企業経営をしていく中で、常に資金が手元に潤沢にあるわけではありません。

「来週まで待てばお金が入ってくるのに、その期間までに必要なお金が手元にない。」という場合にはつなぎ資金を確保する必要があります。

短期間だけの確保で事足りる つなぎ資金は、一般的な外部からの資金調達方法と比較して、資金調達手段が多数あります。

どうしても自己資金などで用意することができない場合には、つなぎ資金にはビジネスローンやファクタリングでも確保することが可能です。

つなぎ資金の基本的な考え方と、つなぎ資金の調達方法を詳しくご紹介していきます。

 

つなぎ資金とは?つなぎ資金が必要になる3つのタイミング

つなぎ資金とは、資金が不足する短期間をつなぐための資金です、ある特定の入金があるまでの間の期間限定で必要になる資金です。

例えば「来週、銀行融資が確定しているけど、そこまでに会社を回していく運転資金がない」というような場合につなぎ資金が必要になります。

具体的には以下のようなケースでつなぎ資金が必要になることが多くなります。

  • 補助金・助成金が入ってくるまでの時間
  • 銀行融資が降りてくるまでの時間
  • 取引先から売上が入ってくるまでの時間

つなぎ資金が必要になる具体的なタイミングなどについて詳しく解説していきます。

補助金・助成金が入ってくるまでの時間

補助金や助成金は申請から入金になるまで数ヶ月かかることも珍しくありません。

また、補助金や助成金は後払いになることが基本です。

例えば、ある設備を導入するため、100万円の補助金を利用するとしても、補助を受けることができるのは設備購入後になるのが一般的ですので、少なくとも一時的に100万円を用意しておかなければなりません。

採択が決まっている補助金や助成金が実際に入金になるまでの期間、つなぎ資金が必要になります。

また、助成金の採択が決まった場合に、実際に助成金が入金になるのは100万円を支払い設備を導入した後です。

後払いの助成金や補助金が入金になるまでの期間のつなぎ資金が必要になります。

銀行融資が降りてくるまでの時間

銀行融資か入金にあるまでの時間、つなぎ資金が必要になることもあります。

銀行融資は申し込みから借入まで2週間程度の時間がかかってしまうので、資金的に苦しい企業はつなぎ資金を用意しなければなりません。

すでに借入が確定している銀行融資が実行されるまでの間、つなぎ資金が必要になることはよくあります。

取引先から売上が入ってくるまでの時間

取引先から売上が入金になるまでの時間、つなぎ資金が必要になることもよくあります。

日本の商慣習では、売上が即入金とはならず、売上発生から入金までは2ヶ月程度かかってしまいます。

この間をつなぐ資金は必ず必要になります。

また、不景気の時などは、取引先から「申し訳ないが、支払いを1週間待ってほしい」などと、予定されていた入金が数日ズレてしまうことも珍しくありません。

このような時に手元に資金がなければ自社が支払いができないため、つなぎ資金が必要になります。

このように、つなぎ資金とは、確定している入金があるまでの一定期間限定で必要になる資金を指します。

つなぎ資金の調達方法

つなぎ資金を調達する方法として主に以下の4つの方法をあげることができます。

つなぎ資金を調達する4つの方法について詳しく解説します。

銀行の極度枠

銀行に極度枠を作成してあるのであれば、その枠を使ってつなぎ資金を調達する方法が最適です。

極度枠とは「〇〇万円までならいつでも自由に借りられる」という借入枠のことで、極度枠を作成する際にすでに審査に通過しているため、審査なしで借入をすることができます。

極度枠の金利は格付けによって決定し、いくら格付けが高い企業でも5%前後の金利で借りることが可能です。

つなぎ資金が必要になった時に備え、あらかじめ銀行に極度枠を作成しておき、極度枠からつなぎ資金を借りるのが最善の方法だと言えます。

経営者個人からの借入

経営者個人や役員が個人的な預金を持っているのであれば、一時的に個人から借りておくというもの1つの方法です。

つなぎ資金は確定している入金があるまでに短期間だけ必要な資金ですので、経営者個人から借りたとしても確実に返済することができます。

金利も発生しないので、急ぎの場合は経営者や役員などの個人から借り入れる方法で資金調達するとよいでしょう。

ビジネスローン

ビジネスローンにはつなぎ資金の調達方法に適した以下のような特徴があります。

  • 最短即日融資
  • 審査が緩い
  • 長期借入には不向き

ビジネスローンは申込日当日に融資を受けることができる最短即日融資に対応しているため、取引先などから突然入金が遅れる連絡が入ってもすぐに対応することができます。

また、銀行融資よりも審査が緩いので、資金繰りが苦しく審査で不利になるような企業でも審査に通過に通過できる可能性が高く、短期間だけの借入であれば利息負担もそれほど多くなりません。

そもそも15%〜18%程度の高金利が適用されるビジネスローンでは、長期間の借入をしてしまったら利息負担が多くなりすぎてしまいます。

1ヶ月以内程度の短い期間だけつなぎ資金として借入をすれば、金利が高くても利息負担はそれほど多くなりません。

例えば100万円を金利が15%で1週間だけ借りた場合には、利息負担は2,877円です。

このように、ビジネスローンはつなぎ資金に適した商品だと言えます。

ファクタリング

ファクタリングもつなぎ資金調達手段として活用することができます。

ファクタリングとは売掛債権を売却して期日前に早期資金化する方法です。

最短即日振込に対応しているため、急いでお金が必要な時には活用できます。

また、ファクタリングで審査させるのは売掛先企業の信用です。

資金繰りが苦しい自社が借入審査に通過できないときでも、ファクタリングであれば審査に通過して資金調達することができる可能性があります。

緊急でつなぎ資金が必要になる時は、手元の売掛債権を資金化するファクタリングも選択肢に入れておきましょう。

つなぎ資金にオススメのビジネスローン3選

つなぎ資金には即日で資金調達でき、審査がゆるいビジネスローンが非常に向いています。

数あるビジネスローンの中でもつなぎ資金に適した特徴を持っているのが以下の3つ(4つ)のビジネスローンです。

  • アイフルビジネスファイナンス
  • オリックスVIPローンカードBUSINESS
  • 個人事業主ならアコムやプロミス

つなぎ資金に適したビジネスローンを詳しくご紹介していきます。

アイフルビジネスファイナンス

アイフルビジネスファイナンスとは、以前はビジネクストという会社名でビジネスローンのトップシェアを誇っていた会社です。

2020年7月から親会社であるアイフルの名前を冠した会社名へ変更になりましたが、ローンの内容は以前と同じです。

借入限度額 1,000万円
金利 15.0%〜18.0%
融資までの速度 最短即日

最短即日融資に対応しており、金額も1,000万円までの高額対応です。

ビジネスローンの中では高額融資に対応しているため、中規模以上の企業のつなぎ資金にもアイフルビジネスファイナンスのビジネスローンは活用できる可能性があります。

オリックスVIPローンカードBUSINESS

オリックスクレジットが提供するビジネスローンで、商品概要は以下の通りです。

借入限度額 800万円
金利 6.0%~17.8%
融資までの速度 最短即日

審査が最短60分で完了するのが大きな特徴です。

急いでお金が必要な時は、とにかく早く審査結果を知る必要がありますが、オリックスVIPローンカードBUSINESSは60分で審査回答を得ることができるので、急な資金繰りに最適です。

法人名で借りることはできませんが、会社の社長個人名で借りることができるので、社長個人で借りたお金を会社へ貸し付けることで、つなぎ資金として利用することが可能です。

総量規制対象外で最高800万円の融資まで対応しているため、中規模企業のつなぎ資金調達にも活用できる可能性があります。

個人事業主ならアコムやプロミス

個人事業主ならアコム「ビジネスサポートカードローン」やピロミスの「自営者カードローン」もつなぎ資金の調達手段として活用することができます。

アコムの「ビジネスサポートカードローン」の商品概要は以下の通りです。

借入限度額 300万円
金利 12.0%~18.0%
融資までの速度 最短即日

また、プロミスの「自営者カードローン」の概要は以下の通りです。

借入限度額 300万円
金利 6.3%~17.8%
融資までの速度 最短即日

上限金利は若干異なりますが、その他はほとんど同じ商品内容となっています。

これらのローンは個人事業主専用のローンで、アコムやプロミスのカードローンと同様に、審査時間が早く、無人契約機でカードの受け取りが可能です。

事業サポートプランも自営者カードローンも融資限度額は300万円までと、それほど高額の対応はしていません。

しかし、個人事業主であれば300万円で十分である可能性が高いので、高い確率で即日融資を受けることができるアコムやプロミスのビジネスローンでつなぎ資金を確保することも検討するとよいでしょうり

つなぎ資金に適したファクタリング

つなぎ資金確保にはファクタリングも適しています。

しかし、ファクタリング会社の中には法外な手数料を設定する悪徳業者も混じっているため、業者選びが非常に重要になります。

つなぎ資金の確保に適したおすすめのファクタリング会社は以下の3社です。

  • OLTA
  • ビートレーディング
  • ベストファクター

つなぎ資金の調達におすすめのファクタリング会社3社の特徴を詳しく解説していきます。

OLTA

OLTAの概要は以下の通りです。

買取限度額 -
金利 2%〜9%
融資までの速度 最短即日

2社間ファクタリングでありながら上限手数料が9%と、手数料が低いのはもちろん、WEB上で契約完結させることができるので、自宅や会社にいながら資金調達可能です。

忙しくてファクタリング会社の事務所に行っている時間がないという人もOLTAであれば、確実につなぎ資金を調達することができます。

ビートレーディング

ビートレーディングは店舗型のファクタリング会社として圧倒的な信頼と実績を誇る優良ファクタリング会社です。

買取限度額 3億円
金利 2%〜20%
融資までの速度 最短即日

「会社の資金繰りなどの相談をしながら安心して取引をしたい」という人に、コンサルティング機能も充実してあるビートレーディングはおすすめで、多くの人が安心してファクタリングで資金化を行なっています。

当日中に契約することができれば最短即日の資金調達にも対応可能です。

契約には面談が必要になるものの、遠方の場合には出張にも対応してくれるので忙しい経営者の方でも確実に契約することができます。

ただし、2社間ファクタリングを初回利用する場合には、手数料がそれなりに高くなってしまう点はデメリットと言えるかもしれません。

ベストファクター

ベストファクターもビートレーディングと並ぶ優良店舗型ファクタリング会社です。

買取限度額 1億円
金利 2%〜20%
融資までの速度 最短即日

担当者の対応がよく、知識が深いという特徴があり、ファクタリングのことだけでなく、会社の資金繰り全般に対して的確なアドバイスを受けることが可能です。

資金繰りに困窮してつなぎ資金が必要になっているのであれば、相談してみるとよいでしょう。

ビートレーディングと同じく契約には面談が必須ですが、出張にも対応しているので、忙しい経営者も確実につなぎ資金を確保することができます。

まとめ

つなぎ資金は、一定期間だけのタイミングに期間限定で調達しなければならない資金です。

補助金や助成金、銀行融資、取引先からの入金などが会社へ入金になるまでなど、様々なタイミングでつなぎ資金は必要になります。

つなぎ資金を外部から調達する方法として、ファクタリングやビジネスローンなどの手段がありますが、それぞれの手段は業者選びが非常に大切になります。

必要なタイミングで安心して資金調達ができるよう、自社に合った業者からつなぎ資金を調達して下さい。