企業の資金調達手段としてスタンダードになりつつあるのがファクタリングです。

ファクタリングとは、売掛債権を早期に資金化する資金調達手段で、銀行融資にはない様々なメリットがあり、銀行融資の代替としても活用することができます。

今やかなりメジャーになったファクタリングですが「今さらファクタリングについて聞くことができない」という人も多いのではないでしょうか?

ファクタリングの概要や注意点など、ファクタリングの基礎について分かりやすく解説していきます。

 

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ファクタリングとは|売掛債権を売却する資金調達法

ファクタリングとは、売掛金などの売掛債権を活用した資金調達手段です。

ファクタリングの特徴は5つです。

  • 売掛債権を期日前に売却
  • 回収リスクも一緒に売却
  • 売掛先の与信で審査を受けられる
  • 担保・保証人なしで利用可能
  • 資金使途が自由

ファクタリングの5つの特徴について、詳しく解説していきます。

売掛債権を期日前に売却

ファクタリングは期日前の売掛債権をファクタリング会社へ売却し、早期資金化を可能にするものです。

例えば翌月末に入金予定の売掛金をファクタリングすることによって、翌月末を待つことなく最短即日で資金調達することができます。

売掛金は期日になるまで支払手段として全く活用することができない資産ですが、ファクタリングを利用すれば期日を待たずに資金化することが可能です。

回収リスクも一緒に売却

ファクタリングの大きな特徴が、売掛債権の回収リスクも一緒に売却することができるという点です。

ファクタリングによって売却した売掛債権が売掛先の倒産や資金不足で期日通りに支払われなかったとしても、その損失はファクタリング会社が負ってくれます。

この点が手形割引やABLと最も大きな違いです。

売掛債権には期日通りに支払われない回収リスクがつきものですが、ファクタリングを利用することによって売掛債権の回収リスクを回避することができます。

売掛先の信用で審査を受けられる

ファクタリングで審査されるのは、主に売掛先企業の財務内容や決算状況です。

ファクタリング後、ファクタリング会社にとっての債務者は売掛先企業になるため、ファクタリング会社にとっては納入企業の信用よりも売掛先企業が「期日通りに代金を払うことができるかどうか」という点の方が大切です。

そのため、自社の業況が悪く、銀行などから融資を受けることができないような場合でも、ある程度優良な企業の売掛債権さえ手元に持っていればファクタリングの審査に通過して資金調達することができる可能性があります。

売掛先企業が赤字や債務超過でなければ審査に通過できる可能性は決して低くないでしょう。

自社に対する審査ではなく、売掛先企業に対して審査が行われるというのがファクタリングの大きな特徴です。

ファクタリングは、銀行融資の審査に通過できない時の代替策としても有力な資金調達手段になります。

担保・保証人なしで利用可能

ファクタリングを使用するためには担保も保証人も必要ありません。

ファクタリングは売掛債権さえ持っていれば利用することができます。

融資の際には担保や保証人を要求されることがあるので、資産価値のある不動産などを持っている人の方が審査で有利です。

ファクタリングでは担保や保証人は必要ないので、どのような事業者でも平等に資金調達することができます。

資金使途が自由

ファクタリングは資金使途が自由です。

ファクタリングによって調達した資金は何にでも使用することができます。

銀行融資では資金使途が重視される

銀行融資では資金使途がかなりうるさく確認され、事業資金で借りたお金は事業にしか使用することができませんし、必要もないお金を借りることは不可能です。

また、申込時には「何にお金を使うのか」という資金使途確認資料も必要になります。

ファクタリングは資金使途確認なし

ファクタリングは売掛債権の金額までであれば、必要か否かに関わらず利用することができますし、調達したお金は設備資金に使おうが運転資金に使おうが経営者の生活費に使おうが何も言われません。

また、申込時に資金使途を確認する資料の提出も不要です。

銀行融資と比較してファクタリングの方がお金の使い道に関して自由度がかなり高いというのも大きなメリットだと言えるでしょう。

ファクタリングには保証型と買取型がある

ファクタリングには保証型と買取型という異なるサービスの違いがあります。

  1. 保証型|売掛債権のデフォルトリスクだけを保証するもの
  2. 買取型|売掛債権の期日前に早期資金化するもの

それぞれの違いを詳しく見ていきましょう。

保証型とは?|売掛債権のデフォルトリスクだけを保証

保証型のファクタリングとは、売掛債権が回収不能になった時の損失を補填するファクタリングです。

例えばA社に対する売掛債権100万円に対して、保証ファクタリングを利用した後に、A社の倒産などによって売掛債権が回収不能になった場合、ファクタリング会社が100万円(一定の保証率)を補填してくれるというものです。

早期資金化はしない

保証型ファクタリングでは売掛債権が回収不能になった時のリスクである、デフォルトリスクだけを排除するものであって、早期資金化は行いません。

一般的にファクタリングというと「売掛債権の早期資金化」というイメージがありますが、ファクタリングには「売掛債権のデフォルトリスクを排除する」という非常に重要な役割があります。

保証型の保証ファクタリングでは「売掛債権のデフォルトリスクを排除する」という点だけに特化しています。

保証ファクタリングを取り扱うファクタリング会社として代表的なファクタリング会社は以下の2社です。

  • 三菱UFJファクター
  • みずほファクター

保証ファクタリングを取り扱うのは主に銀行系のファクタリング会社です。

サービスの内容などについて詳しく解説していきましょう。

保証ファクタリング提供おすすめ2社

三菱UFJファクター|メガバンク傘下の大手ファクタリング会社

三菱UFJファクター

三菱UFJファクターは日本最大のメガバンクである三菱UFJ銀行を抱えるMUFGグループのファクタリング会社です。

取り扱っているファクタリングは幅広く、買取ファクタリングや保証ファクタリング意外ににも、国際ファクタリングや代金回収業務やでんさい一括ファクタリングなどの様々な事業を手掛けています。

保証ファクタリングを得意としているので、新規取引先で支払いが心配というような会社があるのであれば、三菱UFJファクター相談してみましょう。

みずほファクター|国際ファクタリングにも強い

みずほファクターみずほファクターはみずほ銀行を傘下に持つみずほフィナンシャルグループのファクタリング会社です。

保証ファクタリングや買取ファクタリングも取り扱っていますが、みずほファクターが最も強みを持っているのが、国際ファクタリングです。

海外のファクタリング会社と連携して、貿易取引の支払を保証する国際ファクタリングは、従来の信用状での取引よりも圧倒的に貿易がスピーディーになります。

みずほファクターは世界 90 か国の主要銀行系ファクター会社や保険会社系のファクター会社等国際ファクタリング会社が加盟する国際ファクター連盟の総会において、「過去 5 年間の最優秀ファクター賞」を受賞している国際的にも非常に評価の高いファクタリング会社です。

保証ファクタリングにおいても同様に高い質を誇っているので、保証ファクタリングも国際ファクタリングも安心して相談できるでしょう。

買取型とは?|売掛債権の期日前に早期資金化

買取型のファクタリングとは、売掛債権をファクタリング会社が買い取り、売掛債権の期日前に早期に資金化する方法です。

最短即日で資金化できるファクタリング会社も多数存在するので、「急いでお金が必要」という場合に活用することができます。

買取型のファクタリングにおいては契約当事者の違いによって2社間ファクタリングと3社間ファクタリングに分かれます。

以下、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの違いについて、詳しく解説していきます。

契約当事者の違いでファクタリングは2社間と3社間に分かれる

ファクタリングは契約当事者に売掛先企業が加わるかどうかによって2つの仕組みに分かれます。

  1. 2社間ファクタリング
  2. 3社間ファクタリング

2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの仕組み等の違いについて詳しく解説していきます。

2社間ファクタリングとは?

2社間ファクタリング

2社間ファクタリングとは自社とファクタリング会社だけの契約で、売掛先企業は関与しません。

したがって、売掛先企業に秘密でファクタリングすることができます。

また、契約がスムーズに進むので2社間ファクタリングは即日資金調達に対応したものが数多くあります。

売掛債権の期日になると売掛先企業は自社の口座へ売掛債権の代金を振り込みます。

その後、自社がファクタリング会社へ代金をスライドさせる形で送金すれば返済完了となります。

手数料は高め

ただし、売掛債権の決済代金が自社を経由する2社間ファクタリングは、自社が資金流用してしまうリスクがあるため、手数料は10%程度と比較的高くなるのがデメリットです。

2社間ファクタリングで代表的なファクタリング会社は以下の2社です。

2社間ファクタリングおすすめ2社

OLTA|日本最大のクラウドファクタリング

OLTA

手数料 2%~9%
資金化までのスピード 最短即日
ファクタリング方式 2社間

OLTAは申込から契約まで非対面で完結するクラウド型のファクタリング会社の代表格です。

24時間以内に審査回答があるので、最短で即日〜1営業日程度で資金化することが可能です。

WIT(ウィット)|少額&即日専門のファクタリング会社

WIT(ウィット

手数料 5%~20%
資金化までのスピード 最短即日
ファクタリング方式 2社間

WITは買取価格500万円以下を専門としている少額のファクタリング専門の会社です。

取り扱うファクタリングは2社間のみとなっており、スピーディーに資金化することを得意としています。

「急いで資金が必要」という時には活用することができるファクタリング会社です。

3社間ファクタリングとは?

3社間ファクタリング

3社間ファクタリングは自社と売掛先企業とファクタリング会社の3者で契約するファクタリングです。

事前に売掛先企業の同意を得てファクタリングを行うので、売掛先企業へ秘密にすることはできません。

売掛債権期日になると、売掛先企業がファクタリング会社へ直接返済を行います。

手数料は低い

自社を資金が経由しない3社間ファクタリングはファクタリング会社のリスクが少ないので、1%〜5%程度の低い手数料でファクタリングすることが可能です。

資金化に時間がかかる

ただし、契約手続には1週間程度の時間がかかるので、資金化までには時間がかかってしまいます。

売掛先企業の中にファクタリングに理解のある企業があり、そこまで急いで資金が必要ではないのであれば、3社間ファクタリングを利用した方が低いコストで資金調達することができます。

3社間ファクタリングを取り扱う代表的なファクタリング会社は以下の2社です。

3社間ファクタリングおすすめ2社

  • ビートレーディング
  • ベストファクター

これらの2社は2社間ファクタリングも取り扱っていますが、3社間ファクタリングでも高い評価を得ています。

ビートレーディング|ファクタリング会社のパイオニア

ビートレーディング

手数料 1.5%〜
資金化までのスピード 最短即日
ファクタリング方式 2社間・3社間等

ビートレーディングは店舗型ファクタリング会社として、担当者の対応や知識について高い評価を得ているファクタリング会社です。

設立が平成24年4月とファクタリング会社としては歴史が長く、累計相談件数は実に85,000件以上にのぼる、まさにファクタリング会社のパイオニア的な存在と言えるでしょう。

コンサルティング業務も行っているので、ファクタリングだけでなく会社の財務内容全体についての相談をすることもできる頼もしい存在だと言えます。

ベストファクター|企業イメージ調査で3冠獲得

ベストファクター

手数料 2%〜
資金化までのスピード 最短即日
ファクタリング方式 2社間・3社間

ベストファクターも店舗型のファクタリング会社として非常に高い評価を誇っています。

2社間でも3社間でも顧客に見合った最適なファクタリングを提案してくれますし、審査通過率も非常に高くなっています。

何よりも評価されている点が担当者の対応です。

親切・丁寧なのはもちろん、財務的な知識が深いので資金繰り全般の相談に乗ってもらうことができるでしょう。

なお、ベストファクターは日本トレンドリサーチという会社が行ったファクタリング会社の企業イメージ調査で3冠を獲得している外部からの評価の非常に高い会社です。

ファクタリングで取り扱う3つの債権の違い

ファクタリングは売掛債権を早期に買い取るものですが、その債権には以下の3つの種類があります。

  1. 将来債券
  2. 注文書
  3. 請求書

一般的に「売掛債権の買い取り」と認識されているのは請求書になります。

しかし、ファクタリングには将来債権を買い取るものや注文書を買い取るものも存在します。

それぞれの違いについて詳しく解説していきます。

将来債権ファクタリング

将来債権とは「現在すでに債権発生の原因が確定し、その発生を確実に予測しうるもの」を示します。

判例によって将来債権の譲渡は有効性が認められている

将来債権の譲渡については昭和53年の判例によって「現在すでに債権発生の原因が確定し、その発生を確実に 予測しうるものであるから、始期と終期を特定してその権利の範囲を確定することに よって、これを有効に譲渡することができる」と有効性を定義しています。

また、「現在すでに債権発生の原因が確定し、その発生を確実に予測しうるもの」がどういった場合であるかについては、平成11年の判例によって「①将来債権については、債権発生の確実性は債権譲渡契約の効力を左右しないこと、②公序良俗に反しない限り、始期終期を明確にし、目的債権が特定されていれば、原則有効」と定義されました。

つまり、1年を超えるような長い期間の将来債権であっても、公序良俗(他債権者や株主配当との優位性)に反することなく、始期と終期が明確になっており、目的債権が特定されているものであれば、その譲渡は有効だと判例は示しています。

売上が発生していなくても将来債権は譲渡可能

例えばA社が、特定の取引先であるB社に対して継続的安定的に売掛債権を有する場合に当該売掛債権は将来債権と判断され、譲渡することが可能になります。

実際に売上が発生していなくても、特定の取引先などに対して安定的に発生している売上については「将来債権」と判断されて資金化することができるので、資金繰りは大きく改善します。

将来債権ファクタリングで資金調達したお金で将来の売上のための仕入れなどを行うことができるので、従来の「売上発生→ファクタリングで資金調達」という流れから、「ファクタリング→売上」という流れへと180度資金の流れを変えることが可能です。

将来債権の買取を行うファクタリング会社としてはクレディセゾンMI Vision(エムアイビジョン)などが有名です。

注文書ファクタリング

注文書ファクタリングとは、取引先からの注文書を債権と看做してファクタリングによって売却するファクタリングです。

例えば取引先から100万円の注文が入った時、当該注文書を注文書ファクタリングで買い取ってもらうことができます。

大口の注文が入れば、それだけ運転資金が増加するので、増加運転資金の借入などに追われる経営者は少なくありません。

注文書ファクタリングで増加運転資金の心配なし

しかし、大口の注文が入った時に注文書ファクタリングを利用すれば、将来の売上がすぐに現金化するので、運転資金の調達に追われることはありませんし、売上入金までの資金ギャップを0日とすることができるので資金繰りは圧倒的に改善します。

従来は「大きな仕事ができるのは豊富な資金力がある会社だけ」というのが当たり前のようになっていましたが、注文書ファクタリングを活用すれば資金力に乏しい企業でも大きな仕事を受注できるようになるでしょう。

注文書ファクタリングを扱っている会社は以下の2社が代表的です。

注文書ファクタリング(受注書買取)のおすすめ2社

  • GMOペイメントゲートウェイ
  • ビートレーディング

GMOペイメントゲートウェイ|安心の大手インターネット企業のファクタリング会社

GMO BtoB早払い

GMOペイメントゲートウェイは大手インターネット会社のGMO子会社のファクタリング会社です。

従来より「GMO BtoB 早払い」というファクタリングサービスを展開していましたが、注文書の買取も早くから行ってきたファクタリング会社です。

注文書の買い取りを希望する人はもちろん、「安心できるファクタリング会社と取引したい」という人にも大手インターネット企業傘下のGMOペイメントゲートウェイはおすすめの企業です。

ビートレーディング|2020年11月にサービス開始

ビートレーディング

店舗型のファクタリング会社で、買い取りファクタリングでは高い評判を誇っているビートレーディングは2020年11月に注文書ファクタリングサービスもスタートさせました。

「6ヶ月先の納品予定の注文書まで資金化可能」と明記されており、資金繰りを大幅に改善させることができます。

注文書と通帳3ヶ月分を用意すれば申し込みができるので、「注文書を資金化したい」という方はファクタリングで豊富な実績を誇っているビートレーディングへ気軽に相談するとよいでしょう。

請求書ファクタリング

請求書ファクタリングとは、商品やサービスを納品(提供後)に取引先に対して交付した請求書を資金化する方法です。

売上発生後に資金化するファクタリングですので、最もポピュラーなファクタリングと言うことができるでしょう。

請求書ファクタリングはファクタリングを取り扱う全てのファクタリング会社で取り扱っているといっても過言ではありません。

  • 将来債権:受注前
  • 注文書:受注時
  • 請求書:納品後

請求書ファクタリングは最も遅い段階で債権を認識し、資金化する方法になります。

それぞれ、債権の違いを理解して適切なタイミングでファクタリングを使い分けることが重要です。

ファクタリング契約が受注側・発注側で異なる契約

ファクタリングには、受注者発で行われるファクタリングと、発注者発で行われるファクタリングがあります。

「誰からファクタリングを依頼するのか」というファクタリングの違いについても詳しく解説していきます。

受注者発のファクタリング

受注者発のファクタリングとは通常のファクタリングのことです。

通常、ファクタリングは以下のような流れで利用されます。

  1. 受注者が発注者から仕事を受注
  2. 受注者が発注者に対して商品・サービスを納品
  3. 受注者が発注者に対して請求書を交付→売上と売掛債権が発生
  4. 受注者が請求書をファクタリング会社へ売却して早期資金化

このように、通常のファクタリングでは受注者自らファクタリング会社へ売掛債権売却の打診を行う、売掛債権を早期に資金化します。

発注者発のファクタリング|リバースファクタリングとは?

リバースファクタリングとは、受注者(下請け)への早期資金提供を目的に、発注者(元請け)と締結されるファクタリングです。

リバースファクタリングを利用することで、ファクタリング会社より、本来の支払期日前に受注者(下請け)に先払いが行われるため、「発注者」は支払いを先延ばしできるとともに「受注者」は先払いを受けることができ、取引全体の資金繰りが改善するメリットがあります。

通常のファクタリングとは逆の流れである発注者発で行われるファクタリングを依頼者が逆(=リバース)という意味でリバースファクタリングと呼ばれます。

リバースファクタリングにおけるファクタリングの流れ

リバースファクタリングでは、以下のような流れで発注者がファクタリング会社に対してファクタリングの申し込みを行います。

  1. 発注者がファクタリング会社へリバースファクタリングを申し込む
  2. 受注者から発注者へ商品が納品された後、発注者は受注者より請求書を受け取る
  3. ファクタリング会社が受注者へ請求金額の先払いを行う
  4. 先払いした請求金額の支払期日に、発注者からファクタリング会社へ支払いを行う

このように、わざわざ発注者がファクタリング会社へ申し込みを行い、ファクタリング会社から受注者に対して代金を先払いするよう計らいます。

親会社や元請け企業が子会社や下請け企業のために行う

リバースファクタリングでは、下請け会社や子会社を抱える元請け企業や親会社が下請け企業や子会社の資金繰りのニーズを叶えるために利用されることが多いファクタリングです。

発注者がすぐに資金を支払う資金力がなくてもリバースファクタリングを利用することで、下請けや子会社に早期に資金提供を行うことができます。

リバースファクタリングはビートレーディングなどの店舗型のファクタリング会社へ相談すれば対応してもらうことができるでしょう。

ファクタリングはどんな時に活用できる?

ファクタリングは企業の資金繰りに寄与します。

特に、以下のような場面ではファクタリングを活用することができるでしょう。

  • 急いで資金が必要な時
  • 銀行融資の審査に落ちた時
  • 売掛先の支払いが心配な時

ファクタリングが活用できる3つの場面について詳しく解説していきます。

急いで資金が必要な時

急いで資金が必要な時はファクタリングが活用できます。

2社間ファクタリングは最短即日で資金化することができるので、急いで資金が必要な時に最適です。

銀行融資は申し込みから融資まで平均的に2週間程度、早くても1週間程度の時間がかかってしまいますが、2社間ファクタリングであればすぐに資金調達可能です。

「当てにしていた取引先からの入金が遅れると急に連絡が入った」
「銀行融資が審査に時間がかかり予定通り入金にならない」
「手形の期日にお金が用意できない」

このように急いで資金を用意しなければならないタイミングでは、ファクタリングを活用することができるでしょう。

銀行融資の審査に落ちた時

銀行融資の審査に落ちてしまった時もファクタリングが活用できます。

ファクタリングの審査基準ば銀行融資とは全く異なり自社の信用に対してではなく、売掛先企業の信用に対して行われます。

赤字や債務超過でも審査通過の可能性あり

自社が赤字や債務超過で銀行融資おろかビジネスローンすら借りることができない場合でも、ファクタリングであればある程度安定した企業の売掛債権さえ手元に持っていれば審査に通過できることがあります。

業況や財務状態が悪く借入の審査に通らない時や、銀行融資を借りたばかりで審査に通過できない時などにファクタリングは活用できます。

売掛先の支払いが心配な時

売掛先が期日通りに支払うかどうか不安な時はファクタリングを利用するとよいでしょう。

ファクタリングは回収リスクも一緒にファクタリング会社へ売却することができます。

そのため、売掛先が万が一倒産したり資金ショートしてもファクタリングしておけば自社に損失は及びません。

初めて取引する企業にファクタリングは有効

最初に取引する企業は、信頼できる企業かどうかが非常に不透明です。

このような海のものとも山のものとも分からない企業と取引する場合には、ファクタリングを利用して売掛債権のデフォルトリスクをあらかじめ排除しておくと安心です。

ファクタリングの3つの注意点

銀行融資に代わる便利な資金調達手段であるファクタリングですが、利用する際には以下の3つの点に注意しなければなりません。

  • 融資よりも手数料が高い
  • 取引先に知られる可能性がある
  • 業者選びは自己責任

ファクタリングを利用する前に理解すべき3つの注意点について詳しく解説していきます。

融資よりも手数料が高い

ファクタリングは手数料の高さがネックです。

2社間ファクタリングの手数料は10%程度ですが、これはたったの1ヶ月間の資金調達だとしても必要になってしまいます。

1ヶ月資金調達するために10%の手数料を支払うとしたら、年利は120%ということであり、これは明らかにコスト負担としては高すぎると言わざるを得ません。

銀行融資の場合

銀行融資の金利が1%〜4%程度ですので、100万円を1ヶ月だけ金利4%で借りた場合の利息負担は以下の通りです。

100万円×4%÷365日×30日=3,288円

ファクタリングの場合

ファクタリングで10%の手数料を支払い場合には、100万円×10%=10万円ですので、手数料負担は圧倒的にファクタリングの方が高くなります。

やはり優先して申し込むべきなのは銀行融資で、ファクタリングは銀行融資の代替資金調達手段として利用すべきでしょう。

取引先に知られる可能性がある

ファクタリングを利用するとファクタリングを利用したことが取引先に知られる可能性があります。

そもそも3社間ファクタリングは取引先への通知・同意なしに手続きすることができませんし、2社間ファクタリングでも債権譲渡登記を行う場合、アクセス可能情報となり、売掛先企業に知られる可能性がゼロではありません。

ファクタリングをしたことが売掛先企業に知られてしまうと「資金繰りが苦しい危ない会社」などとネガティブに判断されてその後の取引に悪影響してしまう可能性もあります。

銀行融資は取引先に知られない

銀行融資を利用したかどうかを取引先に知られることはありません。

一方、ファクタリングを利用すると取引先に知られる可能性があるというのは、ファクタリングのデメリットだと言えるでしょう。

業者選びは自己責任

ファクタリングは自分の責任で安全な業者を選ばなければなりません。

ファクタリング業を営むためには、貸金業のように行政の許認可は必要ないので、安全なファクタリング業者かどうかを確認するための客観的な指標が存在しないのが実情です。

業者の中には相場よりもかなり高い手数料、売掛債権のリスクを遥かに上回る手数料を設定する会社も存在します。

できる限り安価で安全な業者と取引するためには、自分の責任で最適なファクタリング会社を探す必要があるという点に注意しましょう。

ファクタリング業者の選び方

最後にファクタリング業者の選び方を解説していきます。

  • 手数料の比較
  • 対応のよさや相性
  • 2回目以降の手数料
  • インターネットなどの口コミ

ファクタリング業者の数は無数にあり、消費者金融における貸金業法のような法律がないので、安心安全な業者を選ぶ客観的基準が存在しません。

自分の判断で優良ファクタリング業者を選べるようになりましょう。

手数料を比較する

ファクタリングの手数料はファクタリング会社によって大きく異なり、高い業者は手数料の安い業者の倍以上の手数料を設定することも珍しくありません。

そのため、どこに申込をしていいか分からない時には複数の業者から見積もりを取り、最も手数料が低い業者と取引をするようにしましょう。

手数料は売掛先企業や自社の信用によって異なりますが、20%を超えるような手数料を設定された場合には、明らかに手数料が高いと言えます。

そのような業者と取引はしない方が無難です。

ファクタリング会社担当者の対応のよさや相性

ファクタリング会社の担当者と電話した際の対応のよさなどの印象も大切です。

基本的に優良なファクタリング会社は顧客対応がよいものですし、大きな企業ほどオペレーターの人的体制も充実しています。

また、自社にとって資金繰りは非常に重要な問題ですので

「何か感じが悪い」
「相性が合わない」

などの違和感を感じた場合にはその会社と取引をすることは避けた方がよいでしょう。

ファクタリング会社の中には、ファクタリング以外にも資金繰り全般に関して相談に乗ってくれる業者は多数存在します。

なんでも相談することができる関係性を構築できるファクタリング会社と取引をするようにしましょう。

2回目以降の手数料

優良なファクタリング会社は2回目以降の手数料が下がる傾向にあります。

そのため、2回目以降の取引なのに手数料が下がらない業者とは取引をしない方が無難です。

また、2回目以降の取引なのに手数料が下がらない場合には

「手数料は下がらないのですか?」と交渉するとよいでしょう。

インターネットなどの口コミ

ファクタリング会社と実際に契約する前にはインターネットなどの口コミを確認することも重要です。

ファクタリングは行政の許認可が必要ないので、安全な業者かどうかの客観的な指標がありません。

そのため、ファクタリング会社がどのような業者なのかを知るためには、ファクタリング会社の口コミを参考にするのが最も無難です。

インターネットの口コミから、その会社を利用した人の感想や、手数料はどの程度なのかということを事前に調べ、ある程度「取引しても安心」と判断できる業者とのみ取引をするようにして下さい。

ファクタリングの利用を検討されている方へ

ファクタリングとは売掛金などの売掛債権をファクタリング会社へ売却し、売掛債権の期日よりも先に資金化する方法です。

  • 最短即日で資金調達可能
  • 売掛先企業の信用で審査に通る
  • 売掛債権のデフォルトリスクも売却できる

などの特徴があり、借入にはないメリットがありますが、以下の点には注意が必要です。

  • 融資よりも手数料が高い
  • 取引先に知られる可能性がある
  • 業者選びは自己責任

特に業者選びに関してはファクタリングは自分の責任で安心できる業者を選ぶということが非常に重要です。

インターネットの口コミなどを確認し、間違いのない業者選びを心がけてください。