても審査通過が可能です。
ファクタリングは融資とは異なり、売掛先の支払い能力を審査で重視します。そのため、売掛先の信用力さえあれば審査通過のハードルは高くありません。
ただし、2社間ファクタリングは利用者が売掛金を着服する可能性があるため、ある程度の信用力は必要です。一方、3社間ファクタリングは売掛金が売掛先から直接ファクタリング会社に入金されます。そのため、利用者の経営状態・財務状況などは審査の対象外となり、2社間ファクタリングより通過しやすくなります。
もし信用力に自信がないなら、審査がより柔軟な3社間ファクタリングの利用を検討しましょう。
弁済義務がない
ファクタリングはでんさい割引とは異なり、売掛債権が未回収になっても弁済義務がありません。
ファクタリングの債権譲渡契約には償還請求権が含まれておらず、売掛債権の回収義務はファクタリング会社が負います。償還請求権とは、ファクタリング会社が債権未回収時に利用者へ弁済を求める権利です。
償還請求権入りのファクタリング契約は貸付とみなされるため、ファクタリング会社は貸金業登録する必要があります。ファクタリング会社は一般的に貸金業登録していないため、償還請求権のある契約は違法とみなされます。
利用後に弁済義務が発生しないため、ファクタリングは売掛先の倒産を心配する必要はありません。
2社間ファクタリングは売掛先に知られない
2社間ファクタリングなら、売掛先や第三者にファクタリングの利用を知られず資金調達できます。
3社間ファクタリングは売掛先の承諾が必要ですが、2社間ファクタリングは利用者・ファクタリング会社間の契約です。そのため、売掛先にファクタリングの利用が知られて財務状況を疑われる心配がありません。
ただし、債権譲渡登記が必要な2社間ファクタリングは第三者に知られる可能性があります。債権譲渡登記とは債権の譲渡を公式に登記し、第三者や債務者に証明するための制度です。債権譲渡登記情報は開示されており、誰でも全国の法務局や民事法務協会の登記情報提供サービスで確認できます。
もし売掛先・第三者に決して知られたくないなら、債権譲渡登記が不要な2社間ファクタリングを選びましょう。
ファクタリングで資金調達するデメリット
ファクタリングを利用して資金調達するときのデメリットは、以下のとおりです。
- 手数料がほかの資金調達方法より割高
- 信頼性の高い業者を見極める必要がある
- 3社間ファクタリングは売掛先の承諾が必要
あらかじめデメリットを理解し、不利益を回避して上手にファクタリングを活用しましょう。
手数料がほかの資金調達方法より割高
ファクタリングは、ほかの資金調達方法と比較して資金調達コストが割高です。ファクタリングの手数料を年利換算し、ほかの資金調達方法と比較して表にまとめました。なお、ファクタリングの支払いサイトは2か月で計算しています。
資金調達方法 | 金利(手数料は年利換算) |
2社間ファクタリング(面談) | 60%~12% |
2社間ファクタリング(オンライン) | 12%~72% |
3社間ファクタリング | 6%~54% |
でんさい割引(割引業者) | 3%~12% |
でんさい割引(金融機関) | 1.5%~5% |
銀行融資 | 1.5%~3% |
ビジネスローン(ノンバンク) | 5%~18% |
ファクタリングの資金調達コストを抑えるには、以下の2つの方法がおすすめです。
- 上限手数料が低いファクタリングサービスを選ぶ
- 複数のファクタリングサービスで相見積もりをとる
上限手数料の低いファクタリングサービスを選ぶと、結果的に資金調達コストが抑えられる可能性が高いです。
また、ファクタリングサービスによって同じ売掛債権でも手数料が異なるケースは多々あります。手数料の安いファクタリングサービス複数社から相見積もりをとり、さらに資金調達コストを抑えましょう。
信頼性の高い業者を見極める必要がある
悪質な業者がいる可能性は否定できないため、信頼性の高いファクタリングサービスを見極める必要があります。信頼性の高いファクタリングサービスを見極めるポイントは、以下のとおりです。
- 上場企業・大企業やその子会社が運営
- 実績・運営歴を公式サイトで公表
- 会社概要で住所・電話番号・代表者名が明記されている
- 口コミ・評判でポジティブな評価が多い
ファクタリング会社の口コミを確認するなら、200社以上を掲載している「ファクタリング会社の口コミ」がおすすめです。口コミ・評判から慎重に信頼性を確認し、安心・安全に利用できるファクタリング会社を見つけましょう。
3社間ファクタリングは売掛先の承諾が必要
3社間ファクタリングは手数料が安いなどのメリットがある一方、売掛先の承諾が必要です。
3社間ファクタリングとは、利用者・ファクタリング会社・売掛先で契約するファクタリング形態です。売掛先の承諾が必要なため、申し込みから資金調達までに数日~1週間ほどかかります。
また、売掛先にファクタリングの利用が知られるため、財務状況の悪化を懸念される恐れがあります。懸念された結果、取引の減少や停止といった措置をとられるリスクも無視できません。
3社間ファクタリングを利用するときは、売掛先に十分な説明をして理解を得ましょう。
でんさい(電子記録債)やでんさい割引を利用するメリット
でんさいやでんさい割引を利用するメリットは以下の5つです。
- 手続きが簡単でスピーディー
- 必要な分だけ割引が可能
- 請求業務の効率化に伴うコスト削減
- 紛失・盗難リスクの回避
- 資金調達コストがファクタリングより安い
でんさい・でんさい割引のメリットを十分に活用し、業務効率化や資金調達に役立てましょう。
手続きが簡単でスピーディー
でんさい割引は、手続きが簡単でスピーディーなのが大きなメリットです。
でんさいは取引金融機関であれば、オンライン上で簡単な手続きをするだけででんさい割引が利用できます。でんさいの資金調達スピードは取引金融機関なら最短翌営業日、割引業者なら最短30分ほどです。
手間と労力を抑えて、本業にリソースを集中するならでんさい割引は最適な資金調達方法です。
必要な分だけ割引が可能
でんさい割引は、必要としている資金の分だけ売掛債権を譲渡して現金化できます。
従来の手形割引は、分割して必要額だけ資金調達するといった方法は不可能でした。しかし、でんさいなら必要額だけ資金調達が可能なため、割引料を最低限に抑えて財務負担を軽減できます。
なお、一般的なファクタリングも売掛債権を分割しての資金調達はできません。必要な分だけ分割して資金調達できるのは、でんさいの大きな特徴のひとつです。
請求業務の効率化に伴うコスト削減
でんさいは、支払企業・納入企業の双方にとって事務手続きの負担軽減と効率化が図れます。従来の手形取引には、以下のような労力やコストがかかっていました。
- 手形の保管・管理
- 手形発行
- 搬送
- 振込準備
しかし、でんさいならオンライン上ですべての手続きが完結し、納入企業に代金が自動入金されるため取引もスムーズです。まだでんさいを導入していないなら、取引先と共同で活用方法や削減できるコストを検討してみましょう。
紛失・盗難リスクの回避
でんさいは手形と異なり、紛失・盗難を心配する必要がありません。くわえて、オンラインでデータが保管されているため地震・水害などの災害に強く、事業の強じん性向上につながります。
ただし、データのやりとりをするデバイスのセキュリティには気を配る必要があります。デバイスのセキュリティにおいて、以下のポイントに注意してください。
- 常にOS・ソフトウェアを最新の状態に保つ
- セキュリティ対策ソフトを導入する
- 複雑なパスワードを設定し、使い回さない
資金調達コストがファクタリングより安い
でんさい割引は、ファクタリングやビジネスローンより資金調達コストが安いのもメリットです。金融機関のでんさい割引は銀行融資並みの割引率であり、高い資金繰り改善効果が期待できます。
資金調達方法別の資金調達コストについて、以下の表にまとめました。
資金調達方法 | 金利(手数料は年利換算) |
でんさい割引(割引業者) | 3%~12% |
でんさい割引(金融機関) | 1.5%~5% |
2社間ファクタリング(面談) | 60%~12% |
2社間ファクタリング(オンライン) | 12%~72% |
3社間ファクタリング | 6%~54% |
銀行融資 | 1.5%~3% |
ビジネスローン(ノンバンク) | 5%~18% |
売掛先がでんさいに加入しているなら、ビジネスローンやファクタリングより優先して活用しましょう。
でんさい(電子記録債)やでんさい割引を利用するデメリット
でんさいやでんさい割引を利用するデメリットについて解説します。
- 売掛先も加入していないと利用できない
- 審査のハードルが高い
- 未回収時に弁済義務が生じる
- 認知度が低く浸透していない
あらかじめデメリットを理解し、でんさい・でんさい割引を賢く活用して資金繰り改善・業務効率化を目指しましょう。
売掛先も加入していないと利用できない
売掛先がでんさいネットへ加入していないと利用できないのが、でんさい最大のデメリットです。
でんさいは、支払企業・納入企業のどちらもでんさいネットに加入している必要があります。しかし、でんさいの知名度はまだまだ低く、導入していない企業が大半なのが現状です。もしでんさいを利用するなら、まずは取引先が導入しているかどうか確認しましょう。
なお、支払企業・納入企業はそれぞれ異なる金融機関ででんさいへ加入していても問題ありません。長年、付き合いがある取引先ならでんさいの導入を提案するのも一案です。
審査のハードルが高い
でんさい割引はファクタリングと比較すると、審査の難易度が高いのがデメリットです。
でんさい割引では売掛先の経営状態・売掛債権の信用力以外に、利用者の与信状況も審査されます。割引信用枠の設定や割引率も、利用者の信用力によって大きく左右される仕組みです。
金融機関の場合は厳しく審査されますが、割引業者ででんさい割引を利用するのはそれほどハードルが高くありません。金融機関で審査に落ちた場合は、割引業者の利用も検討しましょう。
未回収時に弁済義務が生じる
でんさいは売掛先が支払い不能に陥った場合、でんさい割引の利用者が売掛債権を買い戻しする必要があります。一般的にでんさい割引による売掛債権の譲渡は、保証記録とセットになっているためです。
なお、関係者からの承諾があれば保証なしの譲渡も可能ですが、金融機関や割引業者が応じるケースはまれです。でんさい割引を利用するなら、売掛先に対する与信管理を普段から十分に行うようにしましょう。
認知度が低く浸透していない
でんさいは2013年に生まれましたが、いまだに認知度が低く事業者にあまり浸透していません。でんさいネットによる2022年の調査では、大企業でも13.7%しかでんさいを導入していませんでした。
2022年時点で利用している事業者の割合は、以下の表のとおりです。
企業規模 | 利用率 |
大企業 | 13.7% |
中小企業 | 8.5% |
小規模事業者 | 6.8% |
でんさいの導入割合が低い理由は、「双方ともに導入が必要」「ITリテラシー不足」の2つが考えられます。でんさいネットの調査によれば、小規模事業者で「PC・でんさい等の操作が不安」と答えた割合は32.8%にも上りました。
ただし、でんさいネットによれば2015年に6万件ほどだった発生記録請求件数は、2023年に35万件以上となっています。今後もでんさいの利用は、徐々に広がっていくと予想されます。
参照:でんさいネット「中小企業における普及状況(2022年6月)」,「統計情報」
決済事務効率化!三井住友銀行のでんさいファクタリングとは
三井住友銀行は、一括ファクタリングとでんさいを組み合わせた「でんさいファクタリング支払いサービス」を提供しています。
一括ファクタリングとは支払企業が手形による支払いを廃止し、ファクタリングによって決済事務の効率化を図る仕組みです。一括ファクタリングの利用の流れは、以下のとおりです。
- 支払企業(利用者)・納入企業・ファクタリング会社が一括ファクタリング契約を締結
- 納入企業は商品・サービスを支払企業に納入
- 納入企業は発生した売掛債権をファクタリング会社に譲渡し、支払企業が承諾
- 納入企業は手数料が差し引かれた代金を受け取る
- 支払企業は後日、商品・サービスの代金をファクタリング会社に支払い
でんさいファクタリング支払いサービスは、でんさいで・現金それぞれの受け取りを納入企業が選択できます。また、納入企業はファクタリングのように請求書を早期現金化できるため、資金繰りの強化が期待できます。
さらに、支払企業は納入企業がでんさいに加入していなくても、でんさいファクタリング支払いサービスの導入が可能です。支払企業・納入企業ともに大きなメリットがあるため、でんさいの代替手段として導入を検討してみましょう。
参照:三井住友銀行「でんさいファクタリング支払サービス」
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買取可能額 | 30万円~1億円まで |
手数料 | 2%~ |
入金スピード | 最短即日 |
手続き方法 | 申し込みフォーム・メール・ファックス・LINE |
公式サイト | https://accelfacter.co.jp/ |
アクセルファクターは即日入金を経営方針に掲げる、スピード感のあるファクタリングサービスです。
審査通過率93%を誇り、利用者の半数以上が即日入金を実現しています。審査通過率が高いのはクライアントの目線に立ち、どうしたら売掛債権が買取できるか考えて柔軟に対応するからです。
最長180日の支払いサイトに対応しており、入金サイクルの長い業界でも安心して利用できます。「対応がよかった」「手続きがスムーズ」と、アクセルファクターは口コミでも高い評価を得ています。
できるだけ早く資金調達したいなら、アクセルファクターはもっとも有力な選択肢のひとつです。
QuQuMo(ククモ) | スピードを追求し申し込みから入金まで最短2時間!
種類 | ・2社間ファクタリング |
買取可能額 | 下限・上限なし |
手数料 | 1%~14.8% |
入金スピード | 最短2時間 |
手続き方法 | オンライン |
公式サイト | https://ququmo.com/ |
QuQuMoはオンライン完結で、スピードを追求するのをモットーとするファクタリングサービスです。
申し込みから入金まで最短2時間で完了するため、急に現金が入り用になった状況に最適です。買取可能額の下限・上限が設定されておらず、小口から大口まで幅広く対応しています。
煩雑な書類の準備は不要で、請求書・通帳のコピーの2点だけでファクタリングを申し込めます。弁護士ドットコム監修のクラウドサインを導入しており、セキュリティ対策も万全なため安心です。
「手数料が安かった」「スピード重視の人におすすめ」など、QuQuMoは口コミでもポジティブな評価が多く見られます。手軽かつスピーディーにファクタリングを利用したいなら、QuQuMoの利用を検討しましょう。
割引率の安いおすすめのでんさい(電子記録債)割引業者3選
割引率の安いおすすめのでんさい割引業者を3つ紹介します。
- 日栄倉庫 | 1958年に創業した老舗で信頼性が高い!割引率は銀行並み!
- ジャパン・ファイナンシャル・ソリューションズ(JFS) | 創業から50年以上のノウハウ!
- クレイリッシュ | 割引率2.2%からと業界最安クラス!つなぎ融資も提供!
でんさい割引で資金調達コストを抑えつつ、資金繰り改善と持続的な経営を実現しましょう。
日栄倉庫 | 1958年に創業した老舗で信頼性が高い!割引率は銀行並み!
割引率 | 3%~7% |
入金スピード | 最短30分 |
公式サイト | https://densai.biz/ |
日栄倉庫は1958年に創業した貸金業界の老舗で、信頼性の高いでんさい割引業者です。
3%~7%という銀行並みの良心的な割引率を実現し、その他の手数料もかからず資金調達コストを抑えられます。契約はインターネットで完結し、申し込みから入金まで最短30分で現金化できるスピード感が特徴です。
なお、振込手数料は手形料が15,000円以上の場合のみ無料となります。資金調達コストを抑えてスピーディーにでんさいを現金化したいなら、日栄倉庫はおすすめの選択肢です。
ジャパン・ファイナンシャル・ソリューションズ(JFS) | 創業から50年以上のノウハウ!
割引率 | 3%~14.9% |
入金スピード | 最短2時間 |
公式サイト | https://www.jpnfs.com/ |
JFSは累計の取扱件数15万枚以上、取扱金額1,600億円以上の実績があるでんさい割引業者です。
申し込みから入金まで最短2時間、見積もりは業界最速クラスの5分で完了します。スピーディーな対応が特徴で、急な支払いなどで切迫した状況の心強い味方です。
創業から50年以上のノウハウを活かして、信頼性が高く安全・安心なサービスを提供しています。見積もりは無料のため、急いでいるときはJFSに相談してみましょう。
クレイリッシュ | 割引率2.2%からと業界最安クラス!つなぎ融資も提供!
割引率 | 2.2%~12.6% |
入金スピード | 最短2時間 |
公式サイト | https://901901.jp/ |
クレイリッシュは2.2%からと、低い割引率を実現したでんさい割引業者です。
申し込みから入金まで最短2時間で完了し、契約が終わってから送金までの所要時間は約10分と業界最速です。クレイリッシュからの送金は名前を自由に指定できるため、でんさい割引の利用を取引先に知られる恐れがありません。
また、クレイリッシュはでんさい割引とともにつなぎ融資も行っています。でんさい割引・つなぎ融資のどちらも利用したいなら、クレイリッシュでの資金調達を検討しましょう。
でんさい(電子記録債)とファクタリングに関するよくある質問
でんさいとファクタリングに関するよくある質問を解説します。
- でんさい(電子記録債)ネットとは?
- 一括ファクタリングとでんさい(電子記録債)の違いを教えて
- でんさい活用型ファクタリングを提供している銀行は?
- でんさい(電子記録債)とファクタリングの勘定項目は?
利用前に疑問を解消し、トラブルを回避してスムーズな資金調達を実現しましょう。
でんさい(電子記録債)ネットとは?
でんさいネットとは、全国銀行協会が設立した株式会社全銀電子債権ネットワークの通称です。でんさいネットの設立には、銀行協会の正会員銀行のほかに信用金庫・信用組合・農協系金融機関なども参加しています。
利用者はでんさいネットに参加している金融機関の窓口から申し込み、どこからでもでんさいを利用できます。
一括ファクタリングとでんさい(電子記録債)の違いを教えて
一括ファクタリングとでんさいの大きな違いは、主導する企業がどちらかです。
一括ファクタリングは支払企業が主導し、手形取引の負担を軽減して業務の効率化を実現します。ただし、支払企業は納入企業に一括ファクタリング導入の承諾を得なければなりません。
一括ファクタリングの仕組みは、以下のとおりです。
- 支払企業(利用者)・納入企業・ファクタリング会社が一括ファクタリング契約を締結
- 納入企業は商品・サービスを支払企業に納入
- 納入企業は発生した売掛債権をファクタリング会社に譲渡し、支払企業が承諾
- 納入企業は手数料が差し引かれた代金を受け取る
- 支払企業は後日、商品・サービスの代金をファクタリング会社に支払い
一方、でんさいは支払企業・納入企業ともにでんさいネットに加入している必要があります。また、双方の了承によってでんさいの利用が開始されるため、どちらが主導というわけでもありません。
仕組みについては、一括ファクタリング・でんさい割引ともに手形取引の負担軽減を目的としています。さらに、売掛債権の譲渡やでんさい割引で期日前に現金化できる点も共通です。
一括ファクタリングとでんさいのどちらを導入するか悩んでいるなら、まずは金融機関で詳しい内容を確認しましょう。
でんさい活用型ファクタリングを提供している銀行は?
でんさい活用型ファクタリングは、りそな銀行が提供しているでんさいネット上での一括ファクタリングです。システムの運用をりそな銀行が担ってくれるため、信頼性の高い決済サービスを安心・安全に利用できます。
なお、三井住友銀行のでんさいファクタリング支払サービスもほぼ同様の仕組みです。
でんさい(電子記録債)とファクタリングの勘定科目は?
でんさいは電子記録債権、ファクタリングは売上債権売却損がそれぞれの勘定科目となります。
状況にあわせてファクタリング・でんさい割引を使い分けよう!
でんさい割引とファクタリングの違いは、弁済義務の有無・提供元・審査のポイント・資金調達コストなどです。
ファクタリングは弁済義務がなく審査が柔軟ですが、でんさい割引より資金調達コストが高くなります。一方、でんさい割引は審査のハードルが高めですが、資金調達コストが低く大きな資金繰り改善効果が見込めます。
売掛先がでんさいに加入しているなら、積極的にでんさい割引を利用して資金調達をしましょう。でんさいに加入していないなら、手軽でスピーディーな資金調達手段であるファクタリングは心強い味方です。
ファクタリング会社選びで悩んでいるなら、200社以上を掲載しているファクタリング会社の口コミがおすすめです。自分に最適な資金調達方法を見極めて、資金繰り改善と継続的な事業運営を目指しましょう。