銀行融資であれば、企業の規模や業況に応じて借入可能額が決まっていますので、小規模な企業が融資で高額の資金調達をすることはできません。

しかし、ファクタリングは企業規模や業況とは無関係に高額な資金調達をすることができます。

ファクタリングには「この企業はいくらまで」という限度額というものが基本的にありません。

そのため、小規模の企業でも手持ちの売掛債権の金額によっては高額な資金を調達することができますし、大企業でも売掛債権を持っていなければ1円も資金調達することは不可能です。

そして、ファクターによって、対応できる買取可能額に差異があるので注意が必要です。

ファクタリングの買取可能額や限度額について解説していきます。

必要な資金を遅滞なく調達することができるように、自社が調達することができる金額が、ファクターが対応可能かどうかということを把握できるようになりましょう。

ファクタリングには限度額はない

ファクタリングに限度額はない

ファクタリングには限度額という概念がありません。

ファクタリングの限度額は基本的に売掛債権の金額と同じです。

つまり、企業の規模とは無関係に保有している債権の金額が、その企業がファクタリングで調達することができる限度の金額になるのです。

ファクタリングでいくらの資金調達ができるのかということは、自社の売掛金台帳を見れば、すぐに把握することができます。

ファクタリングの限度額や銀行融資との違いについて、詳しく理解しておきましょう。

保有する債権の金額までは資金調達できる

ファクタリングの限度額は、ファクタリングに申し込みをする企業が持っている売掛債権の金額です。

ファクタリングは貸付ではありません。

貸付であれば借りたお金を返済するために、企業の経営状態や規模などから返済能力を審査して、その返済能力の範囲内までしか資金調達することはできません。

しかし、ファクタリングは企業の持っている売掛債権という資産をファクターへ売却しているだけです。

不動産を持っている人が不動産の市場売買価格の範囲内までは資金を調達することができることと同じように、ファクタリングは売掛債権の範囲内まではどんな会社も資金調達することができます。

売掛債権から手数料が控除される

ファクタリングには手数料がかかります。

そのため、売掛債権全額が資金調達することができるというわけではありません

売掛債権金額から以下の手数料を控除された金額が資金調達の限度額です。

  • 2社間ファクタリング:20%程度
  • 3社間ファクタリング:5%程度

例えば、100万円の売掛債権を2社間ファクタリングする際には、手数料20%を差し引いた80万円程度がファクタリングでの資金調達限度額だと考えておきましょう。

売掛債権×掛け目が売却限度額

掛け目

基本的には売掛債権金額全額が買取額ですが、一般的には売掛債権全額が買い取られることはなく、債権金額に掛け目を乗じたものが買取額になります。

掛け目とは「債権のうち何%を買い取るのか」という数字で、掛け目90%であれば債権のうち90%だけを買い取ることになります。

100万円の売掛債権を掛け目90%で買い取る場合、90万円が買取額になります。

ここから手数料10%が引かれた場合には、90万円−9万円=81万円が振込金額となります。

つまり、正確には、資金調達限度額は、「売掛債権金額×掛け目−手数料」となることが一般的です。

規模の小さな企業でも高額調達できる

ファクタリングは企業規模に関わらず、保有する売掛債権の金額までは資金調達することができます。

そのため、規模の小さな企業でも、高額な売掛債権を持っていれば高額な資金調達をすることができます。

借入であれば、規模の小さな会社は少額しか資金調達をすることができません。

ファクタリングであれば、保有する売掛債権の金額次第で規模の小さな会社でも高額な資金調達をすることができるので、「大きな設備投資をして、売上を一気に拡大したい」というような場合にも、必要な資金を資金調達することができる可能性があります。

売掛債権を持っていないと1円も調達できない

反対に、いくら規模が大きな会社でも、その会社が売掛債権を全くもっていない会社であればファクタリングで資金調達することは不可能です。

ファクタリングはあくまでも売掛債権の売却です。

規模に関わらず資金調達することができる金額は売掛債権金額に比例しますので、規模が大きな会社でも売掛債権を持っていなければ、ファクタリングでは1円も資金調達することはできません。

ファクターの資金力で買取可能額は異なる

ファクタリングに限度額というものはありませんが、ファクターによって買取可能額が変わってしまうことがあります。

これは、ファクターの資金力の問題で、ファクターの規模が大きくないと高額買取は不可能なこともあります。

ファクターの規模ごとにいくらまでの買取に対応することができるのでしょうか?

小規模ファクターは1,000万円程度が限度

小規模なファクターは1,000万円程度が買取可能額の限度となっています。

小規模なファクターは資本金数百万円程度で運営されていることがあり、このような会社はそれほど手元に資金を持っていないので、数千万円もの買取に対応することができません。

小規模なファクターは「銀行融資を断られ、すぐに資金調達をしないと倒産してしまう」というような、規模が小さく経営状態が悪い会社に少額の資金を提供するというビジネスモデルで運営されていることが多いので、基本的な買取金額は100万円前後、多くても1,000万円が限度でしょう。

大規模ファクターは億単位の買取にも対応

ファクターの中には、メガバンクを親会社に持つ銀行系の大規模ファクターも存在します。

このような大規模ファクターは億単位の高額債権の買取にも対応しています。

銀行系のファクターは資本金数十億円の会社も多く、売上規模数百億円単位の巨大企業のファクタリングも行なっています。

売掛債権の金額が大きく、「これだけの金額を買い取ってくれる業者はいるのだろうか?」と悩んだ時には銀行系の大手ファクターへ相談してみるとよいでしょう。

億単位を超えたら銀行系ファクターに買い取りを依頼するということを覚えておきましょう。

少額のファクタリングに適したファクターとは?

少額のファクタリングに適したファクターとは?

数十万円単位の少額ファクタリングはどのファクターに申込むべきでしょうか?

あまりにも規模の大きな銀行傘下のファクターは金額が大きすぎると相手にしてもらうことが難しくなります。

そのため、それなりに規模が大きく、WEB完結や即日対応しているネット系のファクターに申込むことが無難でしょう。

それなりに規模が大きくWEB完結ができるファクター

数十万円単位の少額の売掛債権であれば、どのファクターでも買取には応じてくれます。

しかし、ファクターの中には悪徳業者や闇金なども混じっていますので、あまりにも規模が小さく名前を聞いたことがないような業者へ申し込みを行うのは危険です。

そのため、それなりに規模が大きくWEB完結などの契約システムが充実しているファクターへ申し込みをするとよいでしょう。

そもそもWEB完結というシステム自体、「すぐに少額なお金が必要」という人に対して向けて設計されているシステムで、それなりに資金力がないとシステムを構築することができません。

つまりWEB完結を行なっている業者は

  • 少額の買取を得意としている
  • お金がかかるシステム構築をできるそれなりにしっかりとした企業

という2つの条件を満たしていることになります。

少額の売掛債権の売却を希望しても嫌な顔をされることはありませんし、悪徳業者の可能性も低いと言えます。

安心して少額の債権を売却できるので、上記2つの条件を満たしているファクターと言えるでしょう。

銀行系ファクター少額ファクタリングに不向き

少額の売掛債権の申し込みを銀行系の大手ファクターへ行なったとしても、相手にされないこともあります。

銀行系ファクターは億単位の買取をするような会社ですので、数十万円程度の売掛債権の売却を希望しても「ウチではちょっと、、」と言われてしまう可能性があります。

1億円買い取るのも、100万円を買い取るのも、審査の実務はそれほど変わりません。

また、銀行系ファクターは手数料設定が非常に低いので、1億円を3%で買い取れば300万円の利益になりますが、100万円を3%で買い取っても3万円にしかなりません。

銀行系ファクターは「高額の売掛債権を低い手数料で買い取って高い収益を上げる」というビジネスモデルになっているので、少額の債権を買い取っていたら採算が合いません。

銀行系の超大手ファクターへ少額債権のファクタリングを申し込んでも相手にされないことも多いでしょう。

高額のファクタリングに適したファクターとは?

高額のファクタリングに適したファクターとは?

1億円を超えるような高額の売掛債権はどのファクターへ申し込みをすべきなのでしょうか?

規模の小さなファクターは資金力の問題から対応してもらえないことがあります。

確実なのは銀行系ファクターですが、銀行系ファクターは3社間ファクタリングしか扱っていないなどの問題点もあるので、十分に注意が必要になります。

銀行系ファクターは資金化までに時間がかかる

銀行系ファクターは高額買取に対応しています。

買取可能額は数億円を超えるような規模まで対応しており、少額の売掛債権では相手にしてくれないことも多いので、高額買取に特化したファクターということもできます。

しかし、銀行系ファクターは資金化までに時間がかかるのが難点です。

  • 3社間ファクタリング
  • 審査に時間がかかる

銀行系ファクターのファクタリングは3社間ファクタリングで行われること、そして審査のプロセスが銀行融資にように複雑になっているので審査にも時間がかかることから、申し込みから資金化までに2週間以上かかってしまうこともあります。

2週間もあるのであれば、銀行から融資を受けることも可能です。

ファクタリングの強みである「銀行融資よりも素早く資金調達できる」というメリットが、銀行系ファクターにはありません。

高額買取には対応しても、ファクタリングのメリットがあまりないというのが、銀行系ファクターのデメリットです。

規模の小さなファクターは資金不足で対応できない

規模が小さなファクターではあまりにも高額な売掛債権をファクタリングすることは不可能です。

規模が小さなファクターは数百万円程度を買い取ることをメインとしており、「買取可能額1,000万円まで」と謳っているファクターも、実際には優良企業の売掛債権でなければ1,000万円も買い取ってくれないこともあります。

規模が小さなファクターに高額買取を希望するのは最初から無理だと考えておいた方がよいでしょう。

高額ファクタリングは事前相談を

金額が大きな売掛債権を手元に持っている時は、最初から申し込むのではなく、「手元に〇〇株式会社への売掛債権を持っているのだが、金額的に対応可能か」ということを相談した方がよいでしょう。

ファクターによっては優良企業であれば「無理をしてでも買い取りたい」と考えることもあれば、「基準を超える売掛債権の買い取りには対応していない」という会社もあります。

まずは、ファクターへ相談し、対応することができるかどうかという確認をした上で申込手続きへ進むようにしてください

ファクタリングの申込手続には時間がかかるので、最初から時間をかけて申し込みをするよりも、事前に買い取り可能かどうかを確認しておく方が確実です。

2社間と3社間で買取額の違いはありますか?
2社間ファクタリングでは自社が資金流用するリスクがあるので、業況が悪い企業やファクターとの信頼がない企業では売掛債権金額よりも買取可能額が少なくなってしまう可能性があります。
3社間では資金回収に自社が関与しないので、ファクターの資金力によっては全額買い取ってもらえる可能性が高くなります。
掛け目を引き上げる方法はありますか?
掛け目は「売掛先が全額入金しないリスク」に備えて設定されるものですので、売掛先企業が優良先の場合、そして2社間ファクタリングでは自社の経営状態に問題がない場合には引き上がることがあります。そして、2回目以降はファクターからの信頼が向上することが多いので、掛け目が上がることもあります。
ファクターからより多くの金額を買い取ってもらうコツを教えてください。
ファクターのリスクが小さくなれば買取額は大きくなります。
「複数の売掛債権をまとめる」「取引を重ねて信頼関係を構築する」「自社の経営状態や資金繰りを良好にする」これらの状態であれば、ファクターにとってはリスクが低くなるので、買取可能額が大きくなる可能性があります。
特に、1社で300万円というような1社だけの債権よりも、3社で300万円のような少額の債権を複数合わせた方がファクターにとってはリスク分散を図ることができるので買取可能額は大きくなることがあります。

まとめ

ファクタリングには限度額という概念はありません。

売掛債権という資産を売却するだけですので、どんな規模の小さな会社でも売掛債権の金額までは資金調達することが可能です。

しかし、ファクターの買取可能額に関しては、ファクターの規模によって限度額があります。

規模の小さなファクターは少額しか買い取ることができませんが、銀行系などの大手ファクターは数億円単位の高額買取にまで対応することができます。

ファクターの規模によって買取可能な金額は異なります。

自分が持っている売掛債権を買い取ってくれるかどうかは、あらかじめ電話などで確認した上で申し込みをした方がよいでしょう。