注文書ファクタリングとは
注文書ファクタリングとは、取引先から仕事を受注した段階で発行される注文書を使って将来に発生する売掛債権を資金化する仕組みです。従来は請求書などの確定した売掛債権のみがファクタリングの対象として認められていました。しかし、2020年に以下の民法改正で注文書のような将来債権の譲渡が認められたため、注文書ファクタリングが可能になりました。
(将来債権の譲渡性)
第466条の6 債権の譲渡は、その意思表示の時に債権が現に発生していることを要しない。
2 債権が譲渡された場合において、その意思表示の時に債権が現に発生していない時は、譲受人は、発生した債権を当然に取得する。
3 前項に規定する場合において、譲渡人が次条の規定による通知をし、または債務者が同条の規定による承諾をした時までに譲渡制限の意思表示がされた時は、譲受人その他の第三者がそのことを知っていたものとみなして、第四百六十六条第三項(譲渡制限の意思表示がされた債権が預貯金債権の場合にあっては、前条第一項)の規定を適用する。
参考:民法|e-Gov 法令検索
通常は請求書の発行後に売掛債権を売却しますが、注文書ファクタリングではより早い段階で資金調達が可能になります。例えば、建設業・製造業など数ヶ月単位での納品を伴う長期案件の場合、注文書受領直後から資金化できる点が最大のメリットです。
注文書はファクタリング利用時に売掛債権の存在を証明する書類
注文書は取引先との契約内容や金額、納期、支払い条件などを明記した書類であり、将来の売掛債権の発生根拠を証明します。なお、注文書ファクタリングを利用する際は注文書の他に以下のような資料の提出を求められるケースが多いです。
- 通帳のコピー
- 契約書
- 取引先とのやり取りが記載されているメール等の補助資料
ファクタリング会社は上記の資料により将来債権の存在と金額を裏付け、売掛債権を問題なく回収できるかを審査で判断しています。
注文書ファクタリングと請求書ファクタリングの違い
注文書ファクタリングと請求書ファクタリングの違いは、主に以下の4点です。
- 審査対象の書類
- 買取手数料
- 入金されるタイミング
- 対応する契約方式
上記の違いを把握して、注文書ファクタリングの手続きをスムーズに進めましょう。
審査対象の書類
審査対象となる書類には資金化の根拠となる契約内容・金額・納期が記載された「注文書」と納品後に発行される「請求書」があります。注文書ファクタリングの場合は注文書を、請求書ファクタリングでは請求書を提出して売掛債権の信憑性をチェックされます。また、ファクタリング会社によって異なりますが、請求書・注文書以外にも以下の資料を求められるケースも多いです。
- 通帳のコピー(直近3~6ヶ月分)
- 本人確認書類(運転免許証等)
- 商業登記簿謄本
- 印鑑証明書
- 決算書または確定申告書
- 取引基本契約書
- 見積書・納品書
買取手数料
買取手数料に関しても、注文書ファクタリングと請求書ファクタリングは異なります。請求書ファクタリングの買取手数料相場は、以下の通りです。
ファクタリングの種類 |
契約方式 |
手数料相場 |
請求書ファクタリング |
2社間契約 |
約2%〜20% |
3社間契約 |
約1%〜9% |
なお、注文書ファクタリングは請求書ファクタリングより数%程度、手数料が高く設定される傾向にあります。注文書ファクタリングは将来債権の買取のため、請求書ファクタリングよりも回収リスクが大きいためです。
入金されるタイミング
注文書ファクタリングにおける入金タイミングは、案件の受注が確定して発行された注文書を売却した時です。ファクタリング会社は注文書を審査し、最短で当日または翌営業日に指定口座へ資金を振り込みます。請求書ファクタリングと比較すると納品後の請求書発行ではなく注文書段階で資金が手に入るため、非常に早い段階で資金の確保が可能です。
一方、請求書ファクタリングは納品後に発行された請求書が必要なため、受注段階から換算すると入金まで長い時間がかかります。ただし、請求書があれば申し込みから最短即日での資金化が実現できます。
対応する契約方式
注文書ファクタリングの契約方式は、基本的に利用者とファクタリング会社が契約する2社間ファクタリングのみです。2社間ファクタリングは売掛先への通知が不要で、契約者とファクタリング会社のみで契約が成立するため発注元に利用が知られずに済みます。2社間ファクタリングは契約後すぐに入金対応が可能であり、審査から資金化までが非常にスムーズです。
一方、請求書ファクタリングは2社間ファクタリングに加えて3社間ファクタリングも利用できます。3社間ファクタリングは、利用者・売掛先・ファクタリング会社で契約する方式です。
3社間ファクタリングでは売掛先の承認が必要となり、審査と調整で入金までに数日〜2週間程度時間がかかるケースもあります。しかし、利用者が売掛金を着服する懸念がなく回収リスクも低くなるため、手数料が2社間ファクタリングより安い点がメリットです。
注文書ファクタリングを利用する4つのメリット
注文書ファクタリングを利用するメリットとして、以下の4つがあげられます。
- 取引先から注文を受けた時点で資金を調達できる
- 最大6ヶ月先の注文書に対応している
- 取引先に知られず資金調達できる
- 取引先が倒産しても売掛債権の支払いを弁済する義務がない
上記のポイントに魅力を感じる場合は、注文書ファクタリングを積極的に活用しましょう。
①取引先から注文を受けた時点で資金を調達できる
注文書ファクタリングの最大の強みは、取引先から注文書を受領した段階で資金調達が可能な点です。通常の請求書ファクタリングでは、納品・請求書発行後に売掛債権を売却する必要があります。そのため、通常ファクタリングの場合は受注段階から換算すると資金調達までに数週間〜数ヶ月かかるケースも珍しくありません。
一方で、注文書ファクタリングでは受注段階で発行される注文書の審査が終われば、即時の資金化が可能になります。例えば、建設業・製造業などで着手前に原材料・人件費が必要な場合でも、注文書だけで資金を確保できるため資金繰りの早期改善が可能です。また、請求書を待たずに入金があるため、次の案件へのスムーズな投資や着手が可能となって事業の拡大・安定化に貢献します。
②最大6ヶ月先の注文書に対応している
注文書ファクタリングは、最大で6ヶ月先の納品予定が記された注文書まで審査の対象とされる点も大きなメリットです。一般に、納品から入金までに数ヶ月を要する業種では資金繰りに大きな負担がかかります。半年後に請求書が発行される予定の案件でも必要経費を先行して充填できるため、長期プロジェクトでも安心して受注できるようになります。
③取引先に知られず資金調達できる
注文書ファクタリングでは、2社間ファクタリングの契約方式を採用するケースが一般的です。2社間ファクタリングは利用者とファクタリング会社の間だけで資金調達が行われ、取引先への通知や同意が不要です。
企業によってはファクタリング利用による「資金繰りの不安」が相手企業に伝わるのを懸念し、契約に二の足を踏むケースがあります。しかし、2社間取引なら取引先から資金繰りの懸念を抱かれる心配がなく既存取引に悪影響を与えないため、安心して利用できます。
④取引先が倒産しても売掛債権の支払いを弁済する義務がない
注文書ファクタリングは、売掛債権が回収できない場合に弁済義務を負う償還請求権がない契約が基本です。償還請求権がなければ、売掛先の倒産などにより債権が回収不能になってもファクタリング会社が利用者に対して買い戻しや弁済を求めません。
上記の仕組みによって取引先の経営破綻などの事態が起こっても弁済義務が残らず、連鎖倒産に発展するリスクもなく安心です。通常の融資・立替では債務者に返済義務が残りますが、注文書ファクタリングでは資金調達後の債権回収に関する心配がありません。
注文書ファクタリングを利用する3つのデメリット
注文書ファクタリングを利用するデメリットは、以下の3つです。
- 金融機関の融資・請求書ファクタリングと比較して手数料が高い
- 請求書ファクタリングよりも審査が厳しい傾向にある
- 注文書ファクタリングを取り扱う会社が限られている
上記のデメリットに対しては、事前に対策を講じておきましょう。
①金融機関の融資・請求書ファクタリングと比較して手数料が高い
注文書ファクタリングのデメリットは、金融機関の融資や請求書ファクタリングと比較して手数料が高い点です。注文書ファクタリングは請求書発行前の将来債権を対象とするため、回収リスクが大きくなるためです。なお、請求書ファクタリング・銀行融資・ビジネスローンの手数料・金利相場は以下の通りとなります。
資金調達方法 |
手数料・金利相場 |
請求書ファクタリング |
約2%〜20% |
銀行融資 |
約1%~3.5% |
ビジネスローン |
約15%〜18% |
注文書ファクタリングは請求書ファクタリングよりやや割高になる傾向にあり、金利換算すると銀行融資・ビジネスローンよりもコストが高くなります。例えば、注文書ファクタリングで20%の手数料が設定されていた場合、支払いサイト60日だと年利相当で120%です。
注文書ファクタリングを頻繁に利用すると手数料の負担が利益を圧迫し、収益性に影響を与えかねません。注文書ファクタリングを利用する前には費用対効果をきちんと算出したうえで、他の調達手段と比較検討しましょう。
②請求書ファクタリングよりも審査が厳しい傾向にある
注文書ファクタリングでは将来債権の回収リスクが高いため、請求書ファクタリングに比べて審査基準がより厳格に設定されがちです。注文書ファクタリングの審査では売掛先の信用力や取引実績、支払い期日までの期間などが細かく評価されます。
特に、納品前であるため取引が確実に完了する信頼性が重要視され、売掛先の信用度が低い場合には審査落ちのリスクが高まります。したがって、注文書ファクタリングを検討する場合は大手企業など信用力が十分に高い売掛債権で申し込みましょう。
③注文書ファクタリングを取り扱う会社が限られている
注文書ファクタリングは比較的新しい資金調達手段であり、対応可能な業者が少ない点もデメリットです。選べる業者が限られていると比較を十分に行えず、結果として希望条件に合ったサービスを見つけられない可能性もあります。そのため、利用を検討する際は可能な限り複数社から見積りを取り、サービス内容・信頼性を慎重に評価する必要があります。
注文書ファクタリングを利用する流れ・手順
注文書ファクタリングを利用する流れ・手順として、以下の4つがあげられます。
- ファクタリング会社に相談・申し込みを行う
- 注文書などの必要書類を提出する
- 審査実施後に契約を締結する
- ファクタリング会社から指定の口座に入金される
上記の手順を参考に、注文書ファクタリングの手続きをスムーズに行いましょう。
①ファクタリング会社に相談・申し込みを行う
注文書ファクタリングを利用する際は、まずサービスを提供するファクタリング会社へ相談・申し込みを行いましょう。多くの業者は問い合わせフォーム・メール・電話で相談が可能で、気軽に見積り依頼できるLINE・専用チャット対応も広がっています。なお、自社が受注した案件内容や資金使途、注文書の金額などを伝えれば、利用可否や手数料の概算を確認できます。
また、相談・申し込みの段階では複数社で条件を比較検討しましょう。手数料・入金スピードなどサービス内容を比較すれば、より自社の希望条件に合ったファクタリング会社を選びやすくなります。また、問い合わせ時には事前に審査条件・必要書類の確認を行っておくと、後の手続きがスムーズです。
②注文書などの必要書類を提出する
続いて、注文書ファクタリング申し込み後にファクタリング会社へ必要書類を提出しましょう。主な必要書類は注文書・通帳のコピーなどですが、業者によっては基本契約書や過去の取引実績などが求められる場合もあります。多くの業者はオンラインでのアップロードに対応しており、申し込み作業に手間がかからず迅速に審査まで進めます。
③審査実施後に契約を締結する
提出した書類をもとにファクタリング会社が審査を行い、主に注文書の金額・取引先の信用力などが評価されます。審査時間は業者によりますが、最短30分~1営業日程度で結果が出され、通過すれば買取額・手数料が提示されます。
その後、債権譲渡契約が明記された契約書を締結する際に、手数料・買取額などの条件面が見積り時と同じか確認しましょう。契約には細かい条項がいくつも記載されているため、重要事項は対面・電話・オンラインで説明を受けて不明点は解消しておきましょう。
④ファクタリング会社から指定の口座に入金される
契約締結の完了後、ファクタリング会社は注文書に基づく買取金額から手数料を差し引いた額を指定の企業口座へ送金します。入金タイミングは業者により異なりますが最短即日〜翌営業日、遅くとも3営業日前後とスピーディです。
そのため、注文書受領直後に運転資金・着手金を確保でき、納品前でも事業を円滑に進められます。利用企業は後日、取引先からの売掛金回収後にファクタリング会社へ回収代金を精算する構図になっています。
注文書ファクタリングと請求書ファクタリングの使い分け方
注文書ファクタリングと請求書ファクタリングの使い分け方について、以下2つのパターンを紹介します。
- 注文書ファクタリングがおすすめのシーン
- 請求書ファクタリングがおすすめのシーン
上記のパターンを参考に、状況に応じて注文書ファクタリングと請求書ファクタリングを上手に使い分けましょう。
注文書ファクタリングがおすすめのシーン
注文書ファクタリングをおすすめしたいのは、納品前に資金を確保したいケースです。例えば、建設業・製造業のように受注後すぐに原材料費・人件費が必要となる長期案件では、請求書発行まで待っている余裕がありません。受注段階で支出が先行しやすい業種では、注文書の売却で即時資金化するのがおすすめです。
最大で6ヶ月先の納品予定の注文書まで売却が可能であるため、長期プロジェクトでのキャッシュフロー改善に非常に効果的です。また、取引先への通知が不要な2社間ファクタリングであり、関係性が構築できていない新規取引先でも安心して利用できます。
請求書ファクタリングがおすすめのシーン
請求書ファクタリングは、受注してから納品までの期間が短い事業での利用がおすすめです。請求書ファクタリングは納品が完了して請求書が発行されているため、売掛債権の信頼性が高く審査がスムーズで手数料も比較的抑えられます。
特に、単発の商取引や月ごとに請求を占めている業務委託契約などであれば、請求書発行までの資金繰りの心配もなく利用できるでしょう。また、2社間ファクタリングと比較して手数料が割安に設定されやすい3社間ファクタリングを選べる点もメリットです。
注文書ファクタリングを利用する企業が多い業種
注文書ファクタリングを利用する企業が多い業種としては、以下の2つがあげられます。
上記の業種でファクタリングを検討している場合は、注文書ファクタリングも選択肢に加えましょう。
建設業
建設業は、注文書ファクタリングがよく利用される業種の1つです。建設業は受注後に資材費・人件費などの先行投資が必要で、納品・請求書発行までに数ヶ月かかるのが一般的です。
そのため、注文書ファクタリングは受注確定の段階で資金を確保でき、工事の着手に必要な資材や下請け手配へすぐに充てられます。特に、公共工事・大口案件など支払いサイトが長い場合でも半年先の注文書も資金化対象となるため、資金繰り対策として効果的です。
また、発注元の信用力を重視されますが、建設業ではゼネコンを中心に大企業が多く審査もスムーズに通過できるケースが多いです。建設業では黒字倒産のリスクが高いため、注文書ファクタリングによる先手の資金調達は安心材料となります。
製造業
製造業も発注から納品までの期間が長く、設備導入・材料調達に先立つ出費がかさみがちです。そのため、注文書ファクタリングにより注文書受領時点で資金調達が可能となり、必要な設備投資や人材確保に直結した資金手当ができます。
製造業では固定費や設備トラブルなどに伴う資金繰りの不安が大きいため、受注段階で現金を確保できて経営の安定に寄与します。また、発注元の支払い能力が重視されるため、支出が先行していて自社が赤字でも問題なく利用が可能です。支払いサイトの長期化による資金ショートを防ぎながら、安定した製品開発・生産に集中できる仕組みとして注文書ファクタリングは適しています。
注文書ファクタリングを実際に利用した企業の事例
注文書ファクタリングを実際に利用した企業の事例として、以下の3つを紹介します。
上記の事例を参考に、自社の資金繰り課題の解決につなげられるよう注文書ファクタリングを活用しましょう。
建設業の事例
東京都で住宅建築を手がける下請け企業は、元請けからの回収サイトと取引先への支払いにズレが生じて慢性的に資金不足に直面していました。入金は着工後1ヶ月〜3ヶ月待ちで、職人の人件費や資材費の支払いが常に先行していた状況です。
そこで、BESTPAYの注文書ファクタリングを利用し、発注金額1,500万円を受注段階で資金化しました。資金化時期を2ヶ月前倒しできたため、施工前に必要な費用を先行して支払え、銀行融資を待つ間の資金を確保できたのがよかった点です。結果として、銀行借入との両輪で資金調達体制を構築し、事業拡大の道筋につなげられました。
参考:利用事例|BESTPAY
製造業の事例
東京都の産業機械製造企業では、主要取引先の減産によって材料費・外注費の支払いが困難な状況に陥りました。大型案件が中心で請求書発行までのタイムラグが資金的な重荷となり、通常のファクタリングでは対応できない部分も多かったようです。
そこで、注文書ファクタリングを活用して受注段階で約3,000万円を調達しました。審査から入金まで約5日と迅速に多額の資金を確保できたため、次の大型受注に問題なく着手できています。迅速な資金調達体制を構築でき、ベンチャー企業との取引も進展して事業の成長継続に弾みがついています。
参考:利用事例|BESTPAY
運送業の事例
千葉県で金属・機械品の運送業を営む企業では、原油価格高騰により燃料費・人件費が急増して利益が圧迫されていました。元請けから直接仕事を引き受ける契約が決まった際、すぐに資金が必要となったため、BESTPAYの注文書ファクタリングを利用したのです。
必要だった書類は注文書・通帳・申込書のみと手続きもシンプルで、相見積りの結果、手数料も最安値でファクタリングを利用できました。燃料費に充てる資金を確保してドライバーの離職を防ぎながら受注体制を維持でき、現在は安定した経営基盤を構築しています。
参考:利用事例|BESTPAY
注文書ファクタリングを利用する際は悪徳業者の存在に注意
ファクタリング業界は参入障壁が低く、注文書ファクタリングを提供する会社のなかには悪質な業者も少なくありません。「審査不要」「誰でも簡単」などを謳い、実際には高額手数料・分割返済などの不当な条件を押し付けてくるケースも報告されています。なお、2社間ファクタリングで20%を超えるなど相場を大きく逸脱すると悪徳業者の可能性が高まります。
また、契約書に「金銭消費貸借契約」といった文言が含まれていないか必ず確認しましょう。注文書ファクタリングのはずが、実態は貸付契約になっている「偽装ファクタリング」も存在するためです。償還請求権が付いている契約を結ばされるケースも報告されており、取引先が倒産した場合に借り直しの義務を負わされるリスクがあります。
さらに、会社情報が曖昧だったり、見積書・契約書がなく口頭説明のみだったりする場合は要注意です。固定電話がなく携帯番号しかない業者や、面談審査を省略する業者も警戒したいところです。
注文書ファクタリングで安全に利用できるおすすめの会社8選
注文書ファクタリングで安全に利用できる会社は、以下の8社です。
- ビートレーディング
- BESTPAY(ベストペイ)
- 日本中小企業金融サポート機構
- GMO BtoB 早払い
- トップ・マネジメント
- クールペイ(CoolPay)
- ネクストスタイル
- ファクトバンク
上記のなかから、希望の条件にあったファクタリング会社を選びましょう。
ビートレーディング

種類 |
- 2社間ファクタリング
- 3社間ファクタリング
- 診療報酬買取ファクタリング
- 注文書ファクタリング
|
買取可能額 |
下限・上限なし |
手数料 |
- 2社間ファクタリング:4%〜12%
- 3社間ファクタリング:2%〜9%
|
入金スピード |
最短2時間 |
手続き方法 |
オンライン・LINE |
公式サイト |
https://betrading.jp/ |
ビートレーディングは注文書ファクタリングを早い段階で導入したパイオニア的存在で、豊富な実績に裏打ちされた信頼性が強みです。注文書ファクタリングの審査は最短30分、現金化は最短2時間という圧倒的なスピード対応で、急な資金ニーズにも即応できます。
また、最大6ヶ月先の注文書まで買取可能で大口案件・長期プロジェクトにも柔軟に対応できます。オンライン完結で手続きでき、書類提出は注文書と入出金明細の2点で済むため、本業が忙しい経営者にも好評です。また、訪問・来店など対面手続きにも対応しており、直接疑問点を解決しながら契約手続きを進めたい方にもおすすめです。
BESTPAY(ベストペイ)

BESTPAY(ベストペイ)は注文書ファクタリングに特化してサービスを提供しており、最短で翌日入金が実現できます。注文書ファクタリングの手数料は5%〜と低水準で利用でき、コストを抑えながら資金調達が可能です。
必要書類は注文書・通帳3ヶ月分・申込書の3点と少なく、審査から契約までオンラインで完結可能な点も魅力です。公式サイトでは「依頼企業の倒産リスクがなければ審査が通る」と記載されており、経営状態がよい企業であれば問題なく利用できます。最低買取可能額が30万円から対応しているため、売上規模が大きくない小規模事業者でも利用しやすいサービスです。
日本中小企業金融サポート機構

日本中小企業金融サポート機構は一般社団法人で非営利団体として運営されるため、手数料の安さと安心感が大きな特徴です。2社間ファクタリングの手数料は1.5%〜10%と業界でも低水準で、低額から高額まで幅広い売掛債権に対応しています。
日本中小企業金融サポート機構の審査は最短30分で完了し、必要書類は通帳コピー・売掛債権資料の2点のみと簡潔です。オンライン完結型のファクタリングにも対応しているため、全国どこからでも利用できる利便性もあります。また、経営革新等支援機関にも認定されており、助成金・リースバックなど幅広い資金調達の申請サポートを行っている点も魅力です。
GMO BtoB 早払い

種類 |
|
手数料 |
1.0%〜 |
入金スピード |
最短2営業日 |
買取可能額 |
100万円〜1億円 |
手続き方法 |
オンライン・対面 |
公式サイト |
https://www.gmo-pg.com/lpc/hayabarai/ |
GMOグループが提供するGMO BtoB 早払いは、東証プライム上場企業ならではの信頼感と手数料の安さが大きな特徴です。手数料は1%からと低水準で、注文書が発行された段階で資金化できて最短2営業日で指定口座へ入金されるスピード感が魅力です。
また、1つの売掛債権内で複数回ファクタリングを利用できる制度も用意されており、都度申し込み手続きをする必要がありません。さらに、買取可能な金額は1億円と高額にも対応しており、大口案件・長期プロジェクトでも安心して利用できるよう設計されています。大手の資本力を活かしてサポート体制も充実させており、はじめて利用する企業でも安心感が高いサービスです。
トップ・マネジメント

種類 |
- 2社間ファクタリング
- 3社間ファクタリング
- 注文書ファクタリング
|
手数料 |
3.5%~12.5% |
入金スピード |
最短即日 |
買取可能額 |
3億円まで |
手続き方法 |
オンライン |
公式サイト |
https://top-management.co.jp/ |
トップ・マネジメントは累計4万5,000社を超える実績を誇り、幅広い企業ニーズに応えられる信頼性の高いファクタリング会社です。2社間ファクタリングなら手数料は3.5%〜12.5%となっており、比較的コストを抑えながら資金を調達できます。
買取可能額は最大3億円と幅広く、大口の取引から小口の売掛債権まで買取の対応が可能です。最短即日〜2時間の入金スピードで急ぎの資金ニーズにも対応しており、オンライン契約で来店の手間を省きながら簡単に手続きできます。必要な資料も注文書1点のみであるため、申し込み前の準備に時間がかからない点も魅力です。
クールペイ(CoolPay)

種類 |
|
手数料 |
要問い合わせ |
入金スピード |
最短即日 |
買取可能額 |
15万円〜 |
手続き方法 |
オンライン |
公式サイト |
https://coolpay.jp/ |
クールペイ(CoolPay)はAI審査によるスピード対応が最大の特徴で、最短20分〜60分で見積りがわかり即日資金調達が可能です。オンライン完結で請求書・注文書どちらのファクタリングにも対応し、全国どこからでも手続きができます。
手数料は非公開ながらインターネット上での口コミ評価はよく、累計申込額100億円と支援実績も豊富であるため、安心して利用できます。申し込みは注文書と通帳をスマホで撮影して送付するだけで完了でき、忙しい経営者でもスキマ時間で手続きが可能です。
ネクストスタイル

種類 |
- 2社間ファクタリング
- 3社間ファクタリング
- 発注書ファクタリング
- 診療/介護報酬ファクタリング
|
手数料 |
2%〜 |
入金スピード |
最短即日 |
買取可能額 |
20万円〜5,000万円 |
手続き方法 |
電話・メール |
公式サイト |
https://www.nextstyle-tokyo.net/ |
株式会社ネクストスタイルは、東京都代々木を拠点に注文書・請求書ファクタリングを提供する専門業者です。最短30分で審査が完了し、最短40分での入金対応を宣言しており、即日の資金化ニーズに応えるスピード感が特徴です。
株式会社ネクストスタイルは注文書ファクタリングに対応し、手数料は2%からと業界でも低水準のリーズナブルさを備えています。買取金額は20万円〜5,000万円まで対応しており、大口・小口の売掛債権どちらも売却が可能です。
また、赤字決算や社会保険料・税金滞納があっても利用できるなど審査基準は柔軟で、通過率98%の高水準を維持しています。出張買取にも対応していて全国どこでも申し込めるため、利便性の高さとスピード感を重視する企業にはおすすめのファクタリング会社です。
ファクトバンク

Screenshot
種類 |
- 2社間ファクタリング
- 3社間ファクタリング
- 注文書ファクタリング
|
手数料 |
2.5%〜10% |
入金スピード |
最短即日 |
買取可能額 |
20万円〜5000万円 |
手続き方法 |
オンライン・電話・LINE |
公式サイト |
https://factbank.jp/ |
ファクトバンクは北海道札幌市を拠点に、24時間365日オンラインで注文書・請求書ファクタリングを提供する業者です。非対面審査と電子契約により最短当日での入金が可能で、業務負担を大幅に軽減しながらすぐに必要な資金を調達できます。
買取可能額は20万円〜5000万円、手数料は2.5%〜10%であり、オンライン完結の申し込みで誰でも気軽に資金調達が可能です。利用者からは「土日でも夜間まで対応し、手軽で迅速」など、急に資金不足になっても早期資金化が可能な点が高く評価されています。また、オンライン完結によって全国対応しているため、はじめてファクタリングを利用する企業にも使いやすいのが大きな魅力です。
注文書ファクタリングに関するよくある質問
注文書ファクタリングに関するよくある質問として、以下の3つがあげられます。
- 注文書ファクタリングは個人事業主・フリーランスでも利用できる?
- 見積書でもファクタリングは利用できる?
- 注文書担保融資(POファイナンス)とは?
注文書ファクタリングに関して疑問点がある場合は、上記質問への回答を参考にしてください。
注文書ファクタリングは個人事業主・フリーランスでも利用できる?
法人だけでなく個人事業主・フリーランスも、注文書ファクタリングを利用できます。例えば、ビートレーディングは必要書類が注文書と入出金明細の2点だけで、リソースの少ない個人事業主・フリーランスでも問題なく利用できます。ただし、ファクタリング会社によっては法人の申し込みしか受け付けていないケースもあるため、事前にホームページ等で利用条件を確認しましょう。
見積書でもファクタリングは利用できる?
注文書ファクタリングに類するサービスとして、見積書・受注書でも資金化ができる仕組みがあります。例えば、トップ・マネジメントは見積書・受注書・発注書いずれか1つをファクタリング対象とし、請求書の前段階から資金調達が可能です。
「見積書・受注書・発注書ファクタリング」と呼ばれるサービスで、2社間契約かつ最短30分~即日で入金が見込める点が注目されています。大きな案件や準備資金が必要な段階で、より早いタイミングで現金を準備できる柔軟な資金調達手段として非常に実用的な選択肢です。
注文書担保融資(POファイナンス)とは?
注文書担保融資(POファイナンス)は、注文書を担保にして銀行・信用金庫から融資を受ける仕組みです。ファクタリングと似ていますが、注文書担保融資は融資契約のため借入による返済義務が発生します。
審査条件は厳しく担保評価・信用力が重視され、手数料ではなく利息・保証料が発生する点が特徴です。一方で、注文書ファクタリングは償還請求権がなく、資金調達後に売掛金を回収して契約が完了する仕組みである点が大きく異なります。
注文書ファクタリングを活用して資金繰りの不安を解消しよう
注文書ファクタリングは、注文書をもとに請求前の段階で資金調達ができる新しい資金繰り手法です。注文書ファクタリングは、建設業・製造業など納品前に多額の先行費用が発生する業種で特に有効です。
注文書ファクタリングを利用する際は手数料・買取可能金額などを比較し、自社に最適なファクタリング会社を選ぶようにしましょう。一方で、注文書ファクタリングでは偽装ファクタリングや高額手数料を提示する悪質業者の存在に注意が必要です。
信頼できる会社を選ぶためには実績・契約条件・サポート体制を確認し、複数社で相見積りを取りましょう。注文書ファクタリングを活用してなるべく早い段階で自己資金を手厚くし、資金繰りの不安を解決してください。