ファクタリングは、回収前の売掛債権をファクタリング会社に売却、早期に資金化するサービスです。

当然ながら、売掛債権を売却するにあたっては、ファクタリング会社に支払う「割引手数料」が発生します。

利用者は可能な限り割引手数料を低く抑え、手元に多くの現金を残すことが重要です。

今回は、ファクタリングの割引手数料の基礎知識や会計処理の仕方、交渉によって割引手数料を下げる方法を解説します。

ファクタリングの割引手数料とは?

ファクタリングの割引手数料とはそもそもなに?

ファクタリングにおける割引手数料とは、ファクタリング会社が「手数料」や「買取手数料」、「ファクタリング手数料」と呼んでいるものと同じと考えて差し支えありません。

たとえば、1,000万円の売掛債権を手数料率5%で売却した場合、割引手数料は50万円、口座に振り込まれる現金は950万円です。

手形割引の割引料とは異なる

一般的に割引料と言うときは、手形割引の手形額面から差し引かれる金額、あるいは、それを会計処理する際の勘定科目のことを指します。

ファクタリングにおける割引料は、ファクタリング契約に基づき、利用者が譲渡した売掛債権から差し引かれる金額(手数料)、およびそれを会計処理する際に用いる勘定科目を指します。

手形割引とファクタリングは、金銭消費貸借契約と債権売買契約の違い、リコース契約とノンリコース契約の違いと、同じ債権を活用した資金調達方法であっても、全くの別物です。

ただし、ファクタリング契約で発生した手数料を会計処理するにあたって、勘定科目に「割引料」用いることに大きな問題はありません。

ファクタリングの割引手数料は利息制限法の適用外

ファクタリングは債権売買契約であり、貸付ではないため、貸金業法や利息制限法の適用を受けません。

したがって、ファクタリングの割引手数料も、利息制限法の適用外です。

ファクタリングの割引手数料は、ファクタリング会社が負担することになるリスク(貸し倒れリスクなど)に応じて決まります。

したがって、ファクタリング会社が割引手数料相応のリスクを負うのであれば、利息制限法を超えた手数料を設定しても問題はないのです。

ファクタリングの割引手数料は、売掛先の信用力が高く、回収前の期間が短い売掛債権ほど、低めに抑えられます。

ファクタリングにかかる費用としての割引手数料

ファクタリングにかかる費用としての割引手数料

ファクタリング契約の際に発生する割引手数料は、おおむね以下の内容で構成されています。

  • 収入印紙代
  • 登記費用
  • 司法書士報酬
  • ファクタリング手数料(ファクタリング会社の利益)

割引手数料の内訳は、ファクタリング会社によって、また契約によって異なります。

2社間ファクタリングの割引手数料の相場は10~20%、3社間ファクタリングの割引手数料の相場は1~5%です。

利用者は売却した売掛債権の金額から割引手数料を差し引いた分の現金を受け取ることになります。

また、ファクタリングの割引手数料は非課税です。

ファクタリング会社の中には、「消費税」の名目で債権額面から多く手数料を差し引こうとする悪質な業者も存在しているようです。

消費税を持ち出し、手数料を釣り上げようとする業者とは取引をしないようにしましょう。

 

会計処理の勘定科目としての割引料(割引手数料)

ファクタリングには、売掛債権を売却して資金を調達する方法ですので、取引上で発生する割引手数料は、「営業外費用」として会計処理します。

たとえば、1,000万円の売掛債権を割引率5%で資金化した場合、債権の額面から差し引かれる割引手数料は50万円、口座に入金される現金は950万円です。

割引手数料50万円は、前述の通り「売上債権譲渡損」あるいは「割引料」の勘定科目で処理します。

借方 金額 貸方 金額
普通預金 950万円 未収金 1,000万円
割引料 50万円

債権譲渡の取引で発生した手数料は、本来であれば「売上債権譲渡損」を使用するべきですが、「割引料」も同じ営業外費用の区分ですので、大きな問題はありません。

ファクタリングの割引手数料に関するQ&A

ファクタリングの割引手数料に関して、よくある質問とその回答をQ&Aにまとめました。

Q.大手企業との売掛債権であれば、割引手数料を抑えられますか?
A.相手企業が大手であっても、取引履歴が1回しかないケースでは、割引手数料を下げる要素にはなり得ません。逆に、相手企業が中小であっても、10年以上継続的で安定的な取引が行われていて、売掛金も同じだけの額が振り込まれているという実績があれば、ファクタリングの審査で有利になります。
Q.ファクタリングでは割引手数料の他に、利息などは発生しますか?
A.発生しません。ファクタリングで利用者のコストは割引手数料のみです。万が一、ファクタリング会社から利息や遅延損害金がかかるという説明があったら、悪質業者の可能性が極めて高いため、取引しないようにしましょう。
Q.ファクタリングの割引手数料を「雑損失」で会計処理しても問題ありませんか?
A.問題ありません。ファクタリング取引で発生した割引手数料は、営業外費用の勘定科目のうち、「売上債権売却損」「割引料」「支払利息」「雑損失」で会計処理できます。

ファクタリングは複数の業者から見積もりを推奨

ファクタリング手数料を安く抑える5つのポイント

ファクタリングの割引手数料を抑えるポイントは、以下のとおりです。

  • 3社間ファクタリングで契約する
  • 信用力の高い売掛先の債権を売却する
  • 回収までの期間が短い売掛債権を売却する
  • 同じファクタリング会社と取引を重ねる

上記4つの条件が揃っていれば、割引手数料を10%以下に抑えることも可能です。

さらに、ファクタリングの利用前には、複数の業者から見積もりを取ることをおすすめします。

「○○社は手数料を○%にしてくれたのですが、もう少し下げられませんか?」といった交渉することで、割引手数料を下げてもらえる可能性もあります。

最短即日の資金化も可能なファクタリングですが、事前にさまざまな手を打つことで調達コストを下げることができますので、ぜひ検討してみてください。