緊急に事業資金の調達が必要な状況で利用できるサービスがファクタリングです。
ファクタリングは、事業者が保有する売掛債権(請求書)を売却、手数料分を控除した現金を受け取ることができます。
今回は、さいたま市・川口市・所沢市の中小企業、個人事業主の方に、ファクタリング選びのポイントや、おすすめのファクタリング会社を解説します。
「個人事業主でも利用できる?」「取引先や取引銀行に秘密で利用できる?」といったファクタリングの基礎知識については、以下の記事をご参考になさってください。
埼玉県のファクタリング事情
事業者の資金調達と言えば、銀行や日本政策金融公庫などからの融資が一般的です。しかし、新型コロナ以降の先行き不透明な中で、将来にわたって債務を残すことに不安をおぼえる方も少なくありません。また銀行の融資は担保や保証人が必要となる場合があり、年1~3%程度の金利がかかります。
ファクタリングは手持ちの売掛債権(請求書)をファクタリング会社に売却することで、本来の入金日よりも早く代金を受け取れるサービスです。融資実行まで約1ヶ月かかる銀行融資と異なり、ファクタリングは申し込みから入金まで、最短即日で資金調達ができます。
さらに、ファクタリングは申し込みや相談のために、店舗まで足を運ぶ必要がありません。ファクタリング会社にWEBまたは電話で申し込みをすれば、東京都内の店舗から出張対応してくれるため、事業所に居ながら資金調達ができます。
では、埼玉県の事業者の方がファクタリングを利用する場合、どのような会社を選べば良いのでしょうか?
次章からは、資金ニーズに合ったファクタリング会社の選び方や、おすすめのファクタリング会社を紹介します。
埼玉県でファクタリング会社を選ぶときのポイント
以下の1~5は、ファクタリング利用者が抱える問題と、その解決方法です。ファクタリングを検討する際には、1~5のポイントを踏まえたうえでファクタリング会社を選びましょう。
- 売掛先に知られないためには → 2社間ファクタリングを選ぶ
- 手数料を下げるには → ファクタリング会社のリスクを下げる
- 即日で資金調達するには → 2社間ファクタリング・非対面契約にする
- 資金繰りを改善するには → 財務コンサルティングサービスを利用する
- ファクタリングは本当に安全なのか → 口コミの評価が高いファクタリング会社を選ぶ
それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。
①売掛先に知られないためには
売掛先(取引先、元請け)の承諾なしで契約ができる「2社間ファクタリング」がおすすめです。
2社間ファクタリングは、利用者とファクタリング会社の2社間のみで契約します。売掛先に債権売却の事実を知られることがないため、利用者の資金不足を理由に今後の取引が不利になる心配がありません。
ただし、2社間ファクタリングは売掛先の承諾が不要な代わりに、法務局で債権譲渡登記という公的な手続きが必要となります。債権譲渡登記は申請すればだれでも閲覧できますが、ファクタリング会社によってはその債権譲渡登記も省略可能です。
この2社間ファクタリングに対して、利用者・ファクタリング会社・売掛先の3社間で契約するファクタリングを「3社間ファクタリング」と言います。こちらは売掛先に債権売却を通知して、承諾を得る必要があります。
②手数料を下げるには
ファクタリングの手数料は、ファクタリング会社のリスクに応じて上がったり下がったりします。
手数料を下げるには、ファクタリング会社のリスクを下げることが大切です。以下の表に手数料が変動する要因をまとめました。
手数料が<上がる>要因 | 手数料が<下がる>要因 |
2社間ファクタリングで契約する | 3社間ファクタリングで契約する |
面談必須の対面式ファクタリングを利用する | 面談不要の非対面式ファクタリングを利用する |
売掛先の信用力が低い | 売掛先の信用力が高い |
売掛先との取引履歴が浅い | 売掛先と長期の取引履歴がある |
入金サイトが45日超 | 入金サイトが短い |
赤字・債務超過・税金滞納がある | 不利な条件がなく、業績も好調である |
債権譲渡登記を留保する(2社間の場合) | 債権譲渡登記を行う(2社間の場合) |
初回契約である | 継続利用(2回以上)である |
ファクタリングの手数料を下げたい場合は、上表の「手数料が<下がる>要因」に挙げた条件で契約しましょう。
さらに、ファクタリング会社によっては、売掛債権の評価額に応じた「掛け目」が設定されている場合もあります。
たとえば掛け目90%の場合は、売却した債権のうち90%を買い取り、残りの10%はファクタリング会社が売掛金を回収できた時点で利用者に支払われます。売掛先の信用力が高ければ掛け目は高く、逆に信用力が低ければ掛け目も低く設定されます。
③即日で資金調達するには
即日で資金調達するための最低条件は以下のとおりです。
- 2社間ファクタリングに申し込む
- 対面契約の場合は近隣のファクタリング会社に申し込む
- 事前に提出書類を全て揃え、午前中までに申し込む
即日の資金調達は、2社間ファクタリングを利用することが大前提です。
2社間ファクタリングは即日の資金調達も可能ですが、対面契約の場合は出張の時間を考慮しなければなりません。当日中に代金を受け取るためにも、埼玉県内もしくは東京都内に店舗を構えるファクタリング会社に申し込みましょう。
近隣にファクタリング会社がない場合は、非対面契約かつ即日振込のファクタリングサービスがおすすめです。非対面契約はすべての手続きがオンラインで完結するため、即日の資金調達の確実性が高まります。
いずれにせよ、即日の資金調達を実現するには、事前に提出書類をすべて揃えておき、午前中までに申し込みを済ませておきましょう。
なお、3社間ファクタリングは「売掛先の承諾を得る」というプロセスがある以上、早くても2~3日はかかってしまいます。
④資金繰りを改善するには
事業の資金繰りを改善したいときは、ファクタリングによる早期の資金調達と併せて、ファクタリング会社が提供する経営支援を受けましょう。
対面契約方式のファクタリング会社の多くは、利用者に対して無償で経営支援サービスを提供しています。具体的な経営支援には、財務コンサルティングや新たな資金調達先の紹介、銀行リスケの交渉などがあります。
⑤ファクタリングは本当に安全なのか
「債権を売買する」という行為そのものに、違法性は一切ありません。しかし、過去には、ファクタリングを装って高利貸しを営業していたヤミ金融業者が摘発されています。
悪質な業者に騙されないためにも、ファクタリング会社のホームページで会社概要や過去の買取実績、および口コミサイトで利用者の評価を必ず確認しましょう。
事前にファクタリング会社に問い合わせ、スタッフの対応で信頼できるかどうかを確認することも大切です。
埼玉県のおすすめファクタリング会社|対面式編
ここでは、埼玉県の事業者の方におすすめするファクタリング会社を紹介します。
ベストファクター|2社間ファクタリングの取引実績が豊富
契約方式 | 2社間ファクタリング 3社間ファクタリング |
買取限度額 | 25万円~2,500万円(過去の実績から) |
手数料 | 2%~ |
入金スピード | 最短即日 |
対面or非対面 | 対面(初回のみ) |
ベストファクターは中小企業や個人事業主を対象とする2社間ファクタリングに特化したファクタリング会社です。
過去の実績から審査通過率は9割以上としており、創業間もない法人や個人事業主であっても、同社のファクタリングであれば利用できる可能性あります。
さらに、個人事業主に対しては5%~の手数料でファクタリングを行える特別枠が設けられており、さまざまなビジネスサポートプランが用意されています。
初めて利用する場合は出張面談が必要となります。長野県の事業者の方は東京から担当者が出張してくる時間も考慮して、なるべく午前中までの申し込みがおすすめです。
ビートレーディング|ファクタリング業界のリーディングカンパニー
契約方式 | 2社間ファクタリング 3社間ファクタリング |
買取限度額 | 10万円~7億円(過去の実績から) |
手数料 | 2社間:5%~ 3社間:2%~ |
入金スピード | 最短即日 |
対面or非対面 | 対面 |
ビートレーディングは中小事業者との取引実績が豊富で、対応スピード・手数料・信頼性が三拍子揃って評価の高いファクタリング会社です。
さまざまな債権買取サービスを展開している中でも、とくに2社ファクタリングを得意としており、秘密厳守・最短即日・業界最低水準の手数料が、中小企業や個人事業主から高い支持を得ています。
さらに、ファクタリング利用者にはアフターフォローとして、資金繰り改善サポートも提供しています。
緊急の資金調達のみならず、長期的な資金繰り・経営改善の支援を受けたい事業者の方におすすめです。
OLTA(オルタ)|手数料2~9%で非対面の2社間ファクタリング
契約方式 | 2社間ファクタリング |
買取限度額 | 制限なし |
手数料 | 2%~9% |
入金スピード | 最短即日 |
対面or非対面 | 非対面 |
OLTAはオンライン完結型の「クラウドファクタリング」を提供しています。
通常の2社間ファクタリングと同じ仕組みながら、手数料は3社間並みに安い2~9%の設定です。対面による審査がないため、全国どこからでも申し込みができます。
さらに、買取限度額も無制限なので、数万円から数千円の売掛債権(請求書)までの現金化が可能です。契約後、即日ないし翌営業日に買取金額が振り込れます。
日本中小企業金融サポート機構|審査通過率95%以上・非対面契約OK
契約方式 | 2社間ファクタリング 3社間ファクタリング |
買取限度額 | 上限なし |
手数料 | 1.5%~ |
入金スピード | 最短即日 |
対面or非対面 | 非対面(2社間) |
日本中小企業金融サポート機構は、業界唯一の一般社団法人のファクタリング業者です。
オンラインで完結する「即日ファクタリング」は、文字どおり申し込みをしたその日のうちの資金調達を可能としています。非営利だからこそのリーズナブルな手数料、審査通過率95%以上の柔軟対応も強みです。
さらに、同機構は事業再生や事業マッチングのサポートなど、多種多様なサービスも提供しています。資金調達だけでなく経営改善や事業展開など、トータルでのサポートを希望する事業者の方におすすめです。
ウィット|電話一本で売掛債権の現金化ができる
契約方式 | 2社間ファクタリング |
買取限度額 | 30万円~500万円 |
手数料 | 5%~ |
入金スピード | 最短即日 |
対面or非対面 | 非対面 |
ウィットは、500万円以下の小口専門だからできる非対面式のファクタリング・サービスを提供しています。
同社の2社間取引は、手数料5%~と相場より低めに設定されており、過去には最小30万円を95%で買い取った(手数料5%)実績もあります。
さらに、ファクタリング利用者は同社の財務コンサルティングも受けられます。資金調達だけでなく、資金繰り改善や新たな資金調達先の選定など、経営課題に対する幅広いサポートが受けられるでしょう。
ビジネスローンとファクタリングの使い分け
資金調達や資金繰り対策として、ビジネスローンを利用される方も多いのではないでしょうか?
ビジネスローンは、最短即日融資が可能、年利5~15%で、売上が入金されるまでの1~2ヶ月間、緊急のつなぎ資金として活用できます。
では、ビジネスローンとファクタリングでは、どちらを選ぶべきでしょうか?
結論から言うと、融資の審査に通るのであれば、ビジネスローンを優先して利用すべきで、審査に落ちた場合には、ファクタリングを検討すべきです。
ビジネスローンの金利は、元本が100万円以上の場合、利息制限法の上限だとしても年利15.0%となります。
一方、対面式の2社間ファクタリングは、初回利用で手数料20%が相場です。
同じ金額を調達するとして、年利と手数料では支払い期間に違いがあるものの、総合的に見るとファクタリングのほうがコストが高いと言えるでしょう。
ただし、ビジネスローンは債務者の信用状況や財務内容で融資条件が決定されるため、赤字決算や他社借入れがある場合、審査の通過が難しくなります。
また、資金繰りが改善した後の事業運転のために、融資枠を温存しておきたいという場合もあるでしょう。
以上のような条件下であれば、売掛先の信用状況が重視されるファクタリングがおすすめです。
ファクタリングは、銀行からの借入が難しい事業者の方でも、信用力のある売掛債権(請求書)があれば、売掛先や取引銀行に知られることなく、最短即日で資金調達ができます。
このように、なるべくコストを抑え、早急に資金調達が必要な場合はビジネスローンを、信用を落とさずに資金調達をしたい場合はファクタリングを、自社の経営状況・信用状況に応じて使い分けることが重要です。
埼玉県のファクタリングに関するQ&A
埼玉県のファクタリングに関して、よくある質問とその回答をQ&A形式でまとめました。
- Q.銀行や信用金庫でも、ファクタリングは取り扱っていますか?
- A.三菱UFJ銀行系列の三菱UFJファクターや、みずほ銀行系列のみずほファクターなどが該当します。それら銀行系のファクタリング会社は、売掛先の同意が必要な3社間ファクタリングであることが大前提です。さらに、買取金額の下限が数百万~数千万円であること、法人口座を開設していることなどが利用条件となっています。
- Q.個人事業主であることを理由に2社間ファクタリングを断られたのですが?
- A.売掛先の同意が不要な2社間ファクタリングでは、ファクタリング会社が確かに債権を譲渡されたことを主張するために、債権譲渡の登記が必要です。債権譲渡登記は法人に限られており、個人事業主では登記ができないため、2社間ファクタリングを断られる場合があります。ただし、この債権譲渡登記を「留保可」として、個人事業主に対しても2社間ファクタリングを提供しているファクタリング会社もあります。
- Q.対面式と非対面式はどちらがお得ですか?
- A.「調達コストの安さ」「確実な即日入金」を重視するのであれば、オンライン完結型の非対面式ファクタリングをおすすめします。一方、面談でじっくりと取引の交渉をしたい場合や、経営支援などの手厚いアフターフォローを受けたい場合は、対面式のファクタリング会社を選びましょう。
埼玉県で緊急性の高い資金調達は「ファクタリング」がおすすめ
今回は埼玉県の事業者の方を対象に、ファクタリング会社の選び方や、おすすめのファクタリング会社を紹介しました。
ファクタリングを一般的な融資と比較した場合、融資では利用者の信用状況や財務内容で融資条件が決定します。一方、ファクタリングでは売掛先の信用状況が重視されるため、赤字・銀行リスケ・税金滞納でも利用できる可能性があります。
そのうえで、振込までの早さや手数料、経営支援など、資金ニーズや経営状況に合ったファクタリング会社選びが重要です。
早期の資金調達やもっとも重視するポイントを明確にしたうえで、経営課題をともに解決に導くファクタリング会社を選びましょう。