「最短即日で資金調達可能」という言葉だけが先行しているファクタリングですが、実はどんな人でも最短即日で資金化することができるわけではありません。
契約手続きを当日中にスムーズに終えた場合のみ、最短即日で資金化することができます。
ファクタリングの利用を検討している人は、「急いでお金が必要」という人が多数存在します。
急いでお金が必要なタイミングで確実に現金を手に入れることができるよう、ファクタリング契約の流れについてしっかりと理解しておきましょう。
ファクタリング契約の流れについて徹底解説していきます。
2社間ファクタリングの契約までの流れ
2社間ファクタリングの申込〜契約〜入金〜返済までの一連の流れは以下の通りになります。
- 商品の売却・サービスの提供代金によって売掛債権が発生
- ファクターへ相談・申し込み
- 債権額・債権内容の調査
- 取引金額の確定
- ファクタリング契約の締結
- ファクタリング会社からの振込実行
- 債務者(支払企業)から債権者(納入企業)へ売掛金の払込み
- ファクタリング会社への返済
それぞれのタイミングでポイントになる部分や、、早期資金化のために注意すべき点について詳しく解説します。
商品の売却・サービスの提供代金によって売掛債権が発生
取引先に商品やサービスを売却した際に現金以外の方法で決済した場合には売掛債権が発生することになります。
売掛債権は「〇〇日後に支払いを受けることができる」という権利ですので、売掛債権で売り上げた場合には、せっかく売上があってもすぐに現金を手に入れることはできません。
相談・申し込み
売掛債権を保有している企業がファクターに対してファクタリングの申し込みを行います。
ファクタリングの申し込みは電話、インターネット、窓口などから行うことが可能です。
債権額・債権内容の調査
ファクターはファクタリングの申込内容に基づき、売掛債権の金額や債権の内容を調査します。
ここで重視されるのは、売掛先が期日通りに代金を支払うことができるのかという点になり、主に売掛先の財務状況などから売掛債権のリスクを審査します。
取引金額の確定
調査や審査の結果、売掛債権のリスクが確定したら、ファクタリングする取引金額や手数料などの条件が確定します。
通常、ファクタリングには掛け目というものが設定され、「売掛債権金額の60%」などと審査によって掛け目が決定します。
例えば500万円の売掛債権を掛け目80%でファクタリングするのであれば、400万円をファクターが買い取ります。
ファクタリングの手数料もこの時に決定します。
ファクタリング契約の締結
ファクターが提示した買取金額や手数料に納得することができたら、ファクターとファクタリング契約を締結します。
契約時には会社の実印と印鑑証明書が必要になることが一般的です。
ファクタリング会社からの振込実行
契約締結後に、会社の口座に対してファクターから売掛債権代金の入金があります。
通常、ほとんどのファクターが契約後にはすぐに振込を行ってくれます。
2社間ファクタリングの場合は、契約までは最短即日で終えることができることから、即日で振り込みを受けることも可能です。
債務者から債権者へ売掛金の払込み
2社間ファクタリングにおいては、売掛債権期日になると、いつも通りに支払企業(売掛先企業)から納入企業(自社)へ売掛金代金が支払われます。
2社間ファクタリングでは売掛先が契約に関与しないので、売掛先はファクタリングを行ったことを知りません。
そのため、すでにファクタリングによって売却した売掛債権であっても、入金は自社に対して行われます。
ファクタリング会社への返済
売掛債権期日に売掛先から支払われた代金を自社がファクターに対して送金します。
これによってファクターは回収が完了し、ファクタリング会社との契約も完結します。
2社間ファクタリングは契約まで最短即日
2社間ファクタリングが契約まで最短即日完了させることができます。
しかし、審査は素早く終了したとしても契約を当日中に完結することができるわけではないという点に注意が必要になります。
近くにファクターの事務所がない場合には即日資金化は難しいかもしれません。
ほとんどのファクターは契約に面談が必要になる点に注意
「最短即日資金化」という謳い文句で多くの企業が2社間ファクタリングを広告していますが、実際に即日資金化することができる企業は限られています。
ほとんどのファクターは契約時に面談が必要になるためです。
しっかりとした企業ほど契約時に面談によって重要事項を説明してくれるので、それだけ安心だという証拠ですが、近くにファクターの事務所がない場合には資金化までに時間がかかってしまいます。
「最短即日」という文言を見ると、大手消費者金融カードローンのように手軽に即日資金化できるイメージを持っている人も多いかもしれませんが、ファクタリングの場合には「即日で契約することができた場合のみ」即日の資金化が可能になります。
3社間ファクタリングの契約までの流れ
3社間ファクタリングの申込〜契約〜入金〜返済までの一連の流れは以下の通りになります。
- 商品の売却・サービスの提供代金によって売掛債権が発生
- ファクターへ相談・申し込み
- 債権額・債権内容の調査
- 取引金額の確定
- 自社とファクターがファクタリング契約の締結
- 売掛先企業とファクターがファクタリング契約
- ファクターが売掛先企業へ請求金額の確認
- 自社がファクタリング会社へ請求金額を通知
- ファクタリング会社と売掛先企業との請求金額の最終確認
- ファクタリング会社から納入企業へ入金
- 売掛先企業からファクタリング会社に期日通り売掛金が支払われる
3社間ファクタリングのそれぞれのタイミングでのポイントや注意点について詳しく解説していきます。
商品の売却・サービスの提供代金によって売掛債権が発生
取引先に対して商品やサービスを販売したことによって、売掛債権が発生します。
ファクターへ相談・申し込み
自社がファクターに対して3社間ファクタリングの相談や申し込みを行います。
3社間ファクタリングでも、電話・インターネット・店頭窓口からの申し込みは可能です。
債権額・債権内容の調査
3社間ファクタリングにおいて、請求書や契約書などから債権の金額や債権の内容、売掛先の与信状況を調査します。
取引金額の確定
与信状況の調査などによって取引金額が確定します。
3社間ファクタリングにおいては2社間ファクタリングよりも掛け目が高くなり、手数料は低くなる傾向があります。
2社間ファクタリングと比較して3社間ファクタリングのリスクは低いので、より多くの金額を低い手数料で買い取ってもらうことが可能になります。
自社とファクターがファクタリング契約の締結
ファクターの審査に通過し、ファクターが提示した条件に納得ができたら、まずは自社とファクターで契約を締結します。
3社間ファクタリングにおいてもファクターとの契約は面談が原則になります。
売掛先企業とファクターがファクタリング契約
次に売掛先企業とファクターが契約を締結しなければなりません。
売掛先企業がファクタリングを行うことに同意し、売掛債権の期日になったら売掛先企業がファクターに対して支払いを行うということの理解を得られない限りは契約することができません。
必ず売掛先企業に対してファクタリングを行うことがバレてしまいますし、売掛先に対して「資金繰りが苦しい」ということが悟られてしまいます。
この点が3社間ファクタリングの最も大きなデメリットで、ファクタリングや自社の資金繰りに対して理解を得られる企業でないと3社間ファクタリングは利用することは難しくなってしまうかもしれません。
ファクターが売掛先企業へ請求金額の確認
契約を締結すると、ファクターが売掛先企業へ請求金額を確認します。
「○月○日期日のA社に対する売掛債権〇〇円がありますか?」というように確認を行い、自社が架空の債権でファクタリングを利用していないかどうかということを確認します。
自社がファクタリング会社へ請求金額を通知
そして、自社のファクターに対して売掛債権の金額を通知します。
「○月○日期日のB社に対する売掛債権〇〇円がある」ということを通知することで、債権者、債務者双方から金額や日付を確認することができます。
ファクタリング会社と売掛先企業との請求金額の最終確認
さらに、ファクタリング会社と売掛先企業で、最終的にもう一度請求金額を確認します。
「期日になったら、取引先ではなく、ファクターに対して代金を支払ってください」という内容です。
間違いなく、期日通りに売掛債権代金をファクターが回収できるように最終確認を行います。
ファクタリング会社から納入企業へ入金
ここまでの確認作業が終了すると、ファクタリング会社から自社に対して売掛債権金額の入金が行われます。
申し込みから入金まで1週間程度の時間がかかるものと理解しておきましょう。
売掛先企業からファクタリング会社に期日通り売掛金が支払われる
売掛先企業は売掛債権の期日になったらファクタリング会社へ入金を行います。
そのため、3社間ファクタリングにおいては、売掛債権期日に自社は何もする必要がありません。
3社間ファクタリングは入金まで1週間程度必要
3社間ファクタリングは入金まで1週間程度の時間がかかってしまいます。
しかし、売掛先企業が協力的な場合には、1週間よりも早く入金になる可能性もあります。
3社間ファクタリングは売掛先の同意が必要になるので、売掛先がスムーズに同意し、ファクターと売掛先企業の契約がスムーズに進むかどうかという点が非常に重要になります。
ファクタリング契約までの流れでよくある質問
- 契約時に必要な書類を教えてください
- 契約時に必要な書類は以下のような書類です。
商業登記簿謄本・印鑑証明書
決算書や確定申告書3期分
売掛企業先との基本契約書
売掛先からの入金の確認ができる通帳
個別契約書
などで、印鑑証明書以外の書類は審査の際に必要で、印鑑証明書は契約時に必要になります。
- 契約手続きは必ず対面で行わなければなりませんか?
- オンライン上で契約手続きを完結することができるファクターはごくわずかです。
基本的には契約時にはファクターと面談によって契約する必要があるので、ファクターの事務所まで訪問する必要があります。
近くにファクターの事務所がない場合には即日で資金調達することは難しいでしょう。
- 3社間ファクタリングをスムーズに進める方法を教えてください
- 売掛先からの同意をスムーズに得ることです。3社間ファクタリングは売掛先さえファクタリングに協力的であれば手続きはスムーズに終了します。
仲のいい会社からの売掛債権をファクタリングして、社長に直接「ファクタリングに協力してほしい」などと頼むなど、売掛先の同意取得に時間がかからない方法でファクタリングするようにしましょう。
- 個人事業主は2社間も3社間も利用可能でしょうか?
- 個人事業主は2社間ファクタリングを利用できないファクターも存在します。
2社間ファクタリングでは基本的に必要になる債権譲渡登記という手続きは、法人しか行うことができないためです。
そのため、2社間ファクタリングは法人のみしか取り扱っていないというファクターは多数存在します。
最近は、債権譲渡登記なしで手続きし、個人事業主でも2社間ファクタリングに対応してくれる業者も増えてきましたので、個人事業主で2社間ファクタリングを希望する場合にはそのような業者と取引するようにしましょう。
まとめ
ファクタリングの手続きは基本的には売掛債権が発生したら、ファクターに申し込みを行い、審査通過後に契約するだけです。
3社間ファクタリングでは、自社とファクターとの契約とは別に売掛先企業とファクターとの契約手続きがここに加わります。
ファクタリングの手続きをスムーズに終えるためには、必要書類をもれなく用意することと、スムーズに契約手続きを終えることが大切です。
近くにファクターの事務所がないという人は、オンライン上で契約を完結させることができるようなファクターへ申し込むようにしましょう。