ファクタリングは支払期日前の売掛金を、所定の手数料を支払って最短即日で早払いするサービスです。
つまり、支払期日まで待てば10割入金される売掛金を、9割ないし8割まで目減りした状態で支払われるということに他なりません。
ファクタリングで資金調達を成功させ、資金繰りを改善するには、なるべく手数料の低いファクタリング会社を選ぶことが重要です。
ファクタリングの手数料の決まり方
ファクタリング会社はファクタリングで売掛金を買い取ることにより、買い取った売掛金が未回収となるリスクを負います。
そのため、ファクタリングの手数料はファクタリング会社が負う未回収リスクに応じて決まります。
手数料が変動する要因を以下の表にまとめました。
手数料が<上がる>要因 | 手数料が<下がる>要因 |
2社間ファクタリングで契約する | 3社間ファクタリングで契約する |
面談必須の対面式ファクタリングを利用する | 面談不要の非対面式ファクタリングを利用する |
売掛先の信用力が低い | 売掛先の信用力が高い |
売掛先との取引履歴が浅い | 売掛先と長期の取引履歴がある |
入金サイトが45日超 | 入金サイトが短い |
赤字・債務超過・税金滞納がある | 不利な条件がなく、業績も好調である |
債権譲渡登記を留保する(2社間の場合) | 債権譲渡登記を行う(2社間の場合) |
初回契約である | 継続利用(2回以上)である |
さらにファクタリング会社によっては、手数料とは別に「掛け目」が設定されている場合もあります。
掛け目とは、売掛金の信用力に応じて買取額のうち何割を早払いするかの割合です。
たとえば掛け目90%が設定された場合、売掛金の90%が早払いの対象となり、残り10%はファクタリング会社が売掛金を回収できた後に支払われます。
一般的にファクタリングの掛け目は70~100%が相場です。
ファクタリングの手数料は、掛け目によって割り引かれた分の買取額に対してかけられます。
調達額シミュレーション
売掛金:1,000万円
掛け目:90%
手数料:10%
1,000万円 x 0.9 x 0.9 = 810万円(調達額)
※売掛金回収後に掛け目で差し引かれた分の90万円が支払われる
ファクタリングの手数料の相場
ファクタリングの手数料は、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングで大きく異なります。
それぞれの手数料の相場は以下のとおりです。
ファクタリングの手数料の相場
- 2社間ファクタリング:5~20%
- 3社間ファクタリング:2~9%
3社間ファクタリングを選ぶことで、手数料を大幅に抑えることができます。
ただし、2社間ファクタリングと異なり、売掛先企業に売掛金を売却する事実が知られてしまうことに注意が必要です。
これにより自社の資金繰りの悪化が売掛先に知られてしまい、今後の取引に悪影響を及ぼすリスクもあります。
売掛先に秘密でファクタリングをするか、あるいは手数料を低く抑えるかの天秤にかけ、2社間・3社間のどちらを選ぶか検討しましょう。
手数料が低い=厳正な審査が行われる
ファクタリングの手数料は、買い取りを依頼するファクタリング会社によっても異なります。
業界最安水準の手数料を設定しているファクタリング会社は、一般的に厳正な審査を実施しています。
これは、厳正な審査を行うことで売掛金の未回収リスクを下げているからです。
2社間ファクタリングでも10%を切るような低手数料を提示しているファクタリング会社は、厳正な審査を実施している傾向にあります。
ファクタリング会社を選ぶときは手数料の数字だけでなく、公式サイトに掲載されている買取実績も参考にしましょう。