ファクタリングを利用する場合、どれくらいの手数料がかかるかご存知でしょうか?

ファクタリングにはさまざまな種類の手数料があり、初めてファクタリングを利用する方にとっては、その仕組みや相場が少々わかりにくいものだと思います。

手数料は利用者が調達できる資金の額に直接影響するため、その仕組みを知っておくことは非常に重要です。手数料のことを知らないで利用すると、思わぬところで損をしてしまうこともあります。

今回は、ファクタリング利用時にかかる手数料とその仕組みを解説いたします。

ファクタリングは2社間・3社間で手数料が大きく異なる

手数料の違い

ファクタリングには2社間ファクタリングと3社間ファクタリングという2種類の異なる契約形態があります。

両者は契約主体となるプレイヤー数だけでなく、以下のように手数料の相場も大きく異なります。

3社間ファクタリングの手数料相場・・・1%~5%
2社間ファクタリングの手数料相場・・・10%~20%

一見すると3社間ファクタリングの手数料の方がお得な印象ですが、この契約形態は

  • 取引先(売掛先)と協議した上でファクタリング利用の同意を得る必要がある
  • 入金までに1週間~2週間ほどかかる場合がある

といった点に気をつけなければなりません。

もし2~3日中にまとまった資金が必要という場合、3社間ファクタリングでは間に合いません。

取引先が「売掛債権を売却しなければならないほど業績が悪化しているのか」などと信用不安を示すことも考えられます。

以上のような事情から、中小企業や小規模事業者の多くが高い手数料を支払ってでも2社間ファクタリングで現金を調達しています。

手数料はファクタリング会社が負担するリスクに比例する

手数料はファクタリング会社が負担するリスクが大きいほど高くなります。

「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」の手数料が大きく異なるのは、ファクタリング会社が負うリスクの大きさがそれぞれ違うからです。

2社間ファクタリングは、「ファクタリング会社」と「ファクタリング利用会社(利用者)」の2社間で「債権譲渡契約」を結びます。

売掛先にはファクタリング利用の事実は一切伝えられないため、売掛金は通常どおり利用者の口座に振り込まれます。万が一、利用者が売掛金を使い込むなどした場合、ファクタリング会社に売掛金が支払われないリスクが生じます。

3社間ファクタリングは、「ファクタリング会社」と「ファクタリング利用会社」と「売掛先」の3社間の合意のもと「債権譲渡契約」を結びます。売掛金は売掛先からファクタリング会社に直接支払われるため、2社間ファクタリングのような売掛金の使い込みリスクは発生しません。

以上の契約形態の特性から、ファクタリング会社が負うリスクが大きい2社間ファクタリングのほうが、手数料は高く設定されているのです。

ファクタリングの手数料が変動するポイント

変動ポイント

2社間と3社間の契約形態の違い以外にも、次のような要素でファクタリングの手数料が変動します。

売掛先の信用力

大手企業や国の機関など、信用力の高い売掛先ほどファクタリングの手数料率は低くなる傾向にあります。

なぜなら、ファクタリング会社は売掛金の未回収リスクを回避するために、その売掛金を支払う売掛先の信用力を重視するからです。

ファクタリング会社は利用者から売掛債権を買い取り、通常翌月、翌々月となる売掛金の期日前に買取代金を利用者に支払います。

しかし、売掛先の資金ショートや倒産などによって売掛金が正常に支払われなかった場合、ファクタリング会社は損失を被ります。

ファクタリングにおいてはファクタリングを利用する会社の信用力よりも、実際にお金を支払う売掛先の信用力のほうが重要なのです。

したがって、ファクタリングの審査では利用者の返済能力や事業規模よりも、売掛先の信用力が重視されています。

契約金額が大きい

ファクタリング会社が買い取る売掛債権の額、つまり契約金額が大きくなるほど手数料は低くなる傾向にあります。

ファクタリングの買取手数料は、すなわちファクタリング会社の報酬です。

たとえば、100万円の売掛債権を20%の手数料で買い取った場合、ファクタリング会社の報酬は20万円で、そこから諸経費も差し引かれることになります。

一方で1,000万円の売掛債権なら、手数料10%で買い取っても100万円の報酬となります。

ファクタリング会社側の視点で考えれば、売掛債権を現金化するコストは契約金額が大きかろうが小さかろうが変わりません。

したがって、ファクタリング会社は手数料を下げてでも高額な売掛債権を買い取りたいと考えているのです。

売掛金の支払い期日が短い

売掛金の支払期日が長くなると、その間に売掛先が資金ショートに陥ったり、倒産したりして、ファクタリング会社の未回収リスクが高くなります。

ファクタリング会社はリスクの高い売掛金に対して、手数料を高くせざるを得ません。

したがって売掛金の支払期日は短い方が、ファクタリング会社のリスクを被る可能性が低くなり、手数料を抑えることができるのです。

利用回数が多い

初回の利用よりも2回、3回と利用した実績のあるほうが、手数料を低くしてもらえる可能性があります。

もちろん、過去の実績は売掛金の支払いが一度も遅れたことがないなど、スムーズな取引ができていることが前提です。

利用者の人柄

ファクタリング会社の中には、利用者の人柄を重視するところもあります。

利用者を単に顧客として見るのではなく、対等なビジネスパートナーとして付き合っていけるかどうか、信頼関係を築けるかどうかがカギとなります。

ファクタリング会社の担当者は、財務のプロでもあります。利用者がどれだけ見栄を張ろうとも、決算書や通帳の数字を見れば会社の状況は一目瞭然です。

会社が困窮した状態にあっても従業員を守りたい、資金繰りを改善して事業を立て直したいという情熱のある利用者に対して、ファクタリング会社は手数料を融通してもいいと考えます。

したがって、面談の際は経営や資金繰りの状況について、ありのままを伝えましょう。

手数料以外にかかる費用

かかる費用

ファクタリングの利用時には、買取手数料以外の費用がかかることがあります。

これらの費用はファクタリングの手数料に含まれるケースと、手数料とは別に請求されるケースとがあります。

以下に手数料以外にかかる場合がある費用を紹介します。

事務手数料(~5,000円)

契約にかかる書類作成などの事務作業のコストを利用者が負担する場合の手数料です。

買取手数料でカバーするファクタリング会社が多いため、「事務手数料無料」として、別途請求されるケースはほとんどありません。

契約書貼付収入印紙(200円、7,500円)

法律では課税文書として取り扱われる契約書に収入印紙を貼ることが義務付けられています。

ファクタリングで印紙代(印紙税)が必要になるタイミングは、債権譲渡契約を結ぶときの印紙税200円、債権譲渡登記をするときの登録免許税7,500円です。

前者は債権譲渡契約書に印紙を貼るために、後者は印紙税法に基づいて登録免許税を納付するために必要となります。

債権譲渡登記費用(3万円~5万円)

債権譲渡登記とは、債権譲渡の事実を法務局に申請して登記を行うことです。

「債権譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律の一部を改正する法律」に基づく手続きで、ファクタリング会社が第三者に対して債権を買い取ったことの権利を主張するための証明となります。

2社間ファクタリングは売掛先の承諾が不要なため、二重譲渡や回収不能リスク軽減の目的で債権譲渡登記を行うファクタリング会社も少なくありません。

3社間ファクタリングは売掛先に承諾を得るため、債権譲渡登記が不要です。

債権譲渡登記は司法書士に委任することになるため、概ね3万円~5万円の費用がかかります。

出張交通費

ファクタリングの契約を対面で行う場合、ファクタリング会社の担当者が利用会社に来社するための出張交通費がかかります。利用者がファクタリング会社に訪問する場合も同様です。

たとえば静岡在住の利用が東京のファクタリング会社を利用する場合、担当者が静岡まで出張するために新幹線を利用した場合、利用者は6,000円~7,000円の交通費を負担することになります。

振込手数料(110円~880円)

ファクタリング会社が利用者の指定した金融機関の口座に買取代金を振り込む際にかかります。振込手数料は振り込まれる金額によって変動し、利用者かファクタリング会社のいずれかが負担します。

ファクタリング利用時は手数料と同じく「掛目」も重要

掛け目

ファクタリグにおける掛目とは、売掛債権の「買取率」を指します。

ファクタリング会社によっては売掛債権の額面の100%を買い取るのではなく、掛目によって減額された金額が買取対象となります。

掛目は売掛債権の額面に対して75%~90%です。

たとえば掛目80%100万円の売掛債権を譲渡する場合、80万円が買取対象となり、そこからさらに買取手数料等が差し引かれます。

掛目によって減額された分の金額は、ファクタリング会社が売掛債権を無事に回収できた時点で利用者に返還されます。

掛目は売掛債権の回収リスクが大きければ小さく、逆に回収リスクが小さければ大きくなります。

手数料の仕組みを知って有利な交渉を

ファクタリングの利用時にかかる手数料には必ず裏付けがあります。

手数料の仕組みを知れば、どの条件で手数料が低くなるのか、あるいは高くなるのかがわかるため、よりファクタリング会社と対等な交渉が可能となります。

また、何の裏付けもない手数料を請求してくるようなファクタリング会社は悪質な業者である可能性もあるため、リスクを未然に防ぐことができるでしょう。

ファクタリングを利用する前は必ず複数社から見積もりを取り、手数料の内訳を確認したうえで、自社にとってもっとも有利な条件で取引ができる業者を選びましょう。