ファクタリングに対しては、ニュースでも取り上げられた「給料ファクタリング」などのイメージから「怖い」「闇金だったらどうしよう」などのネガティブなイメージを持っている人も多いのではないでしょうか?
しかしファクタリングは、欧米圏では古く16世紀より記録のある資金の流動化を目的とした金融取引で、我が国においてもメガバンクも提供しているサービスです。
各ファクタリング会社はファクタリングのイメージと決別するため「ファクタリング」という言葉を使わない方針を取る企業もあります。
確かにファクタリング会社の中には好ましからざる業者が存在することも事実ですが、大手企業が運営するような有名ファクタリング会社と取引すればコンプライアンスもしっかりしており安心です。
有名企業が運営するファクタリング会社を7つご紹介するとともに、有名企業でファクタリングを利用する際の注意点についても詳しく解説していきます。
有名企業が運営するファクタリング会社
有名企業が運営するファクタリング会社やファクタリング会社そのものが有名なサービスとして以下の7つのサービスをあげることができます。
まずは、これら7社のファクタリングサービスの概要や特徴を解説していきます。
メガバンクが出資しているOLTA
運営会社名 | OLTA株式会社 |
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資本金 | 25億4,361万円 |
買取上限金額 | 1億円 |
手数料 | 2%〜9% |
資金化までのスピード | 最短即日 |
ファクタリング形態 | 2社間 |
対象者 | 法人・個人事業主 |
OLTAはSBIインベストメント、ジャフコ、新生銀行、BEENEXTなどの大手企業などから出資を受けている、ファクタリング会社としては最も巨大で安心できる有名な企業です。
メガバンクや地銀とも続々業務提携を行なっており、取引を行うのであれば最も安心なファクタリング会社だと言えるでしょう。
OLTAの特徴
OLTAのファクタリングの特徴は以下の通りです。
- 完全非対面で契約
- 最短即日で資金化可能
- 2社間ファクタリングのみ
- 上限手数料が低い
クラウドファクタリングの先駆け的な存在であるOLTAは審査も契約も全てオンライン上で完結します。
わざわざファクタリング会社の窓口に行かなくても自宅や会社のパソコンからファクタリングをすることが可能です。
また2社間ファクタリングでありながら、上限手数料が低いのもメリットだといえます。
新生銀行が出資するanew
運営会社名 | 株式会社新生銀行(親会社) |
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資本金 | 5,122億400万円 |
買取上限金額 | 上限なし |
手数料 | 2%〜9% |
資金化までのスピード | 最短即日 |
ファクタリング形態 | 2社間 |
対象者 | 法人 |
anewは新生銀行とOLTAが共同で設立した企業です。
OLTAのファクタリングシステムを利用して新生銀行の資本で買取を行うようなイメージです。
新生銀行は言わずと知れた有名都市銀行ですので、取引を行なっても安全であることは間違いありません。
手数料OLTAと同じ安価な手数料で利用することができます。
anewの特徴
anewのファクタリングの特徴は以下の通りです。
- 審査・契約がオンライン上で完結
- 新生銀行が親会社だから安心
- 手数料が低い
- 即日資金化に対応
- 法人しか取り扱いできない
基本的にはOLTAのファクタリングと同じですので、低い手数料で非対面で即日資金化に対応しているという点は同じです。
ただしanewは法人しか取り扱っていないということに注意しましょう。anewは個人事業主に対してのファクタリングは行なっていません。
なんと言ってもanewは銀行が運営しているファクタリングサービスという点は大きな安心感です。
GMOが運営するBtoB 早払い
運営会社名 | GMOペイメントゲートウェイ株式会社 |
資本金 | 47億12百万円 |
買取上限金額 | 1億円 |
手数料 | 1%〜10% |
資金化までのスピード | 最短2営業日 |
ファクタリング形態 | 2社間 |
対象者 | 法人 |
大手インターネット企業GMOの子会社で大手決済会社のGMOペイメントゲートウェイが提供するのがGMO BtoB早払いサービスです。
なんと言っても大手決済会社が運営しているファクタリングサービスですので安心感が大きなメリットです。
GMO BtoBの特徴
GMO BtoB早払いの特徴は以下の通りです。
- 手数料が低い
- 非対面契約
- 即日資金化は不可能
- 法人のみの取り扱い
GMO BtoB早払いは上限手数料が10%と2社間ファクタリングとしては低いのが最も大きな特徴です。
また、申し込みから入金まで非対面で行うことができるので、わざわざファクタリング会社の事務所まで訪問する手間はかかりません。
ただし、資金化までには2営業日は必要になり、取り扱うのは法人のみです。
個人事業主は利用できませんし、即日での資金化も利用できません。
普段GMOの決済サービスなどを利用している法人は活用できるでしょう。
GMOが運営するフリーナンス
運営会社名 | GMOクリエイターズネットワーク株式会社 |
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資本金 | 9,165万円 |
買取上限金額 | 300万円 |
手数料 | 3%〜10% |
資金化までのスピード | 最短即日 |
ファクタリング形態 | 2社間 |
対象者 | 法人・個人事業主 |
こちらもGMOが運営するファクタリングサービスです。
フリーナンスはGMOの子会社であるGMOクリエイターズネットワーク株式会社が運営しており、決済用口座を作成するサービスです。
決済用口座を作成すると以下の2つのサービスを受けることができます。
- フリーランスが加入できる保険に無料で加入することができる
- 決済用口座を入金先としている売掛債権をファクタリングできる
口座を作成するだけで保険が無料付帯され、ファクタリングサービスを利用できるようになります。
すぐにファクタリングを利用する予定がない人でも、フリーナンスに口座作成だけしておいても損はないでしょう。
フリーナンスの特徴
フリーナンスの特徴は以下の通りです。
- 回収は自動で行なってくれる
- 手数料が低い
- 完全非対面でファクタリング可能
- 12時以前の申し込みで即日資金化可能
- 買取上限額が少ない
フリーナンスは、フリーナンスに代金受け取りの仮想口座を作成した法人・個人事業主だけが利用できます。
そして、ファクタリングできる売掛債権はフリーナンス仮想口座を入金先として指定した売掛債権のみです。
売掛債権の期日になり、フリーナンス仮想口座に入金になった代金をフリーナンスが自動回収するので、納入企業側でファクタリング会社へ振り込む手間は必要ありません。
また、非対面で契約でき、12時までの申し込みで即日資金化に対応してくれます。
ただし、買取上限額は300万円までとなっており、GMO BtoB早払いが1億円まで対応していることと比較すると、フリーナンスは個人事業主や小規模事業者専門のサービスだと言えるでしょう。
業界最大手のPMG
運営会社名 | ピーエムジー株式会社 |
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資本金 | 9000万円 |
買取上限金額 | 2億円 |
手数料 | 3〜8% |
資金化までのスピード | 最短即日 |
ファクタリング形態 | 2社間・3社間 |
対象者 | 法人・個人事業主 |
PMGは店舗型のファクタリング会社としては最も規模が大きく、信頼の厚いファクタリング会社の1つだといえます。
ゼネラルリサーチの調査でファクタリング会社部門で「顧客満足度」「対応スピード満足度」「スタッフ対応満足度」で3年連続1位を獲得しています。
コンサル事業も行なっており、ファクタリングだけでなく会社の資金繰り全体を相談できるのが大きなメリットです。
PMGの特徴
PMGの特徴は以下の通りです。
- 手数料が低い
- 顧客対応が非常によい
- 非対面契約が可能
- 3社間ファクタリングの取り扱いあり
PMGは店舗型のファクタリング会社でありながら上限手数料が8%と非常に低いのが大きな特徴です。
また、店舗型のファクタリング会社でありながらコロナ対策の一環としてZOOMなどで面談を行うこともできるので、非対面で契約することも可能です。
また、PMGは3社間ファクタリングの取り扱いもあるので、取引先にファクタリングを知られてもよいような場合には3社間ファクタリングによってさらに低い手数料でファクタリングを行うこともできます。
東京商工会議所会員のトップマネジメント
運営会社名 | 株式会社トップ・マネジメント |
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資本金 | 5,000万円 |
買取上限金額 | 3億円 |
手数料 | 3.5〜12.5% |
資金化までのスピード | 最短即日 |
ファクタリング形態 | 2社間・3社間 |
対象者 | 法人・個人事業主 |
トップマネジメントは、補助金・助成金申請とファクタリングを同時に行う「ゼロファク」というファクタリングサービスが有名です。
ゼロファクを利用することによってファクタリングの手数料の割引を受けることができます。
補助金や助成金を行政相手に行う会社ですので、取引を行なっても安心な会社だと言えるでしょう。
トップマネジメントの特徴
トップマネジメントの特徴は以下の通りです。
- ゼロファクで手数料や顧問料を節約
- 東京商工会議所会員で安心
- 自社や出張してくれる
- 出張経費をキャッシュバックしてくれる
- 契約には面談が必要
ゼロファクを利用することによってファクタリング手数料が安くなるだけでなく、税理士などに申請手続きを依頼した場合に発生する顧問料を節約することができます。
また、トップマネジメントはファクタリング会社としては非常に珍しく、東京商工会議所の会員でもあります。
地域から信頼を得ている証拠だと言えるでしょう。
契約には面談が必須ですが、自社へ出張してくれますし、この際に支払う必要がある出張旅費もキャッシュバックを受けることができます。
手数料も店舗型のファクタリング会社の中では低めだと言えるので、安心できるファクタリング会社と低い手数料で取引したいという人には最適でしょう。
店舗型では最高クラスの評価|ビートレーディング
運営会社名 | 株式会社ビートレーディング |
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資本金 | 7,000万円 |
買取上限金額 | 3億円 |
手数料 | 2%〜20% |
資金化までのスピード | 最短即日 |
ファクタリング形態 | 2社間・3社間 |
対象者 | 法人・個人事業主 |
手数料は高いですが、ファクタリング会社として信頼と実績を誇り、店舗型のファクタリング会社としては最も高い評価を受けている会社の1つがビートレーディングです。
顧客対応に評判が高く、資金繰り全体の相談をすることができます。
ビートレーディングの特徴
ビートレーディングの特徴は以下の通りです。
- スタッフの専門性が非常に高い
- ファクタリング以外の資金繰り全般の相談ができる
- 契約には面談が必要
- 審査が緩い
ビートレーディングはスタッフの専門性が非常に高く、ファクタリング以外にも資金繰り全般の相談をすることができます。
また、顧客対応も数多くの口コミで高い評価を得ているファクタリング会社です。
手数料の上限が他のファクタリング会社よりも高い分、審査も柔軟に行なっており、他社から断られたファクタリングでも買取に応じてくれる可能性があります。
契約には面談が必須ですので、即日資金化することができるのは、即日でビートレーディングの事務所へ訪問することができる人だけだと理解しておきましょう。
有名メガバンクのファクタリングは使えない?
「三菱UFJやみずほなどのメガバンクもファクタリングを扱っているのでは?」と思った人も少なくないのではないでしょうか?
確かに有名メガバンクも傘下にファクタリング会社を保有していますが、現実問題として、急いでお金が必要な中小企業には、これらのファクタリングは活用できません。
メガバンクのファクタリングが使えないと言われる理由を見ていきましょう。
メガバンク傘下のファクタリングは3社間のみ
三菱UFJもみずほも三井住友も傘下にファクタリング会社を抱えています。
しかし、これらのファクタリング会社は3社間ファクタリングや国際ファクタリング、保証ファクタリングなどしか取り扱いがありません。
大きな企業が輸出をする際に円滑に決済ができるようにするためや、売掛債権が貸し倒れないように保証を行うなど、早期資金化のためではなく企業活動をサポートするようなファクタリングだけを取り扱っています。
短期間で資金を調達することができるようなファクタリングはメガバンク傘下のファクタリング会社は取り扱っていません。
コンプライアンス上の問題で2社間は取り扱えない
銀行系の大手ファクタリング会社は短期間で資金調達することができる2社間ファクタリングは取り扱っていません。
2社間ファクタリングの手数料は利息制限法の上限金利を超えており、これに対して「利息制限法や貸金業法違反ではないか?」という批判があるのは事実です。
また、利息制限法の範囲内ではリスクが高すぎて取り扱うことができません。
※利息制限法上限金利
元本が10万円未満のとき → 年20%
元本が10万円以上から100万円未満のとき → 年18%
元本が100万円以上のとき → 年15%
2社間ファクタリングで収益を得るためにはどうしても利息制限法を超える手数料を設定しなければなりませんが、利息制限法を超える手数料には批判があるのが事実です。
コンプライアンス重視の銀行はリスクは取らないので、2社間ファクタリングの取り扱いは行なっていません。
大企業のファクタリング会社は増えつつある
主にコンプライアンス上の理由でメガバンクのファクタリングは中小企業にとって活用することが難しいですが、最近はファクタリング会社として大企業へ成長した会社や、そもそも大企業がファクタリングへ積極参入しているケースも見受けられます。
OLTAは企業そのものが巨大化
OLTAは三菱UFJフィナンシャル・グループが開催したアクセラレータ・プログラムに採択された会社です。
SBIインベストメント、ジャフコ、新生銀行、BEENEXTから、18億円の第三者割当増資を受けるなどして、創業からすでに30億円もの資金調達に成功して企業が巨大化しています。
時代の流れとともにファクタリングが普及し、OLTAはその流れの中で、自ら巨大化して大企業へと成長しています。
GMOは大企業が積極的にファクタリングに参加
一方、そもそもの大企業がファクタリング業界に参入しているケースもあります。
大手インターネット企業であるGMOは大企業向けにGMO BtoB、個人事業主やフリーランス向けにフリーナンスというサービスを展開しています。
GMOグループは銀行、FX、仮想通貨などあらゆる金融分野や参入していますが、ファクタリングにおいてもGMO BtoBやフリーナンスで進出を初めています。
GMOという安心感から今後はファクタリングにおいてもさらに規模を拡大していくでしょう。
有名企業のファクタリングの注意点
有名企業のファクタリングを利用すれば間違いなく安心です。
しかし、有名企業のファクタリングには問題点があるのも事実です。
- 審査が厳しい傾向がある
- 審査に柔軟性はない
- 取引を重ねても手数料が下がらないことも
有名企業のファクタリングは主に審査で中小のファクタリングよりもデメリットが生じてしまうでしょう。
有名企業のファクタリングの3つの注意点について詳しく解説していきます。
審査が厳しい傾向がある
有名大手企業が運営するファクタリング会社は審査が厳しい傾向があります。
有名企業のファクタリングには多くの人が申し込みを行います。
そのため、わざわざ甘い審査で多くのリスクを取らなくても、しっかりと利益を確保することができます。
有名企業のファクタリングは、それなりに厳格な審査を行い、リスクの高い顧客は審査で落とされてしまう可能性があります。
「ファクタリングは審査に落ちることがほどんどない」と考えている人も多いですが、有名企業では審査落ちになってしまうリスクがある点に注意しましょう。
審査に柔軟性はない
有名大手企業のファクタリングは審査を画一的な基準で行なっており、場合によってコンピューターのシステムが点数化することで審査するケースもあります。
そのため、審査に柔軟性がありません。
中小のファクタリング会社では多少基準から外れているような企業でも、「経営者としての人間性がよいから」などの数字からは判断できないような理由で審査に通過させてくれることもあります。
しかし、大手有名ファクタリング会社は基準外であればまず審査に通過することができないので、審査に融通が効きません。
審査落ちした時などは、交渉しても審査に通過することは難しいでしょう。
取引を重ねても手数料が下がらないことも
さらに有名大手ファクタリング会社は取引の回数を重ねてもなかなか手数料が下がらないことも珍しくありません。
そもそも最初から手数料設定が低いので手数料が下がりにくいという面もありますが、大手は機械的な審査を行なっているため担当者やファクタリング会社との信頼関係を構築することが難しいですし、そのようなアナログな情報は顧客を評価する材料として重視されない可能性が高いためです。
中小のファクタリング会社であれば取引を重ねることによって手数料が下がっていくことが多いですが、大手は取引を重ねても手数料が下がりにくいという点に注意しましょう。
有名企業のファクタリングについてよくある質問
- 有名企業のファクタリングであればいわゆる闇金などの心配はありませんか?
- 有名企業のファクタリングはいわゆる闇金などが偽装している心配はありません。
資本関係がしっかりしており、場合によっては上場企業であることもあるので、取引をしても安心です。
反対に、名前を聞いたことがない企業と取引する際には闇金などの可能性もあるので必ず事前に口コミなどを調べるようにしてください。
- 有名企業のファクタリング向いていない人を教えてください
- 審査通過に自信にない企業や個人事業主です。有名企業のファクタリングは手数料が低く、審査が厳しめになっているという特徴があります。
そのため、優良売掛債権を持たない企業は審査に通過できるかどうか不透明ですので、審査に通過する自信がない場合には有名企業ではなく中小のファクタリング会社へ申し込みをした方がよいでしょう。
- 有名企業は信用情報ブラックでも審査に通過できますか?
- 有名企業であっても個人信用情報は審査で加味されません。審査されるのは売掛先企業の与信と自社の資金繰りなどです。この際に個人信用情報を確認するようなことはしないので審査ではブラックでも通過できますし、ブラックであることを審査で知られる心配もありません。個人事業主の方は信用情報ブラックだと消費者金融のビジネスローンに通過することができない場合がありますが、この場合にはファクタリングの利用を検討してみましょう。
まとめ
有名企業が運営するファクタリングサービスはいくつかあります。
有名企業のファクタリングに申し込むことによって安全ですが、その分審査は厳しくなる傾向にあります。
審査に自信があるのであれば有名企業のファクタリングの方が手数料が安く安全でしょう。
それぞれの企業の特徴をよく理解した上で、自社に最も適したファクタリングサービスを選択するようにしてください。