資金繰りの相談先と調達先を紹介していきます。

「お金が足りない。資金繰りに困った」という時には、急いで資金繰りの危機を解決するための対処をしなければなりません。

しかし、多くの経営者の方が資金繰りに困った時にどこに相談に行ったらいいのか、どこからお金を借りたらいいのか分かっていないのではないでしょうか?

特に「月末に従業員に支払う給料がない」「このままだと手形が不渡りになってしまう」などの差し迫った状況では、冷静に資金繰りを考える余裕すらなくなることもしばしばです。

資金繰りに困った時の相談先を頭に入れておくことで「突然手形が不渡になった」などの急な資金繰りの危機の時にも慌てず冷静に対処することができます。

資金繰りに困った時の相談先や借入先とその特徴について詳しく解説していきます。

資金繰りのアドバイスを受けられる5つの公的な相談先

「資金繰りに困った」という時や、なぜか毎月支払が苦しいというような場合は、まずは公的な相談機関へ資金繰りの相談をするとよいでしょう。

資金繰りに困った時の対処法として、「具体的にどんなことをすればいいか分からない」という時の相談先として、以下の5つの公的相談先があります。

  • 中小機構(中小企業基盤整備機構)
  • よろず支援拠点
  • 都道府県等中小企業支援センター
  • 商工会議所・商工会
  • 税理士・会計士

公的な相談先がどこかを頭に入れておくことで、資金繰りに悩んだ時に1人で精神的に追い込まれることも少なくなります。

資金繰りの公的相談先を把握しておきましょう。

中小機構(中小企業基盤整備機構)|経済産業省所轄の相談先

中小機構は経済産業省が所轄の独立行政法人です。

中小機構は、中小企業等の事業活動の基盤を整備し、もって地域産業の自律的発展の促進と活力ある経済社会の構築を図るという使命の下、新事業展開の促進、経営基盤強化、経営環境変化への対応などの支援を中心に、中小企業等に対する多様な支援事業を総合的に展開しています。

中小機構でできる資金調達

中小機構では、主に以下のような相談が可能です。

  • 日本政策金融公庫の融資
  • 民間金融機関の制度融資
  • 既存借入金のリスケジュール
  • 補助金・助成金の相談

中小機構の主な業務内容は以下の通りです。

  • 中小企業やベンチャー企業等の事業者への助言や研修
  • 中小企業者向けの高度化融資
  • 小規模企業共済
  • 中小企業倒産防止共済
  • 中小企業総合展の開催
  • 中小企業大学校の運営等

まさに、中小企業を支援する公的な専門機関という立ち位置です。

また、中小機構は全国に地域本部という支店的な施設も構えています。

地域本部 住所 電話番号
北海道本部 北海道札幌市中央区北2条西1丁目1番地7 ORE札幌ビル6階 011-210-7470
東北本部 宮城県仙台市青葉区一番町4-6-1 仙台第一生命タワービル6階 022-399-6111
関東本部 東京都港区虎ノ門3-5-1 虎ノ門37森ビル 3階 03-3433-8811
中部本部 愛知県名古屋市中区錦2-2-13 名古屋センタービル4階 052-201-3003
北陸本部 石川県金沢市広岡3-1-1 金沢パークビル10階 076-223-5761
近畿本部 大阪府大阪市中央区安土町2-3-13 大阪国際ビルディング27階 06-6264-8611
中国本部 広島県広島市中区八丁堀5番7号 広島KSビル3階 082-502-6300
四国本部 香川県高松市サンポート2-1 高松シンボルタワー タワー棟7階 087-811-3330
九州本部 福岡県福岡市博多区祗園町4-2 サムティ博多祇園BLDG. 092-263-1500

中小機構では、以下のような相談を行うことができます。

  • 経営相談ホットライン(電話経営相談)
  • メール経営相談
  • 対面の経営アドバイス
  • オンライン経営相談「E-SODAN」

それぞれ、経営者が気軽に相談できるように配慮されており、無料でさまざまな経営相談をすることができます。

相談窓口等を詳しく見ていきましょう。

経営相談ホットライン|電話で経営相談ができる

電話には経営相談を行うこことができます。

電話番号 050-3171-8814
相談可能時間 平日9時〜17時

電話が混み合い、相談窓口に繋がらない場合には、各地域の地域本部へ電話をかけることでも相談することが可能です。

資金繰りに困った時だけでなく、販路開拓・海外進出・事業承継など、困ったことは何でも相談することができるので気軽に電話してみるとよいでしょう。

メール経営相談|気軽にメールで相談可能

中小機構はメールでの相談を受け付けています。

経営に関することであればどんなことでも相談可能です。

また、送信した内容は3営業日以降に回答されます。

それほど急ぎではない相談や、経営に関する素朴な疑問などを質問する時にはメールで相談するとよいでしょう。

なお、以下のリンクの相談フォームからメール相談可能ですが、初回と2回目以降では相談フォームが異なるので注意してください。

対面の経営アドバイス|決算書類を見せながら相談できる

全国の地域本部で対面での経営アドバイスも受け付けています。

「決算書や資金繰り表を見て、経営相談に乗ってほしい」などという場合には、電話やメールではなく対面するのがベストです。

このような場合には、お近くの地域本部で対面での経営アドバイス受けた方がよいでしょう。

対面での相談は予約制になっているので、近くの地域本部にまずは電話をかけて予約をとってください。

オンライン経営相談「E-SODAN」|AIチャットポッドに気軽に相談できる

オンライン経営相談「E-SODAN」とは、AIチャットポッドが24時間365日、経営に関する質問に答えるというものです。

専門的な相談をすることはできませんが、例えば「資金繰りが苦しい」と入力すると融資制度の紹介や、資金繰り管理の一般的な方法を紹介してもらうことができます。

ネットなどで融資制度を検索するより「E-SODAN」のAIチャットポッドを利用した方が早いという程度で活用すればよいでしょう。

また、平日の9時〜17時は専門家へチャットで質問することができます。

よろず支援拠点|中小機構が全国に設置した相談窓口

よろず支援拠点とは、中小機構が全国に設置している経営相談の窓口です。

中小機構の地域本部が全国9箇所にみに設置されているのに対して、よろず支援拠点は全国47都道府県に設置されています。

よろず支援拠点には中小機構の職員と専門家が巡回しており、中小企業・小規模事業者、NPO法人・一般社団法人・社会福祉法人等の中小企業・小規模事業者に類する方、創業予定のなど経営に関わる方がどのような方でも相談することができます。

よろず支援拠点でできる資金調達

よろず支援拠点では、以下の様な融資や補助金の相談ができます。

  • 日本政策金融公庫の融資
  • 民間金融機関の制度融資
  • 既存借入金のリスケジュール
  • 補助金・助成金の相談

この他、起業のための具体的手段等についても相談することができます。

相談は以下のような流れで行われます。

  1. 電話・メール・FAX等
  2. コーディネーターがヒアリング
  3. 解決策を提案
  4. 提案後もフォローアップ

これら専門的なケアを無料で受けることができます。

例えば「資金繰りが苦しい」という時に、よろず支援拠点に相談すれば、資金繰りを改善するための具体的な経営改善策を提案してもらうことができます。

外部の専門家の目線でしか知ることができない、経営上の無駄や改善点について提案を受けることができます。

また、実際に外部からの資金が必要という時には、日本政策金融公庫等の融資制度を紹介してもらうことができるとともに、融資実現に向けた事業計画書の策定もサポートしてもらうことが可能です。

地域本部とは異なり、47都道府県全てに設置されているので、一度気軽に足を運んでみるとよいでしょう。

都道府県等中小企業支援センター|中小企業が47都道府県に設置

都道府県等中小企業支援センターとは、中小企業庁が各都道府県に設置した経営相談の窓口です。

経営上の課題、資金資金繰り、創業等に関する相談等各種相談に応じるための公的な相談機関ですので、「資金繰りに困った」という時に利用しても安全です。

中小企業支援センターでできる資金調達

中小企業支援センターでは、以下の融資や補助金の相談を受けることができます。

  • 日本政策金融公庫の融資
  • 民間金融機関の制度融資
  • 補助金・助成金の相談

情報を元に自分で日本政策金融公庫へ相談に行き、融資を受けることができるでしょう。

基本的には電話および面談での相談方法になりますが、具体的にどのような相談方法があるのかは都道府県によって異なります。

例えば、東京都中小企業振興公社にはAIチャットポッドの他に、公式Twitterなどでも情報発信を行っています。

公式Twitterでは起業塾や各種セミナーなどの情報発信も行っているのでフォローしておくだけも有益な情報を得ることができるでしょう。

まずは中小企業庁の都道府県等中小企業支援センター一覧から該当する都道府県の中小企業支援センターのホームページを確認し、ご自身の会社が所在する都道府県ではどのような支援を受けることができるのか確認してください。

商工会議所・商工会|地域経済の専門家へ相談できる

商工会議所や商工会でも資金繰りに困った時の相談をすることができます。

商工会議所や商工会は地域の経済発展等を目的として組織されている自由会員制の組織です。そのため各種セミナーの開催や事業者にとって有益な情報の提供などを行っています。

商工会議所でできる資金調達

商工会議所では以下の3つの資金調達の申し込みや相談をすることができます。

  • 補助金助成金
  • マル経融資
  • 日本政策金融公庫の融資

マル経融資は、商工会議所が窓口となり取り扱う融資です。

また、補助金や助成金の中にも商工会議所が窓口となっているものが多数あります。

この他、日本政策金融公庫の融資制度については情報提供を受けることができます。

商工会議所や商工会は地域の事業者に有益な以下のような情報が集まっています。

「何か資金繰りに役立つ融資制度や補助金・助成金がないか」と考えた時には、簡単に会社に有益になる補助金や助成金や融資制度を見つけることができるでしょう。

また、商工会議所や商工会の経営指導員から経営指導を受けた事業者だけが有利な金利で融資を受けることができる、日本政策金融公庫の融資制度である「マル経融資」も取り扱っています。

資金繰りに困った時には商工会議所や商工会へ相談に行くのも有力な方法だと言えるでしょう。

税理士・会計士|自社を最も理解している相談先

顧問税理士や会計士も経営相談に乗ってくれます。

税理士や会計士などに決算書などを作成してもらうと、経営状態の問題点などを指摘してもらうことができます。

また、「資金繰りが苦しいけどどうにかならないか」と相談すると、最適な融資制度や補助金制度の情報提供を受けることも可能です。

税理士・会計事務所でできる資金調達

税理士や会計士事務所では、一般的な資金調達手段の相談しかできません。

具体的には以下のような手段を紹介してもらうことができるでしょう。

  • 補助金助成金
  • 制度融資
  • 日本政策金融公庫の融資

企業の決算状況について最もよく理解している税理士や会計士は、これらの資金調達を円滑に行うためには、どのような資金繰り表や事業計画書を策定すればよいか、具体的なテクニックを教えてくれることが多くなります。

したがって、相談することによって資金調達が成功する確率が高くなるでしょう。

顧問契約を締結しておけば、簡単な資金繰りの相談であれば相談料を取らない税理士や会計士がほとんどです。

顧問契約を締結している税理士や会計士にも資金繰りに困った時に相談するとよいでしょう。

なお、税理士や会計士の中には国の認定支援機関となっている人も多く存在します。

認定支援機関となっている税理士や会計士はさらに専門的な経営改善指導を受けることができるので、認定支援機関になっている税理士や会計士と顧問契約を締結しておくとよいでしょう。

資金調達のアドバイスを受けられる4つの相談先

「資金繰りに困った。このままでは月末支払うお金がない」という差し迫った状況においては、公的な相談先に行って経営改善のアドバイスなどを受けている余裕はありません。

「急いでお金を用意しなければまずい」という時には直接金融機関などへ相談に行きましょう。

資金調達の相談をしたいときの相談先は以下の4つです。

  • 日本政策金融公庫
  • 銀行・信用金庫
  • 信用保証協会
  • 市区町村役場の商工課

それぞれの特徴とメリット・デメリットを詳しく解説していきます。

日本政策金融公庫|国が出資する融資機関

日本政策金融公庫とは、国が100%出資する公的な金融機関です。

主に中小事業者に対する融資を行なっており、売上減少時やコロナ禍などこ経営危機の際に、中小企業へ資金を注入するのを主なミッションとしています。

資金繰りに困った時に日本政策金融公庫から融資を受けるメリットとデメリットについて解説していきましょう。

日本政策金融公庫に相談する3つのメリット

日本政策金融公庫に相談するメリットは以下の3点です。

  • 信用保証協会とは別枠
  • 金利が低い
  • 無担保無保証で借りられる

信用保証協会の保証付融資とは別枠で融資を受けられる

日本政策金融公庫から融資を受ける最大のメリットは信用保証協会の保証を付けずに借りることができるという点です。

銀行や信用金庫などの民間金融機関から融資を受ける時には信用保証協会の保証を付けて融資を受けるのが基本です。

しかし、これは同じ枠の中からお金を借りているにすぎません。

地域の中に信用保証協会は1つしかありませんし、信用保証協会は企業ごとに「〇〇万円まで」という保証枠を定めているため、民間金融機関が信用保証協会の保証付融資を借りるということは、同じ枠の中で融資をしているだけです。

日本政策金融公庫は信用保証協会の保証は付けません。

従って、信用保証協会の保証を付けて融資を行う民間金融機関とは完全に別枠で融資を受けることが可能です。

信用保証協会から「枠が一杯」と保証を断られたとしても、日本政策金融公庫からであれば融資を受ける可能性があります。

金利が低い

また、公的な金融機関であるため、金利はかなり低く設定されています。

2%前後というのが一般的で、商品によっては1%を切るような超低金利で融資を受けることが可能です。

例えば、資金繰りに困った時には以下のような低金利商品が用意されています。

融資制度 金利
経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付) 2.06%~2.55%
新型コロナウイルス感染症特別貸付 0.36%〜0.85%(当初3年間)
利息還付あり
新創業融資制度 1.01%〜2.9%

無担保・無保証

日本政策金融公庫は無担保無保証の融資を積極的に取り扱っています。

不動産担保などを用意することができない場合も融資を受けることができるのはもちろん、法人代表者が連帯保証人になる必要のない融資の取り扱いもあります。

万が一返済することができなくても経営者個人に債務の返済義務は残りません。

日本政策金融公庫の融資は経営者とってリスクの低い商品の取り扱いが多いので、資金繰りに困った事業者だけでなく、創業に必要な資金の借入を希望する人も利用しやすいでしょう。

日本政策金融公庫に相談する2つのデメリット

日本政策金融公庫へ相談するデメリットは以下の2つです。

  • 近くに店舗がない
  • 融資までに時間がかかる

近くに店舗がない

日本政策金融公庫は民間金融機関のように、街の生活圏内に必ずしも存在するわけではありません。

地方に行くと、県庁所在地とその他の都市に1つか2つ程度しか支店があるだけです。

そのため、居住地によっては支店まで2時間ほどかけて移動しなければ相談に行くことができないということもよくあります。

気軽に相談に行くことができないので、「資金繰りに困った」という時に気軽することができません。

日本政策金融公庫は「近くの相談窓口」といつわけにはいかないでしょう。

融資までに時間がかかる

また、日本政策金融公庫は融資までに時間がかかるのも1つの問題点です。

平均的に申し込みから融資までには2〜3週間程度の時間がかかります。

さらに、近くに支店がない場合には申込書や契約書のやり取りを郵送で行なうことになります。

場合によっては、申し込んでから融資金額が振り込まれるまでには1ヶ月程度の時間がかかってしまうこともあるので注意しましょう。

銀行・信用金庫|信用保証協会の保証付融資を借りられる

銀行や信用金庫で融資を受ける方法です。

資金繰りに困った企業が民間金融機関から借りることができるのは信用保証協会の保証付融資です。

信用保証協会の保証付融資は地方自治体と連携して制度融資として提供されることが一般的です。

制度融資とは

地方自治体が金融機関に預けた預託金の中から、中小企業の資金繰りのために実行する融資。
商品内容は自治体が決定するので金利が低く、さらに税金から利子補給や保証料の補助を受けることができる。
銀行が融資し、信用保証協会が保証を行い、地方自治体が利息補助や保証料の補助を行い、3者で実行する融資。

例えば東京都の制度融資には以下のようなものがあります。

商品名 借入条件 金利 返済期間
新型コロナウイルス
感染症対応緊急融資
新型コロナウイルスによって
事業活動に影響を受けていること
1.7%〜2.4% 運転資金10年
設備資金15年
創業融資 創業前もしくは創業後5年未満の
中小事業者
1.5%〜2.5% 運転資金7年
設備資金10年
セーフティネット資金 セーフティネット保証にかかる
市区町村長の認定を受けた
中小企業者
1.7%〜2.2% 10年以内

この他に、銀行や信用金庫には、信用保証協会や保証会社の保証を付けずに融資を行うプロパー融資の取り扱いがありますが、何も保証がないので金融機関にとってリスクの高いプロパー融資は資金繰りに困っている企業はほぼ借りることができません。

信用保証協会から確実に融資を受けるには

信用保証協会から確実に融資を受けるためには以下の2点が重要です。

  • 業績の推移を説明できる
  • 経営計画書を策定する

なぜ業績が上がった(下がった)のか、業績を改善するにはどのような計画があるのかということを具体的に説明できることが重要です。

審査担当者は業績を向上させるため(悪化させないため)に資金が必要と合理的に判断することができれば融資を実行します。

そのため、業績の推移の理由を合理的に説明するとともに、今後の計画を理路整然と説明できることが審査通過の鍵になります。

信用保証協会|中小企業融資の公的保証期間

銀行や信用金庫などの民間金融機関に対して保証を行う信用保証協会へ直接相談することもできます。

信用保証協会は都道府県に1つ存在し、さらに支店を都道府県内各所に複数設けています。

信用保証協会はWEB相談窓口と、出張相談会、ご相談窓口の3つの相談窓口を設けています。

いきなり保証審査に申し込むことはできませんが、民間金融機関の実質的な審査を行っている信用保証協会に相談することで、審査通過のための具体的なポイントやどのような融資を受けることができるのかについて具体的な相談を受けることができることができます。

信用保証協会へ相談するメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。

信用保証協会に相談するメリット|審査通過の可能性が高くなる

信用保証協会に相談するメリットは「相談することによって審査通過の可能性が高くなる」という点です。

信用保証協会へ相談すると信用保証協会から金融機関へ「株式会社〇〇さんが相談に行くから対応してくれ」と連絡が入ります。

信用保証協会は銀行や信用金庫などの融資審査を実質的に行っています。

実質的に審査を行う機関である信用保証協会が金融機関へ紹介したということは「書類さえあげてくれれば保証審査は通すから」ということになるため、金融機関は前向きに手続きを進めますし、信用保証協会の審査もスムーズに進むでしょう。

信用保証協会に相談するデメリット|手続きは二度手間に

信用保証協会に相談することはデメリットもあります。

それは、手続きが二度手間になるという点です。

信用保証協会へ決算書などの持参して相談したとしても、信用保証協会の窓口で融資へ申し込むことはできません。

融資の申し込みを行うのはあくまでも銀行や信用金庫などの金融機関です。

そのため、信用保証協会へ相談に行くと、金融機関を紹介され、金融機関の窓口へ後日訪問しなければなりません。

最初から金融機関へ相談していればこの手間はかからないので、相談の手間が2倍になってしまうのは信用保証協会へ相談するデメリットです。

市区町村役場の商工課|制度融資の相談ができる

市区町村役場の商工課などの、制度融資を取り扱う窓口などにも資金調達の相談をすることができます。

市区町村役場の窓口で相談することができるのは制度融資の中身だけです。

商工課の窓口へ相談することによって確認することができるのは、その自治体にどんな制度融資が用意されているのかということだけです。

専門的な企業の資金繰りについて相談することや、お金を借りることができるかどうかという審査的な目線の相談をすることはできません。

自社が所在する自治体にどんな補助金があるのかを確認したい場合には、自治体窓口へ確認するとよいでしょう。

市区町村役場に相談する2つのメリット

市区町村役場に相談するメリットは以下の2つです。

  • 審査手続きがスムーズに進む
  • 先に商品を把握できる

審査手続きがスムーズに進む

市区町村役場は企業から相談を受けると、金融機関へ融資案件を相談します。

金融機関へ公的機関から紹介があった案件については「何とか融資をしなければならない」と考えるので、融資案件を前向きに進めようと努力するので審査通過の可能性は比較的高くなるでしょう。

先に商品を把握できるので、銀行都合で融資商品を決められない

また、金融機関へ直接相談に行くと、金融機関が売りたい商品を販売されてしまう傾向があります。

しかし、先に自治体窓口へ相談に行くと「自社の状況に見合った最適でお得なローンはどれか」ということを先に知ることができるので、金融機関の思う通りの商品を売りつけられる懸念はありません。

市区町村役場に相談する2つのデメリット

市区町村役場に相談するデメリットは以下の2つです。

  • 二度手間になる
  • 専門的な相談はできない

二度手間になる

市区町村役場へ制度資金を直接申し込んだとしても、金融機関で融資の審査を受けなければなりません。

そのため、市区町村役場へ相談した後に金融機関窓口へ行かなければならないので二度手間になってしまいます。

専門的な相談はできない|お金を借りられるかどうかの相談は不可能

また、市区町村役場は専門的な金融機関ではありません。

そのため「お金を借りることができるかどうか」という資金繰りに困った経営者が最も聞きたい問いに対して答えを得ることは不可能です。

相談できるのはあくまでも「どんな制度融資があるのか、借りるための条件は」ということだけですので、本当に資金繰りに逼迫している事業者の方は活用できないでしょう。

金融機関から事業資金融資を受けることができない時の相談先

「資金繰りに困った」と頭を抱えている経営者の中には、「銀行や日本政策金融公庫からお金を借りることができない」「審査に落ちてしまった」という人も多いのではないでしょうか?

そのような人が資金繰りに困った時に駆け込むべき場所は以下の2つです。

  • ビジネスローン
  • ファクタリング

金融機関の審査に落ちても資金調達することができる方法ですが、デメリットの大きな方法です。

ビジネスローンとファクタリングはメリットとデメリットをしっかりと把握した上で利用を検討しましょう。

ビジネスローン

ビジネスローンとは消費者金融などのノンバンクが融資を行う事業資金です。

資金繰りに困った時に活用することができることは間違いありませんは、メリットとデメリットがかなり大きいのでしっかりと理解しておきましょう。

ビジネスローンのメリットは審査の緩さとスピード

ビジネスローンのメリットは以下の2点です。

  • 審査に通りやすい
  • 融資までの時間が早い

ビジネスローンは審査が緩い

ビジネスローンは銀行や日本政策金融公庫の審査に通過できなくても、審査に通る可能性があります。

金利の高いビジネスローンは銀行や日本政策金融公庫よりも高いリスクを取ることができるので、赤字や債務超過で銀行や日本政策金融公庫の審査に通過できない事業者でも、資金調達できる可能性があります。

最短即日融資可能

またビジネスローンの多くが最短即日融資に対応しており、申込日当日に資金調達することが可能です。

ビジネスローンは業況の悪い事業者が、急いで資金を必要とする場合に有効に活用することができます。

ビジネスローンのデメリットは金利の高さ

ビジネスローンのデメリットは金利の高さです。

ビジネスローンの金利は15%〜18%程度が相場で、1%〜3%程度で借りることができる銀行融資や日本政策金融公庫よりも圧倒的な高コストになります。

「取引先から入金があるまでの1週間」など、必要なタイミングだけ短期間利用するのであればビジネスローンは活用できます。

しかし、ビジネスローンを長期間利用することは企業の資金繰りを確実に圧迫することになります。

ビジネスローン短期的な利用であればメリットはありますが、長期的な利用の場合には収益を大きく圧迫するものと考え、利用する場面を検討した方がよいでしょう。

ファクタリング

ファクタリングとは売掛債権の売却です。

資金繰りに困った時に期日前の売掛金等の売掛債権を保有していれば資金調達を行うことができます。

資金繰りに困った時にファクタリングを利用するメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。

ファクタリングの3つのメリット

ファクタリングのメリットは以下の3つです。

  • 最短即日資金化
  • 売掛先企業の信用で審査を受けられる
  • 借入ではない

最短即日資金調達可能

2社間ファクタリングに申し込みを行えば最短即日で資金化することができます。

急いでお金が必要な時に、手元に売掛債権さえ保有していれば最短即日で資金調達することができる可能性があります。

売掛先企業の信用で審査を受けられる

ファクタリングで審査されるのは自社ではなく売掛先企業の信用です。

そのため、自社の信用がなくても売掛先企業に信用があれば審査に通過することができるでしょう。

借入ではないので貸借対照表が悪化しない

ファクタリングは売掛債権の売却であって借入ではありません。

そのため、ファクタリングで資金調達しても貸借対照表の負債が増えるわけではありません。

負債が増えると自己資本比率が低下して自社のの貸借対象表の評価は下落しますが、ファクタリングでは負債が増えるわけではないので貸借対照表が悪化しないというメリットがあります。

「これ以上借りて銀行評価が悪化してするのを避けたい」という場合にはファクタリングを活用することができます。

ファクタリングのデメリットは手数料の高さ

ファクタリングのデメリットは手数料が高いという点です。

即日資金化に対応した2社間ファクタリングの場合、手数料は5%〜10%となっていることが一般的です。

売掛債権の期日は1ヶ月後程度に設定されていることが多いですが、ファクタリングの場合にはたったの1ヶ月間資金調達するためだけに、売掛債権金額の10%もの手数料を支払わなければなりません。

自社に全く信用がなくてもファクタリングであれば資金調達できる可能性がありますが、その分手数料負担がかなり大きくなってしまうのはデメリットでしょう。

資金繰りに困ったら|何を優先して支払うべき?

「お金が足りない」という状況に陥った時には、会社が支払うべき全ての支払いをすることは多くのケースで不可能です。

支払うべきもの、後回しにできるもの分ける必要があります。

このような場合には優先すべき支払いだけを先に済ませる必要があります。

資金繰りに困った時には以下の順番で支払いを行いましょう。

  1. 手形や小切手の決済代金
  2. 従業員の給料
  3. 税金

最低限、これら3つの支払いだけ先に済ませておけば、倒産する心配はありません。

なぜ、これらの支払いが優先なのか、詳しく解説していきます。

手形や小切手の決済代金|払わないと実質的に倒産する

資金繰りに困ったらまず手形や小切手の決済代金を支払いましょう。

手形や小切手を決済できないと不渡りになります。

不渡りになるとその情報が公表されるので、この時点で銀行から融資を受けている企業は融資金の一括請求が行われます。

一括請求されたのにも関わらず、返済金を用意することができない場合には財産の差し押さえなどが行われる可能性があり、これは実質的な倒産です。

手形や小切手の不渡りは、直接的な倒産の原因となるので、決済代金は最優先で用意しましょう。

従業員の給料|経費の中では最優先

次に優先して支払うべきものは従業員への給料です。

従業員には生活があり、従業員の後ろには家族がいます。

取引先への支払いを待ってもらってでも、従業員への給料は経費の中では最優先に支払うようにして下さい。

従業員の給料を支払わないと従業員が退職してしまい、資金繰りとは無関係に業務継続が困難になります。

経営者として、従業員の給料だけは優先して支払いましょう。

税金|滞納すると融資を受けられない

次に支払うべきものは税金です。

税金を支払わないと銀行や日本政策金融公庫から融資を受けることができないためです。

銀行や日本政策金融公庫の融資では必ずと言っていいほど納税証明書が必要になりますが、納税証明書は税金を支払っていないと発行されません。

納税証明書を発行することができないと銀行や日本政策金融公庫から融資を受ける手段が著しく狭まってしまうので、自社の資金調達手段を確保する意味でも税金は滞納が常態化する前に支払うようにしてください。

借入金の返済は後でいい

多くの人が「優先して支払わなければならない」と考えている借入金の返済は後回しでも問題ありません。

優先すべき支払いを終えるまでは銀行に返済を待ってもらえばよいのです。

「返済しないと差し押さえられるのでは?」と思っている人も多いでしょうが、銀行や日本政策金融公庫はすぐに差し押さえを行うようはことはしません。

事情を伝えればある程度は待ってくれますし、資金繰りが厳しいのであれば資金繰りに対応できるように返済計画の見直し(リスケジュール)にも応じてくれます。

また、金融機関は返済を待つことやリスケジュールに応じることを金融庁から求められてあるので、どうしても返済が苦しい時に無理矢理取り立てたり差し押さえの手続きに入るようなことはしません。

先に優先すべき支払いを行い、返済は待ってもらいましょう。

資本・資産・負債による資金調達手段一覧

資金調達手段 資金調達先・概要 商品名など 資本分類
第三者出資 個人投資家(エンジェル)出資 - 株主資本(エクイティ)
ベンチャーキャピタル出資 - 株主資本(エクイティ)
株式市場 IPO(新規株式公開) - 株主資本(エクイティ)
助成金 厚生労働省 受給資格者創業支援助成金 株主資本(エクイティ)
厚生労働省 地域創業助成金 株主資本(エクイティ)
高齢・障害・求職者雇用支援機構 障碍者雇用納付金制度 株主資本(エクイティ)
高齢・障害・求職者雇用支援機構 高齢者雇用安定助成金 株主資本(エクイティ)
クラウドファンディング リターンがない 寄付形式 株主資本(エクイティ)
製品・サービス等のリターンがある 購入形式 株主資本(エクイティ)
業績により金銭的リターンがある 投資形式 負債(デット)
公的融資制度 日本政策金融公庫 新規開業資金 負債(デット)
女性/若者/シニア等企業家支援資金 負債(デット)
通常貸付 負債(デット)
セーフティネット貸付 負債(デット)
海外展開資金 負債(デット)
事業承継・集約・活性化支援資金 負債(デット)
企業再建資金 負債(デット)
マル経融資 負債(デット)
信用保証協会
(各都道府県)
創業融資(事業開始前) 負債(デット)
創業融資(事業開始後) 負債(デット)
小口資金 負債(デット)
小口零細企業保証 負債(デット)
長期経営資金保証 負債(デット)
経営力強化保証 負債(デット)
季節資金特別保証 負債(デット)
当座貸越根保証 負債(デット)
事業者カードローン 負債(デット)
経営安定関連保証
(セーフティネット)
負債(デット)
債換保証 負債(デット)
予約保証 負債(デット)
ABL保証制度 負債(デット)
中小企業基盤整備機構 中小企業倒産防止共済 負債(デット)
金融機関 銀行・信用金庫等 プロバー融資(証書貸付等) 負債(デット)
手形割引(商業手形) 負債(デット)
当座貸越 負債(デット)
事業者向けカードローン 負債(デット)
預金担保貸付(通常) 負債(デット)
預金担保貸付(総合) 負債(デット)
個人向けカードローン 負債(デット)
ノンバンク 貸金業者 ビジネスローン 負債(デット)
不動産担保ローン 負債(デット)
社債発行 私募債
(信用保証協会・金融機関の保証)
特定社債保証 負債(デット)
新株予約権付社債(CB) - 負債(デット)
不特定多数から調達 ソーシャルレンディング - 負債(デット)
債権の売却 ファクタリング 2社間・3社間 資産売却(アセット)
手形の売却 手形割引 - 資産売却(アセット)
在庫売却 デッドストック買取 - 資産売却(アセット)

資金繰りに困った時によくある質問

Q.資金繰りに困りました。個人向けカードローンでお金を借りてもよいでしょうか?
経営者の個人向けカードローンで会社に必要な資金を調達するのは避けた方がよいでしょう。
個人向けカードローンは唯一事業資金だけには利用することが禁じられているローンですので、会社の支払いに使ったことがバレた時点で一括返済を求められます。
また、個人向けカードローンは金利が高いので、一度借りてしまうと返済することが困難になり、結果的に資金繰りはさらに苦しくなることがほとんどです。
資金繰りが苦しくても、事業の支払いに個人向けカードローンを利用することは避けてください。
Q.どうしても銀行の借金を返済できない時の対処法を教えてください
銀行の借金が返済できない時には、返済できない事情を銀行にしっかりと説明しましょう。
事情があるのであれば銀行は返済を待ってくれますし、慢性的に返済できない事情を抱えているのであれば銀行へ相談することで、「返済期間の延長」や「元金返済の一定期間据え置き」などの方法によって返済できるようにリスケジュールしてもらうことができます。
基本的には1つの借入につき1回までのリスケジュールには応じてもらうことができるので、どうしても返済に困っている場合には銀行へ相談しましょう。
黙って返済に遅れてしまうと、銀行も法的手段に頼らざるを得なくなります。
返済が苦しい時には黙っているのではなく、必ず銀行へ事情とともに説明するようにしてください。
Q.「必ず融資をする」という業者からお金を借りるのは危険でしょうか?
「必ず融資をする」という文言自体、融資の前に広告することは違法行為です。
融資で審査を行うのは法律によって義務付けられた行為であり、審査を行う以上は審査に落ちてしまう可能性も十二分に考えられるため、審査もしていない段階で「必ず融資をする」と確定的な広告を行うことは貸金業法で禁じられています。
このような違法行為を行う業者は、国や都道府県に登録貸金業者として登録していない業者であることがほとんどです。
「必ず融資をする」などと謳っている業者は無登録の違法業者であると考え、絶対に取引をしないようにしてください。
Q.資金繰りに困らないためのコツを教えてください
普段から資金繰りの管理を厳格に行っておくことです。そのためには資金繰り表をしっかりと作成しましょう。
資金繰り表とは、入金で出金を予測し、「○月○日の現預金残高は〜万円」とある時点の預金残高を詳細に把握するための表です。
資金繰り表さえしっかりと作成しておけば「予想外にお金が足りない」「月末、よくわからないけどお金が不足している」という事態を防ぐことができ、お金が足りなくなることを事前に把握することができるので、前もって融資などの手段で資金調達することができます。
一般的な企業では、3ヶ月先までの資金繰り表を作成しておけば、資金繰りの管理をしっかりと行うことができると言われています。
突然、「お金が足りない」という状況にならないよう資金繰り管理は厳格に行うようにしてください。

資金繰りに困ったら1人で抱えずまず相談を

資金繰りに困ったら、1人で抱えることなくまず相談してください。

「どこに相談したらいいか分からない」という場合には以下のような公的な相談機関が相談先として国や自治体が用意しています。

  • 中小機構(中小企業基盤整備機構)
  • よろず支援拠点
  • 都道府県等中小企業支援センター
  • 商工会議所・商工会
  • 税理士・会計士

また、資金調達の相談をしたいという時には銀行や日本政策金融公庫などへ直接相談に行けばよいでしょう。

いずれにせよ、資金繰りに困った時には、自分1人で抱えても何も解決にならないことがほとんどです。

資金繰りの問題を解決する何か有効な方法は必ずあるので、資金繰りに困った時には外部の専門家へ気軽に相談するようにしてください。

また、普段から資金繰りの悩みを相談ができる先を作っておくとよいでしょう。