「一寸先は闇」というように、先々において何が起こるかは、結局のところ誰にもわかりません。土日に急に資金が必要になることだって、事業を営んでいる限りは十分に起こり得ます。

手持ちの資金で対応できれば何ら問題ありませんが、そうもいかない場合「どう動けば問題を解決できるか」を知っておきましょう。この記事では、土日でもファクタリング会社(ファクター)を紹介するとともに、利用する上での注意点などを解説します。

土日でも対応できるファクター4選

詳細は後述しますが、土日にファクタリングで資金調達をしたいなら「土日でも対応してくれるファクタリング会社(ファクター)」を利用するのが基本です。以下の3社について紹介しましょう。

OLTA

金融機関・会社名 OLTA株式会社
本社所在地 東京都港区
2社間ファクタリング手数料下限 2.0%
2社間ファクタリング手数料上限 9.0%
3社間ファクタリング手数料下限
3社間ファクタリング手数料上限
ファクタリング事務手数料
資金化までのスピード 最短即日
面談審査 不要

OLTAはシステムにより審査を行うクラウド型ファクタリングです。

そのため、他のファクターとは違い、審査にあたっての担当者との面談は必要ありません。審査開始後24時間以内に回答があり、通過した場合は非対面での契約を経て資金化が実行されます。

「人間の手で審査をする」というプロセスがないため、土日でも利用できるのはもちろん、担当者との面談に出向く時間も節約できて一石二鳥です。

また、資金化希望額によっても異なりますが、手数料が2.0%~9.0%と比較的安くなっているのもメリットでしょう。

OLTA(オルタ)

えんナビ

金融機関・会社名 株式会社インターテック
本社所在地 東京都台東区
2社間ファクタリング手数料下限 5.0%
2社間ファクタリング手数料上限
3社間ファクタリング手数料下限
3社間ファクタリング手数料上限
ファクタリング事務手数料
資金化までのスピード 最短1日
面談審査 必須

えんナビの特徴は「24時間365日担当者による対応が受けられる」ことです。そのため「明日、多額の資金が必要になった」場合でも、電話やWebで手続きを進め、資金調達できる可能性があります。

ただし、担当者との面談が必須となるので、この点がネックになる人もいるかもしれません。それでも、公式Webサイトによれば「遠方の場合はメール・電話でのやり取りも可能」とのことなので、一度相談してみる価値はあります。

手数料の下限が5.0%とやや高めなのが気になりますが「土日でも相談できるファクター」として覚えておくと良いでしょう。

えんナビ

株式会社JTC

金融機関・会社名 株式会社JTC
本社所在地 愛知県名古屋市 ※その他、東京・大阪にも営業所あり
2社間ファクタリング手数料下限 1.2%
2社間ファクタリング手数料上限
3社間ファクタリング手数料下限
3社間ファクタリング手数料上限
ファクタリング事務手数料
資金化までのスピード 最短1日
面談審査 必須

えんナビと同様、株式会社JTCも土日に利用できる数少ないファクターです。本社は名古屋にありますが、その他東京・大阪にも営業所があります。

審査の際、担当者との面談が必須です。本社・営業所に出向けない場合は、担当者が出向いてくれるので相談してみましょう。ただし、担当者のスケジュール次第では対応が難しいこともある上に、交通費は負担する必要があります。

また買取取引基準が100万円からとなっているため、ある程度の規模の企業でないとやや利用しづらいかもしれません。

JTC

ラボル

金融機関・会社名 株式会社ラボル
本社所在地 東京都世田谷区
2社間ファクタリング手数料下限 10.0%
2社間ファクタリング手数料上限 10.0%
3社間ファクタリング手数料下限
3社間ファクタリング手数料上限
ファクタリング事務手数料
資金化までのスピード 最短60分
面談審査 不要

ラボルは、東証一部上場企業・セレスの子会社である株式会社ラボルが運営するサービスです。フリーランス・個人事業主を対象にしたサービスであるため、請求書の買い取りは1万円から可能となっています。

手数料は一律10%とかなり高めですが、他のファクターで断られがちな請求書であっても買い取ってもらえる可能性は高いです。

ラボル公式Webサイトはこちら

土日に資金が必要なケース

土日に資金が必要になる理由はさまざまです。しかし、中には一歩対応を間違うと、取引先や従業員から不信感を抱かれる原因にもなりかねません。

そこで、どのような理由で土日に資金が必要になるのか、いくつか具体例を考えてみましょう。

土日に取引先への支払いが発生した

飲食店やホテルなどのサービス業は、平日だけでなく土日も営業しています。業態によっては、土日のほうが利用者数も多く、忙しくなるのは珍しくありません。そのため、土日に仕入れをし、業者に対して代金を払うことだってあり得ます。当然、手持ちの現金がなければ、業者に対して支払期日の延長を申し出るか、現金を用意して支払うかしないといけません。

月曜日の朝にお金を用意しないといけない事情がある

月曜日にまとまったお金が出ていく事情がある場合も、土日の間に用意しておかないといけません。

わかりやすい例としては「従業員への給料の支払い」が挙げられます。本来、給料は毎月1回以上、決まった日に支払わないといけません。

労働基準法 第24条2項
賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金(第八十九条において「臨時の賃金等」という。)については、この限りでない。

引用元:労働基準法

つまり、月曜日が給料日に当たる場合、何が何でもその日のうちに給料を支払わないといけないのです。従業員の口座に振り込む場合はもちろん、手渡しをしている場合も、土日のうちに用意しておかないと月曜日のうちには支払いが終わらないでしょう。手持ちの現金で間に合えば問題ありませんが、無理そうなら何らかの手段で用意しなくてはいけません。

従業員を動揺させたくない

ファクタリングを使うこと自体には法律上、何ら問題はありません。しかし、銀行などの金融機関からの借り入れに比べると、認知度はまだまだ高くありません。そのため、経営者がファクタリングを使っていることを知った際に「うちの会社は銀行からお金も貸してもらえないほど経営状態がまずいのでは」という誤解をする従業員がいてもおかしくないのです。従業員をなるべく動揺させたくないと思うなら、土日の間に資金調達をしておいたほうが無難でしょう。

ファクタリングでの資金調達は基本平日のみ

既に触れた通り、ごく一部のファクタリング会社(ファクター)は土日であっても審査融資業務を行っています。しかし、実際のところこのようなファクターは少数派で、大半のファクターの営業日は平日のみです。このあたりの事情についても、掘り下げて考えてみましょう。

面談・審査・融資の実行は平日に行われる

ファクタリングで資金調達を行う場合、事前にファクターの担当者との面談を行わなくてはいけません。面談の内容や提出書類の精査により審査を行い、通過すれば融資が実行されます。

しかし、これらの業務はあくまで「そのファクターの営業日に」行われるものです。平日のみ営業のファクターであれば、融資に至るまでの一連の業務も平日にしか行われないと考えましょう。

「365日申込可能」とはいうものの

Webサイト上に「365日申込可能」と記載しているファクターも多くあります。しかし、この言葉をうのみにしてはいけません。あくまで「フォームへの情報入力・送信などの申込手続きを365日受け付けている」という意味としてとらえましょう。実際にファクタリングにより資金調達をする場合は、その後面談・審査に進まないといけません。

土日も担当者により面談・審査を行うファクターでもない限り「365日対応」はあり得ないでしょう。どうしても土日の間に資金調達をしたいなら、まずは土日も対応してくれるファクターを使う前提で動くのが大事です。

債権譲渡登記が必要な場合はさらにハードル高

また、ファクタリングの利用に際し、債権譲渡登記が必要になる場合は、さらにハードルが高くなります。債権譲渡登記を行うには、法務局で手続きを進めなくてはいけませんが、そもそも法務局は平日しか開庁していません

たとえ、土日に申し込みだけはしたとしても、実際に手続きが完了するのは平日にずれこむはずです。

土日にファクタリングする際の注意点

土日にファクタリングする際には以下の3点に注意する必要があります。

  • 公的書類は平日しか揃わない
  • 書類が揃わないと土日の即日対応は不可
  • 債権譲渡登記ありの場合は土日に対応してもらえないことも

土日のファクタリングでは「書類を揃えることができるかどうか」という点が非常に大きな鍵になります。土日にファクタリングする際の3つの注意点についてしっかりと理解しておきましょう。

公的書類は平日しか揃わない

ファクタリング契約をするためには、商業登記簿謄本と印鑑証明書などの公的書類が必要になります。これらの公的書類は役所関係が空いている平日しか取得することが不可能です。土日に急にお金が必要になっても、印鑑証明書や商業登記簿謄本を揃えることは不可能ですので、事前に用意しておく必要があります。

書類が揃わないと土日の即日対応は不可

ファクタリングは書類の不備があると対応してもらうことができません。個人向けカードローンであれば「書類の用意は後日でもよい」と先に融資に対応してもらうことができる場合もあります。しかし、ファクタリングでは、個人向けカードローンほどの柔軟な対応はほぼ期待できないと考えましょう。

大前提として、書類を平日の段階で完璧に揃えておくのが必要になります。法務局・税務署などの公的機関は平日しか開庁していないため、土日に書類を手配することはできないためです。

  • 平日のうちに印鑑証明書や商業登記簿謄本を取得しておく
  • 急に資金が必要になった時のために最低限必要な書類を1セット揃えておく

など、普段から「いざというときのため」を想定して準備しておくのをおすすめします。具体的には以下の書類を一通り用意しておきましょう。「発行から3ヵ月以内」など、有効期限があるケースもあるため、定期的に見直しをするようにしてください。

  • 売却(譲渡)希望の請求書
  • 売却(譲渡)希望の過去3ヶ月分の請求書
  • 請求額の根拠となる書類(基本契約書、注文書、納品書など)
  • 決算書(直近3期分。勘定科目内訳明細含む。決算から3カ月以上経過の時は試算表)
  • 資金繰り表
  • 国税(法人税・消費税)・地方税(住民税)の納税証明書・社会保険料の納付書
  • 借入契約書(銀行、ノンバンクなどとの契約書・支払予定表)
  • 通帳コピー(会社名義の預金通帳のコピー、または取引明細を6ヶ月分)
  • 本人確認書類(代表者の運転免許証・健康保険証・パスポート等の写真付き本人確認書類)
  • 申込書(ファクタリング業者によっては申し込みフォームへの入力のことも)
  • 他社ファクタリング契約書(他社でファクタリングを契約中、若しくは過去に契約したことがある場合、その契約書)

債権譲渡登記ありの場合は土日に対応してもらえないことも

2社間ファクタリングでは債権譲渡登記という登記が必要になることがあります。債権譲渡登記は法務局で債権譲渡登記の申請を行わなければなりません。そのため、法務局に出向く必要がありますが、これは平日の間に済まさないといけないのです。事実上、土日に債権譲渡登記を行うことはできません。

債権譲渡登記が条件になるファクタリングでは、ファクタリング当日に債権譲渡登記を済ますのが条件になる場合もあります。このような条件が設けられている場合、土日にファクタリングに応じてもらうことは不可能です。事前に、ファクタリング引き受けの条件として債権譲渡登記が設けられているかを確認しましょう。

土日対応のファクタリング会社に関するよくある質問

深夜営業しているファクターはありますか?
深夜営業しているファクターは、有名どころではえんナビだけです。
そのほかのファクターは営業時間が19時前後までとなっているので、深夜にお金が必要になった場合や翌朝すぐに資金が必要な場合にはえんナビに相談した方がよいでしょう。
取引銀行が土日の振込が不可能な時はどうすればよいでしょう?
取引銀行が土日の振込に対応していない場合では振込での資金調達は不可能です。
この場合には、ファクターによって手渡ししてくれることもありますが振込しか不可能というファクターも存在します。
土日でも確実に振込を受けることができるよう、あらかじめ24時間365日の振込に対応した金融機関で口座を作っておいた方がよいでしょう。
土日の方が審査が厳しくなることはありますか?
曜日によって審査難易度が異なることはありません。
ただし、土日の方がファクターの人手が足りないことがあるので、審査結果が出るまでには時間がかかることもあります。
土日にできる限り早く審査を受けたいのであれば、ファクターの窓口へ訪問する方が確実です。
土日の審査はどのくらいの時間がかかるでしょうか?
繁忙日でないのであれば、数時間程度では終了します。
ただし、土日に営業しているファクターは非常に少なく、ファクターの人手も足りていないことが多いので、場合によっては丸1日以上待たされてしまうこともあるようです。
土日に資金調達したいのであれば、早めに申し込むようにしてください。
債権譲渡登記の条件がついた場合土日のファクタリングは諦めた方がよいでしょうか?
ファクターによっては、債権譲渡登記は翌営業日に回してくれることもあるので交渉次第でしょう。
ただし、原則的に登記は譲渡日に行わなければならないので、過度に期待するのはやめた方がよいかもしれません。

【補足1】ファクタリング以外で土日に資金調達する方法

土日祝日であっても、ファクタリングを用いて資金調達ができればそれに越したことはありません。しかし「必要な書類を揃えられなかった」「土日も対応してくれるファクターに申し込んだけど審査に通らなかった」などの理由で、うまくいかない可能性はゼロではありません

「それでもやっぱり資金が必要」という場合に備え、土日でも使えるファクタリング以外の資金調達方法を紹介しましょう。

方法1.代表者が個人でカードローンを使う

1つ目の方法は「代表者が個人でカードローンを使う」ことです。本来、消費者金融や銀行が提供するカードローンを、事業資金に使うことはできません。しかし、消費者金融のカードローンの中には、事業資金に利用できる商品もあります。いくつか紹介しましょう。

一方、法人の代表者であれば、このような個人事業主向けのカードローンは使えません。事業用資金に使いたい場合、ビジネスローンを使うことになりますが「土日祝日は審査業務を行わない」としている会社がほとんどです。そのため「どうしても土日の間に何とかしたい」という場合は、最終手段として以下の手順を試しましょう。

  • 代表者個人の資金を法人に貸し付け、事業資金に充てる
  • 代表者個人の不足した資金・生活費などは消費者金融のカードローンでまかなう

方法2.クレジットカードのキャッシング枠を使う

2つ目の方法は「クレジットカードのキャッシング枠を使う」です。つまり、先ほど紹介した「代表者が個人でカードローンを使う」方法と同じと考えましょう。

  • 代表者個人の資金を法人に貸し付け、事業資金に充てる
  • 代表者個人の不足した資金・生活費などはクレジットカードのキャッシングでまかなう

代表者個人のクレジットカードにキャッシング枠が付帯していれば、すぐにでも使える手段です。土日祝日の間はこれでしのぎ、休日明けの翌営業日以降に、あらためてファクタリングで資金調達をする方法を考えればかまいません。

方法3.役員、家族、友人・知人に借りる

3つ目の方法は「役員、家族、友人・知人に借りる」です。他の方法でどうにもならない場合の最終手段ですが、資金が足りないことで事業をとん挫させるよりは頼んだほうが良いでしょう。ただし、お金の絡む話になる以上、慎重に進めないとトラブルの元になります。

  • 借用証書を書き、捺印した上で自分と相手とで1部ずつ保管する
  • 決められた期日には必ず返す

など「関係を壊してはいけない相手から借りる」からこそ、ていねいに対応しましょう。

【補足2】即日資金調達できるファクター

土日をしのげ、休みが明けたなら、即日資金調達ができるファクターに申し込みましょう。評判の良い「即日資金調達ができるファクター」を2つ紹介します。

ウィット(WIT)

金融機関・会社名 株式会社ウィット
本社所在地 東京都品川区
2社間ファクタリング手数料下限
2社間ファクタリング手数料上限
3社間ファクタリング手数料下限
3社間ファクタリング手数料上限
ファクタリング事務手数料
資金化までのスピード 最短2時間
面談審査 不要

ウィットは中小企業・個人事業主に特化したファクターです。他のファクターでは断られてしまうような少額の請求書でも買い取ってくれるため、気軽に相談してみましょう。また、LINEや電話など非対面で審査から入金まで完結するため、担当者との面談に時間が割けない場合でも利用可能です。https://fackomi.com/company/wit/

ベストファクター

金融機関・会社名 株式会社アレシア
本社所在地 東京都新宿区
2社間ファクタリング手数料下限
2社間ファクタリング手数料上限
3社間ファクタリング手数料下限
3社間ファクタリング手数料上限
ファクタリング事務手数料
資金化までのスピード 最短24時間
面談審査 必要

ベストファクターは、東京都新宿区に本社を構えています。公式Webサイトによれば平均買取率92.2%とのことなので、請求書を買い取ってもらえる可能性がかなり高いです。手数料は2%からですが、売掛金の額によっても変わるので、公式Webサイト上の「簡易診断シミュ―レーター」を使って調べてみましょう。なお、審査にあたり面談が必須ですが、東京・大阪の事務所への訪問が難しい場合は、担当者に出向いてもらうことも可能です。

ベストファクター(Bestfacor)

まとめ

全体から見れば、土日でも担当者による面談・審査が受けられるファクターはごくわずかです。加えて、法務局などの公的機関も開庁していないため、必要な書類が手元になければ審査にすら申し込めません。このような背景を考えると、土日にファクタリングで資金調達をするのは、かなり難しいでしょう。

多くの資金が必要になりそうな予定がわかり次第、平日のうちに準備を進めておくのが基本です。「土日にファクタリングで資金調達をする」のは、他の手段を試してもどうしようもなかったときの切り札程度に考えておくのをおすすめします。