ファクタリングという言葉を耳にする機会が多くなったという経営者の方も多いのではないでしょうか?

ファクタリングを銀行融資とは別の外部からの資金調達手段です。

ファクタリングを理解しておくことは企業の資金調達チャネルを1つ増やすことに繋がります。

この記事ではファクタリングという言葉を初めて聞く人でもファクタリングが理解できるように解説していきます。

ファクタリングを理解して、いざという時の資金調達に困らないようになりましょう。

「ファクタリング」という言葉の意味

「ファクタリング」という言葉の意味

そもそもファクタリングという言葉はどんな意味があり、どんなルーツがあるのでしょうか?

「英語だから」と頭から苦手意識を持っている人も多いかもしれませんが、ファクタリングの意味は簡単なものですので、理解してしまいましょう。

英語のfactorから派生した言葉

ファクタリングは元々英語のfactorから派生した言葉です。

factorの意味としては以下のようなものがあります。

要因、要素、原因、代理商、問屋、仲買人、因数、因子

これを現在分詞にしたものをfactoring(ファクタリングと言います。

factorの意味はあまり詳しく覚えておく必要はありませんが、ファクタリングはfactorから派生した言葉という程度は豆知識として理解しておいて損はないでしょう。

ファクタリングの意味とは?

ファクタリングとは売掛債権の買取です。

詳しくは後述しますが、ファクタリングは期日前の売掛金を売却して現金化することです。

売掛債権の売却とfactorの意味には何も関連性がないようにも思えます。

しかしfactorには代理商や仲買人という意味があります。

そもそもファクタリングの歴史は古く、16世紀にイギリスで誕生したのが起源と言われています。

当時はヨーロッパからアメリカ大陸への移住者に対する毛織物の輸出が盛んで、ファクタリングを行うファクター(ファクタリングを行う会社)は毛織物の製造業者の信用調査を行い前払いで代金を支払い、毛織物を保管販売するという役割を担っていました。

つまり、ファクターは最初は仲買人だったのです。

近代になって毛織物の輸出は下火になったため、ファクターから製品の保管と販売を行う代理店機能は失われ、信用調査と資金提供としての機能だけ残り、現在の形となっています。

ファクタリングはそもそもの成り立ちが仲買人だったため今も代理店を意味するファクタリングという呼ばれかたをしているのです。

ファクタリングが企業にとって必要な意味

資金ショート時にファクタリングが有効な3つの理由

ファクタリングはこれまで企業が抱えてきた売掛金や取引先の与信管理の悩みを解決することができる可能性を持っています。

ファクタリングが企業にとって必要になる意味はまさにこの点にあります。

ファクタリングは企業経営に必要であると言える意味について詳しく見ていきましょう。

売掛債権は期日まで資金化できない

売掛金は期日になるまで資金化することはできません。

例えば1/10に取引先に100万円分の商品を販売したとします。

日本の商慣習では支払いは後払いですので、相手の販売先が「月末締め翌月末払い」というような場合には締め日と入金日は以下のようになります。

  • 販売日:1/10
  • 締め日:1/31
  • 支払日:2/28

このように、掛けで販売することによって、売上があってから入金になるまでには1ヶ月半以上のタイムラグが空いてしまうことになります。

このタイムラグのことを資金ギャップと言います。

売上があってから入金になるまでの間にも、企業には給料や仕入れや家賃など様々な支払いがあります。

つまり、手元にある程度の運転資金を持っていないと、売上があり、黒字状態であるにも関わらず、企業は資金ショートして倒産してしまう可能性があります。

また、売掛金は、手形のように支払手段として活用することもできません。

取引先から受取手形で支払いを受けたのであれば、手形割引によって銀行からお金を借りることもできますし、手形を裏書譲渡して他社に対する支払手段として利用することもできます。

しかし、売掛金は期日になるまでには支払手段として全く活用することができない資産なのです

ファクタリングによって資金ギャップを埋めることができる

 

ファクタリングとは支払期日が到来する前の売掛債権を売却して資金化することです。

1/10に発生した売掛金を1/20に売却すれば、本来であれば2月末まで資金化することができなかった売掛金を1ヶ月以上前に資金化できます。

ファクタリングによって資金化すれば、1月末の支払いをすることも可能になります。

このように、ファクタリングを利用することで資金ギャップを埋めて、資金ショートや黒字倒産を防ぐことができる効果があるのです。

取引先の与信管理を審査のプロに任せられる

与信管理をアウトソーシング

ファクタリングが企業に必要なもう1つの意味は取引先の与信管理を任せることができるという点です。

「売掛金が残っている取引先が急に倒産した」という場合には、売掛金を回収することは非常に困難ですし、実際にバブル期にはこのような事例によって多くの企業が連鎖倒産しています。

そのため、企業にとっては取引先の与信管理を継続的に行うということは非常に重要です。

しかし、ほとんどの企業では本格的な審査を行うことはできません。

地域や近所の評判などをあてにして管理をしている企業が大半でしょう。

ファクタリングを利用すれば、審査のプロが取引先企業の審査を行なってくれるので、自社で取引先の与信管理を行うよりも間違いなく精度の高い審査を行うことができます

また、初めて取引をする企業に対しては多くの企業が慎重に審査を行なっていますが、やはり専門的な審査ができているわけではありません。

契約時に経営者個人を連帯保証人にするのが精一杯という企業が多いのではないでしょうか?

海のものか山のものかも分からない、新規取引先に対してもファクタリングを利用すれば、「新しい取引先が信頼に値する企業なのかどうか」ということを専門的な審査の観点から知ることができます

時間と手間をかけても専門的な審査を行うことができなかった与信管理の正確性向上が図れるので企業経営にとってファクタリングは大きな意味があります。

ファクタリングの流れ

ファクタリング説明図

実際に取引先に商品を販売してから、ファクタリングによって資金化されるまでの流れについて確認していきましょう。

基本的に取引の流れはシンプルなものですし、資金化が早いファクターに申し込みをすれば最短即日で売掛債権が資金化できる可能性もあります。

商品販売からファクタリングによる現金化までの流れを詳しく解説していきます。

納入企業が商品を顧客に納品する

まずは納入企業である自社が取引先企業にに商品を納品します。

この際に、支払方法や支払期限などについて確認をしておくようにしましょう。

請求書を発行して売掛金が発生する

取引先企業が納品を確認したら、請求書を発行しましす。

日本の商慣習においては請求書をこちら側から発行しないと基本的に支払いを受けることはできませんので、必ず請求書を発行するようにしましょう。

そして、請求書を発行したら売掛金が発生します。

ここでは、仮に100万円の売掛金が発生したとしておきましょう。

自社がファクタリングの利用を検討する

売掛金の期日までに自社の資金が不足する場合、売掛金の支払期限が長い場合などはファクタリングの利用を検討します。

ファクタリング会社では見積もりを取ることができます。

ファクタリング会社は売掛先企業と自社の業況などから審査を行い、審査によって「ファクタリングを引き受けるかどうか」「手数料がどのくらいなのか」ということが決定します。

見積もりで算定された手数料によってファクタリングを実施するか否かを検討しましょう。

ファクタリングによって早期資金化

見積もりに納得できたらファクタリングを実施します。

ファクタリングでは手数料を差し引いた金額が入金になります

例えば100万円の売掛債権を手数料5%で売却した場合には、手数料5万円を差し引いた95万円が自社の口座へ入金になります。

資金化までに時間がかからないファクターであれば、申込日当日には振り込みを行なってくれる会社も存在します。

 

ファクタリングが企業経営にもたらす意味

様々なファクタリングサービス

ファクタリングは企業経営に対してメリットとデメリットの両方をもたらします。

ファクタリングが企業経営にもたらす良い意味と悪い意味、それぞれを理解して、ファクタリングは上手に活用することが必要です。

ファクタリングは企業経営にとってどんな意味があるのか詳しく見ていきましょう。

売掛金を期日前に資金化できる

ファクタリングが企業経営に大きく貢献することができる点としては、やはり売掛金を期日前に資金化することができるところでしょう。

資金ギャップを埋めることができるのはもちろん、最短即日で資金化することができるので急に資金が必要になった時も重宝します。

「予定していた取引先からの入金が急に遅れることになった」

「予定していた銀行融資が間に合わない」

このように急に資金が必要になってもファクタリングであれば必要な資金調達をすることができる可能性があるのです。

銀行融資とは異なる資金調達手段としてファクタリングを頭に入れておくことには絶対に無駄ではありません。

売掛先の与信で資金調達ができる

ファクタリングは売掛債権の売却ですので、売掛金期日になってファクターにお金を支払うのは売掛先です。

そのため、ファクタリングでは自社の与信よりも売掛先企業の与信が重視されます。

優良企業の売掛金を持っていれば、自社の経営が悪く銀行融資を受けることができない状態でもファクタリングで資金化することができる可能性があります

企業経営が大きく傾いた時の緊急時の資金調達手段としてファクタリングは重宝します。

売掛金の回収リスクを回避することができる

ファクタリングは原則としてノンリコースで行われます。

ファクタリングにおけるノンリコースとは、売掛債権がデフォルトした際の損失はファクターが背負うというものです。

つまりファクタリングした後には、売掛先が仮に倒産しようとも自社に責任は及ばないということです。

銀行で手形割引などの融資を受けた場合には、売掛先が倒産した場合に、回収不能に陥った部分に関しては自社に責任が及びます。

また、手元に持っている売掛債権に関しても売掛先がデフォルトした場合には、その売掛債権は不良債権となってしまい、予定していた入金がなくなり資金ショートしてしまうかもしれません。

企業経営において避けて通ることができない売掛先のデフォルトリスクをファクタリングであれば回避することができるのです。

高額な手数料負担が経営を圧迫する

ファクタリングには決して安くはない手数料が発生します。

ファクタリングには売掛先の同意が不要な2社間ファクタリングと、売掛先の同意が必要な3社間ファクタリングがありますが、それぞれの手数料相場は以下のようになっています。

  • 2社間ファクタリング:10%〜20%
  • 3社間ファクタリング:5%〜10%

銀行の事業資金融資は金利が低く、2%前後で借りることができる場合もあります。

銀行融資と比較すると、この手数料負担は非常に大きなものとなっており、手数料の負担は企業の収益を確実に圧迫します

ファクタリングというと、資金繰りの円滑化などの良い意味ばかりクローズアップされていますが、企業経営に対してマイナスになる面もあるということをしっかりと理解しておいた方がよいでしょう。

様々なファクタリングサービス

様々なファクタリングサービス

ファクタリングは「売掛債権の買取」だと解説しましたが、ファクタリングには他にも様々な形があります。

それぞれのファクタリングの形を理解してファクタリングを活用することで、自社の資金繰りや与信管理をさらに効率化することができるでしょう。

主なファクタリングの形としては以下のようなものがあります。

  • 買取ファクタリング
  • 医療報酬債権ファクタリング
  • 保証ファクタリング
  • 国際ファクタリング

それぞれのファクタリングの意味や仕組みについて簡単に解説していきます。

買取ファクタリング

買取ファクタリングとは、ここまで解説してきた「売掛債権の売却」です。

買取ファクタリングには2社間ファクタリング3社間ファクタリングがあります。

  • 2社間ファクタリング:売掛先の同意なしで契約可能。売掛金期日になると売掛先が自社の口座に代金を振り込み、自社がファクターに支払いを行う。売掛先に秘密にできるが手数料は高い。即日資金化も可能
  • 3社間ファクタリング:売掛先の同意を得て契約、売掛金期日になると売掛先がファクターへ支払いを行う。売掛先に秘密にすることはできないが、手数料は安い。資金化までに1週間程度の時間がかかる。

取引先に秘密にしたいのであれば2社間、手数料を抑えたいのであれば3社間、できる限り早く資金化したいのであれば2社間など、ニーズに応じて選択しましょう。

医療報酬債権ファクタリング

診療報酬、介護報酬専用のファクタリングです。

診療報酬や介護報酬の支払いは3ヶ月後になるこる支払いスパンが長い債権です。

病院や介護施設などが診療報酬や介護報酬の債権をファクタリングする際に利用するのが医療報酬債権ファクタリングです。

売掛先が国などの公的機関ですので、ファクター側とすればリスクが低いことから手数料は2%程度と非常に安価になっています。

保証ファクタリング

保証ファクタリングはファクターに保証料を支払い売掛債権の保証を行うものです。

保証ファクタリングによって保証を受けた売掛債権がデフォルトした場合に、ファクターから保証を受けることができます。

工期が長い建設業では、工事が完了して代金が入金になるまでの間に倒産してしまう業者も存在するため、保証ファクタリングが利用されることがあります

国際ファクタリング

国際ファクタリングとは、ファクターが海外のファクターと連携して、海外の企業の与信管理と代金回収を行うファクタリングです。

取引先が海外企業の場合には、海外企業の与信管理や代金回収を行うのは国内企業と比較して非常に困難です。

そこで、国際ファクタリングを利用することによって安心して海外企業へ輸出ができるようになるのです。

国際ファクタリングを取り扱うためには、国際的にネットワークを持っている大きな会社しか不可能です。

そのため、国際ファクタリングはメガバンク傘下の大手ファクターしか取り扱っていません。

ファクタリングに関するよくある質問

長期運転資金を必要とする時にはファクタリングを利用することに意味はありますか?
長期間の資金繰りにはファクタリングは意味はありません。将来的に入ってくる予定の資金を前倒しで資金化するだけですので、むしろ長期的に資金繰りが苦しくなる可能性の方が高くなります。ファクタリングは短期的にお金が必要になるタイミングで利用することが効果的です。
返済期日が過ぎている債権をファクターに買い取ってもらうことはできますか?
期日が過ぎている債権を売却することは不可能です。ファクターが買い取るのは期日前の正常な債権だけです。
3社間ファクタリングを売掛先に秘密にする方法はありますか?
3社間ファクタリングでは売掛先に秘密にすることはできません。売掛先の同意が必ず必要になるので、3社間ファクタリングでは売掛先に必ずファクタリングしたことがバレてしまいます。秘密したいのであれば2社間ファクタリングを利用するしかないでしょう。

まとめ

ファクタリングとは、売掛債権を売却して売掛金の期日前に資金化することです。

上手に活用することによって企業経営には大きなプラスの意味をもたらします。

急な資金繰りにも対応することができるので、実際に利用するかどうかはともかくとして、資金調達チャネルの1つとして意味と概要は理解しておいた方がよいでしょう。