個人事業主はどのような資金繰りの支援を受けられるのかご存知ですか?

個人事業主は営業規模が小さく、資金的な体力も乏しいため、コロナ禍のような社会的な不況時にはすぐに資金繰りが厳しくなってしまうことがあります。

そこで、国や地方自治体や金融機関は、資金繰りが厳しくなりやすい属性である個人事業主に向けて、融資から補助金までさまざまな資金繰り支援策を用意しています。

個人事業主がコロナ関連で受けることができる資金繰り支援、個人事業主が融資を受けることができる機関、融資以外で受けることができる個人事業主の支援内容について詳しく解説していきます。

コロナ関連の個人事業主が受けられる資金繰り支援

新型コロナウイルス感染症対策として国が打ち出した中小事業者支援のための融資制度は以下の4つです。

  • 日本政策金融公庫|新型コロナウイルス感染症特別貸付
  • 商工中金|危機対応融資
  • 信用保証協会|セーフティネット保証・危機関連保証
  • マル経融資の金利引き下げ

このうち、日本政策金融公庫と商工中金と信用保証協会に関しては無利子で融資を受けることができる可能性があります。

コロナ関連で個人事業者が借りることができる融資制度を詳しく解説していきます。

日本政策金融公庫|新型コロナウイルス感染症特別貸付

日本政策金融公庫は新型コロナウイルスによって以下のいずれかに該当する事業者の方に特別な融資を実施しています。

  • 最近1ヵ月の売上高または過去6ヵ月(最近1ヵ月を含みます。)の平均売上高が前年または前々年の同期と比較して5%以上減少している事業者
  • 業歴3ヵ月以上1年1ヵ月未満の場合等は、最近1ヵ月の売上高または過去6ヵ月(最近1ヵ月を含みます。)の平均売上高(業歴6ヵ月未満の場合は、開業から最近1ヵ月までの平均売上高)が次のいずれかと比較して5%以上減少している方
    (1)過去3ヵ月(最近1ヵ月を含みます。)の平均売上高
    (2)令和元年12月の売上高
    (3)令和元年10月から12月の平均売上高

融資の概要は以下の通りです。

融資限度額 8,000万円
返済期間 設備資金20年以内(うち据置期間5年以内)
運転資金15年以内(うち据置期間5年以内)
金利 基準金利(1.26%〜1.65%)
担保 無担保
備考 4,000万円を限度として融資後3年目までは基準利率-0.9%、4年目以降は基準利率

基本的には前年度から売上が5%以上減少していれば、借入当初3年間は0.9%の金利優遇を受けることができ、0.36%〜0.75%という非常に低い金利で資金調達可能です。

実質無利息

一部の条件を満たした人は、本融資制度の「基準利率-0.9%」の部分に対して中小企業基盤整備機構から利子補給を受けることができ、借入当初3年間は実質無利子で融資を受けることができます。

実質無利子の条件は以下の通りです。

小規模事業者 中小企業者
個人事業主 要件無し 売上高▲20%以上
法人 売上高▲15%以上 売上高▲20%以上

小規模事業者とは、業種によって以下に該当する事業者のことです。

  • 卸・小売業、サービス業:常時使用する従業員が5名以下
  • それ以外の業種:常時使用する従業員が20名以下

家族経営などの個人事業主の方であれば、日本政策金融公庫の新型コロナウイルス感染症特別貸付が無条件で借入当初3年間は実質無利息になります。

商工中金|危機対応融資

商工中金も新型コロナウイルス感染症対策資金として「危機対応融資」を取り扱っています。

危機対応融資は以下の条件に該当する法人・個人事業主になります。

  • 最近1ヵ月の売上高または過去6ヵ月(最近1ヵ月を含みます。)の平均売上高が前年または前々年の同期と比較して5%以上減少している事業者
  • 業歴3ヵ月以上1年1ヵ月未満の場合等は、最近1ヵ月の売上高または過去6ヵ月(最近1ヵ月を含みます。)の平均売上高(業歴6ヵ月未満の場合は、開業から最近1ヵ月までの平均売上高)が次のいずれかと比較して5%以上減少している方
    (1)過去3ヵ月(最近1ヵ月を含みます。)の平均売上高
    (2)令和元年12月の売上高
    (3)令和元年10月から12月の平均売上高

この条件は日本政策金融公庫の条件と同じです。

融資の概要は以下の通りになります。

融資限度額 6億円
返済期間 設備資金20年以内(うち据置期間5年以内)
運転資金15年以内(うち据置期間5年以内)
金利 基準金利(1.11%)
担保 無担保
備考 2億円を限度として融資後3年目までは基準利率-0.9%、4年目以降は基準利率

商工中金の方が日本政策金融公庫よりも融資限度額が大きく、基準金利も低くなっています。

借入当初3年間は0.21%で借りることができ、融資限度額も大きいので、中規模程度の企業でも商工中金の危機対応融資を活用できるでしょう。

実質無利息

危機対応融資にも実質無利息制度が存在します。

利子補給が適用される条件は日本政策金融公庫と同じで、小規模個人事業主であれば無条件で借入当初3年間は実質無利息で資金調達を行うことができます。

信用保証協会|セーフティネット保証・危機関連保証

信用保証協会には通常の保証枠とは別枠で以下の3つの保証枠が設けられました

  • セーフティネット保証4号
  • セーフティネット保証5号
  • 危機関連保証

信用保証協会から保証を得ることができれば、銀行などの金融機関にリスクはなくなるので融資を実行します。

つまり、信用保証協会の保証制度は銀行や信用金庫などの金融機関から融資を受けるための制度です。

信用保証協会の3つの保証枠を受けるための条件等について詳しく解説していきます。

セーフティネット保証4号

セーフティネット保証4号とは、災害などの突発的な事由によって経営に支障が出ている中小事業者に向けた保証制度です。

以下の2つのケースで信用保証協会が通常の保証限度額とは別枠で借入債務の100%を保証する制度になります。

  • 災害救助法が適用された場合
  • 都道府県から要請があり国として指定する必要があると認める場合

新型コロナウイルスに関してもセーフティネット4号保証の対象と指定されています。

保証を受ける条件と保証内容は以下の通りです。

保証対象者 ・指定地域において1年間以上継続して事業を行っている
・災害の発生に起因して、当該災害の影響を受けた後、
原則として最近1か月の売上高等が前年同月20%以上減少しており、
その後2か月を含む3か月間の売上高等が前年同期に比して
20%以上減少することが見込まれること。
(売上高等の減少について、市区町村長の認定が必要)
保証割合 100%保証
保証限度額 一般保証とは別枠で2億8,000万円

新型コロナに関しては日本全国すべての地域が該当しています。

売上が20%以上減少していれば、保証の対象となる可能性が非常に高いでしょう。

通常の保証制度とは別枠で利用可能

この保証制度は通常の保証とは別枠です。

そのため、「すでに信用保証協会の保証枠を使い切ってしまった」という個人事業主の方でも条件に合致すれば保証を受けることができる可能性が極めて高く、非常に高い確率で銀行から制度融資を借りることができるでしょう。

セーフティネット保証5号

セーフティネット保証5号とは、全国的に業況の悪化している業種に属していることから、経営の安定に支障を生じている中小企業者の資金繰りの円滑化を図るため、信用保証協会が通常の保証限度額とは別枠で80%保証を行う制度です。

セーフティネット保証4号が災害等を原因とするものを100%保証するのに対して、5号保証は不景気の業種に属しているが故に経営が悪化してい事業者に対して80%の保証を行います。

保証を受ける条件と保証内容は以下の通りです。

保証対象者 ①指定業種に属する事業を行っており、
最近3か月間の売上高等が前年同期比で5%以上減少。
(売上高見込みを含む3ヶ月間の売上高等の減少でも可)
②指定業種に属する事業を行っており、
製品等原価のうち20%以上を占める原油等の仕入価格が20%以上上昇
しているにもかかわらず、製品等価格に転嫁できていていない
保証割合 80%保証
保証限度額 一般保証とは別枠で2億8,000万円

コロナ対策でほぼ全ての業種が対象に

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、セーフティネット5号保証の対象になる業種が2020年3月に実に356業種追加されました。

これによって、5号保証に該当する業種は508業種へ拡大され、ほとんどの業種が5号保証の対象となります。

直近3ヶ月の売上が5%以上減少していれば保証の対象となる可能性が非常に高いので、金融機関や信用保証協会へ相談してみましょう。

危機関連保証

危機関連保証とは、リーマンショック時や東日本大震災時等と同程度に、中小企業の信用が著しく急落している状況下において、国が危機関連保証を実施する必要があると認める場合に、売上高等が減少している中小企業者を支援するための措置になります。

新型コロナウイルスも危機関連保証の対象として指定されており、以下に該当する事業者が危機関連保証の対象となります。

  • 金融取引に支障を来しており、金融取引の正常化を図るために資金調達を必要としている。
  • 最近1か月間の売上高等が前年同月比で15%以上減少しており、かつ、その後2か月間を含む3か月間の売上高等が前年同期比で15%以上減少することが見込まれる。

これらに該当する人は、以下の保証枠が一般の保証枠とは別枠で用意されます。

  • 普通保証 2億円以内
  • 無担保保証 8,000万円以内
  • 無担保無保証人保証 2,000万円以内

コロナ関連の銀行融資は4号・5号・危機関連いずれかの保証を受けること

コロナ関連で売上等が減少した個人事業主が銀行から融資を受ける場合には、上記3つのいずれかの保証を信用保証協会から得て、地方自治体の制度融資を利用して必要資金を銀行等の金融機関から借りることとなります。

信用保証協会や地方自治体が融資をするわけではないので注意しましょう。

無利息融資

セーフティネット保証や危機関連保証を使った融資に関しても、借入当初3年間は実質無利息対象です。

条件は日本政策金融公庫や商工中金と同じで、小規模の個人事業主であれば、無条件で3年間実質無利息の対象となります。

マル経融資の金利引き下げ

マル経融資とは、商工会議所や商工会の経営指導員の経営指導を受けた小規模事業者だけが、日本政策金融公庫から融資を受けることができる特別な融資制度です。

コロナ対策としてマル経融資の金利も引き下げられています。

融資枠 別枠1,000万円
金利引き下げ 0.9%
(借入当初3年間)

マル経融資はそもそも金利が低く、2021年1月現在の金利は1.21%です。

ここから0.9%の金利優遇を受けることができるので、0.31%という超低金利で融資を受けることが可能です。

日本政策金融公庫のその他の融資とは別枠で1,000万円が用意されているので、「コロナ関連の資金だけではお金が足りない」という個人事業主の方は、この機会にマル経融資を利用することもできます。

休業・時短に応じると受け取れる「協力要請推進枠」|個人事業主も受給可能

2021年1月8日、政府は東京・埼玉・神奈川・千葉の一都三県に緊急事態宣言を発令しました。

緊急事態宣言発令にかかる菅総理大臣の記者会見で「自粛に協力した飲食店に対しては、180万円を支給する」と明言しました。

これは、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金における「協力要請推進枠」の運用拡大によって実施される政策です。

新型コロナウイルス感染症対策地方創生臨時交付金における「協力要請推進枠」とは

新型コロナウイルス感染症対策地方創生臨時交付金における「協力要請推進枠」とは、国が地方に対して交付した交付金の中から、営業時間短縮・休業要請を実施する場合の協力金を支払う枠のことです。

従来は、日本全国「1ヶ月120万円(1日4万円)」までと決められていました。

一都三県では「協力要請推進枠が拡大」

政府は2021年1月7日に各都道府県等に対して連絡を出し、2021年1月8日から緊急事態宣言の対象となる、東京・埼玉・神奈川・千葉の一都三県の飲食店全般に対する営業時間短縮・休業要請に関しては「協力要請推進枠」を拡大し、「1ヶ月180万円(1日6万円)」とすると決定しました。

緊急事態宣言下に時短・休業要請に答えた飲食店を経営する法人・個人事業主等は1日6万円(合計180万円)の協力金を受け取ることができます。

一都三県のみならず、緊急事態宣言が発令された都道府県の飲食店が時短・休業要請に応じた場合には、1日6万円(合計180万円)を受け取ることができます。

個人事業主が受けられる融資以外の資金繰り支援4選

融資以外でも国は個人事業主に対して様々な支援を行っています。

  • 中小企業・小規模事業者向け相談窓口の設置
  • 下請け配慮要請
  • 個人事業主・フリーランスとの取引に関する配慮要請
  • 生産性革命推進事業

個人事業者が受けることができる融資以外の3つの支援策について詳しく見ていきましょう。

中小企業・小規模事業者向け相談窓口の設置

新型コロナ感染症拡大による景気悪化に伴い、国は中小企業や個人事業主などの小規模事業者向けの相談窓口を設置しました。

具体的には以下の窓口において、対面・非対面による相談を行うことができます。

  • よろず支援拠点
  • 専門家派遣
  • 経営相談体制強化事業事務局(オンライン相談)
  • 中小企業デジタル化応援隊事業

それぞれ、相談できる内容や相談方法が異なるので、簡単に解説していきます。

よろず支援拠点

よろず支援拠点とは、国が全国47都道府県に設置している経営相談の公的窓口です。

専門家と中小機構の職員が様々な経営相談に対応しており、何度でも無料で相談することができます。

資金繰りが苦しい個人事業主の方が「相談先がわからない」という時にはまずはよろず支援拠点を活用するとよいでしょう。

お近くのよろず支援拠点はよろず支援拠点ポータルサイトで簡単に探すことができます。

専門家派遣

よろず支援拠点では、相談内容に応じて、無料で会社や事業所に対して専門家の派遣も行っています。

規模の小さな個人事業主の方でも専門家の無料派遣を活用することができるので、「実際に店を見て経営改善のアドバイスをしてほしい」などの希望がある場合には相談しましょう。

希望する場合は、最寄りのよろず支援拠点か地域プラットフォームへ相談してください。

経営相談体制強化事業事務局(オンライン相談)

国はオンラインによる中小事業者からの経営相談窓口を設けています。

中小企業庁のオンライン相談窓口から申し込むことで、ZoomまたはGoogle Meetのテレビ会議方式で資金繰り等の経営相談をすることが可能です。

無料で何度でも利用できるので気軽に活用しましょう。

中小企業デジタル化応援隊事業

事業のデジタル化・IT化などの相談について、国は専門の相談窓口を設けています。

中小企業デジタル化応援隊事業と銘打って、個人事業主を含む中小事業者が事業をデジタル化する際のアドバイスや、後述するIT導入補助金の詳細などについても相談することが可能です。

コロナによってキャッシュレス決済の導入・レジや注文システムデジタル化などの改革は急務です。

デジタル化に不安や疑問や悩みがある個人事業主の方は気軽に相談してみましょう。

下請け配慮要請

国は、全国約1,100団体に対して、コロナの影響を受ける下請け業者に対して配慮するよう要請を出しています。

要請の内容は具体的に以下の通りです。

取引上のしわ寄せの防止

下請け業者に対してしわ寄せが行かないよう、以下の3点を要請しました。

  1. サプライチェーンの毀損等を理由にして、通常支払われる対価より低い下請代金の設定を行わないこと。
  2. 適正なコスト負担を伴わない短納期発注や部品の調達業務の委託を行わないこと。
  3. 下請事業者が、事業活動を維持し、又は今後再開させる場合に、できる限り従来の取引関係を継続し、あるいは優先的に発注を行うよう配慮すること。

納期や支払い等への一層の配慮

下請け業者への納期や支払い等について配慮するよう、以下の内容を要請しました。

  1. 納期に遅れる可能性に留意し、納期に関し柔軟な対応を行うこと。
  2. 原材料価格等の高騰及び短納期によるコスト増を踏まえ、適正なコスト負担を行うこと。
  3. 下請事業者の資金繰りが苦しい状況にあることを踏まえ、迅速な支払いや前金払等の柔軟な支払いに努めること。
  4. 発注の取消・変更を行う際には、仕掛品代金の支払いを行うなど最大限の配慮を行うこと。

参考:経済産業省|新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ

個人事業主・フリーランスとの取引に関する配慮要請

さらに国は、個人事業主やフリーランスと取引に関しては、その基盤の弱さや立場の弱さから不利な地位に置かれないよう、以下の要請を特別に行っています。

  1. 新型コロナウイルス感染症の拡大防止やそれに伴う需要減少等を理由に、契約を変更する場合には、報酬額や支払期日等の新たな取引条件を書面等により明確化するなど、下請振興法、独占禁止法及び下請代金法等の趣旨を踏まえた適正な対応を行うこと。
  2. 個人事業主・フリーランスが、事業活動を維持し、又は今後再開させる場合に、できる限り従来の取引関係を継続し、あるいは優先的に発注を行うこと。
  3. 個人事業主・フリーランスから、発熱等の風邪の症状や、休校に伴う業務環境の変化を理由とした納期延長等の求めがあった場合には、十分に協議した上で、できる限り柔軟な対応を行うこと。

個人事業主やフリーランスとの取引はできる限り従来通りの取引を継続するよう、国が求めています。

また、体調不良や学校の休校による納期遅れなどに対してはできる限り柔軟に対応するようにも求めています。

国は個人事業主やフリーランスに対するコロナ不況の影響について特段に気にかけていると言えるでしょう。

参考:経済産業省|新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ

生産性革命推進事業

生産性革命推進事業とは、中小企業・小規模事業者の制度変更への対応や生産性向上の取組状況に応じて、設備投資、IT導入、販路開拓等の支援を行う事業です。

新型コロナウイルスによる「新しい生活洋式」等の登場によって、企業は生産プロセスやサプライチェーンの変更、別の販路開拓、IT化の推進などを行っていかなければなりません。

生産性革命推進事業は以前から存在しましたが、コロナによって一層の生産性向上の取り組み等の必要性が生じたことを鑑みて、特別枠が設けられました。

生産性革命推進事業には以下の3つの資金があります。

  • ものづくり・商業・サービス補助
  • 持続化補助
  • IT導入補助

なお、生産性革命推進事業には、通常枠・特別枠・事業再開枠という3つの枠があります。

それぞれの枠に該当する条件はすべての補助で同じですので、先に分類方法を解説します。

特別枠とは

特別枠とは新型コロナウイルスの影響を乗り越えるために「前向きな投資」等を行う事業者で、以下の3つの累計に分かれています。

  • A類型:サプライチェーンの毀損への対応
  • B類型:非対面型ビジネスモデルへの転換
  • C類型:テレワーク環境の整備

上記いずれかに該当する場合は「特別枠」になり、補助率が高くなります。

該当しない場合には通常枠での補助となります。

事業再開枠とは

事業再開枠とは、中小企業・個人事業主の事業再開を後押しするための上乗せ枠です。

業種別ガイドラインに基づく所定の感染症対策を行う場合には、特別枠または通常枠に上乗せされます。

具体的には以下のような対策が事業再開枠の対象になります。

  • マスク・アルコール
  • 飛沫防止対策
  • 換気設備
  • 掲示・アナウンス

このような感染症対策を行った場合には、事業再開枠の対象となり補助が上乗せされる可能性があります。

ものづくり・商業・サービス補助

ものづくり・商業・サービス補助とは、新製品・サービス・生産プロセスの改善に必要な設備投資等を支援するものです。

補助上限 補助率
通常枠 1,000万円 中小1/2
小規模2/3
特別枠 1,000万円 A類型2/3
B・C類型3/4
事業再開枠
(特別枠の上乗せ)
50万円定額 10/10

事業再開枠は特別枠に対してのみ上乗せされます。

通常枠には上乗せされないので注意しましょう。

持続化補助

持続化補助とは、小規模事業者が経営計画を作成して取り組む販路開拓等の取組を支援するものです。

補助の内容は以下の通りです。

補助上限 補助率
通常枠 50万円 2/3
特別枠 100万円 A類型2/3
B・C類型3/4
事業再開枠
(通常枠・特別枠の上乗せ)
50万円定額 10/10

例えば販路開拓のための自社サイトを立ち上げる際などは持続化補助の対象となります。

事業再開枠は通常枠・特別枠ともに上乗せされるのでメリットがあります。

IT導入補助

IT導入補助とは、ITツール導入による業務効率化等を支援する場合に行われるものです。

補助の内容は以下の通りです。

補助上限 補助率
通常枠 30~450万円 1/2
特別枠 30~450万円 A類型2/3
B・C類型3/4

店舗にタブレット端末を導入する際などはIT導入補助の対象となります。

ハードウェア(PC、タブレット端末等)のレンタルも対象になっているので、必ずしも購入する必要もありません。

「注文システムをタブレットによる注文にしたい」というような場合には本補助金が活用できるでしょう。

個人事業主の資金調達先4選

コロナ禍でなくても、個人事業主や外部から資金調達することができます。

個人事業主の資金繰りを支援する機関は様々ですが、主なものは以下の4つです。

  • 日本政策金融公庫の各種制度資金
  • 地方自治体の制度融資
  • ビジネスローン
  • ファクタリング

個人事業主の4つの資金調達先に関して詳しく解説していきます。

日本政策金融公庫の各種制度資金

日本政策金融公庫にはコロナ対策資金の他にも各種制度資金が用意されています。

主な資金としては以下のようなものがあります。

制度名 融資を受けられる人 融資限度額
一般貸付 事業を営む方 4,800万円
経営環境変化対応資金 売上が減少するなど業況が悪化している方 4,800万円
金融環境変化対応資金 取引金融機関の経営破たんなどにより
資金繰りに困難を来している方
4,000万円
新規開業資金 新たに事業を始める方
または事業開始後おおむね7年以内の方
7,200万円
(うち運転資金4,800万円)
IT活用促進資金 情報化投資を行う方 7,200万円
(うち運転資金4,800万円)
地域活性化・雇用促進資金 承認地域経済牽引事業計画などに従って
事業を行う方または雇用創出効果が見込まれる
設備投資を行う方など
7,200万円
(うち運転資金4,800万円)

ご紹介したものはごく一部で、日本政策金融公庫にはまだまだまた多種多様な資金が用意されており、そのほとんどを個人事業主が利用することができます。

経営が悪化していない状況下でも使える融資制度は多数あるので相談してみましょう。

地方自治体の制度融資

地方自治体には様々な融資制度が用意されています。

例えば東京都の制度融資の一部は以下の通りです。

制度名 融資を受けられる人 融資限度額
小口資金 信用保証協会の保証付融資の融資残高が
2,000万円以下の小規模事業者
2,000万円
一般資金 中小事業者 2億8000万円
創業融資 1.現在事業を営んでおらず創業のための
具体的な計画を有する者
2.創業した日から5年未満である中小事業者等
3,500万円
補助金・助成金つなぎ 補助金・助成金の交付決定を受けた事業を行う
中小事業者
1億円

ご紹介したものはごく一部で、制度融資の内容は地方自治体によって異なります。

詳しくはお住まいの都道府県や市区町村へ確認してみましょう。

制度融資は銀行等の融資

制度融資は自治体が個人事業主や中小企業へ融資するわけではありません。

自治体が銀行などの民間金融機関へ預けた預託金から、銀行などの民間金融機関が制度融資を実行します。

そのため、制度融資は「銀行などの民間機関から借りる融資」と理解しておきましょう。

個人事業主は制度融資一択

銀行は制度融資の他にも保証を付けないプロパー融資なども取り扱っています。

しかし、個人事業主が銀行から融資を受ける際には制度融資一択になるものと理解しておきましょう。

プロパー融資は何も保証がつかない銀行にとってはリスクの高い融資です。

個人事業主は規模が小さく経営基盤が不安定であることが多いので、ほとんどの金融機関で個人事業主に対するプロパー融資は扱っていません。

個人事業主の場合、銀行融資=制度融資と考えておきましょう。

ビジネスローン

ノンバンクの事業資金融資であるビジネスローンも個人事業主が利用することができます。

個人事業主に対する審査は個人信用情報をメインに行われるので審査が早く、最短即日に対応している業者も多数存在します。

審査が緩いので銀行融資の審査に通過できない事業者の方でも借りることができる可能性があります。

また、個人事業主に対する審査は個人信用情報をメインとして行われるので、個人信用情報にさえ問題がなければ確定申告の内容が悪くても借りることができる可能性があります。

ただし、金利が高いので借りすぎや長期間の借入には注意して、本当に必要な短期間だけ利用しましょう。

ファクタリング

ファクタリングとは売掛金などの売掛債権を売却する資金調達方法です。

以前は、個人事業主に対しては取り扱っていない業者も多かったですが、今は多くのファクタリング会社で個人事業主に対しても取り扱いを行っています。

ファクタリングは売掛先企業の信用を審査するので、銀行融資はおろかビジネスローンの審査にすら通過することができない個人事業主もファクタリング審査に通過できる可能性があります。

最短即日で資金調達できる場合もあるので、詳しくは以下のリンクから個人事業主OKの優良ファクタリング会社を探してください。

個人事業主の資金繰りについてよくある質問

Q.個人事業主は法人と比較して融資審査で不利になりますか?
A.銀行や日本政策金融公庫の事業資金融資においては個人事業主でも法人でも審査の方法は変わりません。しかし、個人事業主の中には貸借対照表を作成していない人が多いので、そのような個人事業主は法人と比較して審査で不利になります。
また、生活費を経費として混ぜ込み、事業と生活が混同してしまっている人もいますが、そのような個人事業主も審査で不利です。
貸借対照表を作り、事業と生活を明確に区分している個人事業主であれば法人と同じように審査に通過することができるでしょう。
Q.個人向けのローンで資金繰りをするのは間違いでしょうか?
A.個人事業主は個人名で銀行や日本政策金融公庫の事業資金と、消費者金融などの個人向けカードローンでも資金調達することができる属性です。
そして、カードローンの方が融資までの時間が早く手続きも簡単ですので、急いでいる時には「個人向けlカードローンを借りておく」という人も少なくありません。
しかし、個人向けカードローンは金利が高く、何よりも事業資金には利用することができないので、個人向けカードローンを事業の資金繰りのために使用してはいけません。
どうしても急いで資金が必要な場合には、個人事業主も利用できるビジネスローンを借りるようにしてください。
>>「ビジネスローン」について詳しく見る
Q.個人事業主は補助金申請で法人よりも不利になりますか?
A.なりません。基本的に補助金や助成金は法人・個人問わずに採択されるので、法人であろうと個人事業主であろうと、条件に合致していれば平等に採択が行われます。ただし、金額の大きな補助金や助成金はある程度規模の大きな事業者でなければ採択を受けることができません。
そのため、金額が大きな場合には法人の方が有利になる場合もあるでしょう。

資金繰りに困ったらまずは金融機関や専門機関へ相談を

個人事業主が受けることができる資金繰り支援は多数あります。

融資や補助金等、コロナ禍においては非常に充実しており、法人と同じように審査と採択を受けることができます。

ただし、数ある資金繰り支援を全て把握し、その中で最適な支援を選択することは簡単ではありません。

資金繰りに困ったらまずは金融機関や公的な機関へ相談し「自分はどんな資金繰り支援を受けることができるのか」を確認しましょう。