ファクタリングとは売掛債権を売却して資金調達する仕組みの手法
ファクタリングとは企業がもつ売掛債権をファクタリング会社に売却し、入金期日よりも前に資金化する方法です。売掛債権とは、商品・サービスを提供した際に取引先から将来的に代金を受け取る権利を指します。通常であれば、売掛債権分の金額は事前に契約で決められた支払い期日まで受け取れません。
しかし、ファクタリングを利用すれば、売掛債権そのものを買い取ってもらえます。例えば、2ヶ月後に取引先から入金される予定の100万円の請求書(売掛債権)があったとしましょう。売掛債権をファクタリング会社に売却すれば、手数料は差し引かれますが最短即日でまとまった金額を手にできます。
また、ファクタリングの最大のポイントは銀行融資のような借入ではない点です。あくまで自社が保有する資産の売却であるため、借入とは異なり貸借対照表上で負債が増えません。財務諸表上の評価に悪影響を与えにくく、スピーディーな資金調達手法として注目されています。
ファクタリングには大きく4つの種類がある
ファクタリングと一言でいっても、目的・仕組みによって以下の4種類に分類されます。
- 買取ファクタリング
- 保証ファクタリング
- 国際ファクタリング
- 一括ファクタリング
内容が大きく異なるため、ファクタリングを利用する際にサービスを選び間違いないようにしましょう。
買取ファクタリング
買取ファクタリングは最も一般的で広く知られている形態であり、主に資金調達を目的として利用されます。買取ファクタリングは企業が保有する売掛債権をファクタリング会社に売却し、支払い期日よりも前に資金化するサービスです。
本記事で今まで解説してきたファクタリングは、買取ファクタリングに分類されます。急な運転資金が必要になった場合やキャッシュフローを改善したい場合に、最も直接的で効果的な方法です。
保証ファクタリング
保証ファクタリングは資金調達を直接の目的とはせず、貸し倒れリスクへの備えとして利用されるサービスです。保証ファクタリングは、買取ファクタリングのように売掛債権の売買は行いません。取引先の倒産などによって売掛金が回収不能となった場合に、ファクタリング会社が損害を保証してくれる仕組みです。
利用企業はファクタリング会社に保証料を支払い、万が一の事態が発生しても契約した保証の範囲内で資金を受け取れます。特に、新規の取引先や与信情報が少ない相手との取引を安全に進めたい場合に有効な手段です。
国際ファクタリング
国際ファクタリングは、輸出取引における資金調達とリスクヘッジを目的としたファクタリングです。国際ファクタリングとは、輸出代金(売掛金)の回収を保証してくれるサービスです。
日本のファクタリング会社が海外の提携会社と連携し、輸出先の企業の信用調査から代金回収までを代行します。万が一、取引先が倒産したり、支払いが滞ったりした場合でもファクタリング会社が代金を100%保証してくれます。そのため、国際ファクタリングを利用すれば、輸出企業は安心して海外市場でのビジネスを展開できる点がメリットです
一括ファクタリング
一括ファクタリングは、主に企業が多数の納入業者への支払いを効率化するために導入する仕組みです。一括ファクタリングでは、企業と提携した金融機関が納入業者の売掛債権をまとめて買い取ります。
主に支払う側の企業が利用するサービスですが、納入業者も通常数ヶ月かかる入金を待つことなく早期に資金化できるメリットがあります。また、利用する企業が信用力の高い大企業であるケースが多いため、低い手数料で売掛債権を売却しやすいのも特徴です。
ファクタリングの契約方式には2社間ファクタリングと3社間ファクタリングがある
買取ファクタリングには、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの2つの契約方式があります。2つの契約方式における最大の違いは、「取引先が契約に関与するかどうか」です。2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの概要をまとめると、以下の通りとなります。
| 契約方式 |
概要 |
| 2社間ファクタリング |
利用者・ファクタリング会社の2社で契約する方式 |
| 3社間ファクタリング |
利用者・ファクタリング会社・取引先の3社で契約する方式 |
どちらの方式を選択するかによって、資金化までのスピードや手数料、そして取引先との関係性への影響などが大きく変わってきます。各契約方式のメリット・デメリットを正しく理解し、会社の状況や優先事項を明確にした上で最適な方法を選択しましょう。
2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの違い
2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの具体的な違いは、大きく以下の4つがあげられます。
| 比較項目 |
2社間ファクタリング |
3社間ファクタリング |
| 取引先への通知 |
不要 |
必要 |
| 資金化までの日数 |
最短即日〜数日 |
数日〜2週間程度 |
| 手数料の相場 |
2%〜20% |
1%〜9% |
| 売掛金の回収 |
利用者が債権回収後にファクタリング会社へ送金 |
ファクタリング会社が売掛先から直接債権を回収 |
取引先への通知の有無
両者における最も根本的な違いが、取引先にファクタリングの利用を通知する必要があるかどうかです。2社間ファクタリングは利用者とファクタリング会社の間だけで手続きが完結するため、取引先に通知する必要がありません。
一方で、3社間ファクタリングでは売掛債権をファクタリング会社へ譲渡する際に取引先へ債権譲渡通知を送る手続きが必要です。そのため、取引先にファクタリングを利用している事実を知られてしまう点がデメリットです。「資金繰りに困っているのでは」などの不要な憶測を招かずに、取引関係に影響を与えたくない場合は2社間ファクタリングが適しています。
資金化までの日数
資金化までの日数も、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングで明確な差が生まれます。
2社間ファクタリングは、取引先の承諾を得る手続きが必要ありません。自社とファクタリング会社の2社間だけで手続きを進められるため、審査から入金までの流れが非常にスピーディーです。オンラインで完結するサービスも多く最短即日での資金調達も可能であり、一刻もはやく資金を確保したい状況に適しています。
対して、3社間ファクタリングは取引先への説明や承諾を得るプロセスに時間を要します。そのため、一般的に申し込みから入金まで数日から2週間程度の期間を見ておかなければなりません。
手数料・売掛債権を回収する流れ
手数料の安さでは、3社間ファクタリングに大きなメリットがあります。3社間ファクタリングではファクタリング会社が直接取引先から売掛債権を回収します。ファクタリング会社は売掛債権を回収できないリスクが低くなるため、手数料も相場で1%~9%と安価に設定されているのが特徴です。
一方、2社間ファクタリングでは、ファクタリング会社は取引先から直接売掛債権を回収できません。利用者が一度回収した売掛債権をファクタリング会社へ送金する形になるため、売掛金を使い込まれるリスクを考慮する必要があります。上記の回収リスクを補填する分だけ手数料は3社間ファクタリングより高くなり、2%〜20%程度が2社間ファクタリングの相場となります。
銀行融資とファクタリングの違いは主に7つある
以下では、銀行融資とファクタリングの主な違いを7つの重要なポイントに絞って比較・解説していきます。
| 比較項目 |
銀行融資 |
ファクタリング |
| 調達可能額 |
企業の信用力次第で高額に対応可能 |
売掛債権の額面内 |
| 調達時間 |
数週間など時間がかかる |
最短即日でスピーディー |
| コスト |
低い |
高い |
| 担保・保証人 |
必要 |
不要 |
| 審査基準 |
申込企業の信用力・返済能力 |
売掛先の信用力 |
| 返済 |
返済義務あり |
返済義務なし |
| 会計処理 |
負債が増加 |
資産の変動のみ |
上記の違いを理解し、目的に合わせて銀行融資とファクタリングを使い分けましょう。
資金調達できる金額
調達できる金額の規模感は、銀行融資とファクタリングで大きく異なります。銀行融資はファクタリングとは異なり、売掛債権の額にとらわれず数千万円〜数億円などの大規模な資金調達が可能です。設備投資や新規事業の立ち上げなど、多額の資金が必要な場面で活用されます。
一方、ファクタリングで調達できる金額は、あくまで自社が保有する売掛債権の額面が上限です。そのため、巨額の資金調達には向きませんが、売掛金の範囲内で必要な運転資金を確保する用途に適しています。
資金調達にかかる時間
資金調達にかかる時間も、銀行融資とファクタリングで異なるポイントです。銀行融資は事業計画書の提出や複数回の面談、担保評価など厳格で複雑な審査プロセスを踏みます。そのため、申し込みから入金まで数週間以上の時間を要するのが一般的です。
その点、ファクタリングは審査が非常にスピーディーです。請求書と通帳のコピーだけで申し込めるなど手続きが簡素化されており、最短即日から数日で資金化が可能です。「月末の支払いに資金が足りない」など、緊急性の高い資金ニーズへ迅速に応えられます。
資金調達にかかるコスト
コスト面だけを比較すると、一般的には銀行融資に軍配があがります。銀行融資のコストは金利であり、年利1%〜3%程度が相場です。
対して、ファクタリングのコストは手数料で3社間取引の場合は1%〜9%、2社間取引でも2%〜20%が相場となります。年利に換算すると以下のように銀行融資より割高です。
| 取引形態 |
手数料率の相場 |
債権回収期間が30日の場合に年利換算した数値 |
債権回収期間が60日の場合に年利換算した数値 |
| 3社間ファクタリング |
1%〜9% |
12.2%〜109.5% |
6.1%〜54.8% |
| 2社間ファクタリング |
2%〜20% |
24.3%〜243.3% |
12.2%〜121.7% |
担保・保証人の有無
銀行融資を受ける際には、不動産などの物的担保や経営者個人の連帯保証を求められるケースがほとんどです。担保・保証人を求められる理由は、銀行が貸し倒れのリスクを回避するためです。
一方、ファクタリングは売掛債権の売買・譲渡契約であり、原則として担保・保証人は不要となります。売掛債権そのものが信用となり、実質的な担保の役割を果たすためです。「担保として提供できる資産がない」「個人保証を避けたい」と考える場合、ファクタリングは有効な手段です。
審査基準・難易度
審査で見られるポイントが、銀行融資とファクタリングでは根本的に異なります。銀行融資の審査対象は、お金を借りる申込企業の信用力・返済能力です。決算書の内容が重視され、赤字経営や債務超過、税金の滞納などがあると審査通過は極めて困難になります。
しかし、ファクタリングで最も重視されるのは、売掛金の支払い元である取引先の信用力です。そのため、申込企業が赤字決算や創業間もない状況でも、支払いに問題ないと考えられる取引先があれば、資金調達は十分可能です。また、審査基準が異なるため、銀行融資が通らなかった場合でもファクタリングで資金を調達できます。
返済の有無
銀行融資は借金であり、契約に従って元本と利息を返済していく義務が生じます。一方、ファクタリングは売掛債権という資産の売却であり、一度資金化してしまえば返済の必要はありません。
なお、万が一取引先が倒産して売掛債権が回収できなくなったとしても損失はファクタリング会社が負担します。そのため、ファクタリングには貸し倒れリスクを回避できる大きなメリットもあります。
会計処理
貸借対照表上での扱いも、銀行融資とファクタリングでは異なります。銀行融資で得た資金は借入金として負債の部に計上されます。そのため、負債が増えて自己資本比率が低下し、財務評価に悪影響を与える可能性がある点がデメリットです。
ファクタリングによる資金調達は売掛債権を譲渡・売却する取引で、負債は増えません。財務諸表上の評価を維持できるため、将来の融資枠に影響を与えず、今後の銀行融資を見据えている場合などにもおすすめです。
ファクタリングで資金調達するメリット
以下では、ファクタリングがもつ4つの主要なメリットを掘り下げて解説します。
- 最短即日で資金調達できる
- 赤字・債務超過でも利用できる
- 売掛債権が回収不能となるリスクを回避できる
- 担保・保証人が不要
上記のように多くのメリットがあるため、積極的にファクタリングを活用しましょう。
最短即日で資金調達できる
ファクタリングがもつ最大のメリットは、最短即日で資金を調達できる点です。事業を運営していると「取引先の入金遅延で、月末の支払いが厳しくなった」など、予期せぬ資金需要に直面するケースがあります。上記のケースでは数週間もかかる銀行融資では間に合わない可能性が高いですが、ファクタリングであれば十分対応が可能です。
ファクタリングの審査は提出書類が少なく、申込企業の財務状況を詳細に分析する銀行融資に比べてプロセスがシンプルです。そのため、申し込みから審査、入金までの手続きが迅速に進み、最短即日での資金調達も可能です。
赤字・債務超過でも利用できる
赤字・債務超過でも利用できる点は、ファクタリングの大きな強みです。なぜなら、ファクタリングの審査で最も重視されるのは、売掛金の支払い元である取引先の信用力だからです。銀行融資の審査では赤字決算・債務超過などの財務状況は、極めて厳しい評価につながります。
例えば、自社が設立間もない、あるいは赤字の状態であったとしましょう。上記のケースでも支払能力に問題がない企業に対する売掛債権があれば、回収可能性が高いとファクタリングの審査では評価されます。
ファクタリングの審査に通過できる可能性が高く、結果として自社の経営状況が悪くても資金を調達できます。自社の経営状況に左右されずに申し込める点は、銀行からの追加融資が難しい状況にある企業にとって大きなメリットです。
売掛債権が回収不能となるリスクを回避できる
ファクタリングは単なる資金調達の手段にとどまらず、貸し倒れリスクに対する保険としての機能も兼ね備えています。通常、取引先が倒産してしまった場合、売掛金は回収不能となり、まるごと自社の損失となってしまうのが懸念点です。
しかし、一般的なファクタリング契約では売掛債権をファクタリング会社に譲渡した後、回収義務も移転します。そのため、取引先が倒産しても債権の回収が不能となって生じる損失はファクタリング会社が負担します。売掛債権の回収が不能になったとしても自社が損失を被る心配がない点は、事業継続性の観点からも安心です。
担保・保証人が不要
資金調達の際に大きなハードルとなりがちな、担保・保証人が不要である点もファクタリングの大きな魅力です。銀行から融資を受ける場合、多くは不動産などの物的担保や経営者自身が連帯保証人になることを求められます。
ファクタリングは、売掛債権そのものを売買対象とする取引です。売掛債権自体が信用の裏付けとなり、別途担保・保証人を準備する必要がありません。担保・保証人を用意する必要がなく売掛債権さえあればすぐに資金調達ができるため、急に資金が必要になった際も安心です。
ファクタリングで資金調達するデメリット
ファクタリングのメリットについて解説してきましたが、以下のようなデメリットも存在します。
- 銀行融資よりも資金調達にコストがかかる
- 取引先にファクタリングの利用を知られる
- 取引先の経営状況が悪いと利用できない
上記のデメリットに関しては、事前に対策を講じておきましょう。
銀行融資よりも資金調達にコストがかかる
最も注意すべきは、資金調達にかかるコストが銀行融資に比べて割高になりやすい点です。例えば、銀行融資の金利は相場で年利1%〜3%程度です。仮に売掛債権の回収期間を1ヶ月とした場合、ファクタリングの手数料相場である1%〜20%を年利に換算すると約12%〜240%にも達します。
そのため、恒常的な運転資金の確保など長期的な視点での資金調達にファクタリングを常用するとコストが経営を圧迫してしまう可能性があります。ファクタリングはあくまでも急な資金需要に応える短期的な資金調達と考え、計画的に利用しましょう。
取引先にファクタリングの利用を知られる
3社間ファクタリングの場合は、ファクタリングの利用を取引先に知られてしまう点がデメリットです。3社間ファクタリングでは取引先の承諾を得る手続きが必須となるため、当然ながらファクタリングの利用事実を伝える必要があります。
上記のケースでは取引先が「資金繰りに困っているのではないか」と不安を抱き、既存の取引条件に影響が及ぶ可能性もゼロではありません。取引先に知られずに資金調達を進められる2社間ファクタリングもありますが、手数料が3社間ファクタリングと比べて割高です。
取引先の経営状況が悪いと利用できない
取引先の経営状況が悪いと利用できない点も、ファクタリングの利用で注意すべきポイントです。ファクタリングは自社の経営状況が厳しくても利用できる一方で、取引先の信用力に大きく依存する側面があります。
ファクタリング会社にとっての最大のリスクは、買い取った売掛債権が回収不能になることです。そのため、審査では「売掛金を支払う取引先が期日通りに対応できるか」が厳しく見られます。たとえ自社の業績が好調でも取引先の経営状況が悪いと回収リスクが高いと判断され、ファクタリングの利用を断られてしまうケースがあります。
ファクタリングで資金調達する基本的な流れ・ステップ
以下では、ファクタリングの申し込みから入金までの手続きを3つのステップに分けて流れを解説します。
- ファクタリング会社に申し込みを行う
- 提出書類をもとに審査が行われる
- 契約を締結した後に指定口座へ入金される
上記の流れを参考に、ファクタリングの手続きをスムーズに進めましょう。
①ファクタリング会社に申し込みを行う
最初のステップは、ファクタリング会社の選定と申し込みです。現在は多くのファクタリング会社があり、公式ウェブサイト上で無料相談・見積もり依頼を受け付けています。
複数の会社を比較検討し、自社の希望に合う会社が見つかったら申し込み手続きに進みましょう。申し込み自体は、ウェブフォーム・電話・メールなどで簡単に行えるケースがほとんどです。なお、手続きをスムーズにするために以下のような書類を事前に準備しておくとよいでしょう。
- 運転免許証・パスポートなどの本人確認書類
- 会社の商業登記簿謄本
- 直近の決算書・確定申告書
- 請求書など売掛債権の存在を証明する書類
- 事業で利用している銀行口座の通帳コピー
必要書類はファクタリング会社によって異なりますが、上記の書類を揃えておくと申し込みから次の審査ステップへ迅速に移行できます。
②提出書類をもとに審査が行われる
申し込みと必要書類の提出が完了すれば、ファクタリング会社による審査が開始されます。審査のポイントは、前述の通り売掛先の信用力です。提出された書類をもとに、ファクタリング会社は「この売掛先は、期日通りに支払いを行える信頼性の高い企業か」を調査します。
もちろん、申込企業の事業内容なども確認されますが銀行融資ほど厳格なものではありません。審査が無事に完了するとファクタリング会社から手数料や買取金額、他の契約条件が提示されます。
③契約を締結した後に指定口座へ入金される
提示された条件に合意すれば、最終ステップである契約手続きに進みます。契約書の内容は、手数料・買取金額などファクタリングの利用条件を示した重要な項目が含まれます。不明な点があれば必ず担当者に質問し、すべての内容を十分に理解・納得した上で契約を締結するようにしてください。
契約が無事に締結されると、買取金額から手数料を差し引いた額が自社の指定口座へ振り込まれます。2社間ファクタリングであれば、契約後すぐに入金されるケースが多くスピーディーな資金調達が実現します。3社間ファクタリングの場合は、取引先からの承諾を得た後に契約〜入金の流れです。
ファクタリングの審査内容・必要書類
ファクタリングの審査は銀行融資とは視点が異なり、主に3つのポイントを総合的に評価します。
| 審査のポイント |
審査内容 |
重視される理由 |
| 売掛先の信用力 |
売掛債権を支払える能力がある売掛先か |
ファクタリング会社が買い取った売掛債権を確実に回収できるかが事業の根幹であるため |
| 売掛債権の信頼性 |
- 債権が正当な商取引に基づいているか
- 請求書など取引の事実を裏付ける証拠があるか
|
架空請求・二重譲渡などの不正リスクを回避するため |
| 申込企業の信頼性 |
- 申込企業が、回収した売掛金を責任をもってファクタリング会社へ送金できるか
- 反社会的勢力との関わりがないか
|
2社間ファクタリングにおいて、申込企業による資金の持ち逃げや送金遅延のリスクを防ぐため |
なお、上記のようなファクタリングの審査を円滑に進めるため、一般的に以下の書類の提出が必要です。
- 商業登記簿謄本
- 運転免許証などの本人確認書類
- 直近の決算書または確定申告書
- 印鑑証明書
- 売却を希望する請求書
- 取引先との基本契約書
- 発注書・納品書・検収書など取引の事実を証明する書類
- 事業で利用している銀行口座の通帳コピー
上記の書類を事前に準備しておくと、申し込みから資金調達までの手続きをスムーズに進められます。
ファクタリングでかかる手数料の相場
ファクタリングの手数料を最も大きく左右するのは、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングのどちらを選択するかです。2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの手数料相場を比較すると、以下の通りです。
| 契約方式 |
手数料相場 |
手数料が左記である主な理由・特徴 |
| 2社間ファクタリング |
8%~18% |
売掛債権の回収が間接的になるため、未回収リスクが高い |
| 3社間ファクタリング |
2%~9% |
売掛先から売掛債権の支払いが直接行われるため、未回収リスクが低い |
2社間ファクタリングは利用企業が取引先から売掛債権を回収し、ファクタリング会社に支払う方式です。利用企業が売掛金を着服する可能性があり、回収リスクが高くなるため、3社間ファクタリングよりも手数料は高めに設定されています。
また、契約方式の他にも以下のような要素が手数料率を変動させる要因となります。
| 変動要因 |
手数料への影響 |
| 売掛先の信用力 |
- 上場企業など信用力が高いほど未回収リスクが低く、手数料は安くなる
- 逆に信用力が低いと未回収リスクが高く、手数料は高額になる
|
| 売掛金の支払い期日までの期間 |
- 期間が短いほど倒産等のリスクが低いため、手数料は安くなる
- 期間が長いほど倒産等のリスクが高まり、手数料も高額になる
|
| ファクタリング会社の利用実績 |
同じ会社を継続利用すると、2回目以降の利用で手数料が引き下げられるケースがある |
上記の点を踏まえ、ファクタリング会社を選ぶ際は複数の会社から見積もりを取り、手数料だけでなく契約内容全体を比較検討しましょう。
ファクタリングでの資金調達が向いている場面
ここでは、ファクタリングでの資金調達が向いている代表的な2つの場面を紹介します。
- なるべくはやく資金調達を行いたい
- 銀行融資の審査に落ちてしまった
上記の場面にあてはまる場合は、積極的にファクタリングを検討しましょう。
なるべくはやく資金調達を行いたい
資金調達においてスピードを何よりも優先する場面では、ファクタリングが最も適した選択肢となります。ビジネスの世界では、以下のように一刻の猶予もない資金需要が発生します。
| 資金需要の種類 |
発生した状況 |
具体的な資金ニーズ |
| 事業拡大の機会 |
優良な取引先から急な大口受注が入った |
案件に必要な材料の仕入れ資金が不足している |
| 資金繰りの悪化 |
自己資金が枯渇している状態で納税や給与などの支払いが迫っている |
支払い遅延による資金ショートを回避するための資金が必要 |
| 投資の機会 |
相場より格安な中古機械が期間限定で売りに出された |
すぐに中古機械を購入したいものの、資金が用意できない |
上記のような場面で、審査に数週間から数ヶ月かかる銀行融資を待っていては大きなビジネスチャンスを逃してしまいます。また、資金繰りの悪化に対処できない場合は、事業継続に大きな支障をきたしかねません。最短即日での資金化が可能なファクタリングは、時間との勝負の局面において有効な手段となります。
銀行融資の審査に落ちてしまった
銀行融資の審査に落ちてしまった場合も、ファクタリングは資金調達の代替手段として有効です。なお、銀行が融資を断る理由には主に以下のようなケースが考えられます。
- 赤字決算・債務超過である
- 創業して間もなく決算実績が乏しい
- 税金・社会保険料の滞納がある
- 担保として提供できる資産がない
上記のケースでは、申込企業そのものの財務体質・返済能力を重視する銀行の審査においては非常に厳しい評価となります。しかし、ファクタリングの審査で最も重視されるのは売掛先の信用力です。たとえ自社が上記のような状況でも、売掛先が経営の安定した優良企業であれば、売掛債権を買い取ってもらえる可能性が十分にあります。
ファクタリングが実際に資金調達で活用されている事例
ファクタリングが実際に資金調達で活用されている事例として、以下3つの業種を例に紹介します。
特に、売掛債権の支払い期日が長く支出が先行しやすい業種で利用される傾向にあります。
運送業
ある中小運送会社が、大手メーカーとの間で新規の大型輸送契約を結びました。会社にとって大きな成長のチャンスでしたが、契約履行のためには長距離輸送にかかる1ヶ月分の燃料費を先払いする必要がありました。
しかし、手元の運転資金だけでは費用を賄えず、かといって銀行融資を待っていては契約の納期に間に合いません。そこで、大手メーカーに対する運送料の請求書を活用し、ファクタリングによる資金調達を実施します。売掛先が信用力の高い大手企業であったため、審査はスムーズに進み、申し込みから2日で必要な資金の確保に成功しました。
結果としてファクタリングにより、燃料費を滞りなく支払って無事に輸送契約を完遂できました。上記の成功がきっかけで、大手メーカーとの継続的な取引へとつなげられています。
建設業
ある内装工事会社が、オフィスビルの大規模リニューアル工事を受注しました。着工金として一部は前払いされたものの、高価な建材を仕入れるには資金が不足している状況でした。工事代金の残額は、数ヶ月後の工事完了・検収後に支払われる契約です。
現状のままでは資材を調達できず、工期が遅延してしまう恐れがありました。そこで、元請けである大手ゼネコンに対する工事請負代金の一部をファクタリングで資金化します。
3社間ファクタリングを利用して手数料を低く抑えながら、資材の購入に必要な数百万の資金を調達しました。結果として必要な資材を確保し、工期に遅れず工事を計画通りに進行させられました。
医療機関
ある歯科クリニックが、患者へのより良い治療を提供するため、最新のCTスキャン装置の導入を検討していました。しかし、高額な設備投資のための資金を日々の診療報酬の入金を待ちながら捻出するのは容易ではありません。
そこで院長は、診療報酬債権を対象としたファクタリングを活用します。支払い元が公的機関であるため、非常に低い手数料で将来入金される2ヶ月分の診療報酬を早期に資金化しました。ファクタリングにより、クリニックはキャッシュフローを圧迫せずに最新設備を導入でき、医療サービスの質向上と他院との差別化を実現しました。
資金調達するファクタリング会社を選ぶ際に確認すべきポイント
以下では安心して任せられる優良なファクタリング会社を選ぶために、契約前に必ず確認すべき6つのポイントを解説します。
- 手数料
- 入金スピード
- 買取可能額
- 償還請求権の有無
- 手続き方法
- サポート体制
上記のポイントを確認し、自社の条件にあったファクタリング会社を選びましょう。
手数料
手数料は資金調達の直接的なコストとなるため、最も気になるポイントですが、単に安さだけで選ぶのは危険です。確認すべきポイントは、手数料の透明性と妥当性です。
具体的には、ウェブサイトに記載されている手数料以外に事務手数料・調査費用・印紙代などの追加費用が発生しないかを確認しましょう。事前に提示されていない追加費用を請求してくる場合は悪質業者である可能性が高いため、選ばないのが無難です。
また、提示された手数料が相場から大きく外れていないかも重要です。「極端に低い手数料を提示して他の費用を請求する」などの悪質な業者も存在するため、注意が必要です。
入金スピード
資金が必要なタイミングとファクタリング会社の入金スピードが合致しているかは、重要な確認事項です。多くの会社が最短即日をうたっていますが、あくまで最良の条件下での話であり、実際には申し込みのタイミング・審査状況によって変動します。そのため、入金スピードに関わる以下のポイントを具体的に確認しましょう。
- 平均的にどのくらいの時間で入金まで完了するのか
- オンライン契約に対応しており、手続きをスムーズに進められるか
自社の緊急度に合わせて、確実に対応してくれる入金スピードの会社を選ぶのが肝心です。
買取可能額
ファクタリング会社によって、取り扱える売掛債権の金額には幅があります。数十万円程度の少額債権を専門に扱う場合もあれば、数千万円以上の大口債権に対応できる会社もあります。
自社が資金化したいと考えている請求書の金額が、ファクタリング会社の買取可能額の範囲内であるかを申し込みの前に必ず確認しましょう。公式サイトで買取下限額・上限額をチェックしておけば、条件にあわないファクタリング会社とやり取りする手間を避けられます。
償還請求権の有無
償還請求権の有無は、ファクタリング会社を選ぶ際に確認しておきたいポイントです。償還請求権とは売掛先が倒産して売掛金の回収が不能になった場合に、ファクタリング会社が利用者に対して弁済を求められる権利です。
ファクタリングは基本的に償還請求権がない契約で、売掛債権の未回収リスクはファクタリング会社が負います。契約書に償還請求権があると記載されている場合、実質的に売掛債権を担保とした融資と同じです。貸金業登録のない業者が融資を行うのは違法であり、法的トラブルに巻き込まれる大きなリスクとなります。
手続き方法
申し込みから契約・入金まで、どのような手続き方法が用意されているかもファクタリング会社を選ぶ際に確認しましょう。具体的には、手続き方法に関して以下のポイントを確認するのがおすすめです。
- 手続きはオンラインで完結するか、対面での面談が必要か
- 2社間ファクタリング・3社間ファクタリングのどちらに対応しているか
- 必要書類は何があり、提出方法はどのようなものがあるか
特に、地方企業や日中の業務が多忙で時間を確保しにくい経営者にとっては、手続きがオンライン上で完結するサービスが便利です。自社の状況に合った、利用しやすい手続き方法を提供しているファクタリング会社を選びましょう。
サポート体制
手数料・入金スピードなどの条件面だけでなく、担当者の対応やサポート体制も信頼できる会社を見極める指標です。特に、担当者の対応に関しては以下のポイントを確認しておきましょう。
- 資金調達に関する悩み・不安に対し、専門的な知識があって親身に相談に乗ってくれるか
- 質問に対して、丁寧で分かりやすい説明をしてくれるか
また、「コミュニケーションが円滑に進むか」「安心して任せられると感じるか」など担当者との相性も確認しておきましょう。
資金調達におすすめのファクタリング会社5選一覧
以下では、資金調達におすすめのファクタリング会社として5社をピックアップして紹介します。
- OLTA
- ウィット
- No.1
- NECキャピタルソリューション
- ベストファクター
上記の中から、自社の条件にあったファクタリング会社を選びましょう。
OLTA

OLTAは、最短即日で資金調達が可能なオンライン完結型のサービスを提供するファクタリング会社です。OLTAのファクタリングには、大きく3つの特徴があります。
| 特徴 |
具体的な内容 |
| 見積もり提示・入金スピードがはやい |
- 24時間(1営業日)以内に見積もり結果が回答される
- 審査完了後、最短で即日振込が可能
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| 手続きが簡単 |
手続きはすべてオンラインで完結し、面談は不要で全国どこからでもスマホ・PCから簡単に申し込める |
| 手数料がリーズナブル |
諸経費込みの手数料が2%~9%と業界内で比較しても安い水準で、AI審査・オンライン化により低コストを実現 |
OLTAのファクタリングは法人・個人事業主のいずれも利用が可能で、買取金額に上限も下限も設定されていません。また、取引先に知られることなく手続きが完了する2社間ファクタリングであるため、安心して利用できます。
ウィット

| 種類 |
- 2社間ファクタリング
- 3社間ファクタリング
- 注文書ファクタリング
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| 買取可能額 |
下限なし〜500万円 |
| 手数料 |
~20% |
| 入金スピード |
最短2時間 |
| 手続き方法 |
電話・メール・オンライン |
| 公式サイト |
https://witservice.co.jp/factoring/ |
株式会社ウィットは経営者が直面する資金調達の課題に対し、最適な解決方法を提案するファクタリングサービスを提供しています。特に、中小企業・個人事業主にとって利用しやすいサービス設計が特徴で、ウィットの強みは以下の2点です。
| 特徴 |
具体的な内容 |
| 500万円以下の小口専門 |
中小企業・個人事業主のニーズに特化しており、他社で断られた場合でも柔軟な対応が期待できる |
| 非対面でのスピード対応 |
問い合わせから審査まですべての手続きが非対面で可能であり、最短2時間で対応できて緊急の資金ニーズにも応えられる |
ウィットは短期的な資金繰り対策だけでなく、中長期的な経営計画の策定や業績改善までサポートするコンサルティング事業も展開しています。資金調達と経営改善の両面からサポートを受けたい方にとって、心強いファクタリング会社です。
No.1

| 種類 |
- 2社間ファクタリング
- 3社間ファクタリング
- 診療報酬ファクタリング
- 介護報酬ファクタリング
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| 手数料 |
1%〜15% |
| 入金スピード |
最短30分 |
| 買取可能額 |
20万円~1億円 |
| 手続き方法 |
オンライン・電話・メール |
| 公式サイト |
https://no1service.co.jp/ |
株式会社No.1は、ファクタリングサービスを通じて経営課題の解決を支援する企業です。No.1のファクタリングサービスにおける特徴は、最短30分のスピード入金にあります。申し込みから最短30分で入金が可能であるため、今すぐ資金が必要というニーズにも十分答えられます。
また、No.1は医療機関向けの診療報酬ファクタリングや介護事業者向けの介護報酬ファクタリングを提供している点も特徴です。一流コンサルタントが経営課題をサポートする経営支援コンサルティングも行っており、資金調達に留まらない包括的な支援も期待できます。
NECキャピタルソリューション

| 種類 |
3社間ファクタリング |
| 手数料 |
要問い合わせ |
| 入金スピード |
要問い合わせ |
| 買取可能額 |
要問い合わせ |
| 手続き方法 |
問い合わせフォーム |
| 公式サイト |
https://www.necap.co.jp/service/factoring.html |
NECキャピタルソリューションは、東京証券取引所プライム市場に上場する大規模なファクタリング会社です。NECキャピタルソリューションのファクタリングサービスにおける特徴は、売掛債権の一部譲渡が可能である点です。
顧客の資金需要に応じて必要な金額だけを調達でき、手数料額を最小限に抑えられます。契約に際しては、NECキャピタルソリューション所定の事前審査が必要です。また、3社間ファクタリングを専門にサービスを提供している点も大きな特徴です。
ベストファクター

| 種類 |
- 2社間ファクタリング
- 3社間ファクタリング
- 注文書ファクタリング
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| 手数料 |
2%〜 |
| 入金スピード |
最短即日 |
| 買取可能額 |
30万円〜1億円 |
| 手続き方法 |
オンライン・電話・メール |
| 公式サイト |
https://bestfactor.jp/ |
ベストファクターは、最短即日での売掛金の早期資金化を可能にするサービスを提供しています。ベストファクターのファクタリングサービスにおける特徴は以下の通りです。
| 特徴 |
具体的な内容 |
| 最短即日振込のスピード資金調達 |
申し込みから最短即日~3営業日で入金可能であり、最短5分で見積額の提示もできて緊急性の高い資金需要に対応 |
| 低水準の買取手数料2%~ |
手数料は低水準の2%から利用可能で、調達コストを抑制できる |
| 2社間・3社間ファクタリングに対応 |
「取引先に知られたくないから2社間」「手数料を抑えたいから3社間」など、状況に応じた契約方式を選択可能 |
ベストファクターでは、売掛債権請求額30万円以上から利用可能で売掛先1社につき最高1億円までの対応が可能です。資金繰り改善後は業務に専念できるよう資金繰り破綻のリスクを回避し、キャッシュフローを改善するサポートも提供しています。来店不要で全国どこからでも利用でき、経験豊富な専門スタッフが顧客のニーズに合わせた提案を行っている点も特徴です。
ファクタリングを利用する際の注意点
以下では、ファクタリング会社と契約する前に、必ず心に留めておいていただきたい4つの注意点を解説します。
- 手数料が明示されているファクタリング会社を選ぶ
- 「審査なし」をうたう場合はヤミ金・違法業者の可能性が高い
- 即日での入金を希望する場合は申し込み時間に気をつける
- 一部のファクタリング会社では会員登録が求められる
安全かつ効果的に資金調達を行うためには上記の注意点を理解し、自身の目でファクタリング会社を見極める必要があります。
手数料が明示されているファクタリング会社を選ぶ
信頼できるファクタリング会社を見極める最も基本的なポイントは、手数料体系の透明性です。優良な会社は必ず契約前に買取金額と手数料、そして最終的に利用者が受け取る金額を記載した見積書を提示します。
一方で注意が必要なのは、ウェブサイトなどで相場を離れた極端に低い手数料率を提示しているケースです。上記の業者は、契約段階になってから事務手数料・調査費用・登記費用などの名目で高額な追加費用を請求してくるケースがあります。「見積金額から他に差し引かれる費用はありませんか」と確認し、少しでも曖昧な回答であれば、契約は見送るべきです。
「審査なし」をうたう場合はヤミ金・違法業者の可能性が高い
「審査なしで即日入金」「誰でも100%資金調達可能」などの甘い言葉には、絶対に近づいてはいけません。審査なしをうたう業者は、ヤミ金・違法業者である可能性が極めて高いです。
そもそも、正規のファクタリングでは売掛先の信用力を評価する審査が事業の根幹です。審査を行わない場合、債権の回収リスクを全く考慮していないことになります。
そのため、上記のような審査を行わない業者はファクタリングではなく実質的な高金利の貸付を行っている可能性が高いです。貸金業登録をせずに融資を行うのは違法であり、法外な手数料を請求されたり、悪質な取り立てにあったりする危険性があります。
即日での入金を希望する場合は申し込み時間に気をつける
ファクタリングの大きな魅力である即日入金ですが、実現するためには申し込みの時間に注意が必要です。多くのファクタリング会社では、即日対応の申し込みに締め切り時間を設けています。
例えば、「平日の14時までの申し込みで即日での入金に対応」などの形です。即日対応の申し込みに締め切り時間を設ける理由は、審査・契約手続きの時間に加えて銀行の振込対応時間も考慮しているためです。
そのため、たとえ夕方に審査が完了したとしても銀行の営業時間が終了していれば、実際の入金は翌営業日以降になってしまいます。緊急の資金調達を希望する場合は、午前中などはやい時間帯に書類を揃えて申し込みを完了させましょう。
一部のファクタリング会社では会員登録が求められる
近年増加しているオンライン完結型のファクタリングサービスの中には、利用にあたって会員登録を求めるケースがあります。利用者の情報をあらかじめ登録しておき、2回目以降の申し込み手続きを簡素化してスピーディーな資金調達を実現するための仕組みです。継続的な利用を考えている場合には、非常に便利なシステムといえます。
ただし、登録の際には登録料・月額会費などの費用が発生しないかを事前に確認しておきましょう。登録自体は無料なケースが多いですが、利用規約などを読んで余計なコストがかからないかを確認してから手続きを進めるようにしましょう。
ファクタリングによる資金調達に関するよくある質問
以下では、ファクタリングによる資金調達に関して特に多く寄せられる質問と回答をまとめました。
- ファクタリングはやばい?安全に利用できる?
- ファクタリングで取り立てはある?
- ファクタリングは個人事業主でも利用できる?
- ファクタリングのAI審査とは?
- ファクタリングはLINEで契約できる?
ファクタリングに関して疑問点がある場合は、上記質問への回答を参考にしてください。
ファクタリングはやばい?安全に利用できる?
ファクタリング自体は売掛債権を売却する経済産業省も認めた正当な資金調達の仕組みであり、決してやばいものではありません。ただし、安全に利用するためには、信頼できる正規のファクタリング会社を選ぶことが絶対条件となります。残念ながら、ファクタリングを装って相場をかけ離れた高額な手数料を請求する悪質な業者も存在するためです。
参考:債権法改正により資金調達が円滑になります|経済産業省
ファクタリングで取り立てはある?
正規のファクタリング契約であれば、利用者がファクタリング会社から取り立てを受けるケースはありません。ファクタリングは借金ではないため、返済の義務が存在しないためです。万が一、売掛先が倒産して売掛金が回収できなくなっても損失はファクタリング会社が負います。
ただし、2社間ファクタリングで、取引先から入金された売掛金をファクタリング会社へ送金しなかった場合は別です。上記のような契約不履行があった場合は、当然ながら支払いを催促されます。
ファクタリングは個人事業主でも利用できる?
多くのファクタリング会社が個人事業主・フリーランス向けのサービスを提供しており、問題なく利用できます。ファクタリングの審査で最も重視されるのは、申込者の事業形態ではなく売掛先の信用力です。
そのため、法人を取引先とする売掛債権があれば、個人事業主の方でも資金調達が可能です。近年では、個人事業主・小規模事業者のニーズに応える少額の債権に特化したファクタリングサービスも増えています。
ファクタリングのAI審査とは?
AI審査とは人工知能を活用して審査の自動化・高速化を図る仕組みで、主にオンライン完結型のファクタリングサービスで導入が進んでいます。利用者が提出した請求書や銀行口座の入出金履歴などのデータをAIが瞬時に分析し、売掛先の信用力や債権の信頼性を評価します。
AI審査は人手を使った審査よりも手続きを効率化しているため、審査時間を大幅に短縮できるのがメリットです。ファクタリング会社によっては申し込みから最短30分で入金など、非常にはやいスピードで資金調達が可能になっています。
ファクタリングはLINEで契約できる?
近年ではLINEアプリ上で申し込みから審査・契約まで、すべての手続きを完結できるファクタリングサービスも登場しています。例えば、ビートレーディングではLINEで申し込みから審査までの手続きをすべて完結できます。
必要書類もLINEで写真をとって送るだけと、手続き自体も簡便です。LINEをメインのコミュニケーションツールとして使用しており、利便性を重視する場合には有効な選択肢となります。
ファクタリングで資金調達を行い成長投資を加速させよう
「急な支払いで資金が足りない」「銀行融資を断られた」などの資金繰りの悩みに、ファクタリングは有効な解決策となります。ファクタリングとは、手元の請求書(売掛債権)をファクタリング会社に売却し、入金日を待たずに最短即日で資金化する資金調達の仕組みです。
担保・保証人が不要で、自社が赤字でも取引先の信用力が高ければ利用できる大きなメリットがあります。一方で、銀行融資に比べて調達コストは割高になるため、一時的な資金需要をメインに活用するのがおすすめです。
ファクタリングによる資金調達を成功させる鍵は、手数料体系を明確に提示するなど信頼できる会社をパートナーに選ぶことです。本記事のポイントを参考に、自社にとって安全かつ最適なファクタリング会社を選んで必要な資金を確保しましょう。