ファクタリングには手数料が発生します。

そして多くの場合で手数料は借入の利息負担よりも高くなることが多いので、ファクタリングの手数料負担によって企業の収益が圧迫されてしまうことがあります。

ファクタリングは即日資金調達も可能な便利な資金調達方法ですが、高額な手数料負担がネックです。

企業経営のために手数料は少ないに越したことはありません。

そこでファクタリングの手数料相場を紹介します。

手数料はファクタリングする債権を少し検討するだけでも低くすることもできます。

少しでもファクタリングの手数料負担を軽減することができるようになりましょう。

手数料は2社間と3社間で異なる

手数料の違い

ファクタリングは契約当事者によって

  • 2社間ファクタリング
  • 3社間ファクタリング

という2つの形があります。

2つのファクタリングは手数料も異なり、2社間ファクタリングの方が手数料が高くなり、3社間ファクタリングの方が手数料が低くなります。

2社間は手数料が高くなる

2社間ファクタリング

2社間ファクタリングは、自社とファクターだけが契約当事者になる方法です。

売掛先企業は契約に関与せず、売掛先企業は自社の債務がファクターへ売却したことすら知りません。

  • 債権譲渡登記が必要
  • 資金が自社を経由する

2社間ファクタリングにはこれらの特徴があるので、手数料が高くなってしまうのです。

2社間ファクタリングには債権譲渡登記という登記が必要で、この登記には費用が発生します。

さらに、売掛先が関与しない3社間ファクタリングは、売掛債権の支払期日になると資金が自社に振り込まれ自社がファクターへ資金を送金します。

この際には自社が資金を流用するリスクが加わるので、3社間ファクタリングよりもリスクが高くなります

債権譲渡登記の費用と、自社の回収リスクのリスクプレミアムが加わるので2社間ファクタリングは3社間ファクタリングと比較して手数料が高くなってしまいます。

3社間は手数料が低くなる

3社間ファクタリング

3社間ファクタリングは2社間ファクタリングと比較して手数料は低くなります。

3社間ファクタリングの契約当事者は、ファクターと自社と売掛先企業です。

最初から売掛先企業が「自社の債務を売却する」ということに対して同意をするファクタリングですので、債権譲渡登記は必要ありません

そして売掛債権期日になると、売掛先企業が直接ファクターへ支払いをするので、2社間ファクタリングのように自社へのリスクはありません。

3社間ファクタリングには

  • 債権譲渡登記の費用がない
  • 自社が資金流用するリスクがない

2社間ファクタリングと比較して登記費用が発生せず、回収リスクも低いので手数料は低くなります。

2社間ファクタリングの手数料相場は20%

2社間ファクタリングの手数料相場は20%

2社間ファクタリングの手数料相場は20%程度です。

銀行から借入するよりもかなり手数料は高いのはもちろん、ノンバンクのビジネスローンよりも高くなります。

これは、2社間ファクタリングはリスクが高く、そのリスクの分だけリスクプレミアムとしての手数料を引き上げているからです。

2社間ファクタリングの手数料が高い理由と、手数料を決める要素について、詳しく見ていきます。

2社間ファクタリングの手数料が高い理由

2社間ファクタリングが3社間ファクタリングよりも手数料が高くなってしまう理由は2つあります。

  • 債権譲渡登記が必要
  • 納入企業が支払いに関与する

これらの要素は3社間ファクタリングにはなく、2社間ファクタリング独特のものです。

具体的にどのように手数料に反映されてくるのでしょうか?

債権譲渡登記が必要

前述したように、2社間ファクタリングでは債権譲渡登記が必要になります。

債権譲渡登記とは、売掛債権の譲渡について第3者へ対抗するための登記です。

売掛債権には形がありません。

そのため、すでにファクタリングよって売却している債権も、売却していないことにして他のファクターなどへ二重に売却することも可能です。

もしも、二重譲渡された時に債権譲渡登記をしておくことで、「この債権はすでにファクタリングで買い取った当社のものだ」と主張することができます。

これを債権譲渡登記による対抗要件言い、売掛先の同意なく行う2者間ファクタリングでは必要な手続です。

債権譲渡登記には費用がかかり

  • 収入印紙代:2万円
  • 司法書士報酬:8万円

10万円程度の費用が必要になります。

2社間ファクタリングの手数料の中には、この10万円が含まれています。

ファクターの利益部分とは異なる必要経費の部分で10万円が必ず必要になるので、債権譲渡登記がない3社間ファクタリングと比較して手数料はどうしても高くなってしまうのです。

納入企業が支払いに関与するのでリスクが高くなる

2社間ファクタリングには、売掛先の回収リスクに加えて納入企業(自社)のリスクも加わります。

売掛債権の支払期日になると、資金が自社に振り込まれる2社間ファクタリングでは、入金になった売掛債権代金をすぐにファクターへ送金しなければなりません。

しかし、経営状態が悪い企業は、この資金をファクターへの支払いに回さずに他の支払へ流用してしまうリスクがあります。

2社間ファクタリングではこのリスクも加わるため、リスクプレミアムとして設定される手数料が高くなってしまうのです。

支払期日になると売掛先企業がファクターへ直接支払いをする3社間ファクタリングでは、このような心配はありません。

2社間ファクタリングでは、自社のリスクも加わるので、その分のリスクプレミアムとして手数料がどうしても高くなってしまうのです。

3社間ファクタリングの手数料相場は5%

3社間ファクタリングの手数料相場は5%

3社間ファクタリングの手数料相場は5%程度です。

銀行の事業資金融資よりは高い手数料と言えますが、ノンバンクのビジネスローンや2社間ファクタリングよりもかなり低い手数料になっています。

3社間ファクタリングの手数料が低い理由はなぜなのでしょうか?

手数料を決める要素とともに詳しく解説していきます。

3社間ファクタリングの手数料相場が低い理由

3社間ファクタリングは2社間ファクタリングよりも手数料の相場は低くなっています。

  • 債権譲渡登記が必要ない
  • 納入企業が支払いに関与しない

3社間ファクタリングは、2社間ファクタリングと比較してこれらの特徴があり、コストもリスクも低くなるので手数料を低くすることができるのです。

これらの要素は具体的にどのように手数料に反映してくるのでしょうか?

債権譲渡登記が必要ない

売掛先の同意を得てからファクタリングをする3社間ファクタリングでは債権譲渡登記が必要ありません。

例え、納入企業が債権を他のファクターなどに二重で譲渡したとしても、売掛先企業が「いや、うちの債務はすでにAファクタリング会社に売却されたはずですよ?」と言うことができるので、3社間ファクタリングでは二重譲渡の可能性が低いためです。

むしろ3社間ファクタリングでは二重譲渡はできないと考えた方がよいでしょう。

3社間ファクタリングでは二重譲渡ができないので、債権譲渡登記が必要ありません

2社間ファクタリングでは債権譲渡登記のために必要だった10万円という固定費が、3社間ファクタリングでは必要ないので結果的に手数料が低くなるのです。

納入企業が支払いに関与しないのでリスクが低くなる

3社間ファクタリングでは、支払企業である自社が売掛債権期日に支払いに関与しないというのも手数料が低くなる大きな理由の1つです。

3社間ファクタリングでは、支払期日になると売掛先企業がファクターに対して直接支払いを行います。

2社間ファクタリングのように、資金が納入企業を経由しないので持ち逃げや流用のリスクが皆無なのです。

自社はお金に全く触れないので、3社間ファクタリングでは自社に対するリスクを手数料へ反映させる必要がありません。

手数料算定の際に、自社のリスクが加わらないので3社間ファクタリングは2社間ファクタリングよりも手数料が低くなるのです。

3社間ファクタリングでは、リスクが低い上場企業や国や地方自治体が売掛先の債権は、2%程度の非常に低い手数料で買い取ってももらうことができる可能性もあります。

手数料を少しでも下げるには

手数料を少しでも下げるには

2社間であれ、3社間であれ手数料は少しでも低い方がよいことは間違いありません。

そして、ファクタリングの手数料は以下の点に留意することで下がることがあります。

  • 優良企業の債権を売却する
  • 支払期間の短い債権を売却する
  • 同じファクターを利用して信頼を構築する
  • 複数の業者から見積もりを取り交渉する
  • クラウドファクタリングを利用する

手数料を引き下げるポイントをしっかり理解して、できる限り少ない負担でファクタリングできるようになりましょう。

優良企業の債権を売却する

複数の売掛債権を手元に持っている場合には、その債権の中でも最も企業規模が大きく財務状況も良好な企業の債権を売却することで手数料が下がる可能性が高くなります。

ファクタリングの手数料に最も影響するのは売掛先企業の業況です。

売掛先企業が優良企業や大きな企業の場合には「支払いに問題ないだろう」と判断され、手数料は低くなる傾向があります。

一方、売掛先企業の業況が悪かったり、規模が小さい場合には「本当に払えるか?」と疑問を持たれることになり、ファクターにとってはリスクが高いので手数料が高くなってしまう傾向があるのです。

自社が保有する売掛債権の中でも、「絶対に支払いに問題がない」と思われる優良な債権はファクターにとってもリスクの低い債権ですので、手数料が低くなる可能性が高くなります。

支払期間の短い債権を売却する

支払期間の短い債権を売却するのも、手数料を下げるためには有効な方法です。

支払期間が長ければファクターにとっては回収リスクが高くなりますし、支払期間が短ければファクターにとって回収リスクが短くなるためです。

私たちも「明日の給料日に1万円返すから貸して」と言われれば、「たった1日なら大丈夫か」と判断して気軽のお金を貸すこともできますが、「3ヶ月後のボーナスまでお金を貸して」と言われれば「本当に大丈夫か?」と不安になってしまいます。

同じように、ファクターも期間が長い債権ほど回収リスクが高いと判断されて手数料が高くなってしまいます

複数の売掛債権が手元にある時には、できる限り期間の短い売掛債権をファクタリングすることで手数料が低くなる可能性があります。

同じファクターを利用して信頼を構築する

同じファクターを継続的に利用することによって手数料が下がることもあります。

取引を繰り返すことによって、ファクターから「この会社は信頼できる会社だ」と信頼を得ることができるようになり、手数料が下がる傾向があるのです。

これは人間関係と同じで、初めての人はなかなか信頼ができなくても、その人が約束をしっかりと守るということを繰り返すことによって、「この人は信頼できる人だ」という信頼関係を構築することができるようになります。

ファクターに対しても、支払期日をしっかりと守って取引を繰り返していくことによって、「この会社は資金流用や持ち逃げのリスクがない」と評価を得ることができます。

ファクターにとって自社の対するリスクが低くなり、手数料が下がっていく傾向があります。

複数の業者から見積もりを取り交渉する

複数の業者から見積もりを取り、ファクターと手数料の交渉をすることによって手数料が下がることがあります。

ファクターは優良企業の売掛債権は積極的に買い取りたいと考えています。

複数の業者から見積もりを取ることによって、ファクター同士を競争させることができるようになるのです。

「A社は手数料〇〇%と言っていますが、御社はこれ以上低くなりませんか?」と交渉すると、「では、弊社はA社よりも低い手数料で買い取らせていただきます」と減額してくれることはよくあることです。

「手数料が高いな」と感じたら、他の業者からも見積もりを取り、交渉することで手数料は下がることがあります。

クラウドファクタリングを利用する

最近は、全ての手続きがWEB上で完結するクラウドファクタリングというファクタリングも登場しています。

クラウドファクタリングは、ファクタリング審査や契約にかかる手続きの多くをコンピューターが担うので、少ない人出で運営されています。

クラウドファクタリングは運営コストが低いので、他のファクターよりも低い手数料で買い取ってくれることも珍しくありません。

「手数料が高いな」と感じたら、クラウドファクタリングで見積もりをとってみることで、驚くような低い手数料が提示されることもあります。

手数料を下げるためにはクラウドファクタリングも有効な方法です。

ファクタリング手数料についてよくある質問

見積もりをとったら30%の手数料が提示されました。この会社と取引をして大丈夫でしょうか?
売掛先のリスクや自社のリスクによっては、30%程度の手数料を設定されることはあります。しかし、あまりにも相場よりも高い手数料は悪徳業者の可能性があるので、他の業者からも見積もりをとった方がよいでしょう。
債権譲渡をしなくてもファクタリングはできますか?
2社間ファクタリングでは基本的に債権譲渡登記を行います。しかし、ファクターの中には2社間ファクタリングでも債権譲渡登記をしない会社もありますし、ファクターとの信頼を構築していくことによって債権譲渡登記をしなくてもファクタリングに応じてくれる会社もありますので、まずはファクターへ確認してみましょう。
自社のリスクを低くするにはどうすればよいのでしょうか?
資金繰りに余裕を持たせる、会社の収益を黒字化する、債務超過を解消するなどの方法がありますが、すぐにこれらを改善するのは簡単ではありません。
資金繰りが本当に困窮する前に早めにファクタリングをしておくことで、リスクが高いとは判断されずに低めの手数料になる可能性があります。
手数料引き下げ交渉を成功させるためのコツはありますか?
他社からも見積もりをとった上で交渉した方が成功しやすいでしょう。ただし、この際には上から目線の口調はNGです。相手も人間なのですから、礼節を守って丁寧な口調で「手数料を引き下げてもらえませんか?」というように交渉するとよいでしょう。
一般的には「2回目以降は手数料が下がる」と言われていますが、これはファクターの対応次第で、2回目から手数料を下げてくれる業者もあれば全く前回と変わらない場合もあります。このような場合も「手数料を下げてくれませんか?」と交渉することによって手数料は下がることもあります。

まとめ

ファクタリングの手数料の相場は2社間ファクタリングと3社間ファクタリングによって異なります。

  • 2社間ファクタリング:20%
  • 3社間ファクタリング:5%

売掛先の同意が必要で債権譲渡登記が必要な2社間ファクタリングはどうしても手数料が高くなってしまいます。

しかし、手数料は売却する債権をファクターにとってリスクの低いものにすることや、ファクターとの付き合い方や交渉によって相場よりも引き下げることもできます

ファクタリングの手数料負担は収益を圧迫する大きなコストです。

できる限りコストをかけないように、手数料を相場よりも下げる配慮をするようにしましょう。