ファクタリングには悪徳業者が2種類存在する
ファクタリングには悪徳業者が以下の2種類存在します。
- 偽装ファクタリングを行うヤミ金業者
- 条件面が劣悪な契約を提示するファクタリング会社
悪徳業者の種類について十分に理解しておき、安心して利用できるファクタリング会社を見極めましょう。
偽装ファクタリングを行うヤミ金業者
偽装ファクタリングとは、売掛債権の売買を装いながら実態は高金利の貸付である手口です。債権の買取と見せかけ、売掛先の返済不能時に買い戻しを求めるのは「償還請求権あり」の契約となり、実質的に貸金業です。偽装ファクタリングを持ちかける業者の多くは貸金業登録を行っておらず違法となるため、トラブルに巻き込まれる可能性があります。
実際に、金融庁・日本貸金業協会も上記のような無登録のヤミ金業者には注意を喚起している状況です。ヤミ金業者の手口を見抜くためには、契約書の償還請求権の有無や手数料の適正さなどをしっかり確認する必要があります。
参考:ファクタリングの利用に関する注意喚起:金融庁,悪質な金融業者にご注意! | 日本貸金業協会
条件面が劣悪な契約を提示するファクタリング会社
もう1つの悪質業者のタイプは、条件面で利用者に過剰な負担を強いるファクタリング会社です。主な特徴として、以下に示しているファクタリングの手数料相場を大きく超える取引を持ちかけるケースがあげられます。
ファクタリングの種類 |
手数料の相場 |
2社間ファクタリング(面談) |
10%〜20% |
2社間ファクタリング(オンライン) |
2%〜12% |
3社間ファクタリング |
1%〜9% |
2社間ファクタリングでは2%〜20%、3社間では1〜9%程度が相場ですが悪質業者は上記を遥かに上回る手数料を提示します。さらに、遅延時のペナルティが過酷であったり、審査なし・保証なしを売りにして高リスクな契約条項を盛り込んだりするケースも多いです。
例えば、「償還請求権」「担保・保証金要求」が含まれている契約の場合は、実質的な融資契約に該当する可能性があるため要注意です。悪質業者から身を守るためには複数業者で見積りを比較し、明らかに他の業者とは違う不審な条件があれば取引を避けましょう。
ファクタリング悪徳業者の一覧・リストは関東財務局が公表している
関東財務局では貸金業や関連サービスを営む無登録・違法業者について、名前・所在地・警告内容を含めた一覧を定期的に公表しています。本リストを契約前に照会すれば、「取引予定の会社が登録済か、あるいは警告対象か」をチェックできます。
本リストに登録されていなければ、少なくとも無登録のヤミ金業者ではなく安全に利用できるファクタリング会社である可能性が高いです。なお、関東局以外にも各地域の財務局が公式ホームページで同様の違法な貸金・金融業者に関する情報を提供しています。
参考:悪質な貸金業者の情報:財務省関東財務局,違法な金融業者にご注意! : 金融庁
金融庁のヤミ金リストも悪徳業者を見分けるのに活用できる
金融庁も「違法な金融業者に関する情報について」で、無登録の貸金業者・虚偽登録業者について警告リストを公開しています。本リストには、ファクタリングと称しながら高利貸しを行う給与ファクタリング・偽装ファクタリング業者なども含まれます。
金融庁のリストは全国規模で調査した結果で、関東財務局がカバーしきれないエリアの業者や全国展開する悪質業者を掲載している点が特徴です。また、本リストは更新日付きで掲載されており、常に最新の警告対象業者が反映されています。
希望のファクタリング会社がリストに見当たらなければ、少なくとも無登録・警告対象ではないという事実確認が可能です。なお、金融庁では貸金業者の登録の有無を確認できる「登録貸金業者情報検索入力ページ」も用意しています。本ページを利用すれば、希望するファクタリング会社の会社名・電話番号を入力すると貸金業登録を行っているかが簡単に判別可能です。
ファクタリング悪徳業者の代表的な手口
ファクタリング悪徳業者の代表的な手口として、以下の3つがあげられます。
- ファクタリングを装って貸付を行う
- 給与ファクタリングを提案する
- 分割払いを提案される
上記の提案をファクタリング会社から行われたら悪徳業者の可能性が高いため、取引は避けましょう。
ファクタリングを装って貸付を行う
ファクタリング名義で売掛債権の買取を行いつつ、実態は高金利の貸付を行う手口は極めて悪質です。契約書には償還請求権や買戻義務の条項が記され、売掛債権が回収不能になった際に利用者が補填・買い戻しを迫られます。
また、悪質業者は売掛債権の回収の遅延を口実に、暴力など違法な手口で利用者を追い込むケースも報告されています。上記のような違法なファクタリング契約のリスクを避けるためには、契約前に償還請求権が設定されていないかを確認しましょう。
給与ファクタリングを提案する
給与ファクタリングと称して個人の給料債権の買取を行って現金化する仕組みは、実質的に貸付でヤミ金の代表的な手口です。貸金業登録していない業者が給料債権の買取と称して、年利換算で数百%の法外な手数料を請求する事例が相次いでいます。さらに、金融庁・警察も注意を呼びかけており、最高裁判所の判決で給与ファクタリングは貸金業に該当すると明言しています。
給与ファクタリングは利用者が勤務先への督促や恫喝にさらされ、生活が急激に悪化するケースも報告されている危険な手法です。資金が不足している状況でも、給与ファクタリングを提案されたら絶対に取引してはいけません。
参考:ファクタリングの利用に関する注意喚起:金融庁
分割払いを提案される
通常のファクタリングは一括での資金提供が基本ですが、悪徳業者は分割払いに変えて利用者に継続的な負担を強いる構造を作ります。例えば、売掛債権の買取を分割で行って返済スケジュールを組ませ、高額な手数料に遅延損害金・解約金を加えて利益を何倍にも伸ばします。
上記のような分割契約は実質的にローン契約と同様で、貸金業登録なしに分割支払い方式を提示する業者は違法である可能性が高いです。支払いが遅延すれば、督促・取り立てがエスカレートして精神的圧迫・業務妨害にまで至るケースも報告されています。ファクタリング会社から分割払いを提案された場合は、絶対に取引を避けましょう。
ファクタリング悪徳業者に共通する特徴
ファクタリング悪徳業者に共通する特徴として、以下の6つがあげられます。
- ホームページに住所・連絡先などの会社情報が記載されていない
- 見積りを提示されない・見積りの内容がわかりにくい
- 契約書を求めても提出を拒まれる
- 相場と比較して著しく手数料が高額
- 審査の通りやすさを過剰に強調している
- ファクタリングを利用したいのに融資を提案される
上記の特徴にあてはまるファクタリング会社は悪徳業者の可能性が高いため、取引は避けましょう。
ホームページに住所・連絡先などの会社情報が記載されていない
ホームページに住所・連絡先などの会社情報が記載されていない場合、悪徳業者の可能性が高いです。会社情報を特定されて違法事業の追及を受ける事態を防ぐために、あえて記載していないケースが疑われます。
なお、悪徳業者の場合は仮に住所が書かれていても架空住所・バーチャルオフィスの場合が多く実際に足を運べないケースが多いです。また、サイトに固定電話番号があっても実際の問い合わせは携帯電話で対応される事例も散見されています。
信頼できる業者であれば、会社情報を詳細に公開していて問い合わせへの誠実な姿勢が感じられるケースが多いです。「住所・連絡先が掲載されていない」「連絡先がつながらない電話番号である」場合は、取引を避けましょう。
見積りを提示されない・見積りの内容がわかりにくい
見積りを提示されない・見積りの内容がわかりにくい場合は、悪徳業者の可能性が高いです。見積りを提示されないと契約前後で手数料が異なり、想定していたよりも高額なコストがかかるなどのトラブルが発生しやすいです。悪徳業者の中には「審査不要」「即日入金」など甘い言葉を使い、条件説明を曖昧にしながら利用者を焦らせます。
見積書には、売掛債権額・手数料率・入金額や振込までの所要日など契約内容が詳細に記載されているケースが一般的です。もし、見積書に費用の内訳が記載されていない場合は後で想定外の手数料を多額請求される危険があります。見積り・見積書の提示を拒む業者に対しては、取引をしないようにしましょう。
契約書を求めても提出を拒まれる
ファクタリング契約では契約書の作成が必須ですが、悪徳業者は契約書自体を作らず口頭説明だけで進めようとします。契約書面がないと「聞いていた支払い条件と違う」などトラブル発生時に約束した内容を証明できず、不利な状況に追い込まれやすいです。
法律上では契約書がなくても契約は成立しますが、金銭に関わる取引であるファクタリングでは書面での明示が実務的に必須です。契約書を求めた際に拒否されるなら、当該業者とは取引しないのが賢明な判断となります。また、事前に提示された契約内容について不明点・疑義が生じた際には遠慮せず質問し、説明が不十分なら契約を中止しましょう。
相場と比較して著しく手数料が高額
相場と比較して著しく手数料が高額な場合も、悪徳なファクタリング業者の可能性が高いです。ファクタリング業界では2社間で2%〜20%、3社間で1%~9%が一般的な手数料相場です。しかし、悪徳業者はいずれの方式でも上記の相場を大幅に超える例が多く散見されます。
ファクタリングの手数料が高額な場合は調達できる資金も少なくなり、長期的に収益を悪化させる可能性があります。契約前には相場を踏まえた複数社の比較が鉄則で、提示された手数料について売掛債権額・手数料率・入金額とともに細かく確認しましょう。相場からかけ離れた手数料を提示された場合は、悪徳業者の可能性を疑って取引を避けてください。
審査の通りやすさを過剰に強調している
「誰でも通る」「審査ナシ」「即日契約」などのフレーズで、審査の甘さを強く打ち出す業者には要注意です。ファクタリングは売掛先の信用度や申請書類の整合性によって審査されるもので、絶対通過する保証はありません。
審査の通りやすさを過剰に強調する場合、利用者に不利な条件を隠して早めに契約させようとしている可能性があります。審査の通りやすさが強調されている業者に関しては、手数料などの具体的な契約条件を詳細に確認しましょう。
ファクタリングを利用したいのに融資を提案される
ファクタリング契約に申し込んだのに融資を提案されるケースは、悪徳業者が貸金業を無登録で営んでいる可能性が高いです。ファクタリングは売掛債権を譲渡・売買する取引ですが、悪徳業者は「金銭消費貸借契約」など契約内容を融資にすり替えます。
結果として、法定金利を大幅に超える金利を請求されるなど大きな損失を抱える可能性が高いです。契約に「金銭消費貸借契約」「償還請求権あり」の文言がある場合、実質的な融資契約となるため取引は避けましょう。
ファクタリング悪徳業者に出会わないための対策
ファクタリング悪徳業者に出会わないための対策として、以下の5つがあげられます。
- 日本貸金業協会の「ヤミ金(悪質業者)の実例検索」で業者名を調べる
- 見積り費用の内訳を確認して複数社と比較する
- 審査なしの業者は選ばない
- 契約内容が「金銭消費貸借契約書」になっていないか確認する
- 「買戻請求権」「償還請求権」が契約で設定されていないか確認する
安心・安全にファクタリングを利用するため、悪徳業者を見極めるための対策をしっかりと講じましょう。
日本貸金業協会の「ヤミ金(悪質業者)の実例検索」で業者名を調べる
日本貸金業協会が提供する「ヤミ金(悪質業者)の実例検索」は、悪質事案の業者名・電話番号・住所を確認できる公式データベースです。本ツールではファクタリングを装ったヤミ金業者も多数登録されており、会社名を入力するだけで該当の有無が簡単に把握できます。「ヤミ金(悪質業者)の実例検索」での検索は無料で行え、実在する業者かどうかの初期チェックとして非常に有効です。
無登録営業・詐称事例の他にも過去の被害内容を確認できるため、業者の信頼性を測る重要な裏付けとなります。問い合わせした業者が「ヤミ金(悪質業者)の実例検索」にヒットする場合は、すぐに契約手続きを中断しましょう。
見積り費用の内訳を確認して複数社と比較する
悪徳業者を避けてファクタリングを利用したい場合は、見積り費用の内訳を確認して複数社と比較しましょう。優良な業者は、売掛債権額・手数料率・振込額・事務手数料などを詳細に記載した見積書を提示します。一方、悪徳業者は見積りを提示せず口頭だけで伝えるか、書面があっても内訳が曖昧で総額だけが強調されるケースが多いです。
契約内容が不明瞭な場合、後になって高額な手数料や事務費用などの名目で追加費用を請求されるリスクが高いです。対策としては、最低でも2〜3社から見積りを取得し、各社の見積金額の内訳を比較検討しましょう。もし、費用面に関して曖昧な項目がある場合は質問し、納得できなければ交渉し直すか契約自体を見送ってください。
審査なしの業者は選ばない
審査なしを売りにするファクタリング業者には要注意で、優良な業者は売掛先の信用力や書類の整合性を基に適切な審査を行います。しかし、「審査不要」「即日契約」などを謳う業者は、保証人・担保・高額手数料を伴う貸付契約への誘導を目的としている場合が多いです。
なお、審査を省く業者は回収リスクを補填するために手数料が相場を超えて高額化する傾向にあります。また、知らない間に融資契約へ切り替えられ、取り立てや実質的に法外な金利を支払わされる危険もあります。ファクタリングには書類の提出や審査が必要不可欠だと理解し、適切な審査プロセスを踏む会社を選びましょう。
契約内容が「金銭消費貸借契約書」になっていないか確認する
悪徳業者を避けたい場合は、契約内容が「金銭消費貸借契約書」になっていないかを確認しましょう。ファクタリングは売掛債権の譲渡・売買取引であり、提示される書類は通常「債権譲渡契約書」です。ところが、悪徳業者はファクタリングと称しておきながら融資に該当する「金銭消費貸借契約書」「借用書」を提示します。
金銭消費貸借契約書は債権譲渡契約書と明らかに法的性質が異なり、借入契約と判断されて貸金業法が適用されます。貸金業登録がない業者が金銭消費貸借契約書を使うこと自体が違法であり、契約を結んだ側も法的トラブルに巻き込まれる可能性が高いです。契約時には書類の名称を必ず確認し、「債権譲渡取引」の文言が明記されているかをチェックしてください。
「買戻請求権」「償還請求権」が契約で設定されていないか確認する
ファクタリング会社と契約する際は、「買戻請求権」「償還請求権」が設定されていないかも確認しましょう。償還請求権とは、売掛債権の回収が不能となった際に利用者へ弁済を求める権利を指します。ファクタリング契約は売掛債権を譲渡して売却する取引であり、償還請求権がない契約が基本です。
償還請求権・買戻請求権のある契約は実質的に融資と同等の性質をもつと判断されるため、貸金業登録がない業者であれば違法となります。契約書を受け取った際には条文中に「債権の買戻義務」「償還請求権」などの文言が記載されていないか、必ず確認してください。
ファクタリング悪徳業者の被害にあった場合の相談先
ファクタリング悪徳業者の被害にあった場合の相談先として、以下の4つがあげられます。
- 最寄りの警察署
- 貸金業相談・紛争解決センター
- 国民生活センター
- 弁護士
万が一、違法な悪徳業者から被害を受けた場合は、内容に応じて速やかに上記の相談先に相談しましょう。
最寄りの警察署
ファクタリングで悪徳業者による脅迫や恐喝、強引な取り立てに遭った場合、警察へ相談しましょう。金融庁も「違法な取り立ての被害については警察に相談を」と呼びかけています。
例えば、「支払わなければ会社を潰す」などの発言があれば刑事事件として扱われ、警察が対応してくれる可能性があります。なお、警察では総合窓口を設けており、「#9110」に電話すると無料で相談が可能です。
警察への相談時には、契約書や取り立て時のやり取りが記載されたメールなどの具体的な証拠を提出すると手続きがスムーズです。ただし、被害内容が高額な手数料をとられたなど民事的な性質に留まる場合、警察が積極的に動かないケースもあります。
参考:ファクタリングの利用に関する注意喚起:金融庁
貸金業相談・紛争解決センター
ファクタリングの契約内容に関するトラブルは、日本貸金業協会の「貸金業相談・紛争解決センター」で無料相談が可能です。ファクタリングの悪徳業者に関する具体的な相談例としては、以下の内容に対応しています。
- 貸金登録業者か確認したい
- 契約内容がよくわからず意見を聞きたい
- ヤミ金の対処法などのアドバイスを受けたい
さらに、金融庁金融サービス利用者相談室も併用可能で、苦情内容に応じて適切な相談先を案内してくれます。ファクタリングの契約内容に疑問がある場合は、まず貸金業相談・紛争解決センターに相談するのがおすすめです
機関名 |
日本貸金業協会 貸金業相談・紛争解決センター |
電話番号(固定電話) |
0570‑051‑051 |
IP電話・PHS等 |
03‑5739‑3861 |
受付時間 |
月~金 9:00~17:00(土日祝・年末年始除く) |
所在地 |
〒108‑0074 東京都港区高輪3‑19‑15 二葉高輪ビル2階 |
国民生活センター
国民生活センターでも、悪徳業者とのファクタリング契約に関する相談が可能です。国民生活センターでは、給与ファクタリングなどの偽装業者による高額手数料や取り立て被害を紹介して消費者に注意を呼びかけています。相談事例では、年率数百%もの手数料や家族・勤務先を巻き込んだ強引な取り立てによって被害が拡大するケースも報告されています。
相談窓口は全国の消費生活センターで対応しており、消費者ホットラインに連絡すると最寄りの窓口を案内してもらえる流れです。窓口ではまず事例の聴取と簡易なアドバイスを受け、必要に応じて専門的な対応や法的措置についても案内してくれます。なお、消費者ホットラインが混み合っていてつながらない場合は平日バックアップ相談と呼ばれる別の窓口でも相談が可能です。
被害に遭った場合は契約書や手数料明細、取り立てのやり取りなど証拠資料を整理し、相談時に持参すると手続きがスムーズになります。
窓口名 |
国民生活センター(消費者ホットライン) |
電話番号 |
188 |
対応時間 |
10:00–16:00(年末年始除く) |
平日バックアップ相談 |
03‑3446‑1623(平日10:00〜12:00、13:00〜16:00) |
所在地 |
〒108‑8602 東京都港区高輪3‑13‑22 |
弁護士
ファクタリングの悪徳業者に詐欺的・違法な契約を結ばされた場合、弁護士に相談すると効果的な支援が受けられます。法律相談は初回無料の法律事務所も多く、内容証明の送付や業者との交渉、場合によっては訴訟手続きまでサポートしてもらえます。
例えば、違法な条項を無効と主張したり、手数料の減額交渉を行ったりなどを弁護士を通して実現できるケースが多いです。複雑な法的問題が絡むケースでファクタリング契約を既に締結してしまっている場合は、弁護士への相談を検討しましょう。
安全に取引できるファクタリング会社の選び方
安全に取引できるファクタリング会社の選び方として、以下の6点があげられます。
- ホームページで企業情報を開示している業者を選ぶ
- 見積り費用の内訳が詳細に記載されているか確認する
- 対面面談が可能なファクタリング会社にする
- 提供するファクタリングサービスが豊富な会社を選ぶ
- サポート体制が充実しているか確認する
- 口コミ・評判をチェックする
上記のポイントを意識して、自社の条件にあった安心して利用できるファクタリング会社を選びましょう。
ホームページで企業情報を開示している業者を選ぶ
安心できるファクタリング会社には、まず企業情報がきちんと掲載されています。会社概要に所在地・電話番号・代表者名など基礎情報が明示され、沿革・実績・従業員紹介なども詳細に書かれているケースが多いです。
企業情報を確認して実態を確認する際は、「住所がGoogleマップで正確に実在するか」「固定電話かどうか」なども確認しましょう。携帯番号のみで表記されている場合は会社が実在するか疑問が残るため、取引は避けた方が無難です。また、ホームページの更新頻度や実績一覧が最新かどうかもチェックすべきポイントです。
見積り費用の内訳が詳細に記載されているか確認する
ファクタリング会社から見積りを提示された場合、見積り費用の内訳が詳細に記載されているか確認しましょう。優良なファクタリング会社は、提示する見積書に費用の内訳を明確に記載します。具体的には、売掛債権額・手数料率・振込額・事務手数料などをわかりやすく示して利用者が負担を正確に把握できるよう配慮しています。
一方、悪質業者に多いのは「見積りが口頭だけ」あるいは「全て込みで○○円」など内訳が不明な書面を出して契約を急かす方法です。見積りの内訳が明確でない場合、契約前には提示されなかった追加費用を請求されるリスクがあります。見積りで曖昧な部分があれば担当者に質問し、納得できなければ契約を見送りましょう。
対面面談が可能なファクタリング会社にする
対面面談が可能な会社を選ぶのは、ファクタリング会社の信頼性や安心感を担保するうえで有用です。対面では担当者との相性を確かめられ、質問や契約内容の不明点をその場で確認できます。
特に、契約が初めてで不安がある企業は対面面談の提供がある業者を選ぶと安心して手続きを進められます。ただし、訪問時間・交通費がかかるデメリットもあるため、自身のリソースに応じて対面・オンラインのどちらが適切か判断しましょう。
提供するファクタリングサービスが豊富な会社を選ぶ
信頼できるファクタリング会社を選ぶ際には、提供サービスの幅の広さも重要な判断材料です。ファクタリングには2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの2種類があり、メリット・デメリットが以下のように異なるからです。
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2社間ファクタリング |
3社間ファクタリング |
メリット |
- 即日審査
- 入金がスピーディ
- 売掛先に知られずに利用できる
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- 手数料が低め(約1%〜9%)
- 審査通過率が高い
- 売掛金回収の手間が不要
- 大手提供者が多く安心
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デメリット |
- 手数料が高め(約2%〜20%)
- 審査が厳しい傾向
- 債権譲渡登記が必要な場合もある
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- 売掛先の通知・承諾が必須
- 資金化まで数日〜数週間かかる
- 売掛先に利用が知られ信用懸念リスクあり
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上記のように複数のファクタリングサービスが提供されていれば、「手数料を抑えたいから3社間ファクタリング」のように目的に応じてサービスを選べます。複数の選択肢から自社に最適なものを選べるよう、サービスが豊富な会社を選ぶのがおすすめです。
サポート体制が充実しているか確認する
ファクタリング会社を選ぶ際、サポート体制の充実度は非常に重要です。優良な会社では専任担当者が付き、入金後も経営相談や融資の提案など資金調達後のフォローまで対応する手厚い体制が整っています。
また、土日祝の対応可否やチャット・メール・電話などマルチチャネルでの相談のしやすさもポイントです。チャットなら即時対応が可能で、ファクタリングに関する急ぎの疑問にもスムーズに対処してもらえます。
口コミ・評判をチェックする
実際のユーザーの声を見ると、ファクタリング会社の実態がより正確に把握できます。例えば、「手続きが簡単で安心」など前向きな口コミがある一方、「手数料が高かった」といった意見が見られるケースもあります。
公式サイトよりも、第三者の実体験に基づいて客観的にファクタリング会社の信頼性を確認できるのが、口コミのメリットです。なお、具体的な売却額・対応スピード・担当者の印象・トラブルの有無など、多角的な視点で口コミ・評判を収集しましょう。
安全に取引できるおすすめの優良ファクタリング会社5選
安全に取引できるおすすめの優良ファクタリング会社は、以下の5社です。
- ビートレーディング
- 日本中小企業金融サポート機構
- アクセルファクター
- labol(ラボル)
- QuQuMo(ククモ)
上記の会社はファクタリングでの支援実績が多く、ユーザーのニーズに合わせた提案経験も豊富であるため、安心して利用できます。
ビートレーディング

種類 |
- 2社間ファクタリング
- 3社間ファクタリング
- 診療報酬ファクタリング
- 注文書ファクタリング
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買取可能額 |
下限・上限なし |
手数料 |
- 2社間ファクタリング:4%〜12%
- 3社間ファクタリング:2%〜9%
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入金スピード |
最短2時間 |
手続き方法 |
オンライン・LINE |
公式サイト |
https://betrading.jp/ |
ビートレーディングは2社間・3社間ファクタリングともに手数料が比較的安く、入金スピードが非常に速いと評価される会社です。手数料は2社間ファクタリングで4%〜12%、3社間ファクタリングで2%〜9%と相場の中でも低水準です。審査から最短2時間での入金が完了する迅速さに加え、スタッフ対応の丁寧さが利用者から高く評価されています。
口コミでは「説明がわかりやすく信頼できた」「手間なく即日入金できた」などの声が多く見られ、はじめての利用でも安心です。また、診療・介護報酬債権など医療系債権にも対応しており、医療機関も含めて幅広い業種に対応できます。
日本中小企業金融サポート機構

一般社団法人である日本中小企業金融サポート機構は、非営利団体ならではの低手数料と即日対応が売りのファクタリング会社です。手数料は1.5%からと低水準でオンライン契約で手続きが完結し、申し込みから最短即日で入金が完了できます。中小企業支援の専門家である経営革新等支援機関に国から認定されており、安心して利用できる信頼性の高い会社と言えます。
法人・個人事業主問わず利用でき、赤字・税金滞納中でも柔軟に審査対応してくれる点も大きな強みです。債権譲渡登記も必要なくファクタリングを利用できるため、取引先に知られる心配なく資金調達できます。ただし、平日のみの営業(9:30~18:00)であるため、土日に急ぎの入金が必要な場合は注意が必要です。
アクセルファクター

アクセルファクターは書類提出から30分〜1時間で審査が完了し、最短即日入金を実施するスピード重視のファクタリング会社です。手続きはオンライン・対面の両対応に加え、利用回数に応じて手数料が下がる仕組みなど継続ユーザーへの支援姿勢が強みです。
審査通過率93%以上で最大1億円までの債権買取に対応するなど、幅広い事業者の属性・ニーズに対応する柔軟性も評価されています。経営革新等支援機関にも認定されており、信頼性も高く安心して利用できる点も魅力です。
labol(ラボル)

labol(ラボル)は、フリーランス・個人事業主に特化したオンライン完全完結型のファクタリングサービスです。AIによる自動審査を導入しており、書類提出から審査・入金まで最短60分で完了するスピード感が高い評価を得ています。また、24時間365日いつでも申し込み可能で、銀行の営業日に依存しない即時振込対応は大きな魅力です。
手数料は一律10%と明瞭で、見積りをとらなくても事前に調達できる資金額を計算しやすい料金体系となっています。必要書類も請求書・身分証明書・取引証明の3点のみと簡素であり、手続きの負担が軽い点も評価されています。
QuQuMo(ククモ)

QuQuMo(ククモ)は、オンライン完結型の2社間ファクタリングに特化した資金調達サービスです。QuQuMoの最大の特徴は、申し込みから最短2時間で入金が可能なスピード感にあります。スマホ・PCで手軽に申し込みができ、面談不要で請求書・通帳コピーなど最低限の書類で審査を完了できる点も利用しやすさの秘密です。
また、クラウドサインを契約に導入しており、セキュリティ対策も万全であるため情報漏えいなどの心配もありません。口コミでは「対応が丁寧で入金対応が早い」といった評価が多数あり、初めての利用者にも安心感がある声が目立ちます。
ファクタリングと悪徳業者に関するよくある質問
ファクタリングと悪徳業者に関するよくある質問として、以下の6つを紹介します。
- ファクタリング業者とは?
- ファクタリング会社同士で繋がりはある?
- ファクタリングはやばい?違法?
- ファクタリングで取り立てはある?
- ファクタリングにデメリットはある?
- ファクタリング会社の運営に貸金業登録は必要?
あらかじめ不安や疑問を解消し、安心して利用できる有料なファクタリング会社を見極めて資金繰りを改善しましょう。
ファクタリング業者とは?
ファクタリング業者とは、企業が保有する売掛債権を資金化するために買取を行う専門業者です。売掛金の支払期日前に資金が必要な場合に、手数料を差し引いた金額で即時買取を行って企業のキャッシュフロー改善に寄与します。
公的な法制度上、債権譲渡は民法に明記された取引であり、ファクタリング業自体は合法です。そのため、適切に運営されているファクタリング業者であれば、信頼できる資金調達手段として問題なく利用できます。
ファクタリング会社同士で繋がりはある?
大半のファクタリング会社は独自に審査・契約条件・入金スピードなどを設定しており、提携・連携するケースはほぼ見られません。一方で、悪徳業者の場合は業者同士で個人情報を共有しているケースもあり、情報が悪用されるリスクがあります。ファクタリングを利用する際は複数社を比較検討し、評判・実績・契約条件を個別に確認したうえで安全な会社を選びましょう。
ファクタリングはやばい?違法?
結論として、ファクタリングは違法でもやばいサービスでもありません。ファクタリングは民法に基づく合法的な債権譲渡・売買契約で、中小企業庁も推進している安全なサービスです。
ただし、ファクタリングを装って実態は高利貸しを行う「偽装ファクタリング」を実施するなどの悪徳業者が存在します。上記のような悪徳業者の場合、返済義務や違法な取り立てが発生して大きな損失を受ける可能性が高くなります。ファクタリングを安全に利用するためには償還請求権の有無や手数料などを確認し、企業の信頼性を必ず確認しましょう。
参考:売掛債権の利用促進について|中小企業庁
ファクタリングで取り立てはある?
利用企業が売掛債権分の金額を支払えないなど回収に問題があれば、ファクタリング会社から請求・督促が行われるケースはあります。しかし、通常のファクタリング会社であれば、ヤミ金業者に見られる暴力を伴うなどの違法な取り立ては決してありません。
優良業者の場合は社会通念上、許容される範囲で行い、訴訟・差し押さえなど正式な法的手続きを踏むのが一般的です。したがって、違法が疑われる不自然な取り立てがファクタリング会社からあれば、警察・弁護士へ相談しましょう。
ファクタリングにデメリットはある?
ファクタリングは資金繰り改善に有効な一方で、以下のような注意すべきデメリットが複数存在します。
ファクタリングのデメリット |
内容 |
手数料が高い |
融資よりも年利換算で高くなり、費用負担が大きくなる |
売掛金の範囲でしか調達できない |
売掛債権以上の資金調達はできず、大口調達には向かない |
債権譲渡登記が必要な場合もある |
登記費用が発生し、登記内容が公開されるリスクがある |
取引先に通知・知られる |
3社間ファクタリングでは利用が取引先に知られ、信用に影響する場合がある |
ファクタリングに依存してしまう |
ファクタリングが常態化すると、経営の根本問題の解決が遅れる恐れがある |
一方、「担保・保証人が不要」「信用情報への影響がない」などメリットも多いため、適切に活用すれば有効な手段です。
ファクタリング会社の運営に貸金業登録は必要?
ファクタリング会社の運営に貸金業登録は必要ありません。ファクタリングは債権譲渡・売買契約で金銭貸借契約とは性質が異なり、貸金業法上の登録義務はないためです。
しかし、契約に「償還請求権」「買戻請求権」が含まれていたり、実質的に返済義務を伴ったりする契約の場合は貸金業に該当します。上記に該当する契約を無登録で行う事業者は違法なヤミ金とみなされるため、利用前に契約内容をよく確認する必要があります。
ファクタリング悪徳業者を避けて法的なリスクを回避しよう
ファクタリングは、売掛債権を現金化する資金調達手段として多くの中小企業・フリーランスに利用されています。適法で便利なサービスである一方、悪徳業者による高額手数料や違法な取り立て被害も報告されており、事前の業者選定が非常に重要です。
安心して取引するためには、企業情報や契約書の内容をよく確認するなどの対策が欠かせません。また、日本貸金業協会・国民生活センター・弁護士など目的に応じた相談先を把握しておけば、万が一のトラブルにも冷静に対処できます。信頼できるファクタリング会社を見極めて健全な資金調達を行い、違法な取り立てなどのリスクを回避しましょう。